悪い魔女

底に

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第3章 期末テスト好きな人いる?

勉強好きな人いる?①

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「あー、憂鬱だ」

入学して1ヶ月が過ぎた。

本格的に授業が始まり、私は大ピンチを迎えていた。

「どうしたのニナ。塩をかけられたナメクジみたいになってるよ」

私の心の傷に塩を塗りたくってきたのはネコ。友達の1人だ。

「ピンチなんだよぉ。魔法歴史学、魔法薬学、初級使杖学しょきゅうしじょうがく、中級使杖学。特に操獣学そうじゅうがくなんて訳わかんないよ!」

積み上げられた小テストの結果の山

「獣の心なんて読めないよ!人間なんだから!」

「ま、まあ、でも他の教科は覚えるだけだろー。簡単じゃないか」

「それがめんどくさいのよ。あーあ、早く魔法対人学、始まらないかなー」

「あれは上級生がとる授業だから当分先だね」

「ちぇー」

私は×バツばっかりの小テストの紙でヒコーキを作り、窓の外へ飛ばした。

ガラガラガラガラ カッカッカッ

「おはようみなさん。朝のホームルームを始めます」

「マース!マース!」

時計鳥のチックは今日も元気だ。

「えー、みなさんも入学してから1ヶ月が経ちました。学校生活にもなれてきたと思います」

「マース!マース!」

「最初の試験はクラス合計AP、学年トップ!これには先生も誇らしく思います」

「マース!マース!」

「で、す、が。日々の授業での小テストの総合点は学年最下位です」

「デース!デース!」

「チックうるさい」

タラーヌがチックを静かにさせる。

「ありがとうタラーヌ君。えー、みなさんこのままでは期末テストもひどい点数をとってしまいますよ。最悪の場合、留年、も考えられますので、もっと気を引きしめて授業に望むように。以上!ではホームルームを終わります」

ゴォィィン!! ゴォィィン!! ゴォィィン!!

ケッコウがなり、ホームルームが終わる。

次の教室に向かうため、みんな転移魔法でクラスを出る。

「ねえネコ、期末テストってどんなことやるのかな?」

「うーん、噂ではとてつもない量の試験用紙を何日間かに分けて解いていくんだって。その間カンニング防止のため部屋から一切出ちゃだめとか」

「うえー。このままじゃ留年だよー私」

「まあまあ。分からないことあったら何でも聞いてよ。僕はスマートだからね」

「楽して満点とる方法!」

「そんなのない。さあ次の教室にいこう」

「はーい」

しかし何とかしないと。

分かってはいるけど、最近クラスで流行っているトーイ君ゲームが楽しすぎて、帰ってから勉強する気になれないのだ。

トーイ君ゲームとは簡単に言えば宇宙船からの脱出ゲームだ。

プレイヤーはトーイ君側と脱出員側に分かれてゲームを行う。

脱出の前にトーイ君に見つかったら、トーイ君側の勝ち。見つからず脱出できたら脱出員側の勝ち。

シンプルなゲームだが、運や相手がどこにトーイ君を配置するなど考えることが多い。

「そろそろ勉強しないと、、まあでもあと1回くらいは…」

私は、夏休みの宿題は早めにするが、授業の予習復習は一切しない。そういうタイプだった。
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