悪い魔女

第6章 確率は50%

緊急度96%

私達は果物を探し
美術館中を駆け巡った。

ザクロ、リンゴ、ブドウ、レモン、洋ナシ

開始から2時間ほど経ち
果物はだいぶ見つかった。

私はとりあえず係員の人に
答え合わせも兼ねて聞いてみることにした。

「あのー、すみません。だいたいこれくらいですかね、果物の種類って」

「果物？あー、宝探しゲームの事？どれどれ？お！結構集まりましたね」

「これで全部ではないんですか？」

「えーっと、、あー、惜しいですね。あと3つ足ませんね」

「ええー！そんなぁ、、結構探したのに…」

係員さんはﾆｺﾘと笑い

「目で見える範囲のもの以外に、あるのかも知れませんよ。もっと全体を見て、もっと柔らかく考えればね」

「柔らかく…」

私が考えていると突然

ｷﾞｨｨｰｰｰｵﾝ　ｷﾞｨｨｰｰｰｵﾝ　ｷﾞｨｨｰｰｰｵﾝ

『緊急事態発生、緊急事態発生』

『職員は速やかにB3フロアにくるように』

美術館に警報音が鳴り響く。

「な、何があったんですか？」

「分かりません！とにかく、この場所から離れないでください！いいですね！」

係員は急ぎ足で向かっていった。

「何だったんだろう…」

心配になり
ネコやマイちゃんと合流した。

「大丈夫だった？」

「うん。私は。大丈夫。です。」

「僕もだ。あと、係員の話をちょっと小耳に挟んだんだけど、どうやら絵画が盗まれたらしい」

「ええ！そうなの！」

「しっ！静かに、周りの人を余りパニックにさせたくないからね。それで係員総出で犯人を探しているらしい」

「どうする？一旦ピカンとも合流して美術館巡りはまた今度にする？」

「それがいいかも」

「私も。賛成。です。」

私達はピカンに会うために待ち合わせ場所のレストラン入り口に向かう。

しかし

ｶﾞｼｬﾝｶﾞｼｬﾝ!

『すみません、しばらく館内から出ることは禁じられています。指示があるまでお待ちください』

「そんな、、犯人を逃がさないつもりなのね」

「どうやらそうらしい。もしかしたらピカンもまだこの美術館の中にいるかもしれないから、手分けして探してみよう」

「分かったわ」

「じゃあまた見つかったら、この入り口付近集合で」

私達は別れ
ピカンを探すことになった。

でも、みんな興奮状態で
中々移動しづらい。

ｵｲ!　ﾄﾞｳﾅｯﾃﾙﾝﾀﾞ!　ﾁｬﾝﾄｾﾂﾒｲｼﾛｰ!

「うう、すみませーん。通してくださーい」

人混みを縫って歩いてると


■BAN!!■


爆発音と共に館内が停電になる。

ｳﾜｧｧｱｱｱｱｱｰ!!!!

さらにみんなパニック状態になり
館内は騒然とし始める。

私は人に押し退けられながら、何とか壁沿い進み、誰も居なさそうなエリアまで逃げれた。

「ふぅー、これでひとまず…」

安心して壁に背もたれると

ﾄﾝ　ｷｨｨｨ　ｳﾜｯｯ!!　ｺﾞﾛﾝｺﾞﾛﾝｺﾞﾛﾝ!

ﾊﾞﾀｰｰｰﾝ!!!　ｷｨｨｨｨｨ　ｽﾀｯ

扉を開けてしまい、違う部屋へ
転がり込んでしまったのだった。

「ぅぅ、イタタタ、、あれここは？」

目の前にはさっき居たところと
同じような風景が広がっていた。

しかしどこか雰囲気が違く
何とも不安になるような場所に
私は来てしまったのだった。