元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ

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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私

6歳のアラサー頑張ります!

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 あの後は、とても大変だった。
 
 どうやら、私は転生か憑依でもしたらしい。婚活アラサー杏奈は6歳の美少女になっていたのだから。

 あのプラチナブロンドのイケメンは、なんと私の父で侯爵らしい。国王陛下の末の弟で元王子。侯爵家に婿入りしたらしい。ストロベリーブロンドのいい匂いのする美女は私の母だって!
 そのいい遺伝子を受け継いで、私もイケメン父に似た美少女でした。すごい!名前はマリーベル・フォーレスって言う、侯爵家の1人娘らしい。
 
 お医者様が来たら、父が記憶がおかしいことや、口調が変わってしまっていることを報告した。その後、お医者様に体を診てもらい、面談みたいに質問されたり話をしたりして、結局は、高熱の後遺症で記憶障害が残ったのではと診断されました。

 父と母が盛大に落ち込んでいたので、こんな私ですが、これから頑張りますのでよろしくお願いしますと、まるで嫁入り先の舅と姑に挨拶するように頭を下げると、美女母がまた私を抱きしめて涙を流し、イケメン父も私の頭をポンポンして

「大丈夫だよ。マリーはお父様とお母様がついているから、何も心配しないで、ずっと一緒にいようね。」

 出会ってそんなに時間は経ってないけど、マリーは両親に愛されているのが分かった。早く元気になって安心させないとね。

 それと同時に思い出した。日本に残して来た両親と姉を。飛行機事故で死んだなんて、びっくりしただろうな。会えば、早く結婚しろ・孫は可愛いとか口煩い両親だったけど、人並みの生活はさせて貰ったし、愛情も感じたし、家族は仲が良かった。お姉ちゃんと可愛い姪っ子にも、もう会えないのか…。

 気づくと涙が溢れていて、イケメン父と美女母が暑くなるくらい、抱きしめていてくれた。

 今の両親を大切にしよう。頑張るぞ!アラサーは負けません!


 以前のマリーベルの記憶が無いので、両親に話を聞いて分かったこと。

①食が細く、若干体が弱かった。
②馬車が苦手で、馬車酔いが酷いので、あまり遠出は出来なかった。(領地と王都のタウンハウスの行き来が難しい)
③夢見が悪いことがある。
④体が弱いせいか、性格も大人しかった。

 とりあえず、体が弱かったってことが心配ね。
 馬車が苦手なのはアラサーの記憶が戻る前から、飛行機事故を無意識に思い出していたのかしら。同じ乗り物だし、狭くて圧迫感もあるし。原因がわかっていれば、割と平気になってたりして。
 夢見が悪いのも、飛行機事故の夢でも見てたのかしらね。落ちる夢って怖いから。
 性格は中身元社会人アラサーだから、大人しく出来なくなるから、平気として。まぁ、何とかなるだろう。

 食が細いのを改善したいので、お母様に、好き嫌いしないで食べるようにするね、野菜いっぱい食べたいのって言ったら、侍女達と涙を流して喜んでいました。以前のマリーベルは野菜とか苦手だったらしい。そして、私の美女母はとても涙もろい人なのね。

 早速、野菜沢山の食事を用意してくれました。サラダ美味しい!スープも野菜が溶け込んで美味しい!メインのお肉も美味しい!モリモリ食べる私を見て喜ぶ両親。しかし、今までそんなに食べてなかったので、胃がビックリしてしまったようで…、胃薬みたいな苦い漢方みたいなものを、お医者様にもらいました。
 急に生活を変えるのは良くないことを、アラサーは学んだのだった。

 そして、数日経って気付いてしまった。食事は美味しいけど飽きる。アラサー杏奈は、海外旅行に行って2、3日したら、カレーとかラーメンとか、ご飯物が食べたくなる人で、よく海外に出店している日本の会社のチェーン店にお世話になっていたんだよね。まさにその状況だわ。白いご飯、味噌汁、うどん、焼き肉食べたい。
 もしかして、以前のマリーベルが食が細かったのは、記憶は戻らなくても、本能的に日本の食事を求めていた?誰か、元日本人の料理人の転生者っていないのかしらね。求人で募集したいくらいだわ。
 いつか食材を探しにいけるように、体を強くして、自立したいわね。貴族令嬢はそう言うのは難しいかなー?

 好き嫌いはしないようにして、侯爵邸の広い庭を朝晩歩くようにしていたら、少しは体力がついて来たようだ。そして、健康になりつつあるのか、顔色が良くなり、プラチナブロンドの髪もサラツヤになったようで、前よりも可愛くなったと両親や侍女達に褒められるようになった。
 そう言われればアラサーでも嬉しいのです。

 鏡を見ると、水色の大きな瞳の美少女が写っているが…、なんかどっかで見たことがあるような。この世界も、どこかで見たような気がするんだよねー。

 はっ!もしかして、流行りの乙女ゲームの中に転生しちゃったとか?乙女ゲームはやったことないけど、婚活仲間がハマってて、よく攻略対象者の話をしてたわね。今の自分の状況が、なんとなく乙女ゲームの悪役令嬢に似ているような。美少女の貴族令嬢だし、両親は私に甘いし。これで、ワガママで性格が悪くなったらヤバいわね。気を付けないと、断罪されちゃうわ。

 あっ!そういえば、私に婚約者っているのかしら?
これで攻略対象っぽい高位の貴族令息が婚約者だったら、余計に悪役令嬢じゃないの!そう思った私は、居ても立っても居られなくなり、お父様の執務室に駆け込んでいた!

「お父様!お仕事中に申し訳ありません!ハァ、ハァ。今、よろしいですか?」

「マリー?どうしたんだい?息切れして急いで来るほど、お父様に会いたかったのかな?」

 よし!聞いてみるか!

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