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第4章 ヴァイナー杯って何なんだ!?
ピリアちゃんって誰なんだ!?
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タッタッタッ タッタッタッタッタッ
「えー、ここも行き止まりじゃん。ボールも全然見つからないし」
「まだ始まって5分も経ってないでヤスよ。根気よく行くでヤス」
「わかってるけどー」
突然出現した壁、迷路と化した会場を
探せど探せど敵もボールも見つからない。
第2試合会場は正三角形になっており
それぞれの頂点から各チームはスタートする。
私達は壁沿いを行くよりもまずは中央を目指し、ボール集めに専念することにした。
しかし上手くいかず、焦っている。
「敵もいないのが不気味ね、もしかして壁沿いで一直線に、私達のゴールに向かっているのかしら。一度戻ろうかしら」
「ダメでヤスよ。少なくともボールを見つけるまでは進路を変更しない方がいいでヤス。守るより攻めでヤス」
「ダニエルって結構攻撃的なのね」
「僕は勝負には勝ちたい主義でヤスから」
「ふふ、私もよ」
その後2分程探したら
やっとボールを1つ見つけた。
「やった!ボールみっけ!」
「早速相手チームに行ってみるでヤスね!」
「うん!、、えっとー、、ここはどこ?」
「あー、、真ん中?辺りでヤスかね」
「…とりあえず奥に行こう!」
ボール探しに夢中になりすぎて
ここがどこか分からなってしまった。
複雑な迷路
私達以外の生物の気配の無さ
ボールを持つ手が汗で滲む。
するとどこからともなく
何か音がする。
「あれ、何か聞こえない?」
「そうでヤスね」
~♪
ねーむれー ねーむれー
良い子にそーだーてー
よーぞらーに光るー星のようにー
~♪
「子守唄?」
「とにかく油断は出来ないでヤスね」
私は慎重に歌っている人の所に近づく。
どんどん歌声は大きくなっていく。
そして
タッタッタッ バッ!
「あ、あれ消えた?」
「どこに行ったでヤスか?」
辺りを見渡すが誰もいない。
「ねぇねぇ、誰を探しているの?」
「うわ!誰っ!」
後ろを振り向くと
ハートの髪飾りをした女の子がいた。
「あ!ボール持ってるー。ピリアちゃんにちょーだい!」
「だ、ダメよ!私達のボール!」
「えー、ケチー」
「て、敵でヤスよね?」
「んー、ピリアちゃんは良く分かんないから、適当に歩いてるだけ。ただボールを見付けてこい、って言われているだけー」
髪の毛をクルクルと巻いている。
ピリアちゃん?は恐らく敵だが
緊張感が全くない。
「どうする?ダニエル」
「ど、どうするも、、向こうはこっちを襲う気はなさそうでヤスし、ほっといていいんじゃないでヤスか?」
「ほっとけないよ!ボール見つけたら攻めて来そうだし、ダニエルのナシコでとりあえず足止めしといたら?」
「一応やっておきヤスか」
『エヴポレイション』!
ボワン モクモクモクモクモク
一面が霧で覆われる。
「何これー、何も見えないー」
「よし、今のうちでヤス!」
私達は走ってその場から離れようとする。
「見えない…見えない…何も見えないよ…怖い…怖い怖い怖い怖い怖い怖い……助けて…お母さん」
ギュィンン! グラッ
走っていた先の視界が揺らぐ。
「あ、あれ、何かおかしい…だ、ダニエル、、どうなって…」
バタン 私は気を失った。
どれくらい経ったのだろうか
私は実況の声で目を覚ます。
「さあいよいよラストスパート!残り5分を切りました!現在のトップはリーダーがベガ君のチームです!得点はこちら!」
バッ!
~~~~~~
ベガ、チーム 15
ピリア、チーム 6
シロナ、チーム 0
~~~~~~
「これはもうベガチームの勝ちですかね、どうでしょう、解説エミオンさん」
「うむ、順調に進んでおるのだ!しかし他のチームも最後まで頑張るのだ!」
「みなさん、最後まで頑張ってください!」
どうやらかなりの時間眠っていたようだ。
「残り5分か、、まだ諦めたくない。行かなきゃ」
立ち上がり、ボールを取り
走り出そうとする。
すると目の前にネコが現れた。
「え、ネコどうして?会場が違うはずじゃ、、」
ネコは黙っている。
「もう残り5分しかないよ、そこをどいてよ」
ずっと黙ったままだ。
私は構わずネコの横を通りすぎる。
通り際に耳元で
「事実と言うものは存在しない」
と呟いた。
「え、何て言ったの?」
「存在するのは解釈だけである」
「どうゆうこと?ネコ」
ネコに触れようとした時
私の見ていた世界はまた歪み
崩れ落ちるのだった。
「ん、んんーー、、、あれ、、私は何を…ん?あれ?う、動かないっ!!」
再び目が覚めたら私は壁にくっついて動けなくなっていた。
「うう、ニナっち、目が覚めたの?」
「クライ!ノノノ君、ソニア、シロナさんも!」
みんな壁にくっついている。
勿論その使役獣達もだ。
「誰がこんな事を…」
「それは、、」
「やあやあお目覚めでヤスね、ニナさん」
「ダニエル!ダニエルは無事なのね、、よかったわ!何とかして壁から剥がせない?」
「うーん、それは出来ないでヤスね」
「ニナっち、聞いて」
「待ってクライ、今ダニエルと話しているの。ダニエル、杖の能力でなんとかならない?」
「ニナっち!」
「何クライ!早くしないと敵が来ちゃうよ!」
「ニナっち、ダニエルが私達をこんな風にしているの」
「え、どう言うこと?」
「あー、そうかそうか。ニナさんは眠っていたので何も覚えてないでヤスね。そうヤス。僕の杖の能力でみなさんを壁にくっつけましたヤス。なので戻そうと思えば戻せますヤス」
「なら早くしてよ!」
「だ・か・ら、裏切ったんでヤスよ。あなた達を、僕は。なのでそれはでき無いヤスよ」
えっ
思わず言葉が詰まる。
「ど、どうして!?勝ちに拘ってたんじゃないの?」
「所詮ここを勝ったとしても最後は1対1で戦う事になるヤス。そうなった場合、僕や僕の杖の能力は戦闘向きでないから目立たないでヤス。成績伸びないでヤスし、企業の人にも注目されないでヤス」
ダニエルは続ける。
「だから、油断をしている仲間を壁にくっつけ、僕の有用性をアピールしたいのでヤス!そのために、彼女にも協力してもらいましたヤス」
「か、彼女?」
「ねーむれー、ねーむれー♪ニナちゃん良く眠れました?」
「ぴ、ピリアさん?」
「もう~ピリアちゃんでいいよー。私の杖の能力で眠ってもらったの、一番厄介そうなニナちゃんに」
「ベガ君とも連携とれて、お互いにボールをみつけて、ニナさんのチームのリングにいれるって話しになってるから」
「ボール♪ボール♪ボールを探そう♪」
「ねえ!ちょっと待ってよ!ねえったら!」
ピリアさんはボールを探しに行ってしまった。
ダニエルはニタニタしながら私達に杖を向け、その場を動かなかった。
「さいってーね、ダニエル」
「将来の為ヤス、みんな自分の為にこの試合をやっているヤスね。一時的に味方なだけで、本来は自分以外は敵でヤス。甘いんでヤスよ、あなた達は」
どうしよう。
杖も触れないし、使役獣も動けない。
私達はただ呆然と
リングにボールが入るのを見ていることしかできなかったのだった。
「えー、ここも行き止まりじゃん。ボールも全然見つからないし」
「まだ始まって5分も経ってないでヤスよ。根気よく行くでヤス」
「わかってるけどー」
突然出現した壁、迷路と化した会場を
探せど探せど敵もボールも見つからない。
第2試合会場は正三角形になっており
それぞれの頂点から各チームはスタートする。
私達は壁沿いを行くよりもまずは中央を目指し、ボール集めに専念することにした。
しかし上手くいかず、焦っている。
「敵もいないのが不気味ね、もしかして壁沿いで一直線に、私達のゴールに向かっているのかしら。一度戻ろうかしら」
「ダメでヤスよ。少なくともボールを見つけるまでは進路を変更しない方がいいでヤス。守るより攻めでヤス」
「ダニエルって結構攻撃的なのね」
「僕は勝負には勝ちたい主義でヤスから」
「ふふ、私もよ」
その後2分程探したら
やっとボールを1つ見つけた。
「やった!ボールみっけ!」
「早速相手チームに行ってみるでヤスね!」
「うん!、、えっとー、、ここはどこ?」
「あー、、真ん中?辺りでヤスかね」
「…とりあえず奥に行こう!」
ボール探しに夢中になりすぎて
ここがどこか分からなってしまった。
複雑な迷路
私達以外の生物の気配の無さ
ボールを持つ手が汗で滲む。
するとどこからともなく
何か音がする。
「あれ、何か聞こえない?」
「そうでヤスね」
~♪
ねーむれー ねーむれー
良い子にそーだーてー
よーぞらーに光るー星のようにー
~♪
「子守唄?」
「とにかく油断は出来ないでヤスね」
私は慎重に歌っている人の所に近づく。
どんどん歌声は大きくなっていく。
そして
タッタッタッ バッ!
「あ、あれ消えた?」
「どこに行ったでヤスか?」
辺りを見渡すが誰もいない。
「ねぇねぇ、誰を探しているの?」
「うわ!誰っ!」
後ろを振り向くと
ハートの髪飾りをした女の子がいた。
「あ!ボール持ってるー。ピリアちゃんにちょーだい!」
「だ、ダメよ!私達のボール!」
「えー、ケチー」
「て、敵でヤスよね?」
「んー、ピリアちゃんは良く分かんないから、適当に歩いてるだけ。ただボールを見付けてこい、って言われているだけー」
髪の毛をクルクルと巻いている。
ピリアちゃん?は恐らく敵だが
緊張感が全くない。
「どうする?ダニエル」
「ど、どうするも、、向こうはこっちを襲う気はなさそうでヤスし、ほっといていいんじゃないでヤスか?」
「ほっとけないよ!ボール見つけたら攻めて来そうだし、ダニエルのナシコでとりあえず足止めしといたら?」
「一応やっておきヤスか」
『エヴポレイション』!
ボワン モクモクモクモクモク
一面が霧で覆われる。
「何これー、何も見えないー」
「よし、今のうちでヤス!」
私達は走ってその場から離れようとする。
「見えない…見えない…何も見えないよ…怖い…怖い怖い怖い怖い怖い怖い……助けて…お母さん」
ギュィンン! グラッ
走っていた先の視界が揺らぐ。
「あ、あれ、何かおかしい…だ、ダニエル、、どうなって…」
バタン 私は気を失った。
どれくらい経ったのだろうか
私は実況の声で目を覚ます。
「さあいよいよラストスパート!残り5分を切りました!現在のトップはリーダーがベガ君のチームです!得点はこちら!」
バッ!
~~~~~~
ベガ、チーム 15
ピリア、チーム 6
シロナ、チーム 0
~~~~~~
「これはもうベガチームの勝ちですかね、どうでしょう、解説エミオンさん」
「うむ、順調に進んでおるのだ!しかし他のチームも最後まで頑張るのだ!」
「みなさん、最後まで頑張ってください!」
どうやらかなりの時間眠っていたようだ。
「残り5分か、、まだ諦めたくない。行かなきゃ」
立ち上がり、ボールを取り
走り出そうとする。
すると目の前にネコが現れた。
「え、ネコどうして?会場が違うはずじゃ、、」
ネコは黙っている。
「もう残り5分しかないよ、そこをどいてよ」
ずっと黙ったままだ。
私は構わずネコの横を通りすぎる。
通り際に耳元で
「事実と言うものは存在しない」
と呟いた。
「え、何て言ったの?」
「存在するのは解釈だけである」
「どうゆうこと?ネコ」
ネコに触れようとした時
私の見ていた世界はまた歪み
崩れ落ちるのだった。
「ん、んんーー、、、あれ、、私は何を…ん?あれ?う、動かないっ!!」
再び目が覚めたら私は壁にくっついて動けなくなっていた。
「うう、ニナっち、目が覚めたの?」
「クライ!ノノノ君、ソニア、シロナさんも!」
みんな壁にくっついている。
勿論その使役獣達もだ。
「誰がこんな事を…」
「それは、、」
「やあやあお目覚めでヤスね、ニナさん」
「ダニエル!ダニエルは無事なのね、、よかったわ!何とかして壁から剥がせない?」
「うーん、それは出来ないでヤスね」
「ニナっち、聞いて」
「待ってクライ、今ダニエルと話しているの。ダニエル、杖の能力でなんとかならない?」
「ニナっち!」
「何クライ!早くしないと敵が来ちゃうよ!」
「ニナっち、ダニエルが私達をこんな風にしているの」
「え、どう言うこと?」
「あー、そうかそうか。ニナさんは眠っていたので何も覚えてないでヤスね。そうヤス。僕の杖の能力でみなさんを壁にくっつけましたヤス。なので戻そうと思えば戻せますヤス」
「なら早くしてよ!」
「だ・か・ら、裏切ったんでヤスよ。あなた達を、僕は。なのでそれはでき無いヤスよ」
えっ
思わず言葉が詰まる。
「ど、どうして!?勝ちに拘ってたんじゃないの?」
「所詮ここを勝ったとしても最後は1対1で戦う事になるヤス。そうなった場合、僕や僕の杖の能力は戦闘向きでないから目立たないでヤス。成績伸びないでヤスし、企業の人にも注目されないでヤス」
ダニエルは続ける。
「だから、油断をしている仲間を壁にくっつけ、僕の有用性をアピールしたいのでヤス!そのために、彼女にも協力してもらいましたヤス」
「か、彼女?」
「ねーむれー、ねーむれー♪ニナちゃん良く眠れました?」
「ぴ、ピリアさん?」
「もう~ピリアちゃんでいいよー。私の杖の能力で眠ってもらったの、一番厄介そうなニナちゃんに」
「ベガ君とも連携とれて、お互いにボールをみつけて、ニナさんのチームのリングにいれるって話しになってるから」
「ボール♪ボール♪ボールを探そう♪」
「ねえ!ちょっと待ってよ!ねえったら!」
ピリアさんはボールを探しに行ってしまった。
ダニエルはニタニタしながら私達に杖を向け、その場を動かなかった。
「さいってーね、ダニエル」
「将来の為ヤス、みんな自分の為にこの試合をやっているヤスね。一時的に味方なだけで、本来は自分以外は敵でヤス。甘いんでヤスよ、あなた達は」
どうしよう。
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