境界の万屋

ありん

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夢が欲しい

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へいっ!いらっしゃい
これはこれは...何をお探しかな?

「夢が欲しい」

そうかい、ちょいと待ってな
おーい、たま、ぽち!
んーっと、右の棚の上から2番目の飴色の瓶を取ってくれないかい?

たま「めんどい、ぽちに任せた」
ぽち「...分かったよ   んーと、あっ、これかな」「はい、あるじ」

ん、ありがとさん
お客さん、これがあんたの欲しいものだよ
この瓶に入っている液を飲めば夢を持つことができるってわけだ

「本当に?やっとやっとだ...」「あれ?...あれ!?お金が無い!...」

あぁ、お代?結構さ
あんたみたいな珍しい客に会えたからタダで構わない
ほれ、

「ありがとう、でも珍しいって...?」

ん?どうかしたのかい?

「いや、何でもない...はっ!やっと夢が、夢が!夢が叶うんだ!」


ぽち「あるじ、お客さん帰ったね」
たま「あるじ~、一つ聞いてもいい?あのお客さんの夢って叶うの?」

ぽち、たま、よく覚えときな
結局の所、誰でも夢を持つことができるが決められた時の間に努力をしない限り叶うことはないんだよ




あのお客の夢は叶わない、もう遅かったんだ
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