55 / 104
新しい生活
夜会にて 1
しおりを挟む
夜会当日。
私達がすべき夜会の準備は前日までに終わらせたので、今日は自分の準備に集中しなくてはならない。
朝から湯浴みやマッサージ、トリートメントをしてメイド達に磨かれ、夜会が始まる少し前には王妃殿下の所に向かった。
今日はヘミングウェイ伯爵夫人と一緒に、王妃殿下の側に付いていなければならないのだ。
「ふふ。アメリア、合格です!」
「シャノン様、素敵ですわ。」
王妃殿下の侍女が見窄らしく見えることはあってはいけないので、二人の反応を見てホッとする私。
そのまま、大広間の王族専用の入り口に移動する私達。
そこには既に国王陛下や王太子殿下と妃殿下、その側近達が揃っていた。
王太子殿下とは、ワイラー侯爵令嬢から殿下に近づかないでと言われてから初めて顔を合わせるので、とにかく気まずい。
「アメリア、久しぶりね。今日も美しいわ。ドレスも貴女にとても似合っていて素敵よ。」
そんな私に優しく声を掛けてくれたのは、王太子妃殿下だった。
「王太子妃殿下、ご無沙汰しております。
妃殿下の美しさに比べましたら、私など霞んで見えてしまいますわ。」
「ふふ。そんな謙遜しないでちょうだい。貴女とはまた話がしたいと思っていたから、そのうちまた二人でお茶会でもしましょうね。
殿下!今日のアメリア、とても素敵だと思いませんか?」
妃殿下はすぐ近くにいた王太子殿下に話を振る。
……ううっ。気まずいのに。
「ええ。とても素敵ですね。シャノン嬢のドレスは母上がプレゼントしたと王宮内で噂になっておりましたが、とてもお似合いですよ。」
殿下の微笑んだ顔が眩しかった。気まずいと思っていたけど、そんな風に言ってもらえたら、嬉しいに決まっている。
私も殿下に憧れる令嬢の中の一人になってしまったのね…。
「勿体ないお言葉でございます。」
その一言を返すのが精一杯だった。
王族が会場に入場する時間となり、国王陛下と王妃殿下、王太子殿下と王太子妃殿下がそれぞれ入場した後に、側近達が会場入りする。
側近としての夜会は初めてのことで、とにかく緊張してしまっていたのだが、ヘミングウェイ伯爵夫人が側にくれたことが心強く感じた。
予想はしていたが、色々な人の視線を感じる。
「シャノン様。大丈夫です!堂々としなさい。」
隣に立つヘミングウェイ伯爵夫人だった。上司としてこの方ほど頼もしい人はいないのではと思う。
「はい。ありがとうございます。」
建国記念のお祝いの乾杯をした後に、国王陛下と王妃殿下、王太子殿下と妃殿下のダンスで夜会が始まる。
完璧で美しいダンスだった。
王太子殿下と妃殿下のダンスは息がぴったり合っていて、楽しそうに会話をしながら踊る二人は、素敵な夫婦に見えた。
王族のダンスが終わり、王妃殿下が私達の所に戻って来た。
それと同時に、沢山の貴族達が王妃殿下に挨拶にやってくる。
沢山の貴族に一言ずつ言葉を掛ける王妃殿下は、すごいわね。
国王陛下と王妃殿下が二人で椅子に座り、ワインを飲んでいると、王太子殿下と妃殿下がやって来る。
「王妃殿下。側近のシャノン嬢をダンスにお誘いしてもよろしいですか?」
王太子殿下…、このような場で何を言っているの?
私なんかより相応しい令嬢が沢山いるのに。
「勿論よ。アメリア、踊って来なさい。」
王妃殿下が許可してしまったら…
「ありがとうございます。
シャノン嬢、私と踊って頂けませんか?」
「はい。喜んで。」
王妃殿下も妃殿下も、ヘミングウェイ伯爵夫人も、私達をみて微笑んでいた。
そんな目で見ないで欲しいわ。
そんな私の気持ちにお構いなく、殿下は私をエスコートして広間の真ん中に行くのであった。
私達がすべき夜会の準備は前日までに終わらせたので、今日は自分の準備に集中しなくてはならない。
朝から湯浴みやマッサージ、トリートメントをしてメイド達に磨かれ、夜会が始まる少し前には王妃殿下の所に向かった。
今日はヘミングウェイ伯爵夫人と一緒に、王妃殿下の側に付いていなければならないのだ。
「ふふ。アメリア、合格です!」
「シャノン様、素敵ですわ。」
王妃殿下の侍女が見窄らしく見えることはあってはいけないので、二人の反応を見てホッとする私。
そのまま、大広間の王族専用の入り口に移動する私達。
そこには既に国王陛下や王太子殿下と妃殿下、その側近達が揃っていた。
王太子殿下とは、ワイラー侯爵令嬢から殿下に近づかないでと言われてから初めて顔を合わせるので、とにかく気まずい。
「アメリア、久しぶりね。今日も美しいわ。ドレスも貴女にとても似合っていて素敵よ。」
そんな私に優しく声を掛けてくれたのは、王太子妃殿下だった。
「王太子妃殿下、ご無沙汰しております。
妃殿下の美しさに比べましたら、私など霞んで見えてしまいますわ。」
「ふふ。そんな謙遜しないでちょうだい。貴女とはまた話がしたいと思っていたから、そのうちまた二人でお茶会でもしましょうね。
殿下!今日のアメリア、とても素敵だと思いませんか?」
妃殿下はすぐ近くにいた王太子殿下に話を振る。
……ううっ。気まずいのに。
「ええ。とても素敵ですね。シャノン嬢のドレスは母上がプレゼントしたと王宮内で噂になっておりましたが、とてもお似合いですよ。」
殿下の微笑んだ顔が眩しかった。気まずいと思っていたけど、そんな風に言ってもらえたら、嬉しいに決まっている。
私も殿下に憧れる令嬢の中の一人になってしまったのね…。
「勿体ないお言葉でございます。」
その一言を返すのが精一杯だった。
王族が会場に入場する時間となり、国王陛下と王妃殿下、王太子殿下と王太子妃殿下がそれぞれ入場した後に、側近達が会場入りする。
側近としての夜会は初めてのことで、とにかく緊張してしまっていたのだが、ヘミングウェイ伯爵夫人が側にくれたことが心強く感じた。
予想はしていたが、色々な人の視線を感じる。
「シャノン様。大丈夫です!堂々としなさい。」
隣に立つヘミングウェイ伯爵夫人だった。上司としてこの方ほど頼もしい人はいないのではと思う。
「はい。ありがとうございます。」
建国記念のお祝いの乾杯をした後に、国王陛下と王妃殿下、王太子殿下と妃殿下のダンスで夜会が始まる。
完璧で美しいダンスだった。
王太子殿下と妃殿下のダンスは息がぴったり合っていて、楽しそうに会話をしながら踊る二人は、素敵な夫婦に見えた。
王族のダンスが終わり、王妃殿下が私達の所に戻って来た。
それと同時に、沢山の貴族達が王妃殿下に挨拶にやってくる。
沢山の貴族に一言ずつ言葉を掛ける王妃殿下は、すごいわね。
国王陛下と王妃殿下が二人で椅子に座り、ワインを飲んでいると、王太子殿下と妃殿下がやって来る。
「王妃殿下。側近のシャノン嬢をダンスにお誘いしてもよろしいですか?」
王太子殿下…、このような場で何を言っているの?
私なんかより相応しい令嬢が沢山いるのに。
「勿論よ。アメリア、踊って来なさい。」
王妃殿下が許可してしまったら…
「ありがとうございます。
シャノン嬢、私と踊って頂けませんか?」
「はい。喜んで。」
王妃殿下も妃殿下も、ヘミングウェイ伯爵夫人も、私達をみて微笑んでいた。
そんな目で見ないで欲しいわ。
そんな私の気持ちにお構いなく、殿下は私をエスコートして広間の真ん中に行くのであった。
383
あなたにおすすめの小説
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】
白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語
※他サイトでも投稿中
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる