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第4章 ヴァイナー杯って何なんだ!?
最後に勝つのは誰なんだ!?
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「さあ!いよいよ残り時間が10分を切りました!隠れる側は残り2名!果たして見付けきることが出来るのか!」
「残っているのはラ・スーメルのニナとアイアネスのベガなのだ。どちらも実力は十分にあるのだ。探す側、隠れる側、どちらも頑張ってほしいのだ。」
残り10分…
あの後私とベガは別れ
私は依然塔のてっぺんにいた。
「…どうしてみんなここに来ないんだろう」
「どうしたのニナ、来ないに越したことはないじゃないか」
「まあそうなんだけどね。ちょっと逆に不安かなって」
「ニナってポジティブなのか心配症なのか微妙だよねー」
「だ、誰だってそうでしょう!」
ポコと緊張感のない会話をしつつ
私達はベガからの合図が来るのを待っていた。
~~~一方ネコ達は~~~
「やっぱり、残ったのはニナとベガか」
「だね、予想通りちゃ予想通りだね」
「ニナの居場所は最初から分かっていた。でもあそこに何分も居るなんて、きっと策があるに違いない。あいつはそういうやつだ」
「サン、僕もそう思うよ。だから最後の1人になったら一斉に詰め寄ろう」
「そうなると残りはベガか、、見付かったやつに洗脳かけたところ、ベガの杖の能力は対象の身体能力の一部を大幅に上げることらしい」
「中々厄介だね、通常のカクレンボと違い、見付けても魔法をかけ、変身を解除しないといけないから、その隙に逃げられてしまう」
「ああ、不意を突くしかなさそうだ。何かいい案はあるか?」
「僕がとりあえず場所は見つける。みんなは僕を中心に1km程離れて円状に囲んで欲しい。合図で一斉にその輪を縮め、魔法をかければベガでも変身解除できると思う」
「残り時間も少ない。それをやってみよう」
ウン コクッ
サンを中心にトランシーバーで作戦をみんなに伝え、動き出す。
ネコは杖をだし自身の使役獣に
『ベコン』!!
魔法を唱える。
キラキラキラキラ キュイン キュイン!!
ベコンは幸運を呼ぶ魔法。見付けられる確率を上げ、ネコそのものが持っている特性の嗅覚でベガを探す。
探す側に加え、見付かった隠れる側の証言もあり、ベガを見つけ出すのにはそう時間はかからなかった。
「いた!ベガを発見したがすぐに逃げられた。場所は西の遺跡、中央からの距離は大体1.8km。みなさん、急いで囲んでください!」
ネコの指示のもと探す側は一斉に囲みながら駆け込む。
「いたぞ!みんな!魔法をかけろ!」
杖をだし畳み掛ける。
『ライト』!『ライト』!『ライト』!!!
しかしベガは物凄い速度で躱し続け、近くの遺跡の建造物にと逃げ込んだ。
「はぁ、はぁ、なんて速さだ。だが、追い込んだぞ!みんな中に入ろう!」
探す側30人が遺跡の中に入っていく。
実況はタイムリミットを知らせる。
「残り5分です!果たして探しきることは出来るのでしょうか!ベガ君に至っては見付かっているのに、まだルール上はセーフとなっていますが、エミオンさん、この辺いかがでしょうか?」
「うむ!本来ならダメだが、これは操獣カクレンボなのだ。また速すぎてそれが本物か残像か見分けが付かなくては見付かったことにはならいのだ!」
「なるほど、つまり、このまま凄いスピードでベガさんは逃げきってしまうかもということなんでしょうか」
「いや、限られた範囲内であれば逃げる先も読め、あの人数が居れば見つけるのもそうさんなにはかからないはずなのだ!問題はニナを見つける時間が残っているか、ということなのだ!」
「なるほど、両チームまだまだ勝機はあるということですね。是非最後まで頑張って貰いたいです!」
残り5分…
「よし!最後の一斉詠唱だ!魔法をかけろ!」
『『『ライト』』』!!!
「うわ!」
ベガは魔法をかけられ
変身を解除される。
【隠れる側、残り1人】
残りはニナだけとなった。
「さあ、残りはニナだけだ!早速ベガに催眠をかけてニナがどんな作戦を立てているか聞こう」
サンがベガに魔法をかけようとした時
グォォオオオーーーーーーーーン!!!!
ベガは叫び出した。
「うっ、なんだこの音は!耳が、、痛いっ!」
「こ、これは、、はっ!まずい!」
その瞬間、使役獣達が暴れだす。
極限に嗅覚、聴覚など神経を割き
ベガを探すことに集中したせいで
ベガの超音波の攻撃をもろにくらい
制御できないようになる。
「く、くそ!自分の使役獣以外への魔法は禁止されてるはずだ!まだ俺達は続いているからそれは適応されるはずだ」
「ふふ、確かに。でもこれは魔法ではない。自身の腹筋と声帯、肺などを魔法により強化した地声を発しているだけだ。【誰にも、直接魔法をかけてはいない】」
「ぐぬぬ!仕方ない!」
『ネウマリ』!!
サンは自身の使役獣に洗脳をかける。
「俺だけでもニナのところに行く!」
ダッダッダッダッダッ
被害の少なかった獣達も追いかけていく。
残り3分を切った。
6人ほどの探す側のメンバーが
ニナのいる遺跡を取り囲み、一斉に塔の頂上へと駆け上がる。
残り2分
頂上にたどり着く。
そこには誰もおらず
ただ水溜まりのみがあるだけだった。
「着いたぞ!ニナを探せ!」
「サン君、どこにもいないよ!」
「そんなはずは、、ずっとここにいたはずなのに」
「もしかしてベガを探す間に、どこかに逃げてしまったとか」
「くっ、何にせよもう一度降りて探すぞ!最後まで諦めるな!」
サン達が降りようとした時
ネコが目の前を塞ぐ。
「おいネコ!どいてくれ!時間がないぞ!」
「待ってください、まだニナはここにいますよ」
「何!?」
残り1分を切った。
ネコは杖を出し
水溜まりに魔法をかける。
『ライト』!
ボン! ウワッ!
私は見付かってしまった。
「なっ!なぜそんなところから!」
「僕が答えよう」
ネコがネクタイを結び直し、話を続ける。
「先ほどのベガの雄叫び、あれは僕達の使役獣を混乱させるだけでなく、ニナへの合図ともなっていたのだ」
「どういうことだ」
「見付かった隠れる側によると、ベガとニナは会っており、そこで何か話したそうだ。合図とその時に決めたと思う。そして知らせを受けたニナは水溜まりへと隠れたんだ」
「それは分かったが、どうやって隠れたんだ?」
「サン達は急いでいたから気付かなかったかもしれないが、頂上付近の天井が少し湿っていた。そして頂上に着いたとき、水溜まりを見つけた。【雨も降っていないのに存在する水溜まり】を」
「しかし、こんな薄っぺらい水溜まりに隠れられるところなんて…」
「いや、良く見てほしい。実は練習獣がすっぽり入る位の深さはあるはずだ」
「なに!…ほ、ほんとだ!結構深いぞ!でもどうやって?」
「ベガがニナと別れる前にあらかじめ自身の使役獣に穴を掘らせておいたんだ。そこに水を張ったんだ」
「水?水なんてどこから出せるんだ?魔法は自分の使役獣にしか使えないはずだ」
「そう、ニナは自分の使役獣に魔法をかけたんだ【『ル・ロース』水を出す魔法】をね。水を直接出したわけでなく、あくまで使役獣に対して【(水を)かけた魔法】ということなんだ。言葉尻を取るなんてニナらしいよね」
「な、なるほど!しかし良く分かったな!ネコ!」
「まあね、だて長く一緒に居ないからね。さあニナ、君たちの負けだ。やっぱり、君には最後まで悩まされたよ」
私は何も喋らない
「ねえニナ、さっきから何も話さないよね。悔しいのは分かるけど何か喋ってよ」
「そうだぞ!敵ながら良く頑張った」
ネコたちが私に近寄ろうとする。
私は思わず、笑ってしまった。
「フフフフ、お見事ね、ネコ」
ニヤリ
私は笑みを止めることが出来ない。
「でも1つだけ間違いがあるわ」
「なに?」
「勝負は私達の勝ちよ」
ネコやサン達が顔を見合せる。
今度はネコ達が笑う。
「何を言っているんだニナ、そんなに認めたくないのかい?残り1分を切ったところで君は見付かったんだ。そうだろう?」
「じゃあモニターを見てごらん」
「モニター?、、えっ、、なんで」
モニターには
【隠れる側、残り1名。残り時間0分。よって隠れる側勝利】
と書かれていた。
「ど、どういうことだ!確かに時間内に、変身を解除する魔法をかけ、実際にニナは出てきた!おかしいじゃないか!」
「ネコの推理は完璧だった。でも、水溜まりの提案をしたのはベガ。私は最初はそれに賛成したけど、後から一応保険をかけておいたの」
「ほ、保険?」
「そう、たとえ水溜まりに魔法をかけられとしても、【負けないように】保険をね。もう一度解除の魔法をかけてみて」
「なんで、、、え…まさか、、」
ネコは唱える。
『ライト』!
ボーン
ニナだったものは
ポコへと変身が解除された。
「え、、何がどうなって…」
「簡単な話、私は自分の使役獣に変身の魔法をかけたの。【私の姿】になるようにね。もし見付かったとしても、【見付かったフリ】をして時間を稼ぐため」
「本当はかかってなかったのか…」
「そう、深い水の中では長くは息が続かない。だから私はこうした」
1.ベガが掘った穴にまず入る
2.そして掘った土で作っておいた、上を少し窪ませた、底の深い桶状のものを頭に被せる
3.水を張るが、この時、桶の中に残っている空気で息はできる。また上が窪んでいるのでパッと見では一面に水が張っているように見える
4.その桶に変身の解除の魔法を駆けても意味はないが、それを聞いた瞬間にニナに変身したポコが出たら勘違いするはず
私は一通り説明を終える。
「こんな感じよ。まあ何て言うか」
私はネコ達の前に立ち
「負けたからってあまり落ち込まないで。良く頑張ったよ」
ゥワァァァァーーーーー!!! パーーーン!!
「何ということでしょう!勝者は隠れる側チーム!隠れる側チームです!いやあ、最後までドキドキでしたね」
「全く、ルールすれすれなのだ。ニナはいつも!しかしまあ両者とも良く頑張ったのだ!みなさん!生徒達に拍手!」
ィエーーーイ! パチパチパチパチパチ ヒュー
大歓声の中
第1試合はおわったのだった。
私は初めて
自分が心配症で良かったと思った。
「残っているのはラ・スーメルのニナとアイアネスのベガなのだ。どちらも実力は十分にあるのだ。探す側、隠れる側、どちらも頑張ってほしいのだ。」
残り10分…
あの後私とベガは別れ
私は依然塔のてっぺんにいた。
「…どうしてみんなここに来ないんだろう」
「どうしたのニナ、来ないに越したことはないじゃないか」
「まあそうなんだけどね。ちょっと逆に不安かなって」
「ニナってポジティブなのか心配症なのか微妙だよねー」
「だ、誰だってそうでしょう!」
ポコと緊張感のない会話をしつつ
私達はベガからの合図が来るのを待っていた。
~~~一方ネコ達は~~~
「やっぱり、残ったのはニナとベガか」
「だね、予想通りちゃ予想通りだね」
「ニナの居場所は最初から分かっていた。でもあそこに何分も居るなんて、きっと策があるに違いない。あいつはそういうやつだ」
「サン、僕もそう思うよ。だから最後の1人になったら一斉に詰め寄ろう」
「そうなると残りはベガか、、見付かったやつに洗脳かけたところ、ベガの杖の能力は対象の身体能力の一部を大幅に上げることらしい」
「中々厄介だね、通常のカクレンボと違い、見付けても魔法をかけ、変身を解除しないといけないから、その隙に逃げられてしまう」
「ああ、不意を突くしかなさそうだ。何かいい案はあるか?」
「僕がとりあえず場所は見つける。みんなは僕を中心に1km程離れて円状に囲んで欲しい。合図で一斉にその輪を縮め、魔法をかければベガでも変身解除できると思う」
「残り時間も少ない。それをやってみよう」
ウン コクッ
サンを中心にトランシーバーで作戦をみんなに伝え、動き出す。
ネコは杖をだし自身の使役獣に
『ベコン』!!
魔法を唱える。
キラキラキラキラ キュイン キュイン!!
ベコンは幸運を呼ぶ魔法。見付けられる確率を上げ、ネコそのものが持っている特性の嗅覚でベガを探す。
探す側に加え、見付かった隠れる側の証言もあり、ベガを見つけ出すのにはそう時間はかからなかった。
「いた!ベガを発見したがすぐに逃げられた。場所は西の遺跡、中央からの距離は大体1.8km。みなさん、急いで囲んでください!」
ネコの指示のもと探す側は一斉に囲みながら駆け込む。
「いたぞ!みんな!魔法をかけろ!」
杖をだし畳み掛ける。
『ライト』!『ライト』!『ライト』!!!
しかしベガは物凄い速度で躱し続け、近くの遺跡の建造物にと逃げ込んだ。
「はぁ、はぁ、なんて速さだ。だが、追い込んだぞ!みんな中に入ろう!」
探す側30人が遺跡の中に入っていく。
実況はタイムリミットを知らせる。
「残り5分です!果たして探しきることは出来るのでしょうか!ベガ君に至っては見付かっているのに、まだルール上はセーフとなっていますが、エミオンさん、この辺いかがでしょうか?」
「うむ!本来ならダメだが、これは操獣カクレンボなのだ。また速すぎてそれが本物か残像か見分けが付かなくては見付かったことにはならいのだ!」
「なるほど、つまり、このまま凄いスピードでベガさんは逃げきってしまうかもということなんでしょうか」
「いや、限られた範囲内であれば逃げる先も読め、あの人数が居れば見つけるのもそうさんなにはかからないはずなのだ!問題はニナを見つける時間が残っているか、ということなのだ!」
「なるほど、両チームまだまだ勝機はあるということですね。是非最後まで頑張って貰いたいです!」
残り5分…
「よし!最後の一斉詠唱だ!魔法をかけろ!」
『『『ライト』』』!!!
「うわ!」
ベガは魔法をかけられ
変身を解除される。
【隠れる側、残り1人】
残りはニナだけとなった。
「さあ、残りはニナだけだ!早速ベガに催眠をかけてニナがどんな作戦を立てているか聞こう」
サンがベガに魔法をかけようとした時
グォォオオオーーーーーーーーン!!!!
ベガは叫び出した。
「うっ、なんだこの音は!耳が、、痛いっ!」
「こ、これは、、はっ!まずい!」
その瞬間、使役獣達が暴れだす。
極限に嗅覚、聴覚など神経を割き
ベガを探すことに集中したせいで
ベガの超音波の攻撃をもろにくらい
制御できないようになる。
「く、くそ!自分の使役獣以外への魔法は禁止されてるはずだ!まだ俺達は続いているからそれは適応されるはずだ」
「ふふ、確かに。でもこれは魔法ではない。自身の腹筋と声帯、肺などを魔法により強化した地声を発しているだけだ。【誰にも、直接魔法をかけてはいない】」
「ぐぬぬ!仕方ない!」
『ネウマリ』!!
サンは自身の使役獣に洗脳をかける。
「俺だけでもニナのところに行く!」
ダッダッダッダッダッ
被害の少なかった獣達も追いかけていく。
残り3分を切った。
6人ほどの探す側のメンバーが
ニナのいる遺跡を取り囲み、一斉に塔の頂上へと駆け上がる。
残り2分
頂上にたどり着く。
そこには誰もおらず
ただ水溜まりのみがあるだけだった。
「着いたぞ!ニナを探せ!」
「サン君、どこにもいないよ!」
「そんなはずは、、ずっとここにいたはずなのに」
「もしかしてベガを探す間に、どこかに逃げてしまったとか」
「くっ、何にせよもう一度降りて探すぞ!最後まで諦めるな!」
サン達が降りようとした時
ネコが目の前を塞ぐ。
「おいネコ!どいてくれ!時間がないぞ!」
「待ってください、まだニナはここにいますよ」
「何!?」
残り1分を切った。
ネコは杖を出し
水溜まりに魔法をかける。
『ライト』!
ボン! ウワッ!
私は見付かってしまった。
「なっ!なぜそんなところから!」
「僕が答えよう」
ネコがネクタイを結び直し、話を続ける。
「先ほどのベガの雄叫び、あれは僕達の使役獣を混乱させるだけでなく、ニナへの合図ともなっていたのだ」
「どういうことだ」
「見付かった隠れる側によると、ベガとニナは会っており、そこで何か話したそうだ。合図とその時に決めたと思う。そして知らせを受けたニナは水溜まりへと隠れたんだ」
「それは分かったが、どうやって隠れたんだ?」
「サン達は急いでいたから気付かなかったかもしれないが、頂上付近の天井が少し湿っていた。そして頂上に着いたとき、水溜まりを見つけた。【雨も降っていないのに存在する水溜まり】を」
「しかし、こんな薄っぺらい水溜まりに隠れられるところなんて…」
「いや、良く見てほしい。実は練習獣がすっぽり入る位の深さはあるはずだ」
「なに!…ほ、ほんとだ!結構深いぞ!でもどうやって?」
「ベガがニナと別れる前にあらかじめ自身の使役獣に穴を掘らせておいたんだ。そこに水を張ったんだ」
「水?水なんてどこから出せるんだ?魔法は自分の使役獣にしか使えないはずだ」
「そう、ニナは自分の使役獣に魔法をかけたんだ【『ル・ロース』水を出す魔法】をね。水を直接出したわけでなく、あくまで使役獣に対して【(水を)かけた魔法】ということなんだ。言葉尻を取るなんてニナらしいよね」
「な、なるほど!しかし良く分かったな!ネコ!」
「まあね、だて長く一緒に居ないからね。さあニナ、君たちの負けだ。やっぱり、君には最後まで悩まされたよ」
私は何も喋らない
「ねえニナ、さっきから何も話さないよね。悔しいのは分かるけど何か喋ってよ」
「そうだぞ!敵ながら良く頑張った」
ネコたちが私に近寄ろうとする。
私は思わず、笑ってしまった。
「フフフフ、お見事ね、ネコ」
ニヤリ
私は笑みを止めることが出来ない。
「でも1つだけ間違いがあるわ」
「なに?」
「勝負は私達の勝ちよ」
ネコやサン達が顔を見合せる。
今度はネコ達が笑う。
「何を言っているんだニナ、そんなに認めたくないのかい?残り1分を切ったところで君は見付かったんだ。そうだろう?」
「じゃあモニターを見てごらん」
「モニター?、、えっ、、なんで」
モニターには
【隠れる側、残り1名。残り時間0分。よって隠れる側勝利】
と書かれていた。
「ど、どういうことだ!確かに時間内に、変身を解除する魔法をかけ、実際にニナは出てきた!おかしいじゃないか!」
「ネコの推理は完璧だった。でも、水溜まりの提案をしたのはベガ。私は最初はそれに賛成したけど、後から一応保険をかけておいたの」
「ほ、保険?」
「そう、たとえ水溜まりに魔法をかけられとしても、【負けないように】保険をね。もう一度解除の魔法をかけてみて」
「なんで、、、え…まさか、、」
ネコは唱える。
『ライト』!
ボーン
ニナだったものは
ポコへと変身が解除された。
「え、、何がどうなって…」
「簡単な話、私は自分の使役獣に変身の魔法をかけたの。【私の姿】になるようにね。もし見付かったとしても、【見付かったフリ】をして時間を稼ぐため」
「本当はかかってなかったのか…」
「そう、深い水の中では長くは息が続かない。だから私はこうした」
1.ベガが掘った穴にまず入る
2.そして掘った土で作っておいた、上を少し窪ませた、底の深い桶状のものを頭に被せる
3.水を張るが、この時、桶の中に残っている空気で息はできる。また上が窪んでいるのでパッと見では一面に水が張っているように見える
4.その桶に変身の解除の魔法を駆けても意味はないが、それを聞いた瞬間にニナに変身したポコが出たら勘違いするはず
私は一通り説明を終える。
「こんな感じよ。まあ何て言うか」
私はネコ達の前に立ち
「負けたからってあまり落ち込まないで。良く頑張ったよ」
ゥワァァァァーーーーー!!! パーーーン!!
「何ということでしょう!勝者は隠れる側チーム!隠れる側チームです!いやあ、最後までドキドキでしたね」
「全く、ルールすれすれなのだ。ニナはいつも!しかしまあ両者とも良く頑張ったのだ!みなさん!生徒達に拍手!」
ィエーーーイ! パチパチパチパチパチ ヒュー
大歓声の中
第1試合はおわったのだった。
私は初めて
自分が心配症で良かったと思った。
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