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17 リリアンの変化
「お、お義姉様! レイモンド様までどうして?
返事をする前に急に部屋に入ってくるなんて酷いですわ!」
やっぱり仮病だったのね……
ソファーにだらしなく座り、私達を見て大声を上げるなんて、どう見ても元気そうにしか見えない。
「あら、具合が悪いと聞いたから心配で来てみたけど元気そうね。
ふふっ……、いつも急に部屋に入ってくるのはリリアンでしょう? 私は貴女のやり方に合わせてあげただけよ。
貴女が最近、仲良くしているレイ様を連れてきてあげたわよ。ほら、ご挨拶して」
「……っ! レイモンド様、ご機嫌……」
「私は君に名前で呼ぶことを許していないが」
リリアンが気まずそうに挨拶をしようとした時、突然、アストン様が言葉を遮ってきた。それは突き放すような冷たい声で、私もリリアンもビクッとしてしまう。
穏やかなアストン様がこんな口調で喋ることに驚いてしまったのだ。
「あ、驚かしてすまない。ただ、今まではローラの大切な義妹だからと、多少のことは目をつぶっていたんだ。
でも、それは良くないことだと気付いてね。私達が結婚したら君は私の義妹にもなるわけだから、身内として良くないことはしっかり注意していこうと思ったんだよ。
君が何かをすれば、私の愛しいローラに迷惑をかけるだけでなく、わがアストン家の名も汚すことになるから行動には気を付けるように。
私はローラ以外の女性から名前で呼ばれたくないんだ。今後は気安く名前で呼んできたり、話しかけてきたりしないで欲しい」
リリアンを射抜くような目で見つめ、淡々と話をするアストン様は本気で怒っているようだ。
逢瀬の時は『リリー』って愛称で呼んでいたくせに、今は拒絶するように『君』と呼んでいる。
穏やかそうに見えて、この人も怒ると怖いのね……
「……も、申し訳ありませんでした。
どうかお許し下さい。アストン様やお義姉様に迷惑をかけることは致しません。
本当に申し訳ありませんでした。こっ、今後は気をつけます」
あのリリアンが顔色を悪くして、震えながら必死に謝っている。
信じられない……。この二人に何があったの?
今までリリアンにこんな強い態度をとったことのなかったアストン様のこの変化も理解出来ない。
愛人候補のリリアンが暴走しただけでなく、私に二人の関係を匂わせる行動をとっていたから、アストン様を怒らせてしまったのかしら?
結婚前は二人の関係を隠しておきたかったはずなのに、おバカなリリアンは隠そうとはしなかったから、アストン様は困っていたとか……
二人が喧嘩しようが私には関係ないけど、せっかくだから仲直りの機会を与えてあげましょうか?
「リリアンが元気なことが分かったので、三人でお茶をしましょうか?
今日はレイ様が美味しそうなチョコを持ってきて下さったのよ。
リリアンもチョコは好きでしょう?」
「お、お義姉様……、私は今、お腹いっぱいで……
それに二人の邪魔は……し、したくないです」
今まであんなに邪魔をしてきて今更何を言っているのかしら? そしてこの怯えようは何なの?
「今更、邪魔も何も無いわよ。私達は家族でしょう?
私は可愛い義妹とお茶をしたいのよ。結婚してこの邸を出て行ったら、貴女とお茶をする機会も減るから、今のうちにリリアンと沢山お茶をしておきたいの」
「ほ、本当に私はお腹がいっぱいで……
お義姉様、申し訳ありませんでした。本当に許して!
私が全部悪かったわ。ごめんなさい!」
なぜそこまで謝るの? あのリリアンが私にここまで怯えて謝るなんて、これから嵐でも来るのかしら?
「ローラ、義妹殿を困らせてはいけないよ。
今日は私と二人で過ごす約束だろう?
義妹殿はまた後でお茶に誘ってあげればいいよ。
ほら、もう行こう」
アストン様は困ったように笑った後、私の腰を抱いて歩きだす。
「アストン様、近すぎますわ!
一人で歩けますから、ここまでされなくても」
「最近のローラは私に触れられるのを嫌がってないか?」
「……気のせいですわ」
そう答えるのがやっとだった。
アストン様は傷付いた顔をしているけど、その手でリリアンや仮面舞踏会に来ていた女の人に触れていたと思うと、体が貴方を拒否してしまうのよ……
気づくとリリアンの部屋から応接室に移動させられて、結局は二人きりでお茶をすることになってしまった。
返事をする前に急に部屋に入ってくるなんて酷いですわ!」
やっぱり仮病だったのね……
ソファーにだらしなく座り、私達を見て大声を上げるなんて、どう見ても元気そうにしか見えない。
「あら、具合が悪いと聞いたから心配で来てみたけど元気そうね。
ふふっ……、いつも急に部屋に入ってくるのはリリアンでしょう? 私は貴女のやり方に合わせてあげただけよ。
貴女が最近、仲良くしているレイ様を連れてきてあげたわよ。ほら、ご挨拶して」
「……っ! レイモンド様、ご機嫌……」
「私は君に名前で呼ぶことを許していないが」
リリアンが気まずそうに挨拶をしようとした時、突然、アストン様が言葉を遮ってきた。それは突き放すような冷たい声で、私もリリアンもビクッとしてしまう。
穏やかなアストン様がこんな口調で喋ることに驚いてしまったのだ。
「あ、驚かしてすまない。ただ、今まではローラの大切な義妹だからと、多少のことは目をつぶっていたんだ。
でも、それは良くないことだと気付いてね。私達が結婚したら君は私の義妹にもなるわけだから、身内として良くないことはしっかり注意していこうと思ったんだよ。
君が何かをすれば、私の愛しいローラに迷惑をかけるだけでなく、わがアストン家の名も汚すことになるから行動には気を付けるように。
私はローラ以外の女性から名前で呼ばれたくないんだ。今後は気安く名前で呼んできたり、話しかけてきたりしないで欲しい」
リリアンを射抜くような目で見つめ、淡々と話をするアストン様は本気で怒っているようだ。
逢瀬の時は『リリー』って愛称で呼んでいたくせに、今は拒絶するように『君』と呼んでいる。
穏やかそうに見えて、この人も怒ると怖いのね……
「……も、申し訳ありませんでした。
どうかお許し下さい。アストン様やお義姉様に迷惑をかけることは致しません。
本当に申し訳ありませんでした。こっ、今後は気をつけます」
あのリリアンが顔色を悪くして、震えながら必死に謝っている。
信じられない……。この二人に何があったの?
今までリリアンにこんな強い態度をとったことのなかったアストン様のこの変化も理解出来ない。
愛人候補のリリアンが暴走しただけでなく、私に二人の関係を匂わせる行動をとっていたから、アストン様を怒らせてしまったのかしら?
結婚前は二人の関係を隠しておきたかったはずなのに、おバカなリリアンは隠そうとはしなかったから、アストン様は困っていたとか……
二人が喧嘩しようが私には関係ないけど、せっかくだから仲直りの機会を与えてあげましょうか?
「リリアンが元気なことが分かったので、三人でお茶をしましょうか?
今日はレイ様が美味しそうなチョコを持ってきて下さったのよ。
リリアンもチョコは好きでしょう?」
「お、お義姉様……、私は今、お腹いっぱいで……
それに二人の邪魔は……し、したくないです」
今まであんなに邪魔をしてきて今更何を言っているのかしら? そしてこの怯えようは何なの?
「今更、邪魔も何も無いわよ。私達は家族でしょう?
私は可愛い義妹とお茶をしたいのよ。結婚してこの邸を出て行ったら、貴女とお茶をする機会も減るから、今のうちにリリアンと沢山お茶をしておきたいの」
「ほ、本当に私はお腹がいっぱいで……
お義姉様、申し訳ありませんでした。本当に許して!
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なぜそこまで謝るの? あのリリアンが私にここまで怯えて謝るなんて、これから嵐でも来るのかしら?
「ローラ、義妹殿を困らせてはいけないよ。
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ほら、もう行こう」
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「アストン様、近すぎますわ!
一人で歩けますから、ここまでされなくても」
「最近のローラは私に触れられるのを嫌がってないか?」
「……気のせいですわ」
そう答えるのがやっとだった。
アストン様は傷付いた顔をしているけど、その手でリリアンや仮面舞踏会に来ていた女の人に触れていたと思うと、体が貴方を拒否してしまうのよ……
気づくとリリアンの部屋から応接室に移動させられて、結局は二人きりでお茶をすることになってしまった。
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