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第4章 ヴァイナー杯って何なんだ!?
試合に勝のは誰の為なんだ!?
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「さあ残り15分となりました!現在はチーム、ベガが一歩リードしている状態です。しかし解説のエミオンさん、まさかダニエル君が裏切るとは思いませんでしたね」
「うむ、そのためニナのチームは圧倒的に不利なのだ!だがそれも含めヴァイナー杯、勝負とは何が起こるか分からないものなのだ!」
「なるほど。生徒のみなさんは1年生にして勝負の厳しさを知ったわけですね!果たして勝つのはチーム、ベガか!それともチーム、ピリアか!番狂わせのチーム、ニナがあるのか!最後まで目が離せません!」
残り15分か、、
ポイント差は広がる一方だ。
ボールはどうやら時間が経つに連れて、その数が多くなるらしい。
場所はランダムだが機動力の高いベガにかかれば関係ない。
ピリアも勝敗には興味がなく、ある程度ポイントを稼いだら全てベガに渡してしまっていた。
「いい調子でヤスね。こんなに長時間魔法を使い続けれるなんて、、ああ!本当に僕は天才ヤスね!!みんなも僕を褒めてくれるヤス!」
「仲間を裏切って果たして正当に評価されるのかしら」
「ふん!魔法使いの世界は実力が全てヤス。騙された方が悪いでヤス!」
「アンタ!この試合終わったら覚えておきなさいよ!アタイ!許さないから!!」
「ああ、そうしてくれても構わないでヤス。君達の評価は下がって、僕の評価は上がる。警備系の仕事には僕の接着魔法が有効と示せた!!僕は試合には負けるが勝負には勝ったんだ!」
ふつふつと怒りが沸いてくる。
ダニエルにも勿論ムカついている。
でも一番は裏切りを見抜け無かった自分に、私はイラついていた。
「ニナ、悔しいヤスか?期末テストで学年1位を取っても操獣はからっきし、おまけに今回のこんな醜態ヤス。ホント、可愛そうになってくるヤス」
「ぷっ、、っく、ハハハハハ!!」
「な、何が可笑しいでヤスか!?」
「いやー、よく喋るなーっと思って。自分の口を接着するのは不得意らしいね」
「うるさいヤス!」
グィン!! ウッ!!
私は強く壁に押し付けられる。
スピーカーから警告音が流れる。
[ダニエル、それ以上やると人へ武力行使として失格させます]
「ちっ!」
ダニエルの接着魔法の力が緩む。
「かはっ!…はぁはぁ、ねぇ、、ダニエル、、ゲームをしない?」
「突然何ヤスか?」
「もう私達の負けは確定しているわ。暇潰しにゲームをしませんか?」
「そう言ってまた何か罠をしかけるでヤスか!ニナは頭が回るヤス!」
「私は杖も持っていないのよ?丸腰の女の子の勝負を断ってはあなたの評価どうなるかしら?」
「くっ!とりあえず話だけ聞くでヤス」
「そうね、残り時間は大体10分。【しりとり】でもしましょう。知っているでしょう?言葉の最後の文字を繋げていく遊び。最後に【ん】がついたら負け」
「僕を舐めているヤスか!当然知ってるヤス!それで、僕が勝ったらどうなるヤスか?」
「私の杖をあげるわ。結構高いのよ」
「聞いたことあるヤス。1億トニーするらしいヤスね。よし、、それで、ニナが勝ったらどうなるヤス?」
「私達を解放して」
「くくく、分かったよ」
「ニナっちいいの!?そいつ負けても絶対言うこと守らないよ!」
「さあどうかしら、みんな見ているし約束は守ると思うわ」
「だ、そうでヤス。早速ゲームをするでヤス。ただし、そっちは全員参加でヤス。ノノノも参加するでヤス」
「そんな!ノノノ君は喋れないのよ!」
「じゃあノノノまで番が回ったらそっちの負けでヤスね。別に僕はどっちでも良いのでヤスよ」
「…良いわ。やりましょう。」
「くくく、それじゃあ僕からやるヤスよ。最初の言葉はそうだな。【ニナ】だ」
「あら、面白いわね。じゃあ【ナシコ】」
「こ、、【コウモリ】ヤス」
「え、えーーっと、【リーダー】だよ!」
「だ、、ふっ、【ダニエル】ヤス」
「ああ、ついに私の番ですね。【ルール】です」
「る、、番人の【ルチア】ヤス」
「、、私の番だね。【アイアネス】だよ」
「クックックッ、次で最後でヤスね!【スロテミス】!さあノノノ!答えるでヤス!」
「んんんーー!んんんー!」
「答えられないヤスか!?それじゃあ!このゲームは僕の勝ち!ニナの杖は僕のものヤス!」
ダニエルは私達から取った杖から
私の杖を取り出そうとする。
「あらあら、勝負はノノノ君の勝ちだわ」
ピタッ ダニエルの手が止まる。
「何?どうしてヤスか?ノノノは答えられなかったヤス。どう考えても負けヤス!」
「ノノノ君答えたよね?」
私はノノノ君と顔を見合わせる。
パチッ
私はウィンクをノノノ君にした。
「んん!!んんんー!」
「うんうん、良く分かったわ。確かに答えたそうよ」
「な、何て答えたでヤスか!【ん】しか言ってないヤスよ!」
「いいえ、ちゃんと答えていたわ【スカルプルム】接着の魔法をね!!」
すると私の体はもっと壁にくっつき始める。
ウッ! カハッ!
「な、何をしているでヤスか!」
「他人への武力行使はダメだけど、自分への武力行使はダメとは言ってなかったわ。ここで圧迫されながら死んでやる!!あなたは一生、人殺しのレッテルを張られるわ!」
「わわ!止めるんだ!!」
ダニエルは思わず接着魔法を緩める。
「ノノノ君!」
「んん!!」
ノノノ君はダニエルに飛びかかり無理やり杖を取る。
「何するんでヤスか!」
ダニエルもノノノを蹴り、離そうとした。
そこで警告音が流れる。
[ダニエル、ノノノ、他者への武力行使により失格。退場となる]
「なに!!僕は正当防衛でヤスよ!」
[いかなることがあっても武力行使は認めません]
「くそっ!」
私達は解放され、体が自由になる。
「はーー、、やっと解放された」
「何で…」
「ん?」
「何でノノノはそこまでして!それにニナは死ぬ気じゃなかったのか!?」
「あー、、私そもそも魔法使えないからそんなのできないじゃん。ちょっと考えれば分かる事だけど、目先の欲で目が眩んでいたあなたには、気付けなかったかもね。私の演技、上手かった?」
「くそ!!じゃあノノノは!なんで自分が失格になるのにあんな事を!」
「私が頼んだの。ノノノ君は人の心を読むのが得意。魔法を使わなくてもある程度は読めるの。やってくれたら後でノノノ君の好きなお菓子あげるって」
「そ、そんな事で、、つくづく愚かなやつだ!」
「あら、愚かなのはどっちかしら。仲間の為に自らを犠牲にしてまで行動した人と、自分の為に仲間を裏切った人。正当に評価されるべき人は明白よ」
「…ふん!それで勝ったつもりか!もう残り5分も無いぞ!どうせこの試合はお前達の負けなんだ!!」
「さあね、どうかしら。あと、さっきから怒りのあまり、語尾の『ヤス』が抜けているわよ。まあどうでもいいけど、私の杖を返してよね」
私は杖を奪い取る。
「あ!しりとりで負けたのに!約束を守らないのか!、、ヤスか!!」
私はダニエルに背を向け
顔だけ振り返り
【ニヤリ】
「騙される方が悪いのよ」
ダニエルは呆然と
うなだれるしか無かったのだった。
「うむ、そのためニナのチームは圧倒的に不利なのだ!だがそれも含めヴァイナー杯、勝負とは何が起こるか分からないものなのだ!」
「なるほど。生徒のみなさんは1年生にして勝負の厳しさを知ったわけですね!果たして勝つのはチーム、ベガか!それともチーム、ピリアか!番狂わせのチーム、ニナがあるのか!最後まで目が離せません!」
残り15分か、、
ポイント差は広がる一方だ。
ボールはどうやら時間が経つに連れて、その数が多くなるらしい。
場所はランダムだが機動力の高いベガにかかれば関係ない。
ピリアも勝敗には興味がなく、ある程度ポイントを稼いだら全てベガに渡してしまっていた。
「いい調子でヤスね。こんなに長時間魔法を使い続けれるなんて、、ああ!本当に僕は天才ヤスね!!みんなも僕を褒めてくれるヤス!」
「仲間を裏切って果たして正当に評価されるのかしら」
「ふん!魔法使いの世界は実力が全てヤス。騙された方が悪いでヤス!」
「アンタ!この試合終わったら覚えておきなさいよ!アタイ!許さないから!!」
「ああ、そうしてくれても構わないでヤス。君達の評価は下がって、僕の評価は上がる。警備系の仕事には僕の接着魔法が有効と示せた!!僕は試合には負けるが勝負には勝ったんだ!」
ふつふつと怒りが沸いてくる。
ダニエルにも勿論ムカついている。
でも一番は裏切りを見抜け無かった自分に、私はイラついていた。
「ニナ、悔しいヤスか?期末テストで学年1位を取っても操獣はからっきし、おまけに今回のこんな醜態ヤス。ホント、可愛そうになってくるヤス」
「ぷっ、、っく、ハハハハハ!!」
「な、何が可笑しいでヤスか!?」
「いやー、よく喋るなーっと思って。自分の口を接着するのは不得意らしいね」
「うるさいヤス!」
グィン!! ウッ!!
私は強く壁に押し付けられる。
スピーカーから警告音が流れる。
[ダニエル、それ以上やると人へ武力行使として失格させます]
「ちっ!」
ダニエルの接着魔法の力が緩む。
「かはっ!…はぁはぁ、ねぇ、、ダニエル、、ゲームをしない?」
「突然何ヤスか?」
「もう私達の負けは確定しているわ。暇潰しにゲームをしませんか?」
「そう言ってまた何か罠をしかけるでヤスか!ニナは頭が回るヤス!」
「私は杖も持っていないのよ?丸腰の女の子の勝負を断ってはあなたの評価どうなるかしら?」
「くっ!とりあえず話だけ聞くでヤス」
「そうね、残り時間は大体10分。【しりとり】でもしましょう。知っているでしょう?言葉の最後の文字を繋げていく遊び。最後に【ん】がついたら負け」
「僕を舐めているヤスか!当然知ってるヤス!それで、僕が勝ったらどうなるヤスか?」
「私の杖をあげるわ。結構高いのよ」
「聞いたことあるヤス。1億トニーするらしいヤスね。よし、、それで、ニナが勝ったらどうなるヤス?」
「私達を解放して」
「くくく、分かったよ」
「ニナっちいいの!?そいつ負けても絶対言うこと守らないよ!」
「さあどうかしら、みんな見ているし約束は守ると思うわ」
「だ、そうでヤス。早速ゲームをするでヤス。ただし、そっちは全員参加でヤス。ノノノも参加するでヤス」
「そんな!ノノノ君は喋れないのよ!」
「じゃあノノノまで番が回ったらそっちの負けでヤスね。別に僕はどっちでも良いのでヤスよ」
「…良いわ。やりましょう。」
「くくく、それじゃあ僕からやるヤスよ。最初の言葉はそうだな。【ニナ】だ」
「あら、面白いわね。じゃあ【ナシコ】」
「こ、、【コウモリ】ヤス」
「え、えーーっと、【リーダー】だよ!」
「だ、、ふっ、【ダニエル】ヤス」
「ああ、ついに私の番ですね。【ルール】です」
「る、、番人の【ルチア】ヤス」
「、、私の番だね。【アイアネス】だよ」
「クックックッ、次で最後でヤスね!【スロテミス】!さあノノノ!答えるでヤス!」
「んんんーー!んんんー!」
「答えられないヤスか!?それじゃあ!このゲームは僕の勝ち!ニナの杖は僕のものヤス!」
ダニエルは私達から取った杖から
私の杖を取り出そうとする。
「あらあら、勝負はノノノ君の勝ちだわ」
ピタッ ダニエルの手が止まる。
「何?どうしてヤスか?ノノノは答えられなかったヤス。どう考えても負けヤス!」
「ノノノ君答えたよね?」
私はノノノ君と顔を見合わせる。
パチッ
私はウィンクをノノノ君にした。
「んん!!んんんー!」
「うんうん、良く分かったわ。確かに答えたそうよ」
「な、何て答えたでヤスか!【ん】しか言ってないヤスよ!」
「いいえ、ちゃんと答えていたわ【スカルプルム】接着の魔法をね!!」
すると私の体はもっと壁にくっつき始める。
ウッ! カハッ!
「な、何をしているでヤスか!」
「他人への武力行使はダメだけど、自分への武力行使はダメとは言ってなかったわ。ここで圧迫されながら死んでやる!!あなたは一生、人殺しのレッテルを張られるわ!」
「わわ!止めるんだ!!」
ダニエルは思わず接着魔法を緩める。
「ノノノ君!」
「んん!!」
ノノノ君はダニエルに飛びかかり無理やり杖を取る。
「何するんでヤスか!」
ダニエルもノノノを蹴り、離そうとした。
そこで警告音が流れる。
[ダニエル、ノノノ、他者への武力行使により失格。退場となる]
「なに!!僕は正当防衛でヤスよ!」
[いかなることがあっても武力行使は認めません]
「くそっ!」
私達は解放され、体が自由になる。
「はーー、、やっと解放された」
「何で…」
「ん?」
「何でノノノはそこまでして!それにニナは死ぬ気じゃなかったのか!?」
「あー、、私そもそも魔法使えないからそんなのできないじゃん。ちょっと考えれば分かる事だけど、目先の欲で目が眩んでいたあなたには、気付けなかったかもね。私の演技、上手かった?」
「くそ!!じゃあノノノは!なんで自分が失格になるのにあんな事を!」
「私が頼んだの。ノノノ君は人の心を読むのが得意。魔法を使わなくてもある程度は読めるの。やってくれたら後でノノノ君の好きなお菓子あげるって」
「そ、そんな事で、、つくづく愚かなやつだ!」
「あら、愚かなのはどっちかしら。仲間の為に自らを犠牲にしてまで行動した人と、自分の為に仲間を裏切った人。正当に評価されるべき人は明白よ」
「…ふん!それで勝ったつもりか!もう残り5分も無いぞ!どうせこの試合はお前達の負けなんだ!!」
「さあね、どうかしら。あと、さっきから怒りのあまり、語尾の『ヤス』が抜けているわよ。まあどうでもいいけど、私の杖を返してよね」
私は杖を奪い取る。
「あ!しりとりで負けたのに!約束を守らないのか!、、ヤスか!!」
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【ニヤリ】
「騙される方が悪いのよ」
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