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第2章 二つ目の事件( 未来 中学生)
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弥生から未来に連絡が来たのは、奈々子からの頼みごとを伝えた二日後だった。奈々子の頼みごとだった宮内幸雄の元へ行く許可と、奈々子の二つ目の頼みごと、『本物の久遠寺蓮との面会』の許可が出たのだ。何かあった場合を想定し、未来のスマホを常時弥生に繋げておく、という条件付きだが。
「久遠寺蓮、てあの料理評論家だったんだね」
あの日、会場で見た男の姿を脳裏に思い描く。未来の位置からは後ろ姿しか見えなかったが、彼の怒声は嫌という程未来の耳に残っている。彼は料理の世界では、有名な料理評論家らしいが、料理に携わってこなかった未来には初めて聞く名前だった。
奈々子は有名な評論家だったから信用したらしい。
「……みたい、ね」
「知らなかったの?」
久遠寺蓮の存在は知っていたはずなのに、直接顔を合わせても気が付かなかった姉はどこか不自然な気がする。なぜ、気づかなかったのだろう。
「これ、久遠寺蓮の出している本よ」
スッと一冊の本を奈々子に渡される。未来は中身は見ずに、裏表紙に目をやった。だいたいそこに著者情報が載っているはずだ。ある程度有名な著者であれば、写真も載っていることもある。
だが、そこに書かれた著者情報に載っていた写真に未来は目を瞬いた。
「かわいい、猫だね」
テレビで見た怖そうなイメージとは裏腹の可愛らしい猫の写真がそこに載っていた。
「久遠寺蓮は、基本テレビ出演はほぼないし、顔写真も晒していないの。今回のような料理コンテストでも審査員の顔、特に久遠寺蓮の顔は意図的に映らないようになっているから。騒がれるのがお好きではないらしくて、料理関係で有名な人間、もしくはテレビや雑誌に携わっている人以外には素顔は知られていないの。だから、私も名前は知っていたけど、顔は知らなかった」
だから、目の前にいる男が久遠寺蓮ではないと気づかなかったらしい。久遠寺蓮は評論家として成功しているが、その年齢は30代前半と若い。今回顔を合わせた相手も、似たり寄ったりの年齢だったらしい。
「しっかり、調べていたんだ」
今回、久遠寺蓮の名前を使ったことに、彼らの綿密な計画性を感じた。
「調べて、というより、宮内先生なら多分、本人をご存知だったんだと思う」
奈々子が緊張した面持ちで、目の前にある表札を睨みつける。今日、この時間に奈々子が尋ねる事は久遠寺蓮は知っている。彼にとって憎むべき相手の訪問が許されたのは弥生たちAriaが裏で手を回した結果だろう。
奈々子がチャイムを鳴らしてすぐに、落ち着いた女性の声がインターホンから聞こえてきた。
「はい」
「お約束をしていました、佐川奈々子と申します」
「……お入りください」
ガチャン、と門の鍵が開く音がした。
今からが勝負だ。彼に、久遠寺蓮に奈々子が認めてもらう事、それがこれからの奈々子の運命を左右するはずだ。
「よく来てくれましたね」
ニコリと小さく笑みを浮かべて未来たちを出迎えた久遠寺蓮は、想像していたのとは大分違った。穏やかな笑みとやわらかな声音からは、先日テレビで垣間見た様子は見られない。
唖然としている未来と奈々子を椅子に座らせると久遠寺蓮は再び口を開いた。
「あの時は失礼しました」
「は?」
突然の予想外の言葉に奈々子があんぐりと口を開く。まさか謝られるとは思っていなかったのだろう。それには未来も同感だが。
「え……あの……久遠寺、蓮さん……?」
思わず別人なのかと思ってしまった。あの時激高していたのが久遠寺蓮であるとは聞いているが、顔自体はほぼ見えなかったというのが正しい。目の前で見たハズの奈々子でさえ信じられない、というような驚愕の表情を浮かべている。
「どうも私は、料理を前にすると性格が変わるらしくて……自覚はないんですが」
困ったように笑う久遠寺蓮に思わず突っ込みたくなった。「別人だよ」と。
ただ、今態度を和らげている、という事は奈々子の誤解が解けたのだろうか。今日は尋ねるなり再び怒鳴られる覚悟をしていたのだが。
「あの、私……盗作なんてしていません」
きっぱりと言い切った奈々子に久遠寺蓮が頷く。その表情は知っている、と言っているように見えた。
「……でしょうね。あなたに他人のアイディアを盗む意味はありませんから」
「え?」
「先日、千鶴君が訪ねてきましてね」
千鶴……君……ってまさか……
「三波、さん、ですか?」
思わず未来が口を開いていた。今日は聞き役に徹するつもりで一言も口を開くつもりなどなかったのだが。
「ええ、私はAriaの人間なので、千鶴君の事も良く知っているんですよ。……料理のレシピに対するひらめきの能力を持つというあなたが、他人のアイディアを欲する意味がありません……が、他人に蹴落とされることを予期することも出来ないだろうな、とも思いましたが」
「どういう、ことですか?」
「言葉の通りの意味です。料理レシピに対して天性の才を持つ君にとって、その才を目の当たりにした、努力の人間の考えは理解できないでしょう?」
困ったような表情で頷く奈々子は、やはり、何故恩師である彼がこんなことをしたのか理解できないでいるのだろう。奈々子に理解できない事が、未来には何となくわかった。彼は、奈々子がうらやましくて、そして、憎かったのだろう。
「ですが、君が盗作をしていない、という事を対外的に示すには私の言葉だけでは意味がありません。表向きは信じたように見えても、より強い疑惑を君に向けることになります。どんな方法でこの私をたぶらかしたのか、と」
「そんな……」
「だからこそ、証拠が必要なんです。君が発案者だという。能力は証拠にはなりませんし、Ariaに関係のある人間以外は納得しないでしょうしね。さて、と。では、何があったのか、話していただけますか?」
久遠寺蓮に促され、ぽつぽつと口を開いた奈々子の話した内容は、未来が見たモノ、弥生から聞いたモノと同じような内容だった。それを、久遠寺蓮は黙って聞いていて、奈々子の話が終わるまで一切口を挟まなかった。
「私の名前を……名刺を受け取ったと言っていましたが、今、名刺はお持ちですか?」
奈々子は鞄から1枚の紙を取り出し久遠寺蓮に差し出した。それを手に取り、裏返して見た。それから小さく息をつく。
「宮内……幸雄、か……確かに名刺を渡したことはありますね。もっともこれは元ではなく、それを真似て作ったものでしょうが」
ため息一つ、久遠寺蓮は1枚の名刺を2人の前に置いた。奈々子が出した名刺とまったく同じデザインの同じもの。見分けなんてつかない。もしこれが偽物なのであれば、相当良くできている。
「違いはここです」
クルリとひっくり返した名刺の後ろにはうっすらとマークが描かれている。どちらも同じものに見えるが……?
「光にかざしてみてください」
未来と奈々子はそれぞれ名刺を光にかざし、軽く目を瞬いた。
「あ……」
奈々子が持つ、久遠寺の名刺は光にかざすと後ろの記号がきらきらと輝いた。反面未来が持つ宮内からもらった名刺はマークが濃くなるが、輝きがないように見える。
「私の名刺の裏はAria能力者の技術の結晶です。真似、出来なかったんでしょうね」
一つ、証拠が出た。でも、まだ足りないのだろう。ただし、証拠がこれだけならば。
未来は弥生から預かっているDVDを2人前に差し出した。
「これは?」
「特殊捜査班の人たちが手に入れた証拠……料亭画の防犯カメラで、お姉ちゃんと宮内勇次の会話が映っています。その一部を鮮明化したモノがこれです」
二人の前に差し出した写真を見た、奈々子と久遠寺が同時に目を瞬く。それは、元のレシピが奈々子の物である、という決定的な証拠だ。それに、監視カメラの映像と音声が加われば、文句を言う人間はいなくなるだろう。
「久遠寺蓮、てあの料理評論家だったんだね」
あの日、会場で見た男の姿を脳裏に思い描く。未来の位置からは後ろ姿しか見えなかったが、彼の怒声は嫌という程未来の耳に残っている。彼は料理の世界では、有名な料理評論家らしいが、料理に携わってこなかった未来には初めて聞く名前だった。
奈々子は有名な評論家だったから信用したらしい。
「……みたい、ね」
「知らなかったの?」
久遠寺蓮の存在は知っていたはずなのに、直接顔を合わせても気が付かなかった姉はどこか不自然な気がする。なぜ、気づかなかったのだろう。
「これ、久遠寺蓮の出している本よ」
スッと一冊の本を奈々子に渡される。未来は中身は見ずに、裏表紙に目をやった。だいたいそこに著者情報が載っているはずだ。ある程度有名な著者であれば、写真も載っていることもある。
だが、そこに書かれた著者情報に載っていた写真に未来は目を瞬いた。
「かわいい、猫だね」
テレビで見た怖そうなイメージとは裏腹の可愛らしい猫の写真がそこに載っていた。
「久遠寺蓮は、基本テレビ出演はほぼないし、顔写真も晒していないの。今回のような料理コンテストでも審査員の顔、特に久遠寺蓮の顔は意図的に映らないようになっているから。騒がれるのがお好きではないらしくて、料理関係で有名な人間、もしくはテレビや雑誌に携わっている人以外には素顔は知られていないの。だから、私も名前は知っていたけど、顔は知らなかった」
だから、目の前にいる男が久遠寺蓮ではないと気づかなかったらしい。久遠寺蓮は評論家として成功しているが、その年齢は30代前半と若い。今回顔を合わせた相手も、似たり寄ったりの年齢だったらしい。
「しっかり、調べていたんだ」
今回、久遠寺蓮の名前を使ったことに、彼らの綿密な計画性を感じた。
「調べて、というより、宮内先生なら多分、本人をご存知だったんだと思う」
奈々子が緊張した面持ちで、目の前にある表札を睨みつける。今日、この時間に奈々子が尋ねる事は久遠寺蓮は知っている。彼にとって憎むべき相手の訪問が許されたのは弥生たちAriaが裏で手を回した結果だろう。
奈々子がチャイムを鳴らしてすぐに、落ち着いた女性の声がインターホンから聞こえてきた。
「はい」
「お約束をしていました、佐川奈々子と申します」
「……お入りください」
ガチャン、と門の鍵が開く音がした。
今からが勝負だ。彼に、久遠寺蓮に奈々子が認めてもらう事、それがこれからの奈々子の運命を左右するはずだ。
「よく来てくれましたね」
ニコリと小さく笑みを浮かべて未来たちを出迎えた久遠寺蓮は、想像していたのとは大分違った。穏やかな笑みとやわらかな声音からは、先日テレビで垣間見た様子は見られない。
唖然としている未来と奈々子を椅子に座らせると久遠寺蓮は再び口を開いた。
「あの時は失礼しました」
「は?」
突然の予想外の言葉に奈々子があんぐりと口を開く。まさか謝られるとは思っていなかったのだろう。それには未来も同感だが。
「え……あの……久遠寺、蓮さん……?」
思わず別人なのかと思ってしまった。あの時激高していたのが久遠寺蓮であるとは聞いているが、顔自体はほぼ見えなかったというのが正しい。目の前で見たハズの奈々子でさえ信じられない、というような驚愕の表情を浮かべている。
「どうも私は、料理を前にすると性格が変わるらしくて……自覚はないんですが」
困ったように笑う久遠寺蓮に思わず突っ込みたくなった。「別人だよ」と。
ただ、今態度を和らげている、という事は奈々子の誤解が解けたのだろうか。今日は尋ねるなり再び怒鳴られる覚悟をしていたのだが。
「あの、私……盗作なんてしていません」
きっぱりと言い切った奈々子に久遠寺蓮が頷く。その表情は知っている、と言っているように見えた。
「……でしょうね。あなたに他人のアイディアを盗む意味はありませんから」
「え?」
「先日、千鶴君が訪ねてきましてね」
千鶴……君……ってまさか……
「三波、さん、ですか?」
思わず未来が口を開いていた。今日は聞き役に徹するつもりで一言も口を開くつもりなどなかったのだが。
「ええ、私はAriaの人間なので、千鶴君の事も良く知っているんですよ。……料理のレシピに対するひらめきの能力を持つというあなたが、他人のアイディアを欲する意味がありません……が、他人に蹴落とされることを予期することも出来ないだろうな、とも思いましたが」
「どういう、ことですか?」
「言葉の通りの意味です。料理レシピに対して天性の才を持つ君にとって、その才を目の当たりにした、努力の人間の考えは理解できないでしょう?」
困ったような表情で頷く奈々子は、やはり、何故恩師である彼がこんなことをしたのか理解できないでいるのだろう。奈々子に理解できない事が、未来には何となくわかった。彼は、奈々子がうらやましくて、そして、憎かったのだろう。
「ですが、君が盗作をしていない、という事を対外的に示すには私の言葉だけでは意味がありません。表向きは信じたように見えても、より強い疑惑を君に向けることになります。どんな方法でこの私をたぶらかしたのか、と」
「そんな……」
「だからこそ、証拠が必要なんです。君が発案者だという。能力は証拠にはなりませんし、Ariaに関係のある人間以外は納得しないでしょうしね。さて、と。では、何があったのか、話していただけますか?」
久遠寺蓮に促され、ぽつぽつと口を開いた奈々子の話した内容は、未来が見たモノ、弥生から聞いたモノと同じような内容だった。それを、久遠寺蓮は黙って聞いていて、奈々子の話が終わるまで一切口を挟まなかった。
「私の名前を……名刺を受け取ったと言っていましたが、今、名刺はお持ちですか?」
奈々子は鞄から1枚の紙を取り出し久遠寺蓮に差し出した。それを手に取り、裏返して見た。それから小さく息をつく。
「宮内……幸雄、か……確かに名刺を渡したことはありますね。もっともこれは元ではなく、それを真似て作ったものでしょうが」
ため息一つ、久遠寺蓮は1枚の名刺を2人の前に置いた。奈々子が出した名刺とまったく同じデザインの同じもの。見分けなんてつかない。もしこれが偽物なのであれば、相当良くできている。
「違いはここです」
クルリとひっくり返した名刺の後ろにはうっすらとマークが描かれている。どちらも同じものに見えるが……?
「光にかざしてみてください」
未来と奈々子はそれぞれ名刺を光にかざし、軽く目を瞬いた。
「あ……」
奈々子が持つ、久遠寺の名刺は光にかざすと後ろの記号がきらきらと輝いた。反面未来が持つ宮内からもらった名刺はマークが濃くなるが、輝きがないように見える。
「私の名刺の裏はAria能力者の技術の結晶です。真似、出来なかったんでしょうね」
一つ、証拠が出た。でも、まだ足りないのだろう。ただし、証拠がこれだけならば。
未来は弥生から預かっているDVDを2人前に差し出した。
「これは?」
「特殊捜査班の人たちが手に入れた証拠……料亭画の防犯カメラで、お姉ちゃんと宮内勇次の会話が映っています。その一部を鮮明化したモノがこれです」
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