悪い魔女

底に

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第5章 南の島が呼んでいる~

考えることを止めるな~

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私とブルススは走って
最初に来た洞窟の入り口
海へ出れる穴に着いた。

「あの老人曰く、ユピテルは災害や天候を引き起こす能力を持っていたらしいわ。さっきから起こっているこの地震、きっと巨大な津波が町を襲うはず」

「そうか、それで地上も地下もめちゃくちゃにするつもりなんだ」

「そう、当然町の人々は勿論、ネコ達も危ないと思うわ。だから何としてもそれを阻止しないと」

「でも例えこのまま地上に行ったとしても、巨大な津波を止める方法なんてあるのか?」

「この地下王国は周りに結界をはり、海水の侵入を防いでいたわ。それを地上でも行えれば、いけると思うの」

「なるほどな、確かに、、でもその結界のはりかた知ってるの?」

「分からないわ。でもそもそも、あの地下王国は島の真下にあったのにもかかわらず、天井は海で、地面は見えなかったわ」

私は続ける。

「山にあった転移装置、それで地上へと行ける。でも行っても周りは海に囲まれていた。つまり、この島のどこかに巨大な湖があり、そこにこの地下王国は沈んでいるんだわ」

「ええ!でもそんな湖なかったじゃないか、町の地図にものっていなかったし」

「そう、本来は海である場所が、潮の満ち引きにより。私がいた海岸の反対側、山のすぐ裏の海が潮が引いたときに、一部分の陸が繋がって湖のように見えるのよ」

「だから夕方以降は山の中には入ってはいけなかったのか、、あの老人がくれた紙にも潮が引いた時に行けと書いてあった訳だ。いや、でもそれが分かったところでどうなるんだ?」

「あの結界の仕組みは分からないけれども、あれに似たものをこの島全体に張り巡らせる」

「だからどうやって!」

「もう時間がないわ!!行きながら考えましょ!!」

『『トランス』』!!

私達は来たとき同様魚に変身し
海へと飛び出した。

そしてその時に思い出した。

とても強い海流により
ここに流れ着いた事を。

そして鬼のような顔をした
洞窟の入り口の事を。

なぜ、ここに海流があったのか
なぜ、入り口へと吸い込まれていったのか

「そういうことなのね」

私は海流の流れに乗りながら
結界の方法を理解したのであった。
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