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第3章 期末テスト好きな人いる?
叡智の間
しおりを挟む「あれ結構狭いぞ」
放課後になり、叡智の間についた。
しかしそこは5畳ほどの部屋にタンスが置いてあるだけだった。
辺りを見渡す。私の他に誰もいない。
タンスの上に一枚の紙が置いてあった。
「えーっと、なになに」
~ようこそ叡智の間へ。タンスの引き出しを開けると、望む者に適した部屋が選ばれそこに行けるようになります。主に以下の部屋があります。
・対人、獣を想定した決闘場
・最新のAIシステムが導入された操獣シミュレーション施設
・何もない草原(気分転換に)
・机と椅子だけがある部屋(勉強に集中できます)
なお一年生は決闘場は使えないのでお気をつけ下さい。また持っているAPが上がると行ける部屋が増えていきます。【魔女の部屋】に行けれるよう頑張ってください~
「引き出しを開けて行くって、、なんかタイムスリップしそう」
私は恐る恐る引き出しに手をのばす。
「私が行きたい場所は…」
カッ ススー ン? ピカーーーーーン!! !!?
うー、眩しい。毎回こんな感じとは、転移魔法の明るさ調節を要求する。誰にすれば良いかわからないけど。
「あれ、ここって」
気がつくと見慣れない惑星に来ていた。
一面は茶色っぽく所々氷で覆われている。
不思議とそこまで寒くない。
「こんなところで何しろって言うの」
ハァー 真っ白い吐息が漏れる。
[…ナ…聞…………か?]
どこからか、声が聞こえてくる。
[ニナ…聞こえますか?]
若い女性の声だ。
[私の杖を持つ女の子]
[可愛い可愛い女の子]
声がどんどんと近づいてくる。
ハァァァーー ヒッ!
耳元に息を吹き掛けられる。そして
[私のために]
[死んでくれる?]
ヒューーー ハァァァーー カチカチカチ ピシィ
私の喉に冷たい手が当たる。
締める力がどんどん強くなる
「うっ、く、苦しい」
もうダメ… 意識が飛びそうになる。
『浄玻璃鏡』!!
鏡から明るく、暖かい光が出る。
体が暖くなる。
光に包まれ、薄れゆく記憶の中で私が最後にみたのは、金色の髪が揺れる美しい女性の顔だった。
気がつくと私は見慣れた場所にいた。
「うっ、いてて。こ、ここは」
「目が覚めましたか?ニナ」
「あれ、なんであなたがここに」
「それは私のセリフです。寮でも選び直したくなりましたか?」
目が覚めたら審判の間にいた。
金髪ロングヘアの骸骨、ルチが私に膝枕してくれている。
「まあ、色々と言いたいことがあるかもしれませんが、今日はもうお休みください」
それを聞き安心して私は再びまぶたを閉じた。
誰かが呼んでいる。でも私の名前じゃない。緑の草原、大きな樹、木漏れ日。
前に見た景色だ。
「ねぇおばあちゃん。それで悪い魔女はどうなったの?」
「ふふふ、どこか遠い星に行っちゃったかもね。私たちが思うよりもずっと、遠い遠い所に」
見上げた青空が揺れる。
(え、どういうこと。待って!待ってよ!)
激しい揺れの中
私はとても悲しい気持ちに包まれた。
忘れたくない 忘れたくない
届かぬ手の先の
眩しいけどみていたい太陽に
恨めしさを私は覚えた。
「うーん、はっ!…またこのパターンか」
私は自分の部屋のベットの上にいた。
「もうすっかり夜か。ふーー、、とりあえず」
そう、とりあえず。
「勉強は明日頑張ろう」
何か大事なことを忘れているような。
しかし私の頭は期末テストの事で埋まっていき、それが私を夢の世界に誘っていったのであった。
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