悪い魔女

底に

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第7章 秋雨の神酒を君にー

凄惨な森、逃げ惑う魂達ー

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ホーホー ホーホー

フクロウが鳴いている。
もうすっかり夜になってしまった。

学園の規則では夜中の外出は原則禁止だ。

だから私達はこっそり集まり〖自殺者の森〗に行くことにした。

~図書室前~

「お、やっと来た。遅かったですね、ニナさん」

「ごめんごめん。友達につかまっててね。女の子の話って長いんだよね」

「知ってる。まあとにかく行こう」

『『マタステイタス』』!!

グルグルグル グルグルグルグル ピカーーン

私達は事前に調べた座標へ、転移魔法を使い向かった。

~自殺者の森の某所~

「ここが自殺者の森…」

「本に描いてあったもの通りの風景だね…」



持ってきた本と見比べる。

周りに木は生えているが
どれも毒々しい見た目をしており
黒い葉、くねくねした枝
全て枯れ果てていた。

オォォォォォ オォォォォォ オォォオオオオ

辺りを彷徨う魂
木霊こだまする嘆き声
不気味な雰囲気が漂っていた。

「もう早く用事を済ませて帰りましょ!先生達にいつ気づかれるかわからないし」

「そうしたいのは山々だけど…から羽根を取るのは至難のわざだよ」

カブトが指を差す。

そこには魂達をもてあそ
醜い魔獣、ハルピュイアの姿があった。



「こ、これも本の通りの姿をしてるわね」

「ああ、もしかしたらそれ以上に狂暴で醜いのかも知れない」

ハルピュイア達は言葉を発せず
そして表情を持ってなかった。

「悲しみの谷はどこかしら?」

「恐らく魂達やハルピュイア達が多くいるところだろう。奥に進むしかないね」

私達は森の奥へと進んだ。
途中何度も助けを求める声が聞こえたが、私達はそれを無視し怯えながら進んでいった。

ザッザッザッ

少し歩くと木々が無くなり
砂地の渓谷のような場所が現れた。

オーォォォオオオオオ!!! バサバサバッサ!

「ここが恐らく悲しみの谷かな」

「そうね、、あ、見て!あそこに眠っているハルピュイアがいるわ!周りには他のハルピュイアはいないみたい」

「チャンスだね。とりあえず何枚か貰っておこう」

ソォーーーッ

私達はゆっくりと眠っているハルピュイアに近づく。

フサフサ ファサァーー

羽根は意外とフカフカで柔らかかった。

ブチッッ ブチッッッ

一枚ずつ取っていく。
まだ起きる気配は無さそうだ。

「大体何枚くらい必要かしら?」

「僕が他の羽根で箒を作る時は、大体50枚は必要だったね」

「そんなに!?魔法で増やせないかな」

「無理だね。すぐに魔力が切れて元にもどってしまう。地道に行こう」

「そうね、、でも早く戻りたいわ。いつ目が覚めるか心配だもの」

私とカブトが話していると

オオオオオオオオオオオオ!!!!!!!

突然周りの魂達が騒ぎだした。

「な、何なの!?静かにして!」

「見て!雲が晴れてペガサス座が見えてる!ということはつまり…」

パチッ ギロォ

ァァァアアアアアア!!!!!! アーーー!!!

ハルピュイアが目を覚まし
私達に気付き怒り暴れ狂う。

ビュゥウウウウウウンンン グルグルグルグル!!

「「うわああああああ!!!!」」

ハルピュイアが羽を羽ばたかせると、竜巻が起こり私達を空高く吹き飛ばしたのだった。

折角集めた羽根も宙を舞い
そして騒ぎに駆けつけた他の
ハルピュイア達によって
私とカブトは完全に囲まれたのだった。
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