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第4章 ヴァイナー杯って何なんだ!?
最終試合は何なんだ!?
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ヴァイナー杯2日目
昨日の興奮も冷め止まず
会場は熱気に包まれていた。
最終試合
誰が優勝するかを賭けている者
将来有望な生徒を見極めている者
単純に試合観戦を楽しむ者
待機室から見える観客の勢いに
私は初日以上に緊張していた。
「とうとうここまで来ちゃったね」
「さすがはニナ、っていったところだよね。まさか練習獣でここまでくるとは。このまま優勝するんじゃない?」
「さすがに今回は無理でしょ。ネコも敗者復活戦を勝ち抜けて良かったわ。…ところでサンは?姿見えないけど」
「…サンは負けたよ」
「ええ!?嘘でしょ?敗者復活の4人に選ばれ無かったの?」
「うん、サンの催眠魔法は強力だ。でもそれにかからなかった者達が3人いたんだ。僕を含めないでね」
「サンよりも強い3人、、」
「最終試合、どうなるか分からないけど。ニナも気を付けた方がいいよ」
「うん、、ありがとう」
第2試合は殆どポコを使えなかった。
会話も他の人にはポコの声は聞こえない為、話せずにここまで来た。
私はこっそり待機室を抜け出しポコに会いに行く。
「ねえポコ、ポコも緊張している?」
「ふわぁ、、あーニナ。おはよー。オイラ今起きたよ」
「あらあら、随分呑気ね」
「ニナは相変わらず朝から元気そu…あ痛ててて!!足で踏んずけないで!」
「ふん!もっとしゃっきとしなさい!私達は優勝目指すんだから」
「ええ!?無理だよーというかニナもほぼ諦めてたじゃかー」
「気が変わったの!ここまで来たら優勝目指すのみよ!ポコが無力でも私がいるから大丈夫よ」
「まあ、オイラもそんな気がする」
「とりあえず今日はよろしくね」
「うん、、でもオイラ、何だか嫌な予感だするんだ」
「嫌な予感?」
「うん、、良く分からないけど、獣にとって良くない事が起こるような、、獣の勘?ってやつ」
「獣にとって、、まあ私には関係無さそうね。頑張ってねーポコ」
「えぇー!他人事なんだから。。まあ気のせいなら良いんだけど」
ゴォォィイイン ゴォォィイイン ゴォォィイイン
「あ、集合の合図だ。ポコ、また後でね」
「またね」
私はポコと別れ集合地点へ向かう。
実況のドーズ、解説のエミオンによる最終試合への挨拶が始まる。
「さあ!待ちに待ったヴァイナー杯、1年生の部における最終試合!!まずは残った生徒を紹介したいと思います!」
バーーーン キラキラキラキラキラキラ
モニターに最後まで残った生徒の名前が映し出される。
~~~~~~~~
NO.1 クライ
NO.2 シロナ
NO.3 ソニア
NO.4 トーヤ
NO.5 ニナ
NO.6 ネコ
NO.7 ピリア
NO.8 ベガ
NO.9 プリム
NO.10 プラム
~~~~~~~~
「いやー、ここまで勝ち上がってきた生徒を見て、いかがですか?エミオンさん」
「うむ!皆、実力者揃いなのだ!勝ち進んできた者も、敗者復活戦を勝ち上がってきた者も、最後に勝てば文句無し、優勝者になるのだ!是非とも頑張ってもらいたいのだ!!」
「ですね!どうぞ、観客の皆さんも最終試合に残った生徒全員を応援して頂ければなと思います!」
スタッフから紙を渡されるドーズ。
耳打ちで色々と打ち合わせを済ませ
いよいよ最終試合の内容を発表する。
「皆さんお待たせ致しました!いよいよ最終試合の内容をお伝え致します!!と、その前に、、まずは試合会場をご覧になった方が早いですね。それ!」
ドーズは杖を振る。
ヒュゥゥゥゥーーー ゴゴゴゴゴゴ
「な、なに?」
「何か聞こえるぞ!」
「上だ!空から降ってくるぞ!」
ゴゴゴゴゴゴ ズドォォォオオオオンン!!!!
空から降ってきたのは
10階建てくらいの大きな建物だった。
看板には大きな文字が
§ ENDOR HOTEL §
「ほ、ホテル?」
「そう!最終試合の会場はここ、エンドルホテルです!!エンドルホテルについての解説はエミオンさん、お願いします」
「了解!」
そこからエミオンの解説が始まった。
†††††††††††††††††
その昔、ある村には大層立派なホテルがあったのだ。多くの人がそのホテルを利用し、村もそのお陰で賑わっていたらしいのだ。
しかしある時、1人の魔法使いがホテルの部屋で亡くなっているのが発見された。
それからというもの、ホテルでは様々な不気味な事が起こり、客足は途絶え、ホテルも取り壊しになる事になったのだ。
だが、それも壊そうとした関係者や責任者に次々と不幸が訪れ、結局中止となったのだ。
現在は立ち入り禁止となっているこのホテル。それを真似て作ったのが今回の試合会場である、エンドルホテル。
エンドルは亡くなった魔法使いの名前から取ったものなのだ。
もしかしたらまだこのホテルを彷徨っているかもなのだ。
†††††††††††††††††
会場全体に冷たい空気が流れる。
「皆さん少し怖くなってきましたかね。でも安心してください。今回やるのは全く霊的なものではございません!!お待たせ致しました!今回の試合内容はこちら!」
モニターに文字が映し出される。
デン! デン! バーーーン!!!
【部屋取りゲーム】
「部屋取りゲーム、です!ルールは簡単です。ホテルの中にある、部屋がどんどん減っていき、最後の部屋に入っていた人が優勝、というものです。詳しい説明はこちらを」
またモニターに文字が映し出される。
キュイキュイ キシシラ シロロロ
~~~~~~~~~~~~~~
1.ホテルは10階建て、1フロア10個の部屋からなる全100部屋で構成されています。
2.生徒は各部屋を選び、中に入り、その部屋が残れば次の選択時間へと移ります。
3.選択時間は1時間。その間に入る部屋が被った者同士は使役獣による戦いを行い、どちらかの獣が戦闘不能になったら勝者がその部屋に入れる権利を持ちます。
4.選択時間の1時間を過ぎても決着がつかなかった場合は両者敗退。またそれが最後の1部屋の場合は延長試合となり、優勝者が出るまで戦います。
5.減る部屋の数、場所はある法則に則って決まります。1時間の選択時間内にどの部屋にも入らなかった場合は失格となります。
6.また今回は獣に対しての武力行使は可能ですが、人に対しての武力行使は失格となります。
7.また分からないルールについては通路にある電話にて聞けることができます。
~~~~~~~~~~~~~~
「色々と説明してきましたが、今回は最終試合ということもあり、試合時間も長めです!勝利のカギはどの部屋が残るかを見極めるのが重要です!それでは試合開始の前に最後に一言、エミオンさんお願いします!」
「うむ!ここまできたら皆、狙うは優勝ただ1つなのだ!!最終試合は運、実力、推測力、そして使役獣との絆が試されるのだ!これまで学んできた事を十分に活かし、戦かって欲しいのだ!!」
「エミオンさんありがとうございました!それでは生徒の皆さんはホテルに入ってください」
私達はホテルへと入っていく。
それが絶望への入り口とは
誰も思いはしなかっただろう。
妖しく光るホテルの看板の文字が
私達を向かえてくれるのだった。
昨日の興奮も冷め止まず
会場は熱気に包まれていた。
最終試合
誰が優勝するかを賭けている者
将来有望な生徒を見極めている者
単純に試合観戦を楽しむ者
待機室から見える観客の勢いに
私は初日以上に緊張していた。
「とうとうここまで来ちゃったね」
「さすがはニナ、っていったところだよね。まさか練習獣でここまでくるとは。このまま優勝するんじゃない?」
「さすがに今回は無理でしょ。ネコも敗者復活戦を勝ち抜けて良かったわ。…ところでサンは?姿見えないけど」
「…サンは負けたよ」
「ええ!?嘘でしょ?敗者復活の4人に選ばれ無かったの?」
「うん、サンの催眠魔法は強力だ。でもそれにかからなかった者達が3人いたんだ。僕を含めないでね」
「サンよりも強い3人、、」
「最終試合、どうなるか分からないけど。ニナも気を付けた方がいいよ」
「うん、、ありがとう」
第2試合は殆どポコを使えなかった。
会話も他の人にはポコの声は聞こえない為、話せずにここまで来た。
私はこっそり待機室を抜け出しポコに会いに行く。
「ねえポコ、ポコも緊張している?」
「ふわぁ、、あーニナ。おはよー。オイラ今起きたよ」
「あらあら、随分呑気ね」
「ニナは相変わらず朝から元気そu…あ痛ててて!!足で踏んずけないで!」
「ふん!もっとしゃっきとしなさい!私達は優勝目指すんだから」
「ええ!?無理だよーというかニナもほぼ諦めてたじゃかー」
「気が変わったの!ここまで来たら優勝目指すのみよ!ポコが無力でも私がいるから大丈夫よ」
「まあ、オイラもそんな気がする」
「とりあえず今日はよろしくね」
「うん、、でもオイラ、何だか嫌な予感だするんだ」
「嫌な予感?」
「うん、、良く分からないけど、獣にとって良くない事が起こるような、、獣の勘?ってやつ」
「獣にとって、、まあ私には関係無さそうね。頑張ってねーポコ」
「えぇー!他人事なんだから。。まあ気のせいなら良いんだけど」
ゴォォィイイン ゴォォィイイン ゴォォィイイン
「あ、集合の合図だ。ポコ、また後でね」
「またね」
私はポコと別れ集合地点へ向かう。
実況のドーズ、解説のエミオンによる最終試合への挨拶が始まる。
「さあ!待ちに待ったヴァイナー杯、1年生の部における最終試合!!まずは残った生徒を紹介したいと思います!」
バーーーン キラキラキラキラキラキラ
モニターに最後まで残った生徒の名前が映し出される。
~~~~~~~~
NO.1 クライ
NO.2 シロナ
NO.3 ソニア
NO.4 トーヤ
NO.5 ニナ
NO.6 ネコ
NO.7 ピリア
NO.8 ベガ
NO.9 プリム
NO.10 プラム
~~~~~~~~
「いやー、ここまで勝ち上がってきた生徒を見て、いかがですか?エミオンさん」
「うむ!皆、実力者揃いなのだ!勝ち進んできた者も、敗者復活戦を勝ち上がってきた者も、最後に勝てば文句無し、優勝者になるのだ!是非とも頑張ってもらいたいのだ!!」
「ですね!どうぞ、観客の皆さんも最終試合に残った生徒全員を応援して頂ければなと思います!」
スタッフから紙を渡されるドーズ。
耳打ちで色々と打ち合わせを済ませ
いよいよ最終試合の内容を発表する。
「皆さんお待たせ致しました!いよいよ最終試合の内容をお伝え致します!!と、その前に、、まずは試合会場をご覧になった方が早いですね。それ!」
ドーズは杖を振る。
ヒュゥゥゥゥーーー ゴゴゴゴゴゴ
「な、なに?」
「何か聞こえるぞ!」
「上だ!空から降ってくるぞ!」
ゴゴゴゴゴゴ ズドォォォオオオオンン!!!!
空から降ってきたのは
10階建てくらいの大きな建物だった。
看板には大きな文字が
§ ENDOR HOTEL §
「ほ、ホテル?」
「そう!最終試合の会場はここ、エンドルホテルです!!エンドルホテルについての解説はエミオンさん、お願いします」
「了解!」
そこからエミオンの解説が始まった。
†††††††††††††††††
その昔、ある村には大層立派なホテルがあったのだ。多くの人がそのホテルを利用し、村もそのお陰で賑わっていたらしいのだ。
しかしある時、1人の魔法使いがホテルの部屋で亡くなっているのが発見された。
それからというもの、ホテルでは様々な不気味な事が起こり、客足は途絶え、ホテルも取り壊しになる事になったのだ。
だが、それも壊そうとした関係者や責任者に次々と不幸が訪れ、結局中止となったのだ。
現在は立ち入り禁止となっているこのホテル。それを真似て作ったのが今回の試合会場である、エンドルホテル。
エンドルは亡くなった魔法使いの名前から取ったものなのだ。
もしかしたらまだこのホテルを彷徨っているかもなのだ。
†††††††††††††††††
会場全体に冷たい空気が流れる。
「皆さん少し怖くなってきましたかね。でも安心してください。今回やるのは全く霊的なものではございません!!お待たせ致しました!今回の試合内容はこちら!」
モニターに文字が映し出される。
デン! デン! バーーーン!!!
【部屋取りゲーム】
「部屋取りゲーム、です!ルールは簡単です。ホテルの中にある、部屋がどんどん減っていき、最後の部屋に入っていた人が優勝、というものです。詳しい説明はこちらを」
またモニターに文字が映し出される。
キュイキュイ キシシラ シロロロ
~~~~~~~~~~~~~~
1.ホテルは10階建て、1フロア10個の部屋からなる全100部屋で構成されています。
2.生徒は各部屋を選び、中に入り、その部屋が残れば次の選択時間へと移ります。
3.選択時間は1時間。その間に入る部屋が被った者同士は使役獣による戦いを行い、どちらかの獣が戦闘不能になったら勝者がその部屋に入れる権利を持ちます。
4.選択時間の1時間を過ぎても決着がつかなかった場合は両者敗退。またそれが最後の1部屋の場合は延長試合となり、優勝者が出るまで戦います。
5.減る部屋の数、場所はある法則に則って決まります。1時間の選択時間内にどの部屋にも入らなかった場合は失格となります。
6.また今回は獣に対しての武力行使は可能ですが、人に対しての武力行使は失格となります。
7.また分からないルールについては通路にある電話にて聞けることができます。
~~~~~~~~~~~~~~
「色々と説明してきましたが、今回は最終試合ということもあり、試合時間も長めです!勝利のカギはどの部屋が残るかを見極めるのが重要です!それでは試合開始の前に最後に一言、エミオンさんお願いします!」
「うむ!ここまできたら皆、狙うは優勝ただ1つなのだ!!最終試合は運、実力、推測力、そして使役獣との絆が試されるのだ!これまで学んできた事を十分に活かし、戦かって欲しいのだ!!」
「エミオンさんありがとうございました!それでは生徒の皆さんはホテルに入ってください」
私達はホテルへと入っていく。
それが絶望への入り口とは
誰も思いはしなかっただろう。
妖しく光るホテルの看板の文字が
私達を向かえてくれるのだった。
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