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命乞いする蜘蛛

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「今日の食材はこちら!蜘蛛です!」

料理人は躊躇なく蜘蛛を食材と紹介。
キッチンに置かれた蜘蛛は動揺していた。

「ちょっと待って下さい。食べる気ですか?私を?」
「そのつもりですが?」
「気持ち悪いでしょ?蜘蛛なんて?」
「見た目より味!そして栄養!」
「え?蜘蛛って美味しいんですか?」
「はい。アジアでは人気の食材です。」

蜘蛛と料理人が会話。
それはまるでアシスタントとの会話のようだ。

「蜘蛛は亜鉛が多く含まれ、現代人にはもってこいの食材です。しかも美味しい!」
「毒があるかもしれないのに?」
「我々はフグだって食べます。蛸も牛蒡も食べます。他の国で食べられてる食材など造作もない。」
「どうしても食べる気ですか?」
「もちろんです。我々は常に食糧危機と真剣に向き合っています。」

長い歴史の中、人類がこれほど繁殖したのは、このハングリー精神あっての事だと蜘蛛は悟るしかなかった。
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