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パンドラの箱
シークレットライブ【前編】
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6月の中頃、まだ梅雨は続いていた。
メタリックブルーの流線型の車が雨をはじきながら高速道路を滑るように走る。
強めの雨が容赦なくフロントを打った。
無数の雨粒はあちこちで次々と融合し、ガラスの上で遊ぶように転がり、最後は後方へと押し流れ消えていく。
昼間なのに煙ったような景色は遠くまで見渡せず、手前の派手めの看板ばかりが目立っていた。
みうの体調は良くなっていたが、KAIは未だにスマホに戻らない。
スマホを開いて時計の画面を見るたびにため息が漏れていた。
このまま二度と会えないんじゃないか、とさえ思い始めてる…。
気分が沈みそうになり〝 今日のこと 〟を楽しまなくてはと自分に言い聞かせ再び景色に目をやった。
みうは三咲くんと2人で横浜のライブ会場に向かっている。
美紀の彼氏の並太さんが所属するグループ(A.A.T.M(Aim At The Moon))がメジャーデビューする、ということで先日LINUでシークレットライブのお誘いを受けていた。
いま車内では三咲くんが〝 予習 〟と称し、インディーズの頃のアルバムを聞かせてくれている。
ハードなロックだがヴォーカルの男性の声が切ない響きを持っていて、どの曲も世界観に引き込まれ〝 なるほど 〟と思う。
運転している三咲くんは終始ごきげんな様子だ。
このアルバムが気に入っているみたい。
〝 今はヴォーカルが女性なんだよ 〟とも教えてくれた。
曲がとても素敵なので女の人が歌うのも楽しみ。
みうのコーデはいつもとは違った。
日頃のよれよれな格好では失礼なので、いつもより可愛くしている。
上は左肩に黒リボンに子猫のかすれた写真が入った白い半袖Tシャツ。
下がデニムとレースのフレアスカート。
三咲くんに最初にもらった洋服のセットに自前の灰色のパーカーだ。
髪はポニーテールで白いレースのシュシュがふわふわと揺れている。
今日のライブは楽しみにしていたし、三咲くんと一緒で嬉しい。
ただ…気になる問題が1つ…。
高速を降り会場が近くになって みうは意を決して疑問をクチにした。
「…大雨だね。運転、大変じゃない?
わ、私は助かるっていうか、嬉しいよ…。でもさ。
三咲くん、バイトまで休んで送り迎えしなくても良かったんじゃ…。」
「ダメだよ。
みうちゃんは…狙われるかも知れないんでしょ。
長距離の電車なんて危なすぎるって。」
そう言いながら彼は笑っているが…。
いつもと様子の違う三咲くんを見上げて首をかしげた。
不適な笑みを浮かべる彼は…
髪を半分オールバックに固め、シルバーの指輪とネックレスをしている…。
シャツはプラダの黒(ロボットの印刷付き)、パンツはヴィンテージのデニム…たぶんリーバイス。
上着は後部座席に雑に投げられているDIORのチェンジエフェクトパーカー…(高い詰襟、ナイロン製)のエンジ色とかなり気合が入っている。
とても会場への送り迎えだけ、という雰囲気ではない…。
美紀の手元にチケットは2枚だけ。
シークレットライブなのに人気がありすぎて みうと美紀の分しか手配出来なかったと聞いている。
だから…三咲くんは会場に入れない…はずなんだけど。
「ん~。まぁ…。
僕もチケット手に入りそうだから…ね。
みうちゃん達って1階席だっけ?」
と、さらっとすごいことを言う。
「え。今回のってレアチケットでしょ。
どうやって?」
みうの目はますます丸くなる…。
今日の三咲くんの格好と関係ある…のかな。
こんな感じの服をいっぱい持っているのは知ってたけど着ているのを見るのは初めてだ。
車は予定していた通り会場近くのコインパーキングに入る。
エンジンが停止して雨の音が車内に響いた。
サイドブレーキを引き…彼が緊張した様子で説明し始める。
だが、よっぽど言いにくいのか最後の方は消え入りそうな声になった。
「ふぅ。…あ、あのね。仕方なかったんだ。
だから…何があっても、驚かないで…。
僕はみうちゃんが好きだって覚えておいて…ね。」
言い切ったあとサイドブレーキを握ったままの手にチカラが入ったのが見て取れた。
みうの頭にいっぱいの『?』が湧き出る。
説明にもなってない…日本語としてダメダメだ。
けど、まぁ…この態度と格好、今までの彼の歴史を頭に思い浮かべてみて何となく予想できる。
このカラクリの行き着く先は〝 女性 〟なんだろう。たぶん。
彼が礼美さんとバイト先のファミレスに来た時よりも胸がチリチリと痛い。
見知らぬ〝 女性 〟の存在を感じて心に黒いものが広がりそうになり考えるのを止めた。
これから楽しいことがある…のに、な。
ずっと此処にいると泣き出しそうだ。
急いで車を出る用意をし、彼に作り笑顔で伝える。
「分かった。
あまり無理しないで…。あと…」
目を伏せて言葉を続けた〝 私には怒る権利なんて…ないから気にしないで 〟と。
そして、ありがとう、と一言お礼を付け加える。
1人で車を降り、美紀との待ち合わせ場所に急いだ。
降りるとき視界の端に映った三咲くんは気まずそうに顔を歪めた…。
傘を差してその視線を断ち切り早足で離れる。
足元がぴちゃぴちゃと音を立てた。
今まで降った雨が小さい滝をいくつも作り道路を蛇行して流れる。
それらを上手く避けながら逃げるように進んで行く。
待ち合わせ場所には、すでに美紀の姿があった。
みうを見つけニヤニヤしながら寄ってきて開口一番〝 みうのくせに、お洒落してるー 〟となじってきたが笑って誤魔化す。
少し歩くとすぐ建物が見えてくる。
入口の前には開演2時間前にも関わらず長蛇の列。
彼女と2人でその列に並び、傘を差しながら話す。
「並太さんのバンドってすごい人気なんだね。」
「ふふ。彼氏が芸能人ってちょっと自慢かもー。」
美紀は本当に嬉しそうに笑った。
楽しそうにしている友人と他愛ない話をして開演1時間前になり列が動き出した。
色とりどりの傘がゆっくりと進んでゆく。
雨はまだ降り続いていて鏡面仕上げのコンクリートの床に並ぶ人達が歪んで映っていた。
何気なしに逆さに映る世界を眺めつつ、のんびり足を進めていると…
角で列が動いて前の方に並ぶ〝 優先 〟で入ってゆく団体。
その中ににエンジ色のDIORで詰襟のロングパーカーを着こなす長身が視界に入る。
遠くにいる彼の姿は他の誰よりも秀でて目立つ。
隣にいる背の高い美人にチクリと胸が痛んだ。
その人は黒のミニワンピにビジューの付いた網タイツ、青のストールを身に纏っていた。
男の腕が美人の腰に回っている。
隣の男を見つめる女性の嬉しそうな笑顔が、雨の中やけに輝く。
2人は楽しそう…。
あれは…三咲くん……。
離れて改めて思い知らされる、普通に格好良いんだな。
隣にいるのは…。誰なんだろ。
スタイルが良くて美人だ。
すごく親しそう、だな。
心臓が音を立てて鳴り始める…。
周囲の雑踏が音も気配も消して、自分の鼓動だけが耳に響いていた。
手の先も足もチクチクと針で刺されたみたいに痛い…。
なに…この感情、状態…心も身体も、つらい……。
痛くて辛過ぎるんだけど…。
耳に残っていた車内での彼の声が再生する。
『だから…何があっても、驚かないで…。
僕はみうちゃんが好きだって覚えておいて…ね。』
そっか。そういう…ことか。
何となく予感はあったけど現実に目の当たりにすると…キツイな。
チケットを手に入れるためなんだろうとは思いつつ割り切れない。
気持ちが沈む…。
いま私は、上手く笑えているのだろうか。
美紀は話しかけても生返事しかしなくなった友人を不思議に思った。
みうが一点を見つめて動かないことに気付きその方向を見る。
遠くに目立つカップルが1組。
男の方がえらくカッコイイ。
「えー。みうってば案外センス良い。
あのエンジのナイロンパーカーの男の子、イケメンだね。」
美紀が彼女と目線を合わせるように少しかがんでニヤリと笑う。
2人の傘がぶつかり落ちた雨がボタボタと みうの肩を濡らした。
落ちた所にじわっと冷たい感覚が広がる。
まだ布から弾かれている雨粒を手で払いつつ〝 美紀好み(ごのみ)かもね 〟と相槌を軽く打った。
三咲くんを見た美紀はハンターとしての嗅覚が騒いだらしく…。
どうやって落とそうとか、隣の女を蹴散らさなきゃだとか…話しかけられるが全く耳に入ってこない。
心臓のドキドキがずっと鳴り止まず雨の音も他の人々の声も、美紀の声すら遠くに聞こえる。
何とか足を動かして操り人形のように列を進む。
優先の人が入場して外の列から三咲くん達が姿を消し、一般が次々と場内へ入る。
私達も無事に中へと足を踏み入れた。
会場は広く迷いそうなほどだ。
改めて並太さんのバンドのすごさを感じる。
美紀に連れられてチケットに書かれている1階の席に着いた。
まだ席に届かない人達がごった返すなか彼女の惚気を聞きつつ待つ。
少しクラシカルな場内に色んな年齢、性別の声と熱気が渦巻く。
時間が過ぎてゆき照明が徐々に暗くなり始めた。
全員が会場入りすると…。
照明は最大限に絞られ座席は、ほぼ暗闇に閉じ込められる。
熱気と空気の圧が全身を襲う…。
大勢のざわめきと薄く流れていた音楽が止み…。
全員がステージに視線を送った。
いよいよ開演の時だ。
暗がりのステージに1人ずつ紹介されながら上がってゆく。
その度にスポットライトが増えてゆき、会場がどよめいた。
最後にヴォーカルの女性が現れると会場内の熱気と興奮が一気に押し寄せる。
すぐにギターが音を走らせ、ドラムとベースがそれに続き、音の競演が全てを包んだ。
そうして嵐のような音楽の洪水は人々を最高潮に盛り上げ、痺れを伴う興奮を残し、幕を閉じた。
あっという間の1時間30分だった…。
1階の席は思ったよりも前の方で迫力があり興奮できた。
三咲くんの情報どおりヴォーカルは色っぽい女性で歌も上手い。
けど車の中で聞いたアルバムの男性の声の方が好きだとも思った。
シークレットライブはアンコールも含めて10曲披露し、ほぼ全部がアルバムの曲。
三咲くんの〝 予習 〟が役に立っていたのを痛感しつつ…思い出すのは会場前の光景。
見知らぬ美女の腰を抱いて並ぶ三咲くんの姿、その美女の嬉しそうな笑顔。
ライブ中もずっとそればかり考えていた。
我ながらしつこい性格で嫌になる…。
こういうのは割り切らなきゃ、理由もあるんだし。
それに私は…三咲くんの彼女じゃないんだから。
自分と美女との天地の差ほどある容姿の劣勢。
もやもやする事すらおこがましい…。
手をギュッと握っていたら隣にいた美紀にその手を掴まれる。
そしてニヤッと笑いかけられ…。
「早く楽屋に行こう!」
と強引に座席から連れ出される。
「び、っくりした(笑)
美紀ってば、ほんと行動派だよね。
楽屋って私も行って大丈夫なの?」
バックを握るように掴んで引っ張られながら走る。
「へーき、へーき。もー格好良かったぁぁぁ。
並太さんに早く逢いたい(照)」
会場を出て出口とは逆に走る。
まだ興奮してたり、ほどよく疲れた顔をしている人…いろんな面々が家路へと向かう。
それらをかき分け、小さく謝りつつ美紀の勢いのまま突き進んでいた。
そうして人の波を逆走しながら楽屋を目指していると…
三咲くんとすれ違った。
一瞬、息が止まる。
他の人は雑多な景色のように過ぎて消えてゆくのに…。
三咲くんの姿だけがスローモーションのように瞳に残影する。
彼の肩のあたりに青のショールがチラチラ動くのが見えてしまった。
同じ空間、時間軸にいるはずなのに触れることも声を掛けることも出来ない。
三咲くんはこのあとアノヒトと過ごすんだろうか…。
来るとき送ってもらわなきゃ…良かったな。
みうは目を伏せて美紀の後ろを引かれて着いてゆく。
彼女の勢いは止まるところを知らず…。
関係者だけしか入れないところまで堂々と走り続け…。
とある扉の前でピタリと止まった。
2人とも息が上がっている。
「ふぅー。ここが楽屋なの?
ちょっと汗かいたかもー。」
「5分待って!」
美紀はそう宣言してバックから化粧道具を取り出し直し始めた。
彼女らしい行動に自然に笑みがこぼれる。
「OK!行こう!」
扉をノックすると、メンバー全員がフレンドリーな態度で迎え入れてくれる。
先程まで人々を熱狂させていたメンバーが気の抜けた顔でくつろぎながら、美紀と並太さんをからかう。
みうも美紀の友達として色々話しかけてもらい打ち解けた。
その後、挨拶だけのつもりだったのに、打ち上げにまで招待されてしまい…
美紀は行く気だし、断る理由も見つからず…仕方なく着いて行くことにした。
全員で運転手付きのマイクロバスに乗り込み個室のある居酒屋に着く。
美紀はずっと並太さんにベッタリくっ付いていたので みうは皆の後ろを1人で歩いていく。
雨は上がっていたので傘を折りたたんでバックに仕舞った。
「女の子が1人で歩くの危ないよ~。
ねえ。君って彼氏いるの?」
ベースの人が前の列から急に振り返って みうの手を握った。
ベースの人…確か夜見(よみ)さん。
背が高くて筋肉質。目が垂れていてちょっと可愛い顔だ。
髪は肩まででの金髪で襟足だけ黒く染めてある。
首に死神の鎌の刺青があった。
「っ。あの…、あの…。手…。」
打ち解けたとは言え みうは初対面の男の人がやっぱり苦手だ。
握られた手に困ってしまう。
夜見さんは全く気にした風も無く、手を繋いだまま みうとお店の中に入る。
個室の扉(引き戸)を一番に開けて席に向かう。
8人分の大きなテーブルと、テーブルの長さと同じだけのふかふかのソファーがある部屋だった。
照明はぐっと暗くなっていて赤みの強いライトが壁に埋め込まれて間接照明になっている。
夜見さんは、ずっと手を引いたままの みうを壁側に座らせた。
そして自然に隣へと密着するように腰掛ける。
みうは壁と夜見さんの身体に挟まれ…。
完全に〝 彼 〟の空間に閉じ込められた。
「俺、みうちゃんGET。いいよね?」
夜見さんは皆に宣言する。
いつものこと…なのかメンバーは気にした風もなくそれぞれが料理とお酒を適当に頼む。
美紀は並太さんしか見ていない…。
「え。え。な、何ですか?」
夜見さんの言葉に小さく縮こまりながら慌てた。
誰も助け舟を出してもくれず…。
「だって、並太は美紀ちゃん。
で、大河(たいが・ギター)は鈴(りん・ヴォーカル)。
そんで、俺とみうちゃん。」
〝 分かった? 〟と付け加えながら夜見さんは みうの腰を抱く。
彼女は過度な密着でますます赤くなる。
その顔が彼を刺激したのか、もう片方の腕を前から伸ばし頭をポンポンと撫で…。
頭に伸ばしていた腕を肩に回しギュッと抱きしめた。
牛革と埃、微かな甘い匂いが漂った。
数分前に頼んだ料理やお酒がどんどん運ばれ皆が盛り上がる。
夜見さんは みうに自分が見立てたカクテル(ルシアン)を渡す。
琥珀色のとろっとした液体が丸いカクテルグラスの中で揺れた。
ココアのようなチョコレートのような甘い香りがする。
戸惑いながらも試すようにカクテルにクチを付ける。
ピンク色の唇がグラスに触れ首元の筋肉がゆっくりと動く。
顔からカクテルを遠ざけると両手でグラスを握りながら、ため息を漏らした。
カカオ独特の甘い匂いがふわっと漂う。
夜見さんはハイボールのソーダ割りを飲みながら みうの一部始終を見つめる。
このカクテル…ルシアンは甘くて飲みやすいがアルコール度数が高い。
可愛く吸い付く姿に雄の欲求が高まってゆく。
「…美味しそうに飲むね。気に入った?
みうちゃん。カクテルには、カクテル言葉ってあるんだよ。」
「カクテル言葉ですか…。花言葉みたいな?」
酔いが回り始めて みうの瞳が潤む。
「そうそう。これはね…。んー。
もう少し飲んだら教えてあげる…。」
意味ありげな微笑で みうのクチの中にキャンディチーズを放り込んだ。
もっと…いっぱい飲ませてあげるよ…。
このカクテルの言葉、君にぴったりだから。
〝 誘惑 〟って言うんだ。
夜見さんは心の中で正解を答えつつ無言で みうの頭を撫でた。
メタリックブルーの流線型の車が雨をはじきながら高速道路を滑るように走る。
強めの雨が容赦なくフロントを打った。
無数の雨粒はあちこちで次々と融合し、ガラスの上で遊ぶように転がり、最後は後方へと押し流れ消えていく。
昼間なのに煙ったような景色は遠くまで見渡せず、手前の派手めの看板ばかりが目立っていた。
みうの体調は良くなっていたが、KAIは未だにスマホに戻らない。
スマホを開いて時計の画面を見るたびにため息が漏れていた。
このまま二度と会えないんじゃないか、とさえ思い始めてる…。
気分が沈みそうになり〝 今日のこと 〟を楽しまなくてはと自分に言い聞かせ再び景色に目をやった。
みうは三咲くんと2人で横浜のライブ会場に向かっている。
美紀の彼氏の並太さんが所属するグループ(A.A.T.M(Aim At The Moon))がメジャーデビューする、ということで先日LINUでシークレットライブのお誘いを受けていた。
いま車内では三咲くんが〝 予習 〟と称し、インディーズの頃のアルバムを聞かせてくれている。
ハードなロックだがヴォーカルの男性の声が切ない響きを持っていて、どの曲も世界観に引き込まれ〝 なるほど 〟と思う。
運転している三咲くんは終始ごきげんな様子だ。
このアルバムが気に入っているみたい。
〝 今はヴォーカルが女性なんだよ 〟とも教えてくれた。
曲がとても素敵なので女の人が歌うのも楽しみ。
みうのコーデはいつもとは違った。
日頃のよれよれな格好では失礼なので、いつもより可愛くしている。
上は左肩に黒リボンに子猫のかすれた写真が入った白い半袖Tシャツ。
下がデニムとレースのフレアスカート。
三咲くんに最初にもらった洋服のセットに自前の灰色のパーカーだ。
髪はポニーテールで白いレースのシュシュがふわふわと揺れている。
今日のライブは楽しみにしていたし、三咲くんと一緒で嬉しい。
ただ…気になる問題が1つ…。
高速を降り会場が近くになって みうは意を決して疑問をクチにした。
「…大雨だね。運転、大変じゃない?
わ、私は助かるっていうか、嬉しいよ…。でもさ。
三咲くん、バイトまで休んで送り迎えしなくても良かったんじゃ…。」
「ダメだよ。
みうちゃんは…狙われるかも知れないんでしょ。
長距離の電車なんて危なすぎるって。」
そう言いながら彼は笑っているが…。
いつもと様子の違う三咲くんを見上げて首をかしげた。
不適な笑みを浮かべる彼は…
髪を半分オールバックに固め、シルバーの指輪とネックレスをしている…。
シャツはプラダの黒(ロボットの印刷付き)、パンツはヴィンテージのデニム…たぶんリーバイス。
上着は後部座席に雑に投げられているDIORのチェンジエフェクトパーカー…(高い詰襟、ナイロン製)のエンジ色とかなり気合が入っている。
とても会場への送り迎えだけ、という雰囲気ではない…。
美紀の手元にチケットは2枚だけ。
シークレットライブなのに人気がありすぎて みうと美紀の分しか手配出来なかったと聞いている。
だから…三咲くんは会場に入れない…はずなんだけど。
「ん~。まぁ…。
僕もチケット手に入りそうだから…ね。
みうちゃん達って1階席だっけ?」
と、さらっとすごいことを言う。
「え。今回のってレアチケットでしょ。
どうやって?」
みうの目はますます丸くなる…。
今日の三咲くんの格好と関係ある…のかな。
こんな感じの服をいっぱい持っているのは知ってたけど着ているのを見るのは初めてだ。
車は予定していた通り会場近くのコインパーキングに入る。
エンジンが停止して雨の音が車内に響いた。
サイドブレーキを引き…彼が緊張した様子で説明し始める。
だが、よっぽど言いにくいのか最後の方は消え入りそうな声になった。
「ふぅ。…あ、あのね。仕方なかったんだ。
だから…何があっても、驚かないで…。
僕はみうちゃんが好きだって覚えておいて…ね。」
言い切ったあとサイドブレーキを握ったままの手にチカラが入ったのが見て取れた。
みうの頭にいっぱいの『?』が湧き出る。
説明にもなってない…日本語としてダメダメだ。
けど、まぁ…この態度と格好、今までの彼の歴史を頭に思い浮かべてみて何となく予想できる。
このカラクリの行き着く先は〝 女性 〟なんだろう。たぶん。
彼が礼美さんとバイト先のファミレスに来た時よりも胸がチリチリと痛い。
見知らぬ〝 女性 〟の存在を感じて心に黒いものが広がりそうになり考えるのを止めた。
これから楽しいことがある…のに、な。
ずっと此処にいると泣き出しそうだ。
急いで車を出る用意をし、彼に作り笑顔で伝える。
「分かった。
あまり無理しないで…。あと…」
目を伏せて言葉を続けた〝 私には怒る権利なんて…ないから気にしないで 〟と。
そして、ありがとう、と一言お礼を付け加える。
1人で車を降り、美紀との待ち合わせ場所に急いだ。
降りるとき視界の端に映った三咲くんは気まずそうに顔を歪めた…。
傘を差してその視線を断ち切り早足で離れる。
足元がぴちゃぴちゃと音を立てた。
今まで降った雨が小さい滝をいくつも作り道路を蛇行して流れる。
それらを上手く避けながら逃げるように進んで行く。
待ち合わせ場所には、すでに美紀の姿があった。
みうを見つけニヤニヤしながら寄ってきて開口一番〝 みうのくせに、お洒落してるー 〟となじってきたが笑って誤魔化す。
少し歩くとすぐ建物が見えてくる。
入口の前には開演2時間前にも関わらず長蛇の列。
彼女と2人でその列に並び、傘を差しながら話す。
「並太さんのバンドってすごい人気なんだね。」
「ふふ。彼氏が芸能人ってちょっと自慢かもー。」
美紀は本当に嬉しそうに笑った。
楽しそうにしている友人と他愛ない話をして開演1時間前になり列が動き出した。
色とりどりの傘がゆっくりと進んでゆく。
雨はまだ降り続いていて鏡面仕上げのコンクリートの床に並ぶ人達が歪んで映っていた。
何気なしに逆さに映る世界を眺めつつ、のんびり足を進めていると…
角で列が動いて前の方に並ぶ〝 優先 〟で入ってゆく団体。
その中ににエンジ色のDIORで詰襟のロングパーカーを着こなす長身が視界に入る。
遠くにいる彼の姿は他の誰よりも秀でて目立つ。
隣にいる背の高い美人にチクリと胸が痛んだ。
その人は黒のミニワンピにビジューの付いた網タイツ、青のストールを身に纏っていた。
男の腕が美人の腰に回っている。
隣の男を見つめる女性の嬉しそうな笑顔が、雨の中やけに輝く。
2人は楽しそう…。
あれは…三咲くん……。
離れて改めて思い知らされる、普通に格好良いんだな。
隣にいるのは…。誰なんだろ。
スタイルが良くて美人だ。
すごく親しそう、だな。
心臓が音を立てて鳴り始める…。
周囲の雑踏が音も気配も消して、自分の鼓動だけが耳に響いていた。
手の先も足もチクチクと針で刺されたみたいに痛い…。
なに…この感情、状態…心も身体も、つらい……。
痛くて辛過ぎるんだけど…。
耳に残っていた車内での彼の声が再生する。
『だから…何があっても、驚かないで…。
僕はみうちゃんが好きだって覚えておいて…ね。』
そっか。そういう…ことか。
何となく予感はあったけど現実に目の当たりにすると…キツイな。
チケットを手に入れるためなんだろうとは思いつつ割り切れない。
気持ちが沈む…。
いま私は、上手く笑えているのだろうか。
美紀は話しかけても生返事しかしなくなった友人を不思議に思った。
みうが一点を見つめて動かないことに気付きその方向を見る。
遠くに目立つカップルが1組。
男の方がえらくカッコイイ。
「えー。みうってば案外センス良い。
あのエンジのナイロンパーカーの男の子、イケメンだね。」
美紀が彼女と目線を合わせるように少しかがんでニヤリと笑う。
2人の傘がぶつかり落ちた雨がボタボタと みうの肩を濡らした。
落ちた所にじわっと冷たい感覚が広がる。
まだ布から弾かれている雨粒を手で払いつつ〝 美紀好み(ごのみ)かもね 〟と相槌を軽く打った。
三咲くんを見た美紀はハンターとしての嗅覚が騒いだらしく…。
どうやって落とそうとか、隣の女を蹴散らさなきゃだとか…話しかけられるが全く耳に入ってこない。
心臓のドキドキがずっと鳴り止まず雨の音も他の人々の声も、美紀の声すら遠くに聞こえる。
何とか足を動かして操り人形のように列を進む。
優先の人が入場して外の列から三咲くん達が姿を消し、一般が次々と場内へ入る。
私達も無事に中へと足を踏み入れた。
会場は広く迷いそうなほどだ。
改めて並太さんのバンドのすごさを感じる。
美紀に連れられてチケットに書かれている1階の席に着いた。
まだ席に届かない人達がごった返すなか彼女の惚気を聞きつつ待つ。
少しクラシカルな場内に色んな年齢、性別の声と熱気が渦巻く。
時間が過ぎてゆき照明が徐々に暗くなり始めた。
全員が会場入りすると…。
照明は最大限に絞られ座席は、ほぼ暗闇に閉じ込められる。
熱気と空気の圧が全身を襲う…。
大勢のざわめきと薄く流れていた音楽が止み…。
全員がステージに視線を送った。
いよいよ開演の時だ。
暗がりのステージに1人ずつ紹介されながら上がってゆく。
その度にスポットライトが増えてゆき、会場がどよめいた。
最後にヴォーカルの女性が現れると会場内の熱気と興奮が一気に押し寄せる。
すぐにギターが音を走らせ、ドラムとベースがそれに続き、音の競演が全てを包んだ。
そうして嵐のような音楽の洪水は人々を最高潮に盛り上げ、痺れを伴う興奮を残し、幕を閉じた。
あっという間の1時間30分だった…。
1階の席は思ったよりも前の方で迫力があり興奮できた。
三咲くんの情報どおりヴォーカルは色っぽい女性で歌も上手い。
けど車の中で聞いたアルバムの男性の声の方が好きだとも思った。
シークレットライブはアンコールも含めて10曲披露し、ほぼ全部がアルバムの曲。
三咲くんの〝 予習 〟が役に立っていたのを痛感しつつ…思い出すのは会場前の光景。
見知らぬ美女の腰を抱いて並ぶ三咲くんの姿、その美女の嬉しそうな笑顔。
ライブ中もずっとそればかり考えていた。
我ながらしつこい性格で嫌になる…。
こういうのは割り切らなきゃ、理由もあるんだし。
それに私は…三咲くんの彼女じゃないんだから。
自分と美女との天地の差ほどある容姿の劣勢。
もやもやする事すらおこがましい…。
手をギュッと握っていたら隣にいた美紀にその手を掴まれる。
そしてニヤッと笑いかけられ…。
「早く楽屋に行こう!」
と強引に座席から連れ出される。
「び、っくりした(笑)
美紀ってば、ほんと行動派だよね。
楽屋って私も行って大丈夫なの?」
バックを握るように掴んで引っ張られながら走る。
「へーき、へーき。もー格好良かったぁぁぁ。
並太さんに早く逢いたい(照)」
会場を出て出口とは逆に走る。
まだ興奮してたり、ほどよく疲れた顔をしている人…いろんな面々が家路へと向かう。
それらをかき分け、小さく謝りつつ美紀の勢いのまま突き進んでいた。
そうして人の波を逆走しながら楽屋を目指していると…
三咲くんとすれ違った。
一瞬、息が止まる。
他の人は雑多な景色のように過ぎて消えてゆくのに…。
三咲くんの姿だけがスローモーションのように瞳に残影する。
彼の肩のあたりに青のショールがチラチラ動くのが見えてしまった。
同じ空間、時間軸にいるはずなのに触れることも声を掛けることも出来ない。
三咲くんはこのあとアノヒトと過ごすんだろうか…。
来るとき送ってもらわなきゃ…良かったな。
みうは目を伏せて美紀の後ろを引かれて着いてゆく。
彼女の勢いは止まるところを知らず…。
関係者だけしか入れないところまで堂々と走り続け…。
とある扉の前でピタリと止まった。
2人とも息が上がっている。
「ふぅー。ここが楽屋なの?
ちょっと汗かいたかもー。」
「5分待って!」
美紀はそう宣言してバックから化粧道具を取り出し直し始めた。
彼女らしい行動に自然に笑みがこぼれる。
「OK!行こう!」
扉をノックすると、メンバー全員がフレンドリーな態度で迎え入れてくれる。
先程まで人々を熱狂させていたメンバーが気の抜けた顔でくつろぎながら、美紀と並太さんをからかう。
みうも美紀の友達として色々話しかけてもらい打ち解けた。
その後、挨拶だけのつもりだったのに、打ち上げにまで招待されてしまい…
美紀は行く気だし、断る理由も見つからず…仕方なく着いて行くことにした。
全員で運転手付きのマイクロバスに乗り込み個室のある居酒屋に着く。
美紀はずっと並太さんにベッタリくっ付いていたので みうは皆の後ろを1人で歩いていく。
雨は上がっていたので傘を折りたたんでバックに仕舞った。
「女の子が1人で歩くの危ないよ~。
ねえ。君って彼氏いるの?」
ベースの人が前の列から急に振り返って みうの手を握った。
ベースの人…確か夜見(よみ)さん。
背が高くて筋肉質。目が垂れていてちょっと可愛い顔だ。
髪は肩まででの金髪で襟足だけ黒く染めてある。
首に死神の鎌の刺青があった。
「っ。あの…、あの…。手…。」
打ち解けたとは言え みうは初対面の男の人がやっぱり苦手だ。
握られた手に困ってしまう。
夜見さんは全く気にした風も無く、手を繋いだまま みうとお店の中に入る。
個室の扉(引き戸)を一番に開けて席に向かう。
8人分の大きなテーブルと、テーブルの長さと同じだけのふかふかのソファーがある部屋だった。
照明はぐっと暗くなっていて赤みの強いライトが壁に埋め込まれて間接照明になっている。
夜見さんは、ずっと手を引いたままの みうを壁側に座らせた。
そして自然に隣へと密着するように腰掛ける。
みうは壁と夜見さんの身体に挟まれ…。
完全に〝 彼 〟の空間に閉じ込められた。
「俺、みうちゃんGET。いいよね?」
夜見さんは皆に宣言する。
いつものこと…なのかメンバーは気にした風もなくそれぞれが料理とお酒を適当に頼む。
美紀は並太さんしか見ていない…。
「え。え。な、何ですか?」
夜見さんの言葉に小さく縮こまりながら慌てた。
誰も助け舟を出してもくれず…。
「だって、並太は美紀ちゃん。
で、大河(たいが・ギター)は鈴(りん・ヴォーカル)。
そんで、俺とみうちゃん。」
〝 分かった? 〟と付け加えながら夜見さんは みうの腰を抱く。
彼女は過度な密着でますます赤くなる。
その顔が彼を刺激したのか、もう片方の腕を前から伸ばし頭をポンポンと撫で…。
頭に伸ばしていた腕を肩に回しギュッと抱きしめた。
牛革と埃、微かな甘い匂いが漂った。
数分前に頼んだ料理やお酒がどんどん運ばれ皆が盛り上がる。
夜見さんは みうに自分が見立てたカクテル(ルシアン)を渡す。
琥珀色のとろっとした液体が丸いカクテルグラスの中で揺れた。
ココアのようなチョコレートのような甘い香りがする。
戸惑いながらも試すようにカクテルにクチを付ける。
ピンク色の唇がグラスに触れ首元の筋肉がゆっくりと動く。
顔からカクテルを遠ざけると両手でグラスを握りながら、ため息を漏らした。
カカオ独特の甘い匂いがふわっと漂う。
夜見さんはハイボールのソーダ割りを飲みながら みうの一部始終を見つめる。
このカクテル…ルシアンは甘くて飲みやすいがアルコール度数が高い。
可愛く吸い付く姿に雄の欲求が高まってゆく。
「…美味しそうに飲むね。気に入った?
みうちゃん。カクテルには、カクテル言葉ってあるんだよ。」
「カクテル言葉ですか…。花言葉みたいな?」
酔いが回り始めて みうの瞳が潤む。
「そうそう。これはね…。んー。
もう少し飲んだら教えてあげる…。」
意味ありげな微笑で みうのクチの中にキャンディチーズを放り込んだ。
もっと…いっぱい飲ませてあげるよ…。
このカクテルの言葉、君にぴったりだから。
〝 誘惑 〟って言うんだ。
夜見さんは心の中で正解を答えつつ無言で みうの頭を撫でた。
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