元アラサー転生令嬢と拗らせた貴公子たち

せいめ

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南国へ国外逃亡できたよ

ヤンデレに捕まりました

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 王太子殿下に呼び出された部屋に入ると、そこにいたのは…

「…マリー、生きていてくれて…良かった。」

 血の気が引き、頭が真っ白になっている私の所に、ヤンデレ疑惑その①フィル兄様が、私の所に駆け寄り、強く抱き締めて涙を流す。

「マリー、守れなくてごめん。つらい思いをさせて、ごめんね。今度こそ絶対に守るから、一緒に帰ろう。悪女は始末して来たから安心して!次に君の命を狙うような者がいたら、今度からは躊躇なく暗殺して消すから大丈夫。だからすぐに帰国して、早く結婚しよう。もう絶対に離さない。」

 今、サラッと悪女を始末して来たとか言ってた?ひぃー!何をして来たの?しかも、私の為に暗殺って!優しいようで、相変わらず怖いわー!やっぱりこの人はヤンデレよ!
 しかも、チラッと煩いお兄様や、カーティス様が見えたけど、南国の人達は何か引いてない?深刻そうな顔して見ているよね?

「フ、フィル兄様、ど、どうしてここに?…ご心配をお、おかけしまし…て、も、も、申し訳あり…ませんでし…た。あ、悪女とは?し、し、始末とは、何を…なさったのですか?」

 フィル兄様が恐ろし過ぎて、口が回らない。

「隣国の新しい国王陛下は、私達の従兄弟になるからね。即位式に出席してきたんだよ。そしたら、偶然南国の殿下達と話す機会があってね…。北東国から来たプラチナブロンドに水色の瞳の、美しくて、優秀な令嬢がいるって聞いてね。絶対にマリーだって思ったから、そのまま迎えに来たんだよ。…ああ、会えて良かった。愛してるよ、マリー。」

 フィル兄様は、そのまま私の額にキスをする。
 こんなみんな見ている場でやめてよ!フィル兄様が怖すぎて、ブルっと震える私。

「マリー、よっぽど怖い思いをしたんだね。そんなに怯えて、可哀想に。あの悪女と仲間たちは、私は拷問しただけなんだけど、アルベルトがキレてしまってね。ここから先はあまり言えないけど、アルベルトもマリーがいなくなって、おかしくなるくらい、あの悪女を恨んだということだよ。」

 何だってー?義兄がキレた?何をしたのよー?ああ、やっぱり義兄もヤンデレ…。フィル兄様もサラッと拷問とか言わないでよ!

 更に血の気が引く私。

「アルベルトも、叔父上達も、君の帰りを待ってるんだ。」

「スペンサー卿!少し落ち着いた方がいい。マリーベル嬢が驚いているから、少し離れるべきだ。」

 その声に、ハッとして、私から一歩離れるフィル兄様。

 この冷静な声は、ヤンデレ疑惑その②シリル様だった。忙しいはずの人がここまで来てくれるなんて。
 しかし、シリル様の目は優しかった。
 シリル様は私の所まで来ると跪き、私の片手を両手で握りしめる。あれ?何だか目が潤んでいるような。

「マリーベル嬢、無事で良かった。私達は貴女を迎えに来た。私も君をずっと守りたいと思う。もし君を苦しめる者が出てきたら、宰相家の力を使ってでも、排除するから安心して欲しい。だから一緒に帰ろう!殿下も妃殿下も、君が帰るのを待っている。」

 うっ!相変わらず、大人カッコいい人って感じのシリル様だった。しかし、この人もサラッと排除するとか言ってるし…。さすが時期宰相だけあって、根は怖い人なのね。

「シリル様、沢山心配をおかけして、大変申し訳ありませんでした。」


「フォーレス嬢、君が悩んでいるのに、助けられなくて申し訳なく思う。君がいなくなったと聞いて、私は気がおかしくなりそうだった。もう、こんな思いをするのは耐えられない。君は私を良くは思ってないだろうが、それでも私は君を近くで守りたいと思う。どうか一緒に帰ってくれないか?君を大切に思う辺境伯閣下や、騎士達も君の帰りを待っているんだ。他国に君が囚われているなら、攻め込んで国を滅ぼしてでも、君を助けに行くとまで言っていたし、私もそのつもりだった。もし君が許してくれるなら、公爵家は弟に任せるから、私を君の護衛騎士にさせて欲しい。私の命をかけて君を守る。」

 シリル様の後ろから来たのはヤンデレ疑惑その③シールド公爵様だった。いつもの殺気はなく、何となく泣きそうな表情だった。しかし、他国を滅ぼしてでも助けに来なくていいから!物騒なことを普通に言うよね!この人も、何だか私に執着しているように見えるし。何で?しかも貴方まで跪いて、私のもう片方の手を握り締めないでー!
 うちの国で1番偉い騎士である公爵閣下が、こんな小娘の護衛騎士やるとかおかしいから!

「シ、シールド公爵様、いつも助けて頂いてありがとうございます。しかし、貴方のような高貴な方に護衛騎士をお願いする訳にはいきませんわ。お気持ちだけで、十分です。」

 訳の分からない状況に、白目をむきそうになる私。

 その時だった。

「王太子殿下、マーフィー卿をお連れしました。」

「入れ!」

 げっ!これはヤバいのでは?

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