悪い魔女

第5章 南の島が呼んでいる～

今から行くよ～

ついに行われた【復活の儀式】

表れたのはまさしく、王だった。

〖お前は誰だ？〗

復活した初代の王、ユピテルが
現在の王、エノシガイオスに聞いた。

「私わたくしはヘラクレイオン、14代目の王、エノシガイオスと申します。無事に復活されたようで。私は感激であります」

〖ふむ、、ソナタらが俺を蘇よみがえらせたのか〗

「はい！今、我々は地上の民から地下へと追いやられ、苦しい生活をしております。そこで初代の王のお力をお借りしたく、【復活の儀式】を行わせて頂きました」

ユピテルはゆっくり
自分の手、足、身体
そして周りを見渡した。

〖なるほどな。状況はある程度理解した。しかしここでは俺の力を使うには狭すぎる〗

ユピテルは手を天井にかざし

ﾌﾞｩﾝﾝﾝ!!　ﾊｯｯ!!!

おもいっきり地面へ振り下ろした。

すると

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

王宮全体が揺れ始めた。

「な、何事だ！敵襲か！？」

「逃げろ！逃げろー！」

〖落ち着け。俺の力だ。みな王宮の外へ出てみろ〗

エノシガイオス、ミャー、そしてユピテル達は階段を上り、外へと向かう。

私も後ろからついていった。

「おい！門を開けろ！」

「はっ！どうぞ！」

ｻﾞｯｻﾞｯ　ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ　ｶｺﾝ　ｷｨｨｨ

門が開き、外へ出る。

「…なんだ？別になにも変わってないぞ？」

「ええ、、あ！王様！上を！上をご覧ください！」

「上？…な、なんなんだ、あれは…」

見上げると空が、海が
物凄い規模で渦巻いているのだ。

〖先ほど大地を揺らし、周囲にある海の水に刺激を与えた。俺はこれからこの渦潮に乗り、地上へと向かう〗

「地上へ！ありがとうございます！ありがとうございます！」

〖勘違いするな、お前の為ではない。我が祖国の為だ〗

ユピテルはそう言うと

ﾋﾟｼｭﾝｯ!　ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ　ｳｨﾝｳｨﾝｳｨﾝ

渦の中へ消えていった。

「ｸｸｸｸ、ハーハッハッハー！！！やったぞ！ついにこの時が！もうこれで私達は狭い、苦しい思いをしなくて済むんだ！自由に太陽が見えるのだ！！」

王様、そして周りの側近達も喜んでいる。

しかし、そう簡単にいくのだろうか、、

地上へと脱出できたネコ達、そしてどこかにいるブルススは大丈夫なのかな、、

私は不安な面持ちで
渦を眺めるのだった。