まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ

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未亡人になるまで

謝罪

 ダンスをしながら、あの時の謝罪をしたいと話すブライアン様に、謝罪は結構だときっぱりと断ることにした私。

「……っ。リア、謝罪をすることも許してくれないのか?」

 そんな辛そうな目で見つめられても、私は何も感じなかった。
 あの時の心の傷は、私の心を氷のように硬くて冷たいものに変えてしまったらしい。

「謝罪されても、心の傷は癒えませんわ。謝罪するくらい悪いと考えているならば、すぐに婚約解消して、私を自由にして下さいませ。」

 周りには聞こえないであろう声の大きさで、婚約解消をお願いしてみる。

 デビュタントで婚約者との初めてダンスなのに、そんな特別な時間に、婚約解消の話をする大馬鹿者は私くらいだろうなと、自分でも呆れそうになる。
 でもそれくらい私は、この男が嫌いだったし、関わりたくなかったのだ。

「………それは出来ない。」

 この男は、この先も私のことを苦しめるつもりでいるようだ。
 
 いいタイミングで曲が終わる。
 
「バーネット様、ありがとうございました。」

「リア、もう一曲………」

 え、婚約者だから二曲踊る気なのかしら?その時だった…。

「シャノン嬢!私達とも踊ってくれないか?」

 横から声を掛けてくれたのは、私の敬愛する生徒会の先輩方だった。

「生徒会長…?」

「シャノン嬢、生徒会のメンバーでデビュタントは踊ろうと約束していただろう?」

 さすが敬愛する先輩方だ。こんな時、公爵令息の力は有り難い。

「はい。約束しておりましたわね。
 バーネット様、今日はありがとうございました。」

「リア、楽しかったよ。今日はおめでとう。
 また後日連絡する。では…。」

 




「シャノン嬢、デビュタントおめでとう。」

「生徒会長、ありがとうございます。」

 さすが公爵令息だけあって、ダンスが上手なお方だ。

「噂では聞いたことがあるが、さっきのバーネット卿は君の婚約者なのか?」

「…はい。」

「バーネット卿は令嬢方に人気で、将来を有望視される騎士なのに、君はあまり嬉しそうにしないのだな。」

「そんなことはありませんわ…。」

「何か事情があるのかもしれないが気を付けろ。君たちのことを誰が見ていて、聞き耳を立てているのか分からない。君たちは目立つから、尚更気をつけることだ。」

 ダンスを踊りながら婚約解消の話をしていたから、私達の険悪な雰囲気がバレてしまったかしら?…気を付けないと。

「はい。気を付けます。先輩方に助けてもらえて嬉しかったです。」

「……困ったことがあれば、何でも話すようにな。私は口は堅い方だ。」

 優しくて、面倒見が良くて、知的な雰囲気が素敵な生徒会長。この方に憧れている令嬢は沢山いる。
 私もあんな婚約者がいなければ、普通に恋をしてみたかった…。
 今はこの方の優しさが嬉しくもあり、残酷でもある。

「ありがとうございます。頼りにしておりますわ。」



 生徒会長と踊った後、副会長や会計をしている先輩方と踊り、私のデビュタントは終了した。


 

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