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南国へ国外逃亡できたよ
閑話 サミュエル 5
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内密の話をすることになり、北東国の控室に案内された私達。
「…実は私の従兄妹が、随分前から行方不明になっているのです。嫉妬に狂った悪女に命を狙われていたようで、どこかに拐われて行ったのか、生きているのか、死んでいるのかも分からない状態です。国内で探しても見つからず、この隣国でも探してもらいましたが、見つかりませんでした。従姉妹は、私と同じ髪と瞳の色をしていて、身内贔屓に感じられるかもしれませんが、とても美しくて、聡明で…、実の妹のように可愛がっていました。王太子殿下の話を聞くと、先程話されていた令嬢は、私の従兄妹の可能性が高いと思われます。どうか、その令嬢に会わせて頂けないでしょうか?突然こんなお願いをすることを、お許し頂きたい。」
マリアが北東国の王族?命を狙われていた?
「…そのような事情でしたら、私達は協力をさせて頂きます。エル、いいよな?」
大国の王太子殿下に頼まれて、断れる訳がない。しかし、
「…はい。協力は致します。しかし、義妹は男爵家の出身だと言ってました。しかも魔物討伐するくらい活発だったようです。王族の姫が魔物討伐するのでしょうか?」
「…従兄妹は魔物討伐するくらい活発で、騎士団にすぐに入れるとも言われていました。姫らしくないですがね…。」
北東国の王太子殿下は苦笑いしているが、何となく可愛がっていたのが伝わる言い方だった。
そんな事あるのか?その時だった。銀髪の美青年が私の手を見ているような気がする。そして、
「お話中、申し訳ありません。その腕のブレスレットを見せて頂けますか?」
「…これですか?…どうぞ。」
誰にも触られたくないが、しょうがない。腕から外して美青年に渡す。
「………これは、マリーが貴方に渡したものですね?私がマリーから貰った物と同じです。これなのですが、裏の職人の刻印も同じですよね?……マリーは生きているのですね。…良かった。」
美青年の腕に着けているブレスレットは、私がマリアにもらった物と同じデザインだった…。これは、マリアが北東国の王族だと証明するのに、十分な物だった。
美青年は目を潤ませている。きっと、マリアと親しい人物だったのだろう。
私は何も考えられなくなってしまった…。
その後は感情を押し殺し、殿下の側近として、異国での仕事をこなした。
北東国の王太子殿下と妃殿下は、公務が沢山あることや、国王陛下に今回の事を早く報告したいということで、早めに帰国するという。そのかわりに、側近達を我が国に向かわせると言う。あの銀髪の美青年も一緒に来るらしい。
彼らは護衛の騎士達と一緒に、私達と南国に来ることになった。それに伴って、私達も予定より早い帰国をすることになる。
帰国途中の馬車の中で。
「エル、つらいだろうが覚悟した方がいい。マリア嬢は恐らく、あの北東国の王太子殿下の従兄妹だ。髪色も瞳も一緒だし、あれは北東国の王族の色らしい。あれだけ勉学や魔力、ダンスやマナーまで完璧だったのは、王族の姫として育って来たからだ。きっと直ぐに、マリア嬢を連れて帰国すると言うだろう。…それにもしかしたら、オスカー・マーフィーを拘束して連れて行くと言うかもしれないな。はぁ、マーフィー侯爵家も最近色々あったから、そうなるとすれば気の毒だな。とにかく、エルも気をしっかり持てよ!」
「…分かっています。大国の北東国とは揉めたくないですから。マリアが帰国することになるなら、悔しいですが、静かに見送るつもりです。…しかし、あの北東国の殿下の側近達は隙が無さすぎて、なんだか恐ろしいですよ。北東国の殿下が信頼して置いていくのが分かります。しかも、あの黒髪の美丈夫はあの有名なシールド公爵だったのですね?随分前に隣国のクーデターを阻止して、敵の数千の公爵軍を、魔導師と一緒に蹴散らせたっていう、伝説の騎士の!」
「あの、有名な小説のモデルになった公爵だよな。隣国の新しい国王とも、なんだか親しげだった。しかも、あの水色の髪の側近は次期宰相らしい。相当頭がキレそうだ。そんなすごい人達が迎えに来るとは…、マリア嬢は王太子殿下に相当可愛がられていたのだろう。」
マリアがただの人違いであることを祈りながら、私は南国に戻るのであった。
帰国して休む間もなく、すぐにマリアに会いたいと北東国側が希望したので、職務中のマリアを呼んでもらうことになる。
何だろうか、この気持ちは。心臓がドクドクしているし、不安と恐怖が混ざったような嫌な気分。
「失礼致します。コリンズ伯爵令嬢をお連れ致しました。」
マリアが来たようだ。扉が開けられて、何も知らないマリアが中に入って来る。
「……生きて…た。」
北東国側からそんな呟きが聞こえてきた。
ああ、やはりマリアは北東国の王族だったようだ。
すぐにマリアに駆け寄り、涙を流しながら抱きしめる銀髪の美青年。そして……、プロポーズしていた。
やはり、親しい間柄だったのだな。あの無表情だった美青年があんな表情をするなんて。マリアを心から愛しているのだろう。
悪女を始末したとか、暗殺するとか、美青年が物騒なことを話しているのを聞いて、マリアは顔色を悪くしているが、私はあんな風に真っ直ぐに、マリアに気持ちを伝える美青年が羨ましいと思った。
マリアの幸せの為に、私はこの思いを心にしまっておこう。まだまだ辛いが、あんな姿を見せられたら、諦めるしかない。
しかし、次期宰相までマリアに跪き、真っ直ぐに見つめて、マリアを守りたいとか言ってる。さっきまで、隙のない怖い目をしていたのに、マリアに向ける優しい目は何だ?
更に、シールド公爵まで、涙目になってマリアに跪いている。マリアを近くで守りたい?護衛騎士になりたい?あの伝説の騎士が、護衛騎士?
次期宰相もシールド公爵も、家臣が姫に向ける目ではない。あの目はマリアのことを……。
マリア達の様子を黙って見ていた私達は、言葉を失っていた。殿下も、ベイリー公爵子息も、ほかの従者や護衛騎士も。
そんな時にマーフィー卿が近衛に連れられて来る。
すると、銀髪の美青年と、シールド公爵は恐ろしい殺気を放って睨みつけ、次期宰相は、冷たい目でマーフィー卿の引き渡しを殿下に求める。
殿下はあっさりと了承する。大国の要請だから、断れないのだが。
しかし、マリアは命の恩人だからとか、誘拐ではないとか言って、拘束はしないで欲しいと訴える。こんな時にまで、マーフィー卿を庇うとは…。でも、前にも言ってたな。マーフィー卿は命の恩人だとか、保護者みたいだとか。恋人のように振る舞って演技をしていただけで、本命は銀髪の美青年だったということなのか?
マリアが必死に頼み込んでだこともあり、マーフィー卿は拘束はされず、何の罪にも問われなかった。あの3人はマリアに弱いらしい。
次期宰相はマーフィー卿に、今後は北東国への入国を禁止すると伝えていた。ロペス家もお前も助かるのだから有り難く思え、と冷たく言い放つ姿は恐ろしかった。
そして…、その日から2日後にはマリアを連れて、北東国の使者達は帰国して行った。早く連れて帰って、みんなに会わせたいからと。
「お兄様、隠し事をしてご迷惑をお掛けしました。今まで、ありがとうございました。どうかお元気で…。
王太子殿下。大変申し訳ありませんでした。どうかマーフィー侯爵家とコリンズ伯爵家を、今後もよろしくお願いいたします。
カーティス様、沢山助けてくださって嬉しかったです。お世話になりました。」
何だか顔色が悪く、元気がないな。きっとみんなと別れるのが、寂しいのだろう。
最後だから、マリアのあの笑顔が見たかったが…。
「マリーベル・フォーレス侯爵令嬢。どうかお気をつけて……。」
これで彼女とはお別れとなった。
どうか彼女が、母国で幸せになれますように…。
「エル、元気出せよ。」
「分かってます。大丈夫です!あんな大国の大貴族3人に敵対する程、私は身の程知らずではありませんからね。」
「来年は、北東国の王太子殿下が国王に即位する予定だから、ぜひ即位式には来て欲しいと打診があった。その時に会えたらいいよな。」
「……そうですね。」
その後、貴族の間である噂が流れる。
ある国の姫君が、命を狙われて逃げて来たところを、マーフィー侯爵家とコリンズ伯爵家が匿っていた。しかし姫君を大切に思う騎士達が迎えに来て、無事に帰国したらしいと。
「…実は私の従兄妹が、随分前から行方不明になっているのです。嫉妬に狂った悪女に命を狙われていたようで、どこかに拐われて行ったのか、生きているのか、死んでいるのかも分からない状態です。国内で探しても見つからず、この隣国でも探してもらいましたが、見つかりませんでした。従姉妹は、私と同じ髪と瞳の色をしていて、身内贔屓に感じられるかもしれませんが、とても美しくて、聡明で…、実の妹のように可愛がっていました。王太子殿下の話を聞くと、先程話されていた令嬢は、私の従兄妹の可能性が高いと思われます。どうか、その令嬢に会わせて頂けないでしょうか?突然こんなお願いをすることを、お許し頂きたい。」
マリアが北東国の王族?命を狙われていた?
「…そのような事情でしたら、私達は協力をさせて頂きます。エル、いいよな?」
大国の王太子殿下に頼まれて、断れる訳がない。しかし、
「…はい。協力は致します。しかし、義妹は男爵家の出身だと言ってました。しかも魔物討伐するくらい活発だったようです。王族の姫が魔物討伐するのでしょうか?」
「…従兄妹は魔物討伐するくらい活発で、騎士団にすぐに入れるとも言われていました。姫らしくないですがね…。」
北東国の王太子殿下は苦笑いしているが、何となく可愛がっていたのが伝わる言い方だった。
そんな事あるのか?その時だった。銀髪の美青年が私の手を見ているような気がする。そして、
「お話中、申し訳ありません。その腕のブレスレットを見せて頂けますか?」
「…これですか?…どうぞ。」
誰にも触られたくないが、しょうがない。腕から外して美青年に渡す。
「………これは、マリーが貴方に渡したものですね?私がマリーから貰った物と同じです。これなのですが、裏の職人の刻印も同じですよね?……マリーは生きているのですね。…良かった。」
美青年の腕に着けているブレスレットは、私がマリアにもらった物と同じデザインだった…。これは、マリアが北東国の王族だと証明するのに、十分な物だった。
美青年は目を潤ませている。きっと、マリアと親しい人物だったのだろう。
私は何も考えられなくなってしまった…。
その後は感情を押し殺し、殿下の側近として、異国での仕事をこなした。
北東国の王太子殿下と妃殿下は、公務が沢山あることや、国王陛下に今回の事を早く報告したいということで、早めに帰国するという。そのかわりに、側近達を我が国に向かわせると言う。あの銀髪の美青年も一緒に来るらしい。
彼らは護衛の騎士達と一緒に、私達と南国に来ることになった。それに伴って、私達も予定より早い帰国をすることになる。
帰国途中の馬車の中で。
「エル、つらいだろうが覚悟した方がいい。マリア嬢は恐らく、あの北東国の王太子殿下の従兄妹だ。髪色も瞳も一緒だし、あれは北東国の王族の色らしい。あれだけ勉学や魔力、ダンスやマナーまで完璧だったのは、王族の姫として育って来たからだ。きっと直ぐに、マリア嬢を連れて帰国すると言うだろう。…それにもしかしたら、オスカー・マーフィーを拘束して連れて行くと言うかもしれないな。はぁ、マーフィー侯爵家も最近色々あったから、そうなるとすれば気の毒だな。とにかく、エルも気をしっかり持てよ!」
「…分かっています。大国の北東国とは揉めたくないですから。マリアが帰国することになるなら、悔しいですが、静かに見送るつもりです。…しかし、あの北東国の殿下の側近達は隙が無さすぎて、なんだか恐ろしいですよ。北東国の殿下が信頼して置いていくのが分かります。しかも、あの黒髪の美丈夫はあの有名なシールド公爵だったのですね?随分前に隣国のクーデターを阻止して、敵の数千の公爵軍を、魔導師と一緒に蹴散らせたっていう、伝説の騎士の!」
「あの、有名な小説のモデルになった公爵だよな。隣国の新しい国王とも、なんだか親しげだった。しかも、あの水色の髪の側近は次期宰相らしい。相当頭がキレそうだ。そんなすごい人達が迎えに来るとは…、マリア嬢は王太子殿下に相当可愛がられていたのだろう。」
マリアがただの人違いであることを祈りながら、私は南国に戻るのであった。
帰国して休む間もなく、すぐにマリアに会いたいと北東国側が希望したので、職務中のマリアを呼んでもらうことになる。
何だろうか、この気持ちは。心臓がドクドクしているし、不安と恐怖が混ざったような嫌な気分。
「失礼致します。コリンズ伯爵令嬢をお連れ致しました。」
マリアが来たようだ。扉が開けられて、何も知らないマリアが中に入って来る。
「……生きて…た。」
北東国側からそんな呟きが聞こえてきた。
ああ、やはりマリアは北東国の王族だったようだ。
すぐにマリアに駆け寄り、涙を流しながら抱きしめる銀髪の美青年。そして……、プロポーズしていた。
やはり、親しい間柄だったのだな。あの無表情だった美青年があんな表情をするなんて。マリアを心から愛しているのだろう。
悪女を始末したとか、暗殺するとか、美青年が物騒なことを話しているのを聞いて、マリアは顔色を悪くしているが、私はあんな風に真っ直ぐに、マリアに気持ちを伝える美青年が羨ましいと思った。
マリアの幸せの為に、私はこの思いを心にしまっておこう。まだまだ辛いが、あんな姿を見せられたら、諦めるしかない。
しかし、次期宰相までマリアに跪き、真っ直ぐに見つめて、マリアを守りたいとか言ってる。さっきまで、隙のない怖い目をしていたのに、マリアに向ける優しい目は何だ?
更に、シールド公爵まで、涙目になってマリアに跪いている。マリアを近くで守りたい?護衛騎士になりたい?あの伝説の騎士が、護衛騎士?
次期宰相もシールド公爵も、家臣が姫に向ける目ではない。あの目はマリアのことを……。
マリア達の様子を黙って見ていた私達は、言葉を失っていた。殿下も、ベイリー公爵子息も、ほかの従者や護衛騎士も。
そんな時にマーフィー卿が近衛に連れられて来る。
すると、銀髪の美青年と、シールド公爵は恐ろしい殺気を放って睨みつけ、次期宰相は、冷たい目でマーフィー卿の引き渡しを殿下に求める。
殿下はあっさりと了承する。大国の要請だから、断れないのだが。
しかし、マリアは命の恩人だからとか、誘拐ではないとか言って、拘束はしないで欲しいと訴える。こんな時にまで、マーフィー卿を庇うとは…。でも、前にも言ってたな。マーフィー卿は命の恩人だとか、保護者みたいだとか。恋人のように振る舞って演技をしていただけで、本命は銀髪の美青年だったということなのか?
マリアが必死に頼み込んでだこともあり、マーフィー卿は拘束はされず、何の罪にも問われなかった。あの3人はマリアに弱いらしい。
次期宰相はマーフィー卿に、今後は北東国への入国を禁止すると伝えていた。ロペス家もお前も助かるのだから有り難く思え、と冷たく言い放つ姿は恐ろしかった。
そして…、その日から2日後にはマリアを連れて、北東国の使者達は帰国して行った。早く連れて帰って、みんなに会わせたいからと。
「お兄様、隠し事をしてご迷惑をお掛けしました。今まで、ありがとうございました。どうかお元気で…。
王太子殿下。大変申し訳ありませんでした。どうかマーフィー侯爵家とコリンズ伯爵家を、今後もよろしくお願いいたします。
カーティス様、沢山助けてくださって嬉しかったです。お世話になりました。」
何だか顔色が悪く、元気がないな。きっとみんなと別れるのが、寂しいのだろう。
最後だから、マリアのあの笑顔が見たかったが…。
「マリーベル・フォーレス侯爵令嬢。どうかお気をつけて……。」
これで彼女とはお別れとなった。
どうか彼女が、母国で幸せになれますように…。
「エル、元気出せよ。」
「分かってます。大丈夫です!あんな大国の大貴族3人に敵対する程、私は身の程知らずではありませんからね。」
「来年は、北東国の王太子殿下が国王に即位する予定だから、ぜひ即位式には来て欲しいと打診があった。その時に会えたらいいよな。」
「……そうですね。」
その後、貴族の間である噂が流れる。
ある国の姫君が、命を狙われて逃げて来たところを、マーフィー侯爵家とコリンズ伯爵家が匿っていた。しかし姫君を大切に思う騎士達が迎えに来て、無事に帰国したらしいと。
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