悪い魔女

底に

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第3章 期末テスト好きな人いる?

テスト期間好きな人いる?

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「いいですかみなさん、操獣学というのは獣と心を通わせるのではないのです。いかに自分のやりたい様に従わせるか。これが重要なのです」

ピィィィ キュゥイ ホーホー

ここは黒い森
南の第5の塔に位置する。

鬱蒼、殺伐、不気味
謎の生物の鳴き声がいつも木霊している。

「うう、いつ来てもおっかないな、ここは」

「ニナさん集中してください」

操獣学を教えてくれるヴァルト先生
コウモリの姿をしている。

しかしよくあの羽みたいな手で杖を使えるな。
○ラ○もんみたいに指だけ生えているのかな。

「私はそんな機械生物みたいに器用ではないですよ」

やば、心の声聞かれてた。
というかロボットを機械生物って
さすが獣学専門だ。

「今日は虫獣の操獣を学んでいきます。他の生物に比べて知能が低そうに見えますが、そんなことはありません。彼らは太古から進化の伝承が受け継がれており、それらを把握して…」

また始まった。話が長いんだよなあこの先生。

私は小声で

「ねえネコ。つまり先生はどういうこと言ってるの?」

「要はペットみたいに可愛がるんじゃなくて、対等に敬う気持ちをもってやっていきましょう、ってこと。」

分かりやすっ
ネコは将来、獣学の先生になれそう
見た目的にも

「はい、では未来の先生候補のネコさんに実際にやって貰いましょう。ではこちらに来てください」

うーわ どこまで心が読めるんだ。
ごめんよネコ。

ネコは先生の横に立ち、岩の前にいるコミューンに杖を構える。

因みにコミューンは蛇に蝶々の羽がついた獣だ。牙にも毒があるし、羽も痺れ粉を撒き散らす。授業にはそれらは無くしてある。

「はい、ではネコさん。コミューンに『キャリー』の魔法をかけてもらいます。あの木のてっぺんにある赤い布を取ってきてください。では!どうぞ!」

あ、あの気持ちやつに乗るのか…
私なら羽をちぎっちゃいそう

ネコは一度目を閉じ

コホン

『キャリー』!!

キラキララ ビクッ ビクビクッ シュルル

コミューンは舌をしまい、こうべを下げる

「いくぞ!」

シュルシュルシュルシュル

そのまま木を登っていく。

「よし、とれた」

ネコは無事に赤い布をとった。

「よくやりましたネコさん。5APを差し上げましょう」

さすがネコだ。着実にAPを稼いでいる。ちょっと前までは私がクラストップだったのに、、、
今じゃ下から数えた方が早い
みんな勉強頑張りすぎだよ。

「はい、ではみなさんもネコさんみたくやってみましょう。こちらに一列で並んで下さい」

みんなそつなくこなしている。

「ねぇネコ、なんかコツあるの?」

「うーん、やっぱり敬意を心の中で払うことかな。相手の良いところを褒めてあげるとか。僕は素敵な羽ですね、って心の中で言ってたよ」

「敬意を払う、か」

「はい、次はニナさんの番です。杖を出して」

えーっと、、

(蛇さん蛇さんとても君の悪い目ですね。なんか悪カッコ良いですよ)

コホン

『キャリー』!!

キラキララ ギロリ シャァーーーー!!!

コミューンが襲いかかってきた。
何がいけなかったんだろう。

「に、ニナさん逃げてください!全く、あなたはなんでいつも上手くいかないのですか!」

ヴァルト先生が私の前に立ち

『パロビオ』!!

キュォーン シュルル キョロキョロ スーーー

コミューンはどこかへ行ってしまった。

「えー、とりあえず授業はここまで。みなさんよく復習しておくように」

エー ノリタカッター ツギノジュギョウナニー?

みんなワイワイしながら帰っていく。

「よし!ラッキー!」

「おいおい」

ネコに突っ込まれつつ私たちも次の授業に行った。


そうこうしているとあっという間に時間が経ち、ついに。

「えー、いよいよ2週間後は期末テストです。みなさんよく勉強しておくように」

朝のHRホームルームでゴルテマ先生が言った。

「なお、この2週間は特別に、叡智の間、中央の第6の塔が解放されます。先生も何人かいますので、放課後分からないことや、操獣のシミュレーションもできます。ドンドン活用していきましょう」

「ショー!ショー!」

チックは今日も元気だ。

「ねぇネコ、今日の放課後行ってみようよ」

「あーごめんニナ、僕はちょっと調べ事あるから今日は無理」

「えー、じゃあローラは?」

「あ、私も今日は予定があるの」

「そっか…」

一人で行くのは気が引けるけど
行ってみるか。

ほんの軽い興味本意だった。
まさかあんなことになるとは思いもしなかった。
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