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第3章 盗まれた作品
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鍵が開いていたのに、真っ暗な部屋に未来が呆れたようにため息をついた。
あの後、山内美穂は文芸部に入った。本はあまり好きではない、と言っていたが正確には読んだことがほぼないために何を読んでいいのかが解らなかったらしい。部室にある簡単に読める本や漫画を渡してあげたらどこか嬉しそうにしていたように思う。
彼女はAriaの援助があるので、アルバイトをする必要がなくなったため放課後の空いている時間に部室に来ることが多々ある。もっとも生活費援助のために取引はしているようだが詳細を聞いてはいない。
元々の癖が抜けないのか、元々の性質なのか……美穂が一人でいる時はほぼ部室の電気がついていない。
「電気くらい、点けたら?」
「佐川先輩。すみません……あまり関係ないので、つい」
そう、暗視、暗闇の中でも普通に周囲を見回すことができる美穂にとって部屋の明かりをつける事は何の意味もないのだ。普通なら目が悪くなるだろうに、霊力により特化しているからか美穂にとってはあまり関係ない。
「別にいいけれど……今は何を読んでるの?」
「赤毛のアン」
にっこり笑顔での答えに未来もまた小さく笑みをこぼす。元々興味があったのか、本を読みはじめたらだんだんと嵌ってきたらしく、色々な話を読んでいる。アンシリーズは長い上に、有名だから読み始めにはいいかもしれない。高校生なら読めないような難しい話でもないし。
「山内さん、将来どうするの?」
「……わかりません。でも、傷ついている子供たちを助けることができる場所に行きたいです。……私は今、幸せだから、あの孤児院のように傷ついて、亡くなっていく子供たちがいないような、そんな仕事がしたいです……って全然具体的じゃないですけど……」
どこか困ったように笑う山内美穂。それでも、その笑みは幸せそうに見えた。
「いいんじゃない?あなたらしくて」
あの後、山内美穂は文芸部に入った。本はあまり好きではない、と言っていたが正確には読んだことがほぼないために何を読んでいいのかが解らなかったらしい。部室にある簡単に読める本や漫画を渡してあげたらどこか嬉しそうにしていたように思う。
彼女はAriaの援助があるので、アルバイトをする必要がなくなったため放課後の空いている時間に部室に来ることが多々ある。もっとも生活費援助のために取引はしているようだが詳細を聞いてはいない。
元々の癖が抜けないのか、元々の性質なのか……美穂が一人でいる時はほぼ部室の電気がついていない。
「電気くらい、点けたら?」
「佐川先輩。すみません……あまり関係ないので、つい」
そう、暗視、暗闇の中でも普通に周囲を見回すことができる美穂にとって部屋の明かりをつける事は何の意味もないのだ。普通なら目が悪くなるだろうに、霊力により特化しているからか美穂にとってはあまり関係ない。
「別にいいけれど……今は何を読んでるの?」
「赤毛のアン」
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「山内さん、将来どうするの?」
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どこか困ったように笑う山内美穂。それでも、その笑みは幸せそうに見えた。
「いいんじゃない?あなたらしくて」
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