悪い魔女

底に

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第3章 期末テスト好きな人いる?

期末テスト好きな人いる?①

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叡智の間の出来事もすっかり忘れ
気がつくと期末テスト当日になっていた。

「いよいよ期末テスト当日ですね。みなさんよく勉強していたと思います。今回もクラス合計学年1位でいしましょう!」

「ショー!ショー!」

先生も気合いが入っている。
担当クラスの成績が良いと、ボーナスでもでるのかな。

「ねぇネコ、良い点とれそう?」

「さあ、まあいつも通りやればいいと思うよ」

クラスのみんなもザワザワしている。

教科書を一夜漬けで暗記した私
半分捨ててる科目もあるが、赤点は回避したい、、

「ではみなさん、試験会場に行きましょう。持ち物はエンピツ、ケシゴム、杖、初級、中級魔法書です。教科書はもっていかないように」

「ヨニー!ヨニー!」

配られた座標が書かれた紙を見て
みんな転移していく。

「よし、私たちも行こ」

「だね」

『『マタステイタス』』!

グルグルグル グルグルグルグル ピカーーン

転移した先には1つの机と椅子
そして私1人しか居なかった。

「あれ、ネコどこ?みんなどこ?」

辺りを見渡すが誰もいない。

ウニョン ギガガガ ピーーー

机から映像が出される。

~おはようニナさん。これから期末テストを始めます。カンニングや公平を期すため認識阻害をかけ、お互いの姿などは見えなくなっております。それではあと5分後に試験が始まります。椅子にお座り下さい~

ザーザーザー プツン

後5分って、机の上には何もないのに。

周りを確認しつつ椅子に座る。

エミオンが言うには操獣学が中心に出されるらしい。それにかけて操獣学の教科書はほぼ暗記してきた。

「魔法歴史学が出たら諦めよう」

不安9割 期待1割 さあこい。

ウニョン ギガガガ ピーーー

~それでは試験を始めます。『マタステイタス』!頑張ってね、ニナ~

え、もしかして…

グルグルグル グルグルグルグル ピカーーン

再び転移された。
これなら一回で目的地に行けばいいのに。

「ここは、森?」

夜の森とは別の
どこか清々しい森に来た。

グェ~ グェ~ ピョ~ロロ カサァ
 
癒される音色。
一体ここで何が始まるのだろう。

~聞こえますかみなさん~

森の中で誰かの声が響く。

~ここは呪いの森。今回の期末テストのテーマは幻の果実[グルジアの葡萄]を見つけることです。森の所々にヒントを隠してあります。それを参考にして探してください~

グルジアの葡萄?聞いたことないな。

~なお、グルジアの葡萄はコミューンの嗅覚が無ければ見つかりません。操獣しつつ、ヒントを探しましょう~

こ、コミューンの操獣って、私一回もまともに出来たことないのに!

~あー、言い忘れてました。今回はチーム戦、クラス別の3対3対で行います。相手チームへの武力行使は即座に失格。進路妨害やコミューンの嗅覚を鈍らせる香狂魔法こうきょうまほうは可とします。敵に見つからないように、味方を見つけましょう!ではみなさん、頑張ってね~

3対3のチーム戦。
どうやら魔法歴史学はでなさそうだ。
いやいやそれより

「く、クラスの仲間って、、ネコやローラがいいなあ。タラーヌやレッカ君はちょっと接しづらいんだよなあ」

トホホ トリアエズサガスカ

小川のせせらぎ、小鳥のさえずり
獣の動く音、草木のざわめき

10分ほど歩いたが誰も見つからない。
というかコミューンすら見てない。

「大声出してみんなを探したいけど、敵に見つかっちゃうかもだし」

とりあえず様子見をしよう。

私はそこら辺にあった岩に腰かける。

「眠いなあ。寝たら減点かなあ。先生見ているよねー」

足をジタバタさせつつ暇を潰す。

「こらニナ。寝たらダメだぞ」

岩の下から声がする。

ビックリして立ち上がり
慌てて岩の下をみる。

「ネコ!こんなところで何してるの!」

「シーー!敵にバレちゃうって」

「あ、ごめん」

岩の下でネコが寝転んでいた。

「ネコもお休みモード?」

「違うよ、地面に耳を当てて足音を調べていたんだ。人が近づいてきたと思ったから岩に身を潜めた。で、ニナが来たってわけ」

「なるほどー、でもネコが味方で安心したわ。これであともう1人、以外と早く終わりそう」

「僕もニナで良かったよ。でもそんなに簡単じゃないと思うよ」

すると突然

シッ! ネコが人差し指を口に当てる。

そして小声で(誰か来る)

私とネコは岩に身を潜める。

???「らんらんらーん♪楽しい楽しいピクニック♪」

???「こーら、そんなにはしゃがないの、敵に見つかったらどうするの?」

???「えー、でもーサンがいれば大丈夫だよねー?ね、サン?」

???「そうだな、、ヒントは全部見つかった。楽しい楽しい葡萄狩りといこうじゃないか」

ザッザッザッ アハハー ランラン コーラッ

恐らく敵チームである三人組。
こちらに気づいてはいなかったようだ。
完全にどこかへ行ってしまった。

「ねえネコ、あれって」

「うん、敵はもう味方を全員集め、ヒントも解き終わり、葡萄まであと少し。おまけに前回の試験学年1位のサンがついている。つまり、、」

「つ、つまり、、?」

「もう諦めて出来ることだけやろう」

「デスヨネー」

試験開始10分。
味方に出会えた喜びは
ヘンゼルが落としたパンのように
絶望へと姿を変えたのだった。
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