悪い魔女

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第4章 ヴァイナー杯って何なんだ!?

あなたは誰なの!?②

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「いやー、でもニナが事件の真相を話し出したときは驚いたよ。さすがの頭脳だ。ボクが犯人だなんて言った時はもっと驚いたけどね!」

私はポコを抱き抱え

「覚えておきなさいよ!」

304号室から出ていった。

「クククク、フハハハハハ!!これで優勝は確実だ。あとは選択時間終了まで待つばかりだ」

そして10分程時間が経ち、
選択時間終了の合図が出される。

「最後の選択時間が終わりました。いよいよ優勝者が決まります!」

ドーズによる実況が入る。

「よっしゃ!!優勝だ!!!みんな!やったよ!!」

「今回減った部屋は304号室。よって1010号室にいたニナさんの優勝が決まりましたか!おめでとうございます!」

「そう!ボクの優勝!……え?今なんて?」

「ニナさん優勝おめでとうございます!ホテルの外で表彰式を行います。ベガ君も出てきてください」

ベガは困惑していた。

「おいおい、何かの間違いじゃないのか?なんで304号室が減って、1010号室が残るんだ!それにニナの使役獣はもう戦闘不能だっただろ!?おかしいぞ!」

「いいえ、結果に間違いはありません。とにかく外へ来てください」

どう言うことだ!

ベガは憤慨しながら304号室を出た。
急いでロビーへと降り、着いた。

すると再び

「みなさん!待ちに待った瞬間です!この選択により優勝者が決まります!」

ドーズの実況が入る。

「な、何がどうなって…」

「今回残った部屋は304号室!部屋にいるのはニナさんただ1人!よって優勝はニナさんです!おめでとうございます!」

「な、な、なにぃぃいいい!!!」

ダッダッダッダッ ガチャガチャ! バーーン!

ベガがドアを乱暴に開けた。
私はそれを優雅に椅子に座りながら見ていたのだった。

「ど、どういう事だ!説明しろ!!」

「どうもこうも無いわ。選択時間終了に部屋に入ってなかったあなたが悪いんでしょう?」

「違う!違う!ボクは確かにいたんだ!選択時間終了の合図も確かに…」

「あー、これのこと?」

私はスピーカーに貼ってあった、小さなマイクを取り出す。

「選択終了の合図の音は録音してたの、ドーズの声も変声の魔法で真似ただけ。一発勝負だったから、最後までとっておいたのよ」

「な、なんだと、、」

物凄く動揺するベガ。

「でも、確かにニナは部屋から出たはず!どうして!」

「目の錯覚じゃないかしらー」

クルクルクル 私は手鏡を回す。

「それは!トーヤの手鏡!」

「ちょっと拝借したの。魔道具のこれで、出たフリをして、ずっとここにいたのよ」

「くそ!じゃあ使役獣は!戦闘不能じゃないのか!」

「それはあなたが『ストロング』の魔法をしてくれたから耐えれたのよ。まあ元々ポコは『跳ねる』しか攻撃できないの使役獣だから、戦闘は可能と見なされるのよ」

ポヨンポヨン ポコはその場で跳ねてみせる。

「くそ!くそ!こんなのインチキだ!反則だ!」

「まあ、それを決めるのは学園側だから。私が優勝したってことは、認めたってことでしょ」

「くそぉぉおおおおお!!!!」

「まんまんと騙されちゃったねー」

ベガは怒りでプルプルと震えている。

「全部演技だったのか!やられたフリも!ボクが取り憑かれているなんて言ったのも!」

「そうよ。あなたはここまで正体を隠していた慎重な人。中途半端な事をしても疑って、徹底的に私とその使役獣を攻撃するでしょう。でも、わざと【筋が通ってない論】を展開し、私に何の策が無いことが分かれば、あなたは安心し、深追いはしなくなる」

沈黙が流れる。そして

「ニナ、、ニナ!!許さない、、許さないぞ!!!」

ベガが私に飛びかかろうとした。

その時

プシュッ ベガの頭の一部が爆発した。

プシュッ プシュッ

「う、ウガアアア!!!しまった!魂が暴れている!!」

「ど、どうしたの!?一体何が…」

ハァハァ 息を荒くしながらベガが語った。

「ニナ、お前が言ったことはあながち間違いではない。俺、、ボクは先輩に頼んで『降霊の薬品』を貰ったんだ」

ベガは空の試験管を見せる。

「これを飲むと、昔の人物の霊を呼び寄せ、過去を見ることができる。通常は半分で十分なんだが、ボ、ボクは1本丸々飲んだんだ」

「そ、そんなものがあるのね」

「でもエンドルの霊だけじゃ謎は解けなかった。だから犯人の分の試験管も飲んだんだ。その結果、体は人格の暴走により破裂寸前。なんとか『ストロング』の魔法で保っていたけど、ストレスで意識がそれてしまったみたいだ」

「そんな!じゃあ、どうなるの?」

「わから、、ない。でも、ボクがボクでなくなっていくのが分かる…怖い、、怖mgpwpmp@」

ベガの体が小刻み震え始める。

ボコッ ボコボコッ ムクムクムクムクムク

破裂を繰り返しながらどんどん大きくなっていき、ついに天井をつき破り、ホテル全体を破壊しながら巨大化していった。

「ポコ!逃げるわよ!」

「う、うん!」

私はポコにのり、3階の窓からジャンプ

ピョーーーーーン ドスン!!! ポヨン

ズドドドドト ガタガカダカダ ドカーーーーン!!!

ホテルがそれと同時に崩壊する。

「ふーポコが柔らかくて良かった」

「ニナ!そんなこと言っている場合じゃないよ!後ろ後ろ!」

キャーー!! ィヤアアアーー!! ワーー! ニゲロ!

観客達もパニックだ。
それもそのはず、巨大な化け物が突然現れたのだから。

「みなさん、落ち着いてください!落ち着いてください!今、先生方が来て対処してくださいます!どうか職員の誘導に従って、お逃げください」

ドーズの誘導も入る。

オオオオオオオオオオオオーーー!! ドシン!!! ドズゥンン!!

ベガだったものが暴れまわる。

「ど、どうするポコ?」

「どうしようニナ」

私達は先生が来るまで
それをただ見ることしか
出来なかったのだった。




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