悪い魔女

底に

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第4章 ヴァイナー杯って何なんだ!?

敗者復活組の反撃!?①

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部屋の減少時間が終わり、次の選択時間へと移る。

「いよいよ最終試合も後半戦!今回減った部屋は1階、4階、6階、7階の計40部屋です!決闘により敗退となったのはシロナさんとクライさんです!それでは残りのみなさんは頑張ってください~」

シロナとクライ二人とも!?

私は急いで部屋を出て
隣の″304号室″へと向かった。

ガチャガチャガチャ ドンドンドンドンドン!

全然開かない…

「シロナ!クライ!大丈夫なの!?」

返事がない。

遅れてネコも来る。

「ニナ!どこ行ってたんだ!心配したんだぞ!」

「ネコ、そんなことより、ここが開かないの。シロナとクライは大丈夫かしら」

「シロナとクライ?二人なら違う部屋だぞ。ここはベガが入っているはずだ」

「えっ、じゃあさっきの悲鳴って」

「悲鳴?そういえばベガの時もニナ言っていたね。僕はさっきから何も聞こえてないけど」

「え?シロナの時も?だって急いで駆けつけてくれたじゃん」

「あれは終わったから出てきて隣の部屋を確認しただけ、ベガの時もシロナの件があったから来ただけだよ」

「うそ、、じゃあ、あの悲鳴って、、、」

「ふふ、エンドルの呪いが怖すぎて幻聴が聞こえたんじゃないの?」

「そ、そんなことないよ!」

ネコは笑いながら
″304号室″のドアを叩く。

コンコン オーイベガ デテコイヨー ガチャリ

「あ、ニナとネコは無事みたいだね」

「あれ、さっきまで開かなかった気が…」

「え?そうなの?」

「ベガ、ニナは疲れているんだよ。エンドルの呪いが怖すぎて」

「あー、まあ少し休みなよ。ボク達はロビーで待っているからさ」

「え、いや疲れてなんか…」

2人は私の肩を軽く叩き
ロビーへと向かっていった。

それにしてもあの悲鳴は、、
何故鍵が開かなかったのか、、
シロナとクライは誰にやられたのか。

ミルフィーユの様に重なる謎
その上にある赤い赤いイチゴ
エンドルの呪いの重圧により
スイーツの奥ゆかしさの様に
真相を奥へと追いやっている

私はとりあえずネコとベガの後を追い
ロビーへと向かった。

ロビーに行くと2人は険しい表情をしていた。

「どうしたの2人とも?」

「ニナ、どうやらシロナとクライをやった犯人がわかったらしい」

「えっ、それって」

「おやおや、随分とお仲間が減りましたね。仲良しごっこはおしまいですか?」

「よせプリム、オレらは喧嘩をしにここに来たんじゃない。ヒントを貰いに来たんだ」

敗者復活から上がってきた
プリム、トーヤがそこには居た。

「もしかして、あなたたちがシロナとクライを?」

「仕方ないだろ!あいつらが勝手に入ってきたんだ!」

「オレも同じだ。あれは仕方がなかった」

「そ、そんな、、」

「おい!何が目的だ!」

「知るか!そっちが先に仕掛けてきたんだろ!」

「おい、プリム落ち着け。すまない、こちらも最後まで生き残りたいだけなんだ。何かヒントや分かったことはあるか?」

「あなた達に教える事なんてないわ!今すぐシロナとクライの敵をここでとってもいいのよ」

サッ 私は杖を構える。

「よせ、分かった。オレ達も別に無駄な戦いは避けたい。ここは一旦退こう。ただし、また俺達の部屋に来たら、、容赦はしない」

そう言い残し、彼らは戻っていった。

「何なのあいうら!」
 
「分からない…が、少なくとも味方ではなさそうだ」

「これからどうする?」

「そうね、、あ、そういえばピリアは?」

「あれ、さっき集まった時も居なかったな」

「そうそう!何でみんな時間になってもロビーに来なかったの?」

「あー、さっきみたいにトーヤ達が近づいてきて、一旦別の場所に集合場所を移したんだ」

「ニナにも知らせたかったけど、どこを探しても居なかったから仕方なくね」

「そういう事だったのね…その時もピリアは居なかったってこと」

「うん、そうなんだ。まあでもピリアは気分屋だからどこかで暇を潰しているだけだと思うけど」

「だったらいいのだけども、、」

「とりあえず、さっきボクが発見したことを共有してもいいかな?」

「あ、うん。ベガどうぞ」

「ありがとう。さっき改めてお客様リストを見ていたらいくつか空き部屋があることに気がついた。そこはまだ減らされていない、ということもね」

「空き部屋なんてあったの?」

「そう、その事をシロナとクライにも伝えて2人にさっきそこへ行って貰ったんだ」

「だけどトーヤとプリムが居た…」

「そういう事らしい。あいつらもこの事に気がついてずっとそこに居たのかも」

「だけどもう1人の敗者復活から上がってきた人は、なんでやられちゃったんだろう、、」

「さあ?後から気がついたんじゃない?」

「空き部屋、、そこにも何かヒントがあるのかもね」

「うん、そうだと思う。でもずっと居れる訳じゃない。それはあいつらも分かっている筈だから、ヒントが欲しいんじゃないのかな?」

「なるほどね、、どっちにしろ彼らとは戦わないといけないわね。シロナとクライの借りも返さないと」

「3人で行けば勝てない相手じゃないと思う」

「よし、いきましょ!」

私とベガとネコはとりあえず
名簿に書かれた空き部屋へ向かった。

空き部屋は201、502、1010号室の3つ。

最初に201号室に行くことにした。

ガチャ キィィィィィ

「だ、誰も居ない」

中には誰も居なかった。
部屋の中も他の部屋と変わらない。

「次にいきましょう」

私が部屋を出ようとした時

「待ってニナ、この部屋に誰か居るよ」

「え、、どうしてわかるの?」

「目で見えなくても僕の鼻は誤魔化せない。使役獣の臭いは特にね」

ネコの嗅覚により
ここに誰か居ることが分かる。

「どこにいるの!出てきなさい!」

緊張感が走る。

ネコとベガと私は自分の使役獣を出し
戦闘体制を取った。

ドン! ギャオォンンン!!

ネコの使役獣が突然吹っ飛ばされる。

「何!どこから!」

ドゴッ ギャィンン!!

ベガの使役獣も吹っ飛ばされる。

「一旦使役獣をしまおう!」

私達は危ないと思い、使役獣をしまう。

するとバスルームからプリムが出てきた。

「やっぱり来たな、しかも3人とは、、卑怯なやつらだ!」

「待って!私達はこの部屋を調べたいだけなの、争いは別にしたくないわ」

「嘘つけ!クライってやつもそう言っていたが信じられなかった!人はみんな嘘つきだからな!」

「あっそう。じゃあ仕方ないわね」

私達は全員杖を構え
再び使役獣を出した。

「3人を相手に勝てるのかしら?」

ニコリ 私は微笑む

「ニナ、完全にこっちが悪役だよ」

「あら、勝てば正義なのよ」

「ええい!3人がどうした!勝てると思うなよ!俺の杖は対象を透明にする能力だ!勿論自分もな!はっはっはっ!驚いたか!悔やんでも遅いんだよおおお!!」

プリムはそう言うと透明になった。

そして戦闘となったが、すぐに決着がついた。

「ずびばぜんでじだ」

「そもそもネコの嗅覚もあるし、ベガの身体増加の魔法でいくらでも戦えるんだから、透明とか関係ないんだよね」

「は、はぃぃ」

「良くそれでサンに勝ったね」

「いやそれが俺にも分からなくて…」

「まあいいわ、使役獣も程ほどにしておいたから戦闘不能にはならないと思うわ。だからさっさとどっか行きなさい!」

「はぃぃぃぃい!!!」

プリムは急いで部屋から飛び出して行った。

「さてと、どうする?次の空き部屋行く?」

「いや、トーヤは強そうだし、戦闘するには時間が足りなさそうだ。ある程度ここを調べたら各々部屋に戻った方がいい」

「ボクも同感だね」

そうして、私達は部屋を探索したがまた何も出てこなかった。

「あ、そろそろ時間か。僕がこの部屋に残って何か無いか探してみるよ」

「分かったわ。私はさっきと同じ様に303号室に行ってみるわ」

「じゃあボクは304号室に」

私達はそれぞれ分かれ
各々の部屋へと着いた。

「結局今回もあんまり収穫はないなあ」

ベッドの上で私はぼやく。

すると 

ガチャリ 隣の部屋のドアの開く音がする。

選択時間終了まで残り10分
ベガはどこに行くのかな?

気になって外へ出たが廊下にはだれも居なかった。

仕方なく私は再び部屋に戻った。

選択時間終了まで残り2分

再び ガチャリ

ベガが帰ってきたようだ。

「ピリアでも探しに行ってたのかな?無事だといいのだけど」

選択時間終了まで残り1分を切った。

今回は悲鳴は聞こえてこなかった。

「やっぱり疲れていたのかな?」

今回は次の選択時間開始まで
安心して待てる私であった。

いや、そもそもなんでここはまだ減らされてないんだ?

この部屋にも何かヒントが、、

するとあるものが目にとまった。

「これって、、」

少し不自然なものを見つけしまった。

それが解決の糸口になるのか
はたまたさらなる謎を生むのか

前者であるのを私は祈るのだった。
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