クロとシロと、時々ギン

田古みゆう

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砂浜の結婚式(13)

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 ムキになって言い返すと、シロ先輩はわざとらしいくらいに驚いた顔を見せた。そしてすぐに、今度は悪戯っぽい笑みを見せる。

「そう。それ! それでこそいつものクロだ。いつもの調子でやれ。な? 確かに、今回はちょっとタイトなスケジュールになると思うけど、このチームには、なんたって吟がいるんだ。コイツに任せておけば問題ない」

 シロ先輩はそう言って、親指で白谷吟を指し示す。白谷吟は苦笑いしながらシロ先輩の手を退けた。

 確かにそうだ。白谷吟はパーフェクトなのだ。彼がいれば大抵のことは上手くいくだろう。それに新人とはいえ萌乃もいる。それから、私が全幅の信頼を置くシロ先輩だっているのだ。私一人が慌てる必要は無い。

 私は一人一人の顔を順番に見る。全員の視線が私に向けられていた。大丈夫。きっと乗り越えられる。自然とそう思えた。私はスッと背筋を正す。

「皆さん、頑張りましょう! 」

 私の言葉に、みんなは笑顔で応えてくれた。

 それから、キリの良いところまで作業をして、仕事を終わりにした。今日は本来なら、休日なのだ。そんなにガツガツ仕事をするもんじゃない。帰り支度をしながら、私はみんなに声をかける。

「このあと、ご飯食べに行きませんか?」

 シロ先輩が少し考えた後に答えた。

「そうだな。昼メシまだだし……せっかくの休みなんだ。のんびりと飯食ってから帰るか。なぁ、吟。萩田もどうだ?」

 シロ先輩が白谷吟を問答無用で誘い、萌乃の返答を待つ。

「あ、はい! お邪魔でなければ……ぜひ」

 萌乃は嬉しそうな声を上げる。その返事に満足したのか、シロ先輩が私に向き直る。

「よし! 決起集会だ。行くぞ、クロ」

 シロ先輩はニカッと笑う。私もつい頬を緩ませながら、大きな返事をする。

「はい! あ、でも、どこに行きます? ここの最上階行っちゃいます? 経費で……」

 調子に乗って提案すると、すかさずシロ先輩が白谷吟に話を振る。

「だとよ~。吟。領収書切っていいか?」

 白谷吟は困ったように笑う。それから真面目な顔で言った。

「実地調査だったら、いいんじゃないの?」
「ここ、コース料理しかやってないだろ。随分と高い実地調査だな」

 シロ先輩がゲラゲラと笑う。つられて私と萌乃も吹き出した。白谷吟は私たちの反応を見て楽しげに笑う。

 先輩たちのおかげで、すっかりいつもの自分に戻った気がする。

(このチームは最高だ。特に……)

 白谷吟と談笑しているシロ先輩の背中をこっそりと眺めながら、そんな事を思う。
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