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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
デビュタント 2
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私は、誰かに殺される怖い夢を見て不安だから、お兄様は私を殺さないで、断罪しないでと、約束してくれないかなーと、軽い気持ちで話したつもりだった。しかし、過保護な義兄にそんな軽いノリは通用しなかった。
「マリー、そんな怖い夢を見ていたのか?くっ、あの時、俺が守れなかったから…。マリーはまだ苦しんでいるんだな…。」
「助けられなくて、ごめん。マリー、今度は絶対に死なせない。断罪?そんなのする訳ないだろう。例えみんなが敵になったとしても、俺だけはマリーの味方だし、絶対にマリーを守るよ。ああ、もっと俺が強くならないとダメだな。」
義兄が泣きそうだ。これくらいで?何でー?
しかもこの前の、男爵令嬢の嫌がらせのことをまだ気にしている?しかも、亡くなった両親とごちゃ混ぜになってない?私は生きてますけど!
「マリー、約束するよ。だから信じて。」
あっ、約束してくれるのね。それは良かった。じゃあ、もう義兄を恐れなくていいよね。
「お兄様、絶対約束ですよ。はい、指切り!」
嬉しかった私は何も考えず、前世の指切りをしようと、義兄に手を差し出す。義兄も、迷わずに小指を絡めて指切りしてくれたから、特に何も気にしなかった。
義兄とは和解出来たようで嬉しいな。泣きそうだった義兄に笑いかけると、義兄も安心した様子だった。
この前の和解と、殺さない・断罪しないという、約束を取り付け、嬉しさでいっぱいの私。そんな義兄と私のやり取りを、聞き耳を立てながら、おじ様・おば様・フィル兄様が見ていた事に気づかなかった。
泣きそうな義兄が可哀想だから、優しい私から、義兄の手を引いてお母様達の所へ戻る。
「お母様、無事にお兄様とは仲直りしましたわ。今まで、心配をお掛けして申し訳ありませんでした。」
「あら、それは良かったわ。お父様は喜ぶわね。アルも大丈夫ね?」
「はい。申し訳ありませんでした。」
ふふっ。これで義兄を恐れる必要がなくなったわね。今日はもうこれで大満足だから帰りたいけど、まだ帰れないのよね。お父様に会ってないし。
すると、そろそろ時間になるらしく、王宮の従者が呼びに来る。大広間の扉付近に行くと、他の侯爵家も来ていた。あっ、ユーリアを見つけたわ。ユーリアは私を見ると、すぐにこっちに来る。ちょうど良かった!保護魔法かけるわよ。さっと、周りにバレないように全身にかけておく。他の子に会ったら、保護魔法かけるから来るように言ってと伝えておく。そしてユーリア綺麗ね、と話していたら、ユーリアの両親を紹介してくれたわ。私もお母様とおじ様・おば様・従兄弟を紹介しておいた。
それぞれの家名ごとに呼ばれている。先にスペンサー侯爵家が呼ばれて中に入って行った。フィル兄様は先に中で待っているから、その後にまたエスコートするねと言って行った。
そして、フォーレス侯爵家の名前が呼ばれる。少し緊張するわね。お母様が先を歩くから、アルはマリーをエスコートしてと言われた。慣れてないから、その方がいいでしょと。そうねーお兄様と言うと、義兄は嬉しそうだ。今日はちゃんとした?エスコートの手で行くようだ。
大広間に入ると、すでに沢山の貴族が入っていて、ザワっとする。さすがお母様、落ち着いているわね。広間の奥に進むと、壇上の中央に国王陛下夫妻と横にお父様と宰相閣下?がいて、反対の横には王太子殿下夫妻と、シリルさまと、王太子殿下の弟?がいる。
国王陛下の前で、お母様に合わせてカーテシーをする。声を掛けてもらうまで、顔は上げないのだが、陛下はいつまでも何も言わない。ちょっとー!この体勢疲れるのに。
見兼ねた王太子殿下が、
「陛下、お言葉を。」
「…失礼した。アルベルトと、マリーベルはデビュタントおめでとう。夫人も2人がここまで立派に育って喜ばしいことだな。」
「ありがとうごさいます。」
一言もらったから、もう終わりだよね。すると、陛下は、
「マリーベル、後でおじ様と踊ってくれるか?」
うっ!命令キター。
「勿論でございます。」
横にいる父は何か言いたそうだ。
「陛下、次の方が控えております。」
お父様、ナイスアシスト!思わず、お父様に微笑んでしまう。お父様、嬉しそうに微笑み返してくれた。
そしてそのまま、無難に陛下との対面を終える私達。
お広間をよく見ると、レジーナ達が近くにいたわ。少しだけレジーナ達のところに行ってもいいか、お母様に聞くと、少しだけならと言われ、行こうとすると、
「マリー、迷子になると困るから、一緒にいくよ。」
義兄ではなく、フィル兄様だった。色々と気を遣ってくれているのね。
「すぐそこなので、大丈……」
「一緒に行こう。」
義兄の次は、こっちが過保護になったの?おじ様とおば様、楽しそうに見ないでくれますか?
「フィル兄様、ありがとうございます。」
フィル兄様は人が沢山いるからか、逸れないように手を繋いでくれた。…私は幼児か!
レジーナ達にフィル兄様を紹介しつつ、保護魔法をかける。来週は学園行くからと話していると、レジーナの両親の辺境伯閣下と夫人が来た。あらっ!背後にいるのは、レジーナの彼氏?恋人?婚約者?えっと、お互い愛称で呼び合っていた人だよね。ああ、レジーナのデビュタントだから、わざわざ辺境伯領から来たのね。もう、レジーナは愛されているのね。思わず、ニヤけてレジーナを見ると、恥ずかしそうにしている。かわいいわね。
辺境伯のおじ様から、おめでとうと言われ、お礼を伝えていると、おじ様が、背後の方から誰かを手招きして呼んでいる。あれ?あの方は!
「フィークス卿?」
「マリーベル嬢、今日はおめでとうございます。」
騎士の正装の格好をしたフィークス卿はステキな騎士様だった。この人の顔を見ると安心する。理想の兄というか、仲間意識もあるし。
「ありがとうございます。フィークス卿、とても素敵ですね。いつもの辺境伯軍の騎士服もお似合いでしたが。」
「ありがとう。マリーベル嬢もとても綺麗だ。」
お互い、微笑み合う。レジーナやおじ様、そういう期待した目で見るの止めようね!
デビュタントが始まるらしいので、お母様やおば様の所に戻る。国王陛下からのお話を聞いた後、ダンスパーティーが始まる。まずは、国王陛下夫妻と王太子殿下夫妻のダンスで始まるようだ。…と思ったら、お父様も出てくる。お母様と踊るのかしらね。
「マリー、頑張りなさい。」
えっ?お母様何を言ってるの?
「マリー、練習であれだけ出来たから大丈夫よ。おば様がついてるから!自信を持ってやって来なさい。」
おば様は、そう言って背中を押す。おば様はダンス部の熱血コーチですか?そして、お父様がやって来た。
「マリー、ファーストダンスは約束してたよね。」
満面の笑みのお父様にエスコートされ、ホールの中央にドナドナされる。嫌なんだけどー!
音楽が始まり、お父様と踊り始める私。みんなの視線が痛すぎる。笑顔が引き攣りそうだわ。お父様はさすが、慣れているわね。こんな時でも、純粋に娘とのダンスを楽しむ余裕があるなんて。お父様を見直したわ。
「今日はマリーが1番綺麗だな。お父様は嬉しいよ。」
このような場で、親バカ発言できるお父様がおかしくて、笑ってしまった。こんなお父様だから、大好きなんだよね。
「私は、お父様の娘で良かったです。お父様が大好きですわ。」
「お父様も、マリーが大好き過ぎて、毎日つらいんだ。」
お父様の親バカ話を聞いていたら、あっと言う間に曲が終わる。この後は、デビュタントを迎える令息と令嬢がパートナーと踊るようで、フィル兄様がすぐに来てくれる。そして、二曲目が始まるのだった。
「あの令嬢は……。」
「マリー、そんな怖い夢を見ていたのか?くっ、あの時、俺が守れなかったから…。マリーはまだ苦しんでいるんだな…。」
「助けられなくて、ごめん。マリー、今度は絶対に死なせない。断罪?そんなのする訳ないだろう。例えみんなが敵になったとしても、俺だけはマリーの味方だし、絶対にマリーを守るよ。ああ、もっと俺が強くならないとダメだな。」
義兄が泣きそうだ。これくらいで?何でー?
しかもこの前の、男爵令嬢の嫌がらせのことをまだ気にしている?しかも、亡くなった両親とごちゃ混ぜになってない?私は生きてますけど!
「マリー、約束するよ。だから信じて。」
あっ、約束してくれるのね。それは良かった。じゃあ、もう義兄を恐れなくていいよね。
「お兄様、絶対約束ですよ。はい、指切り!」
嬉しかった私は何も考えず、前世の指切りをしようと、義兄に手を差し出す。義兄も、迷わずに小指を絡めて指切りしてくれたから、特に何も気にしなかった。
義兄とは和解出来たようで嬉しいな。泣きそうだった義兄に笑いかけると、義兄も安心した様子だった。
この前の和解と、殺さない・断罪しないという、約束を取り付け、嬉しさでいっぱいの私。そんな義兄と私のやり取りを、聞き耳を立てながら、おじ様・おば様・フィル兄様が見ていた事に気づかなかった。
泣きそうな義兄が可哀想だから、優しい私から、義兄の手を引いてお母様達の所へ戻る。
「お母様、無事にお兄様とは仲直りしましたわ。今まで、心配をお掛けして申し訳ありませんでした。」
「あら、それは良かったわ。お父様は喜ぶわね。アルも大丈夫ね?」
「はい。申し訳ありませんでした。」
ふふっ。これで義兄を恐れる必要がなくなったわね。今日はもうこれで大満足だから帰りたいけど、まだ帰れないのよね。お父様に会ってないし。
すると、そろそろ時間になるらしく、王宮の従者が呼びに来る。大広間の扉付近に行くと、他の侯爵家も来ていた。あっ、ユーリアを見つけたわ。ユーリアは私を見ると、すぐにこっちに来る。ちょうど良かった!保護魔法かけるわよ。さっと、周りにバレないように全身にかけておく。他の子に会ったら、保護魔法かけるから来るように言ってと伝えておく。そしてユーリア綺麗ね、と話していたら、ユーリアの両親を紹介してくれたわ。私もお母様とおじ様・おば様・従兄弟を紹介しておいた。
それぞれの家名ごとに呼ばれている。先にスペンサー侯爵家が呼ばれて中に入って行った。フィル兄様は先に中で待っているから、その後にまたエスコートするねと言って行った。
そして、フォーレス侯爵家の名前が呼ばれる。少し緊張するわね。お母様が先を歩くから、アルはマリーをエスコートしてと言われた。慣れてないから、その方がいいでしょと。そうねーお兄様と言うと、義兄は嬉しそうだ。今日はちゃんとした?エスコートの手で行くようだ。
大広間に入ると、すでに沢山の貴族が入っていて、ザワっとする。さすがお母様、落ち着いているわね。広間の奥に進むと、壇上の中央に国王陛下夫妻と横にお父様と宰相閣下?がいて、反対の横には王太子殿下夫妻と、シリルさまと、王太子殿下の弟?がいる。
国王陛下の前で、お母様に合わせてカーテシーをする。声を掛けてもらうまで、顔は上げないのだが、陛下はいつまでも何も言わない。ちょっとー!この体勢疲れるのに。
見兼ねた王太子殿下が、
「陛下、お言葉を。」
「…失礼した。アルベルトと、マリーベルはデビュタントおめでとう。夫人も2人がここまで立派に育って喜ばしいことだな。」
「ありがとうごさいます。」
一言もらったから、もう終わりだよね。すると、陛下は、
「マリーベル、後でおじ様と踊ってくれるか?」
うっ!命令キター。
「勿論でございます。」
横にいる父は何か言いたそうだ。
「陛下、次の方が控えております。」
お父様、ナイスアシスト!思わず、お父様に微笑んでしまう。お父様、嬉しそうに微笑み返してくれた。
そしてそのまま、無難に陛下との対面を終える私達。
お広間をよく見ると、レジーナ達が近くにいたわ。少しだけレジーナ達のところに行ってもいいか、お母様に聞くと、少しだけならと言われ、行こうとすると、
「マリー、迷子になると困るから、一緒にいくよ。」
義兄ではなく、フィル兄様だった。色々と気を遣ってくれているのね。
「すぐそこなので、大丈……」
「一緒に行こう。」
義兄の次は、こっちが過保護になったの?おじ様とおば様、楽しそうに見ないでくれますか?
「フィル兄様、ありがとうございます。」
フィル兄様は人が沢山いるからか、逸れないように手を繋いでくれた。…私は幼児か!
レジーナ達にフィル兄様を紹介しつつ、保護魔法をかける。来週は学園行くからと話していると、レジーナの両親の辺境伯閣下と夫人が来た。あらっ!背後にいるのは、レジーナの彼氏?恋人?婚約者?えっと、お互い愛称で呼び合っていた人だよね。ああ、レジーナのデビュタントだから、わざわざ辺境伯領から来たのね。もう、レジーナは愛されているのね。思わず、ニヤけてレジーナを見ると、恥ずかしそうにしている。かわいいわね。
辺境伯のおじ様から、おめでとうと言われ、お礼を伝えていると、おじ様が、背後の方から誰かを手招きして呼んでいる。あれ?あの方は!
「フィークス卿?」
「マリーベル嬢、今日はおめでとうございます。」
騎士の正装の格好をしたフィークス卿はステキな騎士様だった。この人の顔を見ると安心する。理想の兄というか、仲間意識もあるし。
「ありがとうございます。フィークス卿、とても素敵ですね。いつもの辺境伯軍の騎士服もお似合いでしたが。」
「ありがとう。マリーベル嬢もとても綺麗だ。」
お互い、微笑み合う。レジーナやおじ様、そういう期待した目で見るの止めようね!
デビュタントが始まるらしいので、お母様やおば様の所に戻る。国王陛下からのお話を聞いた後、ダンスパーティーが始まる。まずは、国王陛下夫妻と王太子殿下夫妻のダンスで始まるようだ。…と思ったら、お父様も出てくる。お母様と踊るのかしらね。
「マリー、頑張りなさい。」
えっ?お母様何を言ってるの?
「マリー、練習であれだけ出来たから大丈夫よ。おば様がついてるから!自信を持ってやって来なさい。」
おば様は、そう言って背中を押す。おば様はダンス部の熱血コーチですか?そして、お父様がやって来た。
「マリー、ファーストダンスは約束してたよね。」
満面の笑みのお父様にエスコートされ、ホールの中央にドナドナされる。嫌なんだけどー!
音楽が始まり、お父様と踊り始める私。みんなの視線が痛すぎる。笑顔が引き攣りそうだわ。お父様はさすが、慣れているわね。こんな時でも、純粋に娘とのダンスを楽しむ余裕があるなんて。お父様を見直したわ。
「今日はマリーが1番綺麗だな。お父様は嬉しいよ。」
このような場で、親バカ発言できるお父様がおかしくて、笑ってしまった。こんなお父様だから、大好きなんだよね。
「私は、お父様の娘で良かったです。お父様が大好きですわ。」
「お父様も、マリーが大好き過ぎて、毎日つらいんだ。」
お父様の親バカ話を聞いていたら、あっと言う間に曲が終わる。この後は、デビュタントを迎える令息と令嬢がパートナーと踊るようで、フィル兄様がすぐに来てくれる。そして、二曲目が始まるのだった。
「あの令嬢は……。」
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