39 / 119
第4章 ヴァイナー杯って何なんだ!?
エンドルホテルって何なんだ!?
しおりを挟む「うわぁ、、豪華ぁ」
ホテルの中は広く
暖かい光に包まれていた。
従業員などいる気配は無いが
隅々まで手入れされており
植木も生き生きとした葉の青さを放っている。
「私、こんなホテル来たの初めて」
「ああ、僕もだよ」
呆然としている中、ベガやピリアなどのメンバーはどんどんと奥に入っていく。
私達も遅れないように後をついていく。
上へと繋がるエレベーターには
1つは両手を広げた悪魔が
1つは微笑んでいる天使が
扉の上に描かれている。
乗ると瞬時に行きたい階へと行けるようになっている。どうやら高度な魔道具が使われているようだ。
部屋にも自由に入れ、選択時間終了まではどこに行っても良さそうだ。
フロントには大きなモニターが設置されており、タイムリミットや残りの部屋数などが映し出されている。
「なるほど、、結構本格的なホテルだったんだね」
「まあ、それなりに活気溢れる場所だったんだろうね」
ベガが私とネコに話しかけてくる。
「一通り調べたけど、ヒントになりそうな事は見つからなかったな。そっちはどうだった?」
「私達も全然、、そもそも部屋の中で戦いとかできるのかなあ。想像すらできないよ」
「ニナ、そちらの方は?」
「あー、アイアネスのベガだよ。特待生らしいよ。ベガ、彼の名前はネコ」
「ネコ、よろしく」
「こちらこそ」
熊ぽい人と猫っぽい人の握手
凄いモキュモキュいってそう。
「もしかしたら時間が経つにつれてヒントが出てくるのかも」
「第2試合のボールみたいに?確かにそうかも」
「まだ選択時間終了まで時間あるから、とりあえず出きる事はやっていこ」
敗者復活から上がってきたネコ以外の3人を除き、私達は手分けして手掛かりを探す事にした。
私はとりあえず、もう一度ホテルを歩き、気になった事をメモすることにした。
「うーん、ホテル全体は洋風な感じで、変な装飾品や隠し部屋の様なものも無い。絵画は有名なモノは無く、植木も平凡そのもの、っと」
10階もあるホテルをウロウロし、しかも細かな所まで注視していたので、さすがに疲れ、私はロビーにあったソファーに腰を下ろした。
普段は装飾品の1つに変身している使役獣、私の場合、髪飾りに変身しているポコに暇潰しに話しかけてみる。
「ねえねえ、ポコは何か気付いた?」
「うーん、全然。でもちょっとやっぱりここのホテル変だよ」
「え、どの辺が?」
「言葉にはしづらいけど、不気味な感じ。何か隠している様な」
「ふーん。なるほど、、やっぱり何か隠されているのか」
バタバタ 足で暇を持て余しつつ
少しトイレに行きたくなり、
私はトイレを探しにロビーの周りを歩き始めた。
「あれ、トイレ無くない?」
これから長時間の戦いなるのは予想される。さすがにトイレ無しはきつそうだ。
私は急いで実況、解説へロビーにある電話から質問をする。
プルルルルル プルルルル ガチャ
「はい、こちら実況ドーズ。どうされました?」
「あ、もしもし?ニナです。ちょっとトイレを探していたんですけど、どこにも見つからなくて」
「え、トイレですか?あーー、、まあ必要ですよねー。うーん、、そうですよねー」
「あれ、ありますよね?」
「すー、あるっちゃあるのですが、、まだ本当は出したくないんですよね」
「ええ!そんな!今すぐだして貰わないと困りますよ!」
「ですよね!そうですよね!…エミオンさんいいですか?」
「うーむ、仕方ないのだ。少し時間を早めてトイレとそこにいる【陽気な厠の住人】も一緒に召還させるのだ!」
「はい、かしこまりました。それではニナさん。少々お待ちを~」
ガチャッ 電話が切れた。
「一体なんだったんだ?」
私は受話器を置き、再びトイレを探しにロビーを歩く。
するとさっきまではなかった扉が2つ出現していた。
₩man₩ £woman£
男性用と女性用のトイレらしい。
「全く、最初から用意してよね!」
私は勿論女性用に入り、3つある内の一番奥のトイレに入った。
「しかし全然ヒントが無いわね。もうすぐ約束の時間になりそうだし。みんなは何か手掛かりをつかんだのかしら」
カラカラカラ カラカラカラカラ
トイレロールの音が響く。
「エンドル、、一体どんな人だったのかしら」
「知りたいかい?お嬢さん」
ニョキ
ソレはトイレの扉から顔だけ出てきた。
ィヤァァァァアアアアーーー!!!!
誰でも叫ぶだろう。目の前に突然、知らないおじさんの顔が出てきたら。
ましてや最も油断している時のトイレ中にである。
失神しなかっただけ褒めて欲しい。
「おやおやお嬢さん、まあそんなに驚ないで。空から豚でも降ってきたわけでもあるまいし」
「いいから!早くでてって!」
「ハッハッハッ!面白い事を言う。出てていくと言っても、ここが私の住んでいるところなので、それは難しいご相談だ」
私は急いでパンツを履き、その個室から出た。
「いい!?今見たことすぐに忘れないと、今すぐあなたを冥土に送ってやるわ!」
「ハッハッハッ!冗談がお上手なお嬢さんな事だ。もうすでに死んでいる人間を殺すだなんて!」
「ええ!あなたもう死んでいるの!?」
「そうとも。それにワシはシャルガフ、という名前がある。あなた、ではないぞ」
「あ、ごめんなさい」
思わず謝ってしまった。
喋るガイコツだっているのだ。
亡霊くらい居たっておかしくはない。
「もしかしてあなたがドーズが言っていた【陽気な厠の住人】?」
「ドーズとやらが誰かは知らないが、ここに住んでいるのはワシだけだからな。まあそうなんだろう」
「もしかして何かヒントになるかも」
突然現れた謎のおじさん。
刻々と迫るみんなとの集合時間。
少し話を聞いてみる価値はありそうだ。
独特の雰囲気が漂うトイレ
それを醸し出している人物を私は見つめるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
