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マリーベル編〜楽しく長生きしたい私
治療をするよ
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魔術師団長の奥様は、初めは胸にしこりのような物ができたらしい。そこから、胸だけでなく、徐々に息苦しさや、背中の痛みなど、体の色々なところが調子が悪くなり、今は意識も朦朧とし、呼吸も苦しそうだという。素人診断だけど、癌が色々なところに転移しているんじゃないの?でも、やっぱりお医者さまじゃないから、ハッキリとは言えないよね。全身に治癒魔法をかけるけど、痛みなど、症状がハッキリと出ているところを念入りにかけようか。更にかなり症状が進んでそうだから、何回か来て治癒魔法をかけてもいいかも聞いて見よう。
魔術師団長に確認すると、とにかく助かるなら、何でも試して欲しいようで、OKが出た。早速、夫人の休んでいる部屋へ案内される。騎士団長と公爵様は応接室で待っているようだ。ハワード卿は、私に気を遣ってくれているのか、夫人の部屋の廊下まで付き添わせて下さいと魔術師団長に聞いてくれ、許可を得て、廊下で待っていてくれることになった。治療でフラフラになるかもと言ったから、心配して近くにいてくれるのかな?根はいい人なのかもね。
部屋に入ると、痩せ細った夫人が寝ていた。意識が朦朧としているようだ。艶の無い赤髪に、くすんだ顔色。弱々しい、苦しそうな呼吸。見るからに末期癌のようだ。魔術師団長は奥様を大切にしているのね。何となく雰囲気でわかるもん。大切な人が病気だとつらいよね…。
「…フォーレス侯爵令嬢、大丈夫か?」
「はい?」
「その…、涙が流れている。」
「えっ?あれ?…申し訳ありません。大丈夫です。」
無意識に涙が流れていた。中身アラサーは、涙脆くなってきたらしい。しっかりしないとね。ハンカチで涙を拭くアラサー。よし!やろう。
掛け布団をめくり、痛みを訴えていたところから、念入りに治癒魔法をかけていく。胸と肺、背中と脇の下もやっておこう。もっと、もっと。頭から、足先まで全身かけておこう。どこに転移しているか分からないから。もっといけー!気合いを入れて、治癒魔法を全身にかけまくる。さすがに、体がキツくなってきた。今日はここまでね。息切れがする。
「はぁ、はぁ、申し訳ありません。今日は…、ここまでで。はぁ、はぁ。後日また、続きをやります。」
「ありがとう。妻の呼吸が整ったような気がするし、顔色が良くなっている。…ありがとう。」
少しは効果があったかな?魔術師団長は嬉しそうだ。ああ、よかった。
でも……、気持ちが悪くなってきた。ヤバいな。早く帰ろう。
「申し訳ありません。今日は…、はぁ、…失礼します。」
「大丈夫か?顔色が悪い。」
「私は大丈夫です。ゲホッ、ゲホッ。」
あっ、吐血。やっちゃった…。手が血で染まっている。ハンカチで拭かないと…。
「誰か来てくれ!」
廊下からメイドが数人入ってくる。吐血した私を見て、パニック状態だ。
「何てこと!」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。私はこのまま帰りますから、奥様についていてあげて下さい。」
「旦那様!奥様が目覚めました。」
「えっ?本当か?」
良かった。これで、帰って寝れるわ。よろけながら、廊下に出る私。廊下には、付き添ってくれたハワード卿と、騒ぎを聞いて駆けつけて来たと見られる、王都騎士団長と公爵閣下がいる。3人は血染めのハンカチで口を押さえる私を見て、ぎょっとする。
ハワード卿はすぐに私の体を支えてくれる。ああ、この人はやはり気遣いの出来る人ね。つらい時に、優しくされると涙が出ちゃうわ。
「フォーレス侯爵令嬢、大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ。大丈夫…です。家まで送ってもらえますか?休めば治るので。」
気持ち悪いわー。体がつらいー!
「勿論です。私が責任を持って送ります。」
「よろしくお願いします…。ゲホッ、ゲホッ」
ハワード卿は失礼しますと言うと、私をお姫様抱っこしてくれた。いつもなら恥ずかしいが、体がつらく、ぐったりしているから、されるままの私。ありがとう、ハワード卿。初めて会った日に、冷たいって思ってごめんね。その時、
「私が送って行く!」
公爵閣下がハワード卿に言う。えっ?何なの。早く帰って寝たいから、黙って見送ってよ。
「公爵閣下、フォーレス侯爵令嬢から、帰りのことも私が頼まれていますので。」
ハワード卿が私との約束を守ろうとしてくれている。
「いや、私に送らせて欲しい。」
いいから、早く帰らせてくれ!あっ、アレを渡してなかった!ポケットから取り出してっと。うっ、気持ち悪い!
「…あの、公爵様。はぁ、はぁ。…これを。魔石に治癒魔法を、…込めた物です。はぁ、はぁ。レベッカに渡してくだ…さい。」
魔石を公爵閣下に渡す。もう、限界。早く帰して。
「………。」
「ハワード卿、急いで送ってやれ!フォーレス侯爵令嬢、今日はありがとう。お大事にしてくれ!」
騎士団長が言葉を掛けてくれた後、私は意識を失ったようだ。
…目覚めると、スペンサー侯爵家の部屋のベッドだった。あの後、ちゃんと、送ってくれたようだ。まだダルさが残っている。
あれ、手が握られている?
「…マリー?目覚めた?」
この声はフィル兄様ね。
「…はい。」
「マリー、姉上の親友の治療って言うから、反対しなかったけど…。ここまで命懸けでやるなんて…。私は、マリーにまで死なれたら、生きていけない。だから、もう少し自分を大切にして。」
フィル兄様の声が震えている。心配掛けちゃったみたい。
「…はい。フィル兄様、心配掛けてごめんなさい。」
あの治療の後、倒れてから3日間、死んだように眠っていたらしい。また学園を休んでしまったよ。
おば様には、吐血するまでやるなんて、やり過ぎよと言われた。しかし、魔術師団長の奥様はあの後、目覚めて、ベッドの上で体を起こせるようになったらしい。とりあえず、症状はかなり良くなったようだ。魔術師団長が、お礼と近況報告的な手紙を送ってくれた。治療の続きをしたいが、私がまた体調が戻ってないので、元気になるまで絶対ダメだと、フィル兄様が許してくれそうにない。
フィル兄様は、溜まっていた休暇を取って、看病してくれたらしい。おじ様は、フィル兄様がいるからと、無理に仕事に行かされたようだ。
ハワード卿は、意識が無い私を邸まで送ってくれただけでなく、そのままベッドまで運んでくれ、対応したおば様に、何があったのかを知っている範囲内で、説明までしてくれたようだ。過保護で心配性の2人が、仕事から帰ってなくて不在で良かったと言っていた。
ハワード卿には、後でお礼を言わないとね。私との約束を守って、送ってくれたのだから。しかもあの偉くて、気疲れしかしないメンバーの中で、あの人の優しさと、気遣いに助けられたからね。
目覚めてから1週間以上経った休日。今日は魔術師団長の邸に行く日だ。仕事が休みのフィル兄様が付き添ってくれる。馬車の中で、無理だけはしないようにと、何度も念を押される私。心配性なんだよね。でも、ずっと近くで私の世話を焼いてくれた、優しい人なのだ。思わず、フィル兄様の頭をなでなでする私。綺麗な銀髪がサラサラね。
「マリー、何?どうしたの?」
「フィル兄様の頭を撫でてみたくて。私、優しいフィル兄様がいてくれて、幸せですよ。」
フィル兄様は、泣きそうな顔をして私を抱きしめる。
「マリー、好きだよ。愛してる。ずっと一緒にいよう。」
「えっ?フィル兄様、遊びで言ってませんか?」
この遊び慣れてそうな、色気のある年上イケメンの言う言葉に対して、どうしても疑いを持ってしまう私。だって、カッコ良すぎる人って、色々と心配しちゃうじゃない。私なんて、中身アラサーだけど、見た目はまだ10代の小娘だし。
「へぇ、私がここまで言っているのに、マリーは疑うの?」
あれ?怒ってる?その瞬間、ドサっと座席に押し倒される私。ちょっとー!これから出かけるのに、何するのー!
「私は真面目に言っているのに、分かろうとしないマリーには、お仕置きだね。」
「フィル兄様、ごめ…んっ、んっ…」
そのキスはヤバいんだってばー!
数分後…、ぐったりする私。
「マリー、他の男を好きにならないでね。」
魔術師団長に確認すると、とにかく助かるなら、何でも試して欲しいようで、OKが出た。早速、夫人の休んでいる部屋へ案内される。騎士団長と公爵様は応接室で待っているようだ。ハワード卿は、私に気を遣ってくれているのか、夫人の部屋の廊下まで付き添わせて下さいと魔術師団長に聞いてくれ、許可を得て、廊下で待っていてくれることになった。治療でフラフラになるかもと言ったから、心配して近くにいてくれるのかな?根はいい人なのかもね。
部屋に入ると、痩せ細った夫人が寝ていた。意識が朦朧としているようだ。艶の無い赤髪に、くすんだ顔色。弱々しい、苦しそうな呼吸。見るからに末期癌のようだ。魔術師団長は奥様を大切にしているのね。何となく雰囲気でわかるもん。大切な人が病気だとつらいよね…。
「…フォーレス侯爵令嬢、大丈夫か?」
「はい?」
「その…、涙が流れている。」
「えっ?あれ?…申し訳ありません。大丈夫です。」
無意識に涙が流れていた。中身アラサーは、涙脆くなってきたらしい。しっかりしないとね。ハンカチで涙を拭くアラサー。よし!やろう。
掛け布団をめくり、痛みを訴えていたところから、念入りに治癒魔法をかけていく。胸と肺、背中と脇の下もやっておこう。もっと、もっと。頭から、足先まで全身かけておこう。どこに転移しているか分からないから。もっといけー!気合いを入れて、治癒魔法を全身にかけまくる。さすがに、体がキツくなってきた。今日はここまでね。息切れがする。
「はぁ、はぁ、申し訳ありません。今日は…、ここまでで。はぁ、はぁ。後日また、続きをやります。」
「ありがとう。妻の呼吸が整ったような気がするし、顔色が良くなっている。…ありがとう。」
少しは効果があったかな?魔術師団長は嬉しそうだ。ああ、よかった。
でも……、気持ちが悪くなってきた。ヤバいな。早く帰ろう。
「申し訳ありません。今日は…、はぁ、…失礼します。」
「大丈夫か?顔色が悪い。」
「私は大丈夫です。ゲホッ、ゲホッ。」
あっ、吐血。やっちゃった…。手が血で染まっている。ハンカチで拭かないと…。
「誰か来てくれ!」
廊下からメイドが数人入ってくる。吐血した私を見て、パニック状態だ。
「何てこと!」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。私はこのまま帰りますから、奥様についていてあげて下さい。」
「旦那様!奥様が目覚めました。」
「えっ?本当か?」
良かった。これで、帰って寝れるわ。よろけながら、廊下に出る私。廊下には、付き添ってくれたハワード卿と、騒ぎを聞いて駆けつけて来たと見られる、王都騎士団長と公爵閣下がいる。3人は血染めのハンカチで口を押さえる私を見て、ぎょっとする。
ハワード卿はすぐに私の体を支えてくれる。ああ、この人はやはり気遣いの出来る人ね。つらい時に、優しくされると涙が出ちゃうわ。
「フォーレス侯爵令嬢、大丈夫ですか?」
「はぁ、はぁ。大丈夫…です。家まで送ってもらえますか?休めば治るので。」
気持ち悪いわー。体がつらいー!
「勿論です。私が責任を持って送ります。」
「よろしくお願いします…。ゲホッ、ゲホッ」
ハワード卿は失礼しますと言うと、私をお姫様抱っこしてくれた。いつもなら恥ずかしいが、体がつらく、ぐったりしているから、されるままの私。ありがとう、ハワード卿。初めて会った日に、冷たいって思ってごめんね。その時、
「私が送って行く!」
公爵閣下がハワード卿に言う。えっ?何なの。早く帰って寝たいから、黙って見送ってよ。
「公爵閣下、フォーレス侯爵令嬢から、帰りのことも私が頼まれていますので。」
ハワード卿が私との約束を守ろうとしてくれている。
「いや、私に送らせて欲しい。」
いいから、早く帰らせてくれ!あっ、アレを渡してなかった!ポケットから取り出してっと。うっ、気持ち悪い!
「…あの、公爵様。はぁ、はぁ。…これを。魔石に治癒魔法を、…込めた物です。はぁ、はぁ。レベッカに渡してくだ…さい。」
魔石を公爵閣下に渡す。もう、限界。早く帰して。
「………。」
「ハワード卿、急いで送ってやれ!フォーレス侯爵令嬢、今日はありがとう。お大事にしてくれ!」
騎士団長が言葉を掛けてくれた後、私は意識を失ったようだ。
…目覚めると、スペンサー侯爵家の部屋のベッドだった。あの後、ちゃんと、送ってくれたようだ。まだダルさが残っている。
あれ、手が握られている?
「…マリー?目覚めた?」
この声はフィル兄様ね。
「…はい。」
「マリー、姉上の親友の治療って言うから、反対しなかったけど…。ここまで命懸けでやるなんて…。私は、マリーにまで死なれたら、生きていけない。だから、もう少し自分を大切にして。」
フィル兄様の声が震えている。心配掛けちゃったみたい。
「…はい。フィル兄様、心配掛けてごめんなさい。」
あの治療の後、倒れてから3日間、死んだように眠っていたらしい。また学園を休んでしまったよ。
おば様には、吐血するまでやるなんて、やり過ぎよと言われた。しかし、魔術師団長の奥様はあの後、目覚めて、ベッドの上で体を起こせるようになったらしい。とりあえず、症状はかなり良くなったようだ。魔術師団長が、お礼と近況報告的な手紙を送ってくれた。治療の続きをしたいが、私がまた体調が戻ってないので、元気になるまで絶対ダメだと、フィル兄様が許してくれそうにない。
フィル兄様は、溜まっていた休暇を取って、看病してくれたらしい。おじ様は、フィル兄様がいるからと、無理に仕事に行かされたようだ。
ハワード卿は、意識が無い私を邸まで送ってくれただけでなく、そのままベッドまで運んでくれ、対応したおば様に、何があったのかを知っている範囲内で、説明までしてくれたようだ。過保護で心配性の2人が、仕事から帰ってなくて不在で良かったと言っていた。
ハワード卿には、後でお礼を言わないとね。私との約束を守って、送ってくれたのだから。しかもあの偉くて、気疲れしかしないメンバーの中で、あの人の優しさと、気遣いに助けられたからね。
目覚めてから1週間以上経った休日。今日は魔術師団長の邸に行く日だ。仕事が休みのフィル兄様が付き添ってくれる。馬車の中で、無理だけはしないようにと、何度も念を押される私。心配性なんだよね。でも、ずっと近くで私の世話を焼いてくれた、優しい人なのだ。思わず、フィル兄様の頭をなでなでする私。綺麗な銀髪がサラサラね。
「マリー、何?どうしたの?」
「フィル兄様の頭を撫でてみたくて。私、優しいフィル兄様がいてくれて、幸せですよ。」
フィル兄様は、泣きそうな顔をして私を抱きしめる。
「マリー、好きだよ。愛してる。ずっと一緒にいよう。」
「えっ?フィル兄様、遊びで言ってませんか?」
この遊び慣れてそうな、色気のある年上イケメンの言う言葉に対して、どうしても疑いを持ってしまう私。だって、カッコ良すぎる人って、色々と心配しちゃうじゃない。私なんて、中身アラサーだけど、見た目はまだ10代の小娘だし。
「へぇ、私がここまで言っているのに、マリーは疑うの?」
あれ?怒ってる?その瞬間、ドサっと座席に押し倒される私。ちょっとー!これから出かけるのに、何するのー!
「私は真面目に言っているのに、分かろうとしないマリーには、お仕置きだね。」
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