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第6章 確率は50%
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「くっ、、、」
《どうしたんや。怖くて震えが止まらないんか》
〈怖がらなくていいですよ~体を入れ換えるのに、痛みなんかないですから♪〉
「…怖くて震えが止まらないの。まさか…」
そう、まさか…
「こんなに上手くいくなんて」
〈《えっ?》〉
ピーーー!!
遠くの方でアルスの箱から警告音が鳴る。
[リンゴン、ザックロチーム。早く絵画を入れてください。時間切れで負けと見なしますよ]
《なっ!どういうことや!試合はもう終わったんじゃなかったんか!?》
〈おかしいわよ!だってあの時確かに、、、〉
《あっ!分かったぞ!どうせまたハッタリやろ!ウチらには通用せん言うとるやろ!》
〈なるほどね、、でももしかしたら…〉
「さあ、どっちでしょうね。でもなんで木箱を開けたときに、中にはネコが居なかったんでしょうね」
《それは、、まさか本当に!?急げザックロ!》
ビュゥゥンンン!!
リンゴンとザックロは急いで
アルスの箱の元へ向かう。
《待ってくれやー!すぐに絵画を入れるから…あれ?なんや、アルスの箱が絵画の中に》
〈急がないと!とりあえず中に入りましょ〉
しかし行けども行けどもたどり着かず。
[時間切れです。第三回はリンゴン、ザックロチームの敗北、よってこの試合、ニナ、ネコチームの勝利となります]
《な、なんやて!なにがどうなって…》
私はリンゴン達が入っている
絵画の前に追い付き
そして話し始める。
「ネコはね、アルスの箱に変身していたの。あの木箱には2つのアルスの箱があったの」
《どういうことやニナ!確かにあの時、1つしかなかったはずや!》
「アルスの箱って中から色んな物出せるから、逆に色んな物しまえるんじゃない?と思ったの。そう、アルスの箱自身をね」
《まさか、変身したアルスの箱に、さらにアルスの箱を入れたんか…ウチらを騙すために》
「そう。そしてわざと負けた感じにし、私があの場から逃げ、時間切れを狙ったのよ」
私は話し続ける。
「ここの絵画に入った時、中が凄い広かったわ。絵画の外から見る以上にね。それであえてアルスの箱を凄く遠いところに置いたの。あなた達の絵画を使ってね」
《つまり、ここは本来ウチらがアルスの箱に入れるはずだった絵画の中ってことなんか?》
「そう、アルスの箱も物だからね。私達が絵画を入れた後に、アルスの箱を『違う絵画に』閉じ込めてしまえば、時間切れになるんじゃないかって。それが怖いくらいに大成功してしまったってわけ」
《ぐぬぬぬ!負けたんか?ウチらは》
「残念ながらね。さあ!早くここから出して!」
〈ふざけないで!そんなことが通じると思ってるの!私は認めないんだからね!〉
《あっコラ!ザックロ!》
ザックロは絵画から飛び出し
私に飛びかかろうとした。
すると
〖それは芸術的じゃないよね~〗
パチン
パーーーーーーン!!!
ずっと黙っていた巨大な青年により
ザックロの実が弾け飛ぶ。
〈イヤァアアア!!!!!〉
「えっ?」
残骸が私の頬を赤く濡らす。
《ザックロォォォオオ!!!》
〖芸術は爆発なりってね〗
《そんな…ザックロ、、ザックロ!!!くそっ!いくらあんたでも許さへんで!》
リンゴンは青年の方へ飛びかかる。
〖そんなに怒らないでよ。もっと大人になったら?〗
パチン
ヒューーー ベチン!!
リンゴンはぐにゃぐにゃになり
地面に叩きつけられる。
《オオオオ。ナアーン、テーコッタアアーー》
リンゴンはヨボヨボのお爺さんになってしまった。
それらを見て青年は満足しきったかのように
〖成熟しきったリンゴ、弾け飛んだザクロ!いいね!いかにも芸術的だ!これが僕の求めていた芸術かもしれない!!〗
うっとりと歓喜の声を漏らす。
「そんな…何もそこまでしなくても」
〖人生は儚い。若さも一時だ。絶望こそが一番美しい色なんだ。ああ、それにしても君たちはこの場にとって、邪魔でしかない〗
パチン
ポーーン ポーーン
私とネコは絵画から弾き出された。
〖さようなら若いお二人。無謀で、自己中心的で、芸術的でない君たちよ〗
そう言うと
スッ ピタッ
と絵画の中で全て動かなくなり
一枚の絵として完成されていた。
「ニナ、僕達助かったんだよね?」
「ええ、そうだと思うわ。何とも腑に落ちないけどもね」
絵画の中でリンゴとザクロが
毒々しく彩られていたのだった。
《どうしたんや。怖くて震えが止まらないんか》
〈怖がらなくていいですよ~体を入れ換えるのに、痛みなんかないですから♪〉
「…怖くて震えが止まらないの。まさか…」
そう、まさか…
「こんなに上手くいくなんて」
〈《えっ?》〉
ピーーー!!
遠くの方でアルスの箱から警告音が鳴る。
[リンゴン、ザックロチーム。早く絵画を入れてください。時間切れで負けと見なしますよ]
《なっ!どういうことや!試合はもう終わったんじゃなかったんか!?》
〈おかしいわよ!だってあの時確かに、、、〉
《あっ!分かったぞ!どうせまたハッタリやろ!ウチらには通用せん言うとるやろ!》
〈なるほどね、、でももしかしたら…〉
「さあ、どっちでしょうね。でもなんで木箱を開けたときに、中にはネコが居なかったんでしょうね」
《それは、、まさか本当に!?急げザックロ!》
ビュゥゥンンン!!
リンゴンとザックロは急いで
アルスの箱の元へ向かう。
《待ってくれやー!すぐに絵画を入れるから…あれ?なんや、アルスの箱が絵画の中に》
〈急がないと!とりあえず中に入りましょ〉
しかし行けども行けどもたどり着かず。
[時間切れです。第三回はリンゴン、ザックロチームの敗北、よってこの試合、ニナ、ネコチームの勝利となります]
《な、なんやて!なにがどうなって…》
私はリンゴン達が入っている
絵画の前に追い付き
そして話し始める。
「ネコはね、アルスの箱に変身していたの。あの木箱には2つのアルスの箱があったの」
《どういうことやニナ!確かにあの時、1つしかなかったはずや!》
「アルスの箱って中から色んな物出せるから、逆に色んな物しまえるんじゃない?と思ったの。そう、アルスの箱自身をね」
《まさか、変身したアルスの箱に、さらにアルスの箱を入れたんか…ウチらを騙すために》
「そう。そしてわざと負けた感じにし、私があの場から逃げ、時間切れを狙ったのよ」
私は話し続ける。
「ここの絵画に入った時、中が凄い広かったわ。絵画の外から見る以上にね。それであえてアルスの箱を凄く遠いところに置いたの。あなた達の絵画を使ってね」
《つまり、ここは本来ウチらがアルスの箱に入れるはずだった絵画の中ってことなんか?》
「そう、アルスの箱も物だからね。私達が絵画を入れた後に、アルスの箱を『違う絵画に』閉じ込めてしまえば、時間切れになるんじゃないかって。それが怖いくらいに大成功してしまったってわけ」
《ぐぬぬぬ!負けたんか?ウチらは》
「残念ながらね。さあ!早くここから出して!」
〈ふざけないで!そんなことが通じると思ってるの!私は認めないんだからね!〉
《あっコラ!ザックロ!》
ザックロは絵画から飛び出し
私に飛びかかろうとした。
すると
〖それは芸術的じゃないよね~〗
パチン
パーーーーーーン!!!
ずっと黙っていた巨大な青年により
ザックロの実が弾け飛ぶ。
〈イヤァアアア!!!!!〉
「えっ?」
残骸が私の頬を赤く濡らす。
《ザックロォォォオオ!!!》
〖芸術は爆発なりってね〗
《そんな…ザックロ、、ザックロ!!!くそっ!いくらあんたでも許さへんで!》
リンゴンは青年の方へ飛びかかる。
〖そんなに怒らないでよ。もっと大人になったら?〗
パチン
ヒューーー ベチン!!
リンゴンはぐにゃぐにゃになり
地面に叩きつけられる。
《オオオオ。ナアーン、テーコッタアアーー》
リンゴンはヨボヨボのお爺さんになってしまった。
それらを見て青年は満足しきったかのように
〖成熟しきったリンゴ、弾け飛んだザクロ!いいね!いかにも芸術的だ!これが僕の求めていた芸術かもしれない!!〗
うっとりと歓喜の声を漏らす。
「そんな…何もそこまでしなくても」
〖人生は儚い。若さも一時だ。絶望こそが一番美しい色なんだ。ああ、それにしても君たちはこの場にとって、邪魔でしかない〗
パチン
ポーーン ポーーン
私とネコは絵画から弾き出された。
〖さようなら若いお二人。無謀で、自己中心的で、芸術的でない君たちよ〗
そう言うと
スッ ピタッ
と絵画の中で全て動かなくなり
一枚の絵として完成されていた。
「ニナ、僕達助かったんだよね?」
「ええ、そうだと思うわ。何とも腑に落ちないけどもね」
絵画の中でリンゴとザクロが
毒々しく彩られていたのだった。
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