悪い魔女

底に

文字の大きさ
13 / 119
第2章 学園生活は辛いよ!

この作戦は辛いよ!

しおりを挟む
【ニヤリ】

「君たちはよく頑張りました。特にニナ。いい発想でした。でも詰めが甘かったですね」

「ど、どういうことですか!」

「確かに正確な大きさのセルロス合金の岩を砕きました。しかし表面をマグマで覆われた状態で爆発している。マグマはセルロス合金とは全く違う化学物質でできていた。そのためその物質が染み込み、その岩は【100%セルロス合金】ではなくなっているんですよ」

先生が私に段々と近づいてくる。

「なので今回の試験のAPは0。正確な材質の岩を砕いてないので、0、どんなに頑張っても0なのです。まあでも努力点は差し上げますよ、それぞれに1APくらいは」

私の目の前に立つ。

「大変良くできました。特待生さん」

【ニヤリ】

、、、、、はぁ

「まあ、私も最初からこれが上手くいくとは思っていませんでした」

全く、残念だ。

「なので先生。すみません」

こんなことになるとは。

「【少し固まっていてください】」

私は右手を上げる バッ!

『パラライズ』

ガシン! その瞬間に先生は動けなくなる。

!? 先生は驚いた顔で私を見る。

「ありがとうタラーヌ君。そしてみんな。作戦β、開始です」

「ごめんなさい先生!」

『シェイム』!

ピン ピン ティーーン 

ローラの杖の能力により
先生の全ての能力がローラと同じになる。

「先生、すこし借りますよ」

『ギャップ』

ファサァ ファサァ ッ サッ

ネコが先生からエンピツを盗む。

「ありがとう、タラーヌ、ローラ、ネコ。そしてチルル」

作戦β それはこうだ。

     ~1時間前~


「ネコ、少しいいかしら?」

「なに?岩の砕きは順調だよ」

「あー、違うの。もしも作戦が失敗した場合、もう1つやって見たいことがあるの」

「へー、まだあるのかい」

「うん、ただ先生が遠くから監視しているかもしれないから」

ガサゴソ ガサゴソ

「この紙をローラとタラーヌ、そしてチルルに渡して!こっそりね」

「う、うんわかったよ」

タッタッタッ

「ローラこれニナから」

「え、何かしら?」

「あ!なるべくこっそりみてね、じゃ!」

「あっ、どういうこと?…行っちゃった。えーっと何々?」

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

作戦β

最初の作戦が失敗した場合、これを行います。

まず失敗しそうになったら、チルルの杖の能力で先生の注意を反らす。

そして私が合図を出したら、タラーヌの杖で先生を金縛りに。

最後にローラの杖で先生の能力をローラと同じに、つまり魔力を下げてもらう。

以上です。

失敗したらごめんね~

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

       ~現在~

「まさかチルルが【先生の注意を反らす】のではなく、【私に注視させる】方に魔法を使っていたとは。気づくのが遅れたわ」

「いやー、ごめんニナ。口に出したらばれちゃうからねー」

「まあでも。これで私の杖が使えます」

『ゲーム』!!

ボワン 

杖から支配人が出てくる

『これからゲームを行い、負けた方は半日分の記憶を失います。賛成なら2秒間沈黙してください』

もちろん先生は動けない。

『ゲーム参加意思を確認。ゲーム内容は10秒間で一文字でも多くしゃべった方の勝ち。ではスタート』

カンッ!

「先生。詰めが甘かったですね。」

【ニヤリ】

『ゲーム終了。勝者ニナ』

支配人が杖に戻る。

「ネコ、先生のエンピツ貸して」

先生のメモリーブックにこう書いた。

【担当クラス全員、試験にてプラス100APを獲得】

「エンピツは持ち主の魔力により濃さ、覚えられる時間が変わる。ただローラにより魔力が減り覚えられる時間が減る」



「記憶のない先生を教室に運ぶ。先生は半日の記憶はないがメモリーブックにある【エンピツの記憶を本当の記憶】と思い試験の評価をどこかに書く。そして暫くしてメモリーブックを見ても、それは消えている。【魔力が小さいエンピツで書いたのですぐに消える】。証拠は残らない」

完 全 犯 罪

とまではいかないが、中々のシナリオのはず。

「ニナ、お前って。ほんとになんなんだ?」

ドラゴンのブルススが恐る恐る聞く。

「私はただの生徒。特待生だけどね」

こうして学園最初の授業は終わった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

    ~クラス廊下にて~

「掲示板見た?ラ・スーメルが今回の試験のAP、学年トップだって!」

「そりゃそうだろ。なんたって全員100APだからな。ニナには頭が上がらないぜ」

「ニナもちゃっかりしてるな、自分だけ1AP多く書いてたとはな」

ブルススとチルルが言う。

「でも他のクラスのトップには勝てなかったな」

「あいつらどうやってやったんだろ」

~今回の試験のクラストップ者一覧~

ラ・スーメル クラス1位 ニナ 101AP

トリノオス クラス1位 カブト200AP

アイアネス クラス1位 ベガ250AP

  学年1位 モナーヒル サン

       1000AP  

     ~掲示板より~

試験が終わり、何事もなかったかの様に通常の授業が始まっていった。

   ~ある授業の帰り道で~

「なあニナ、そういえば杖の能力いつ知ったんだ?僕には話しておいても良かったんじゃないか」

ネコが尋ねる。

「うーん、私にも分からないの。ただ何となく、杖から意思?みたいなものが伝わってきて、それをやっただけ」

「杖に意思なんてあるわけないだろ。聞いたことないよ!」

「まあね。ま、これも私がスマートだからかもね」

「授業では先生の質問に全然答えられてないけどn、っていたたたた!!」

無言で杖グィ 

イタイヨーニナ ヤメテヨー アハハ ヤメナイー

でも今回は上手くいきすぎた。
まるで誰かに仕組んでいるみたいに。

###################################

???「今年の1年生、とりわけ特待生は優秀だったわね」

???「ええ、普通なら0AP、とれて1APなんデースけどね」

???「クラスに1人いる特待生。今回特待生でもないのにクラストップを取ったニナ。フフフ、彼女は一体」

オホホホホ デースデースデース フフフフフ

謎の3人の笑い声がこだまする

謎多き学園内を。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【12月末日公開終了】これは裏切りですか?

たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。 だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。 そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

処理中です...