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第49話 いきなりぶん殴られてみた
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(これは……!?)
大きな拳がとてつもない速度で迫る。
当然ながら反応できるはずもなく、俺は無防備に腹を殴られた。
視界が激しく回転し、地面を跳ねながら吹き飛ぶ。
俺は壁に激突した後、地面に倒れて咳き込んだ。
衝撃で肺の空気がすべて無くなったような感覚に陥る。
痙攣する身体でなんとか呼吸しようと努力する。
頭がふらついて立ち上がれそうにない。
俺は身体を丸めて唸り続けた。
「ご主人っ!」
ビビの声がして、それから金属音が鳴り響く。
戦っているのだ。
声からして彼女は怒っていた。
俺は顔だけを動かして状況を確認する。
ビビが大女に連撃を叩き込んでいた。
風の属性付与を施した剣とナイフで苛烈に切り付けている。
迷宮探索でも見なかった速さだ。
俺の目ではほとんど追い切れない。
これが彼女の本気なのだろう。
対する大女は、高速の斬撃を腕で防御している。
何の防具も着けていないにも関わらず、ビビの繰り出す刃を弾いていた。
一体どうなっているのか。
身体強化で皮膚を硬くするのにも限度がある。
風属性が施された刃で無傷なのは異常だ。
ビビは懸命に攻撃を繰り返している。
霞むような速度で駆け回りながら、どうにかして大女を倒そうとしていた。
魔力消費を考えない立ち回りは短期決戦を前提としている。
加減をしては絶対に勝てないと理解しているのだろう。
斬られ続ける大女はまったく怯まない。
かと言って反撃することもなく、ただひたすら防御に徹していた。
腕を巧みに動かして斬撃を妨げているので、ビビの速度を認識できているらしい。
それだけで実力の片鱗が窺える。
次元が違う。
きっと俺とビビが共闘しても届かない領域にいる。
冒険者として培ってきた勘が訴えている。
恐怖で怖気づいたわけではない。
それが純然たる事実なのだ。
しかし、このままビビを放っておくわけにもいかない。
俺は壁に手をつきながら立ち上がる。
呼吸はまだ苦しいが、なんとか動けるようになってきた。
(いきなり何なんだ)
俺達は治療術師のもとを訪れたはずだ。
なぜ戦いが始まっているのか、まったく分からない。
色々と疑問があるも、とにかくビビを助けないといけないのは確かだ。
大きな拳がとてつもない速度で迫る。
当然ながら反応できるはずもなく、俺は無防備に腹を殴られた。
視界が激しく回転し、地面を跳ねながら吹き飛ぶ。
俺は壁に激突した後、地面に倒れて咳き込んだ。
衝撃で肺の空気がすべて無くなったような感覚に陥る。
痙攣する身体でなんとか呼吸しようと努力する。
頭がふらついて立ち上がれそうにない。
俺は身体を丸めて唸り続けた。
「ご主人っ!」
ビビの声がして、それから金属音が鳴り響く。
戦っているのだ。
声からして彼女は怒っていた。
俺は顔だけを動かして状況を確認する。
ビビが大女に連撃を叩き込んでいた。
風の属性付与を施した剣とナイフで苛烈に切り付けている。
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俺の目ではほとんど追い切れない。
これが彼女の本気なのだろう。
対する大女は、高速の斬撃を腕で防御している。
何の防具も着けていないにも関わらず、ビビの繰り出す刃を弾いていた。
一体どうなっているのか。
身体強化で皮膚を硬くするのにも限度がある。
風属性が施された刃で無傷なのは異常だ。
ビビは懸命に攻撃を繰り返している。
霞むような速度で駆け回りながら、どうにかして大女を倒そうとしていた。
魔力消費を考えない立ち回りは短期決戦を前提としている。
加減をしては絶対に勝てないと理解しているのだろう。
斬られ続ける大女はまったく怯まない。
かと言って反撃することもなく、ただひたすら防御に徹していた。
腕を巧みに動かして斬撃を妨げているので、ビビの速度を認識できているらしい。
それだけで実力の片鱗が窺える。
次元が違う。
きっと俺とビビが共闘しても届かない領域にいる。
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恐怖で怖気づいたわけではない。
それが純然たる事実なのだ。
しかし、このままビビを放っておくわけにもいかない。
俺は壁に手をつきながら立ち上がる。
呼吸はまだ苦しいが、なんとか動けるようになってきた。
(いきなり何なんだ)
俺達は治療術師のもとを訪れたはずだ。
なぜ戦いが始まっているのか、まったく分からない。
色々と疑問があるも、とにかくビビを助けないといけないのは確かだ。
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