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南国へ国外逃亡できたよ
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マーフィー卿は、近衛騎士数人に囲まれて部屋に入って来た。フィル兄様達を見て、目を見開いた後、何かを悟った様だった。
ん?部屋が寒いというか、これは殺気か?
「オスカー・ロペス!よくも私の最愛のマリーを拐ってくれたな!」
恐ろしい殺気を漂わせ、フィル兄様がマーフィー卿こと、オスカー様を睨みつけている。
ひぃー、やっぱりフィル兄様は、怒ると怖いのね!
「お前がロペス家の?近衛騎士をしていたな。こんなことをして、許されると思うな!」
さっきまでは、泣きそうだったシールド公爵様は、恐ろしい殺気を漂わせている。この殺気には、少しだけ慣れている私。だけど騎士団のトップだけあって、迫力がハンパない。
「王太子殿下。オスカー・マーフィーこと、オスカー・ロペスは我が国王族の誘拐という、大罪の疑いがあります。彼は私達に引き渡してもらいたいのですが、よろしいですか?」
「我が国は北東国を支持しておりますので、そちらの調査に協力いたします。」
あっさりとマーフィー卿の引き渡しを認める殿下。
「ありがとうございます。」
目が怖いような気がするが、こんな時でも冷静なシリル様。だから我が国の王太子殿下はシリル様を遣したのだろうね。
しかし、そんなことしたら、マーフィー卿のおば様が悲しむだろうし、あの時に誘拐してくれたから、私は生きていれたのよ。
「シリル様、違うのです!あのお方は、私を助けてくれた命の恩人なのです。誘拐ではありませんわ。」
「マリーベル嬢。あの男は恐らく、シナー元公爵令嬢が君を狙っていたことを事前に知っていたはずだ。それで、シナー元公爵令嬢に襲われたように見せかけて、君を連れ去ったに違いない。騙されてはダメだ。」
ああ、こんな時にも、シリル様の頭は切れるのね。
「フォーレス嬢、ロペス卿は夜会や茶会で君をずっと見つめていたぞ!ずっと君を狙っていたんだ。しかも計画的にな。騙されるな!」
シールド公爵様は、相変わらずよく見ているわー。
しかし、マーフィー卿の伯母様を悲しませたくないし、マーフィー卿なりに私を守ってくれてはいたの!
「いえ、あの方がいたから私は生きていれたのです。しかも、あの方は親切にしてくれましたわ。母国を離れても、不便な思いをせずにいれたのは、あの方のおかげなのです。だから、拘束するのはやめて欲しいのです。どうかお願いします。」
「……リア。本当にごめん。あんな裏切りをした私を、そこまで庇ってくれるなんて。」
泣きそうなマーフィー卿。
いやいや、貴方の伯母様の為でもあるからね。旦那様や息子さんを亡くして、やっと来てくれた養子が犯罪者なんて聞いたら、倒れちゃうわよ。でも優秀な人だから、今後は侯爵家の為に頑張って欲しい。
「マリーベル嬢、あの男は君を誘拐したことは間違いないのだから、そうはいかない。分かって欲しい。」
「シリル様、……誘拐ではありません。たまたま、暗殺者から逃げている時に、たまたま助けてもらって、たまたま一緒に連れて来てもらっただけなのです。相手は公爵令嬢ですから、なかなか太刀打ち出来ないのは分かってましたし、私を襲ったという証拠も見つけるのは難しいですから。だから、たまたま国外に行くというオスカー・ロペス様に、無理を言って一緒に連れて来てもらったのです。だから誘拐ではありません。お願いします。私を信じて下さい。シールド公爵様も、フィル兄様も、お願いします。その方は悪くはありません。私の命の恩人なのです。その方がいたから、私は皆さんに再会出来たのです。」
「マリーベル嬢……。ハァー…。」
「もう、マリーは……。」
「………フォーレス嬢。」
ん?部屋が寒いというか、これは殺気か?
「オスカー・ロペス!よくも私の最愛のマリーを拐ってくれたな!」
恐ろしい殺気を漂わせ、フィル兄様がマーフィー卿こと、オスカー様を睨みつけている。
ひぃー、やっぱりフィル兄様は、怒ると怖いのね!
「お前がロペス家の?近衛騎士をしていたな。こんなことをして、許されると思うな!」
さっきまでは、泣きそうだったシールド公爵様は、恐ろしい殺気を漂わせている。この殺気には、少しだけ慣れている私。だけど騎士団のトップだけあって、迫力がハンパない。
「王太子殿下。オスカー・マーフィーこと、オスカー・ロペスは我が国王族の誘拐という、大罪の疑いがあります。彼は私達に引き渡してもらいたいのですが、よろしいですか?」
「我が国は北東国を支持しておりますので、そちらの調査に協力いたします。」
あっさりとマーフィー卿の引き渡しを認める殿下。
「ありがとうございます。」
目が怖いような気がするが、こんな時でも冷静なシリル様。だから我が国の王太子殿下はシリル様を遣したのだろうね。
しかし、そんなことしたら、マーフィー卿のおば様が悲しむだろうし、あの時に誘拐してくれたから、私は生きていれたのよ。
「シリル様、違うのです!あのお方は、私を助けてくれた命の恩人なのです。誘拐ではありませんわ。」
「マリーベル嬢。あの男は恐らく、シナー元公爵令嬢が君を狙っていたことを事前に知っていたはずだ。それで、シナー元公爵令嬢に襲われたように見せかけて、君を連れ去ったに違いない。騙されてはダメだ。」
ああ、こんな時にも、シリル様の頭は切れるのね。
「フォーレス嬢、ロペス卿は夜会や茶会で君をずっと見つめていたぞ!ずっと君を狙っていたんだ。しかも計画的にな。騙されるな!」
シールド公爵様は、相変わらずよく見ているわー。
しかし、マーフィー卿の伯母様を悲しませたくないし、マーフィー卿なりに私を守ってくれてはいたの!
「いえ、あの方がいたから私は生きていれたのです。しかも、あの方は親切にしてくれましたわ。母国を離れても、不便な思いをせずにいれたのは、あの方のおかげなのです。だから、拘束するのはやめて欲しいのです。どうかお願いします。」
「……リア。本当にごめん。あんな裏切りをした私を、そこまで庇ってくれるなんて。」
泣きそうなマーフィー卿。
いやいや、貴方の伯母様の為でもあるからね。旦那様や息子さんを亡くして、やっと来てくれた養子が犯罪者なんて聞いたら、倒れちゃうわよ。でも優秀な人だから、今後は侯爵家の為に頑張って欲しい。
「マリーベル嬢、あの男は君を誘拐したことは間違いないのだから、そうはいかない。分かって欲しい。」
「シリル様、……誘拐ではありません。たまたま、暗殺者から逃げている時に、たまたま助けてもらって、たまたま一緒に連れて来てもらっただけなのです。相手は公爵令嬢ですから、なかなか太刀打ち出来ないのは分かってましたし、私を襲ったという証拠も見つけるのは難しいですから。だから、たまたま国外に行くというオスカー・ロペス様に、無理を言って一緒に連れて来てもらったのです。だから誘拐ではありません。お願いします。私を信じて下さい。シールド公爵様も、フィル兄様も、お願いします。その方は悪くはありません。私の命の恩人なのです。その方がいたから、私は皆さんに再会出来たのです。」
「マリーベル嬢……。ハァー…。」
「もう、マリーは……。」
「………フォーレス嬢。」
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