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夢の終わり、動き出す瞬間
サプライズな休日【後編】
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次のお店は美容室の裏手あたりの大きな建物だった。
有名なアパレルショップ…人気のブランドのお店だ。
ガラス越しに見えるカラフルな洋服達。
このブランドはサイズも豊富だし、どれを見ても可愛くて…
雑誌で知ってるだけだけど、ずっと気になっていた。
美容室で少し慣れたからか…。
中に入ることに抵抗を感じることなく足を踏み入れた。
「いらっ、あ!」
ゆるい三つ編みをした可愛らしい店員が振り向く。
アイリスを持った みうと目が合うと、瞳をキラキラさせて小走りで近寄ってきた。
「あ…。えっと、〝 お任せで 〟」
店員の勢いに少し驚きながらもアイリスを右手で揺らして見せる。
恥ずかしさで頬がピンク色に染まった。
うんうん。と頷きながら店員は奥に案内してくれる。
奥に個室があり部屋の中には、すでに色んな洋服がハンガーに掛かっていた。
三つ編みの店員さんの他に2人ほどお手伝いが加わり みうは着せ替え人形さながら色んな洋服を片っ端から試していく。
それはもう…目が回る勢いだった。
30分後、決まった洋服の山と着ていた元の洋服を家に送るため宅急便の宛名を書いていた。
何を選んだのか早すぎて全く記憶に無い…。
荷物が届いてからのお楽しみ…かな。
いまは水色の光沢のあるワンピースを着ている。
袖が少し変わった形なのが特徴で、長袖の肩から肘までがふんわりとしたチュールの素材、その先がスカートと同じ生地になっている。
全体の水色の生地にランダムに入っている小花の刺繍が可愛いくて、カットした髪型に一番似合っていたでこのワンピースに決めた。
上着は薄めの生地で空色のボレロ。
靴はローヒールで白のプレーン。甲のところに止め具があり、細い銀のチェーンが交差するようにデザインされていた。
濃い水色のバックはハートの形をしていて中央に白い縫い目が交差して入っている。
手で持つのも肩にかけることも出来る使いやすいものだった。
全てが終わって鏡の前に立つ。
まるで みうのためにデザインされたかのように、ぴったりとハマる。
今までこんなにお洒落したことはない…。
「ありがとうございました…。
それで…今日のこれって誰が支払ってくれているのか教えてもらえませんか?」
鏡の後ろに立つ三つ編みの店員さんに聞く。
「え。えっと、終わったら、これを渡すようにって。
それだけで分かるって聞いていたのだけど。」
そう言いながら彼女は封筒と小さいプレゼントを渡してきた。
封筒は今まで受け取ってきたのを同じ色と材質だ。
プレゼントは細長い箱に包装紙とリボンが掛けてある。
「…これ、ここで開けても?」
「もちろんです!
あ、そうだ。ちょっと待っていて下さい。
近くのお店のサンドイッチなんですけど…すっごく美味しいんですよ。」
そう言うと彼女はバタバタと裏手の方に走っていく。
しばらくして消えた裏手からトレーにサンドイッチとコーヒーを乗せて持ってきてくれた。
部屋中にコーヒーの香ばしい匂いとパンの甘い香りが漂う。
「ありがとう。ちょうどお腹が空いてて。」
壁時計は13時を少し過ぎたあたりだった。
「ふふ。どうぞ、ゆっくりしていってくださいね。」
店員さん達は気を利かせてくれたのか個室から出て行く。
独りになって置かれたトレーの側にあるソファーに腰掛けた。
淹れてくれたコーヒーをひとくち味わってからサンドイッチを頬張った。
野菜とツナのサンドイッチは、野菜はシャッキシャキでツナが濃厚で本当に美味しい。
すぐに完食し残ったコーヒーを味わいながら封筒を開く。
中からは映画のチケットが2枚…指定席(ペアシート)になっている。
映画は最近話題のファンタジーものだった。
そして同封されていた手紙には…
〝 姫、最後は魔法を見せてあげよう。プレゼントを必ず身に着けておいで。 〟
とあった。
プレゼントの言葉で箱に手を掛ける。
リボンと包装を外すと深い赤のベルベット地の入れ物が姿を現す。
高そうな箱をゆっくりとスライドさせて開くと中からアンティークな手鏡をモチーフにしたペンダントが出てきた。
そっと首にかける。
着ているワンピースにぴったりで可愛い。
「すごく綺麗。…。」
ペンダントを見ながら、今日の奇妙なお店巡りも次が最後なのだろうか…と考える。
次の映画館でKAIに逢えるのかな…。
ほんの少し不安になりながらも最後のコーヒーを一気に飲み終える。
空になったカップとお皿をトレーに乗せ裏手まで運び、店員さん達にお礼を伝え店を後にした。
そして次の目的地、映画館へと移動する。
駅に行き電車に乗った。
映画館はS駅より2つ先の隣駅に隣接して建っている総合施設の中に入っている。
ショッピングはもちろん、映画館の建物の方にはボーリング場やジム、屋上にスパ(リラクゼーション施設)もあり多種多様だ。
広い店内を移動し、映画館のエリアに入ると別空間が広がっていた。
黒を基調とした光沢のある天井。
照明は薄暗く床にはフカフカの絨毯が敷き詰められて歩くと足元がふわふわする。
壁には上映中の色んな映画のポスターが埋め尽くすように飾られ見ているだけで心が躍った。
中はそれほど混んでいない。
平日デートを楽しむカップルや友達同士で来ている大学生ぐらいのグループなどが目立つ。
チケットに記された上映時間まで余裕がある。
空間に漂う甘い匂いに誘われ売店へ行くことに。
そこでポップコーンとアイスティーを購入し指定の上映ルームへ向かった。
入口の案内係にチケットを見せると、パンフレットの入った小さな袋を手渡され席まで案内してくれた。
ペアシートは全部で10席ほどで全てが独立している。
丸みを帯びた2人掛けのソファーは黒で、席の背中側から蛇腹状の囲いが手動で掛けられるようだ。
先に埋まっていた何席かは囲いを降ろしている。
その席の外観は卵を横に寝かしたような形状に近かった。
蛇腹部分の囲いは広げきるとキレイな丸みを帯び、色はくすんだ黒で中は全く見えない。
完璧な2人だけの世界になれる仕組みだ。
こんなにしっかりと囲われていて映画が見えるんだろうか…音すらも遮断されてしまいそう。
不思議に思いつつも案内されたペアシートに座る。
座面はほどよい硬さで腰や肩に当たる所に凹凸があり、それが丁度良くホールドしてくれる。
スクリーンを長時間見ていても疲れない工夫がされていた。
じっくりと座り疲れも取れて落ち着いてくると…周囲がよく見えてくる。
他のペアシートに何となく視線がいった。
…当然なのだが、どの席も2人で仲良く座っていたり、囲いを降ろしている。
永遠に待っても埋まることの無い隣の席に、寂しさと同時に1人でいることの恥ずかしさが重なった。
目立たないよう、ゆっくりと背中側にある囲いを引っ張って周りを遮断する。
カチッという音で降ろした蛇腹が完全に広がるとソファーのサイド部分から小さな音で音楽が鳴り始めた。
目の前のドーム上に囲われた黒い屋根が徐々に薄く透明になってスクリーンが透けて見える。
外からは中が見えないが、内側からは不自由なく外の様子が分かるようになっているらしい。
ポップコーンを摘みつつペアシートの快適さに感動してた。
小さな部屋にいるような感覚に完璧にくつろぐ。
そんな感じでしばらくは、ご機嫌だったのだが…。
やっぱり1人というのは寂しすぎる。
上映時間まであと20分ほどだが…暇を持て余し始めた。
話すことも出来ないし…
あ、パンフレット! あれを見よう。
入口で手渡された小さな袋を開く。
片手で袋の片側を持ちながら細長く丸めてあったパンフレットを引き抜いた。
すると空になったはずの袋の底が不自然な重力を受けて斜めに引っ張られて傾く。
他に何か入っていたらしい。
四角く硬い感触。不思議に思い袋を広げて中を覗く。
「あっ」
今日一番の驚きが袋の奥に詰まっていた。
そっと手を入れて引き出す。
薄暗い空間の中で、シックな赤がキラリと光った。
見た目よりもうんと軽いソレに触れる感覚は〝 久しぶり 〟の一言しかない。
トキメキにも似た心臓の高鳴りをしっかりと感じながら優しく開いた。
2画面のスマホ。
右側に見慣れたアプリの並び。
そして左側に黒髪の愛しい姿…、KAI。
まだ眠っているらしく身体を折り曲げ腕を枕にし瞳を閉じている。
静かな呼吸が胸や肩を揺らす。
黒髪は片側にまとめて留めてあるが、頬や首筋に残った後れ毛が身じろぐ度にサラリと動く。
やがて…肩が上下するほどの深いため息を吐くと、ゆっくりと青い瞳が開かれる。
顔がアップになり、こちらに視線を送ってきた。
1つ瞬き
《みう。逢いたかった。》
そう言葉が流れ優しく微笑む。
「…うん、うん。わ、私も…。
でも、今日メガネもイヤホンも持ってない。」
嬉しさで半泣きしながら後悔する。
《袋の奥に有線のイヤホンがある。メガネは今日はいらない。
イヤホンの準備が出来たら教えろ。》
唇が美しい弧を描き優しく微笑んだ。
袋に手を入れると言われたとおりにイヤホンが出てきた。
スマホに挿して自分の耳に装着し、もう一度KAIを見る。
『ん。スマホをL字に開いてネックレスの手鏡を窪みに…
次はスマホを ドリンクホルダーに鏡が見える状態に立てる。
あ、みうの隣の座席が映るようにな。…できるか?』
久しぶりに聞くKAIの甘くて優しい声…。
これだけなのに…ドキドキする。
こくんと頷いてKAIの指示通りにしてゆく。
映画はもうすぐ本編が始まるようで次に上映する予定のCMや上映の注意などが流れ始めていた。
「できたよ。KAI。次は、どうすれば良い…」
言われたとおりにスマホと鏡をセットし、イヤホンの線を抜かないように画面を覗き込みながら話しかけていた、その時だった。
無人だった隣の席に白い影が現れる。
それを確認した瞬間にその白いものは人の形になり、すぐに良く知る姿形に変化した。
少し見上げる隣にKAIが座っている…。
「っ、か、KAIっ。」
その姿は屋上で見たのよりも、ずっと現実(リアル)…。
白のシャツに黒の細身のパンツを着ている。
まるでスマホの中から抜け出したみたいだ…。
その容姿は、どうしようもなく心を掻き乱すほどの存在感と美しさを放っていた。
『さ。準備完了だ。一緒に映画を観よう。』
KAIがスクリーンを向くようにと視線で促す。
みうは隣の彼にドキドキしながらもその言葉に従った。
映画はもう始まっていて最初のシーンが流れている。
主人公の小学生ぐらいの男の子が森で道に迷っていると開けてはいけない扉を見つけてしまう。
好奇心からそれを動かしてしまい異次元に吸い込まれる。
〝 2 years later (2年後)〟と字幕が出た時だった。
『…。髪型も洋服も みうらしくって可愛いな。
触れられないのが残念だ。』
急にKAIが話しかけてきた。
映画に集中し始めていたので突然のことにビクッとしながら隣を見上げる。
黒髪が揺れて光りKAIが、こちらに首を傾けた。
長いまつげときれいな肌、薄い桜色の唇が優しく弧を描き顔を寄せてくる。
碧い瞳の奥に揺れる光が みうを愛しいと語っている。
息がかかりそうなぐらい近い距離で見つめてくるその瞳から目が離せない…。
ドキドキと鼓動する音が耳の奥に響く。
少し落ち着きたくて視線を映画に戻した…。
KAIに夢中になっている間に物語は進み、男の子は中学生ぐらいになっていた。
少し大人になった彼はまぁまぁのイケメンで…(KAIには適わないけど)少し性格の悪い子になっていた。
異世界の村の学校に通っていたが、告白してくる女の子を片っ端から振る。
自分にふさわしいとは思えない、というのが理由とか何とか。(つまりブスは…ということらしい)
「…これってファンタジーなのかなぁ。」
みうが思わず声を漏らすと、
『くっ(笑)みうの今の顔…。おでこにシワ寄り過ぎ。』
少し身体を曲げて楽しそうに大笑いしているKAI。
「! もー。KAI笑いすぎだよ。
だってこの子、酷すぎない?」
ぶーっと頬をふくらませて彼を上目使いで見る。
『顔じゃない…とも言い切れないかな。
俺は みうの顔が好きだし、可愛いっていつも思ってる』
頬に落ちた髪をかき上げながらウインクしてきた。
その言葉と仕草に みうは一気に真っ赤になる…。
これ以上KAIを見ていられなくて、また映画を観ることで逃げた。
映画のシーンはまた進んでいた。
男の子は同級生に誘われ入ってはいけないと注意されていた森に入る。
けれどそれは罠で、同級生の裏切られ置いてけぼりになり1人彷徨う。
どんなに歩いても出口を見つけられず、いつしか男の子は木に寄りかかって寝てしまった。
陽は落ち森に闇が訪れると…妖精たちが森のあちこちから姿を現す。
妖精たちは人間の男の子が珍しいのか、すぐに囲み悪戯をしようとした。
そのときに声を上げて制止させたのが森のニンフと呼ばれるアルセイド。
その後、アルセイドに恋をする…というロマンチックな流れになった。
「わぁ…綺麗なシーン。」
感動しながらKAIを見上げると、彼も同時に視線を みうに落としてきて目が合い微笑む。
そしてお互い再び映画へと視線を移した。
月明かりの下、森の中でダンスをしたり、仲良くパンを焼いて食べたり、2人で他の妖精の歌を聞いたりと素敵なシーンが続いていた…のだが話が進んでゆき、恋の描写に生々しいシーンが繰り広げられていった。
人間離れした美しさの虜になった男の子。
彼女の全てを欲し、木にもたれて立つ彼女の唇を奪う。
そして肩にかかる緑色の髪を少し乱暴に払い首筋に顔を埋めて唇を這わせていく…。
シーンは2人の足元を映した。
アルセイドの切なそうな声が森に響き…
しばらくすると草木で編んだような彼女の柔らかい衣服が足元に落ちた。
みうは見ていられなくなり耳まで真っ赤になってスクリーンから目を背ける。
「っ。」
その様子を感じたKAIが囁くように
『そういえば、さ。
みうの好みのお店が分からなくて俺の趣味で選んだんだけど。
…気に入った洋服、何点か買えた?』
と話しかけてきた。
「あ、うん。あのお店のみんな可愛かった…。
KAIありがとう。
ねぇ、今日のその…私が見てる姿って…」
『ああ、これはね。』
彼は映画を見ながら〝 プロジェクターのような原理で手鏡の裏にある小さな穴から反射させて立体に見えるんだ 〟と彼女に今の状況を簡単に説明する。
あと、伊上さんが改良したので電池の減りも少ないと付け足した。
『前と違ってすぐ消えたりしないから。
映画…一緒に見よう。』
そう言うと みうが手を置いていたシートの上に手を重ねるように乗せてきた。
もちろん実体は無いのでうっすらと重なって見えるだけだ。
彼はここにはいない。理解っている。
それでも…彼女は幸せな気持ちで微笑む。
ずっと、ぼぅっとしたままKAIを見つめていた…
サラサラの黒髪、整った横顔、自分の手の上に置かれた彼の大きな手。
自然な仕草で瞬く瞳。息づかいで揺れる肩。
正直、映画どころじゃない。
KAIがゆっくりと視線を送ってきたので、慌ててスクリーンに目を移す。
が、黒い画面に文字が流れ、切ない音楽が室内を満たしていた。
すでに映画は終了していて…。
帰り支度をし立ち上がる人も見える。
女性の大半はハンカチを出していた…。
ってことは泣いた?
あれ、この話って感動ものだったの?
上映時間の約2時間はあっという間だった。
正直、映画の後半の内容はほとんど頭に入ってこなかったけど。
気付けば隣を向いてKAIを見上げては頬を赤くするばかり…。
『ポップコーン残ってる(笑)。
みう、ずっと俺の顔ばかり見てただろ。』
しょうがないヤツだなという顔で頭をポンポンと優しく撫でる仕草をする。
もちろん触られる感覚はないが…。
それでも心臓は高鳴って仕方ない。
頬と耳は、もう真っ赤なまま戻らなかった。
「っ。だって…。」
『みう…。22歳の誕生日おめでとう。』
KAIの顔が近付き…頬にキスをくれた。
「! 今日は6月25日…誕生日忘れてた!
そっか! だから美容院と洋服と…」
目の前に迫るKAIの笑顔と見つめ合う。
『ははは。忘れてるなんて…らしくって可愛いな。
本当に みうらしいよ。』
微笑みながらKAIの身体は遠のき、頭を片手で軽く支えながら視線を送ってきた。
ゆったりとした仕草で遠のいた身体が再び近付いて…。
キスしそうな位置まで顔を寄せると大きな手が頬を撫でた。
碧く綺麗な瞳が視界いっぱいに広がる…。
不意打ちの色気のある仕草は破壊力抜群だ。
みうは照れすぎてKAIが見られなくなり顔をそむけた。
心臓がバクバクと音を立てている。
「わ、笑いすぎ…。あ、ね、ここ出なくて平気なの?」
『んー。ダメだな(笑)。』
その言葉と共に隣にあったKAIの姿が消えた。
賑やかだった空間にぽっかり穴が開いてしまったような喪失感。
手鏡を外してスマホを覗くとKAIが〝 楽しかったな 〟と言っていた。
泣きそうな顔のまま頷いてぎこちなく微笑む。
スマホをバックに大切にしまって囲いを上げると室内には みうと清掃スタッフだけになっていた。
慌ててチケット売り場まで戻った。
映画館を離れ帰ろうとしたとき…
『…あのさ、もう少しだけ付き合ってくれるか?』
外さずにいたイヤホン越しに響いたKAIの真剣な声色。
伊上さんが言っていた〝 真実 〟を話してくれるのかも。
私が…KAIのチカラになれるなら、聞かないという選択肢はない。
「KAI。もちろん行くよ。何処へでも連れて行って。」
深く頷いて両手をギュッと握り、彼からの指示を待った…。
有名なアパレルショップ…人気のブランドのお店だ。
ガラス越しに見えるカラフルな洋服達。
このブランドはサイズも豊富だし、どれを見ても可愛くて…
雑誌で知ってるだけだけど、ずっと気になっていた。
美容室で少し慣れたからか…。
中に入ることに抵抗を感じることなく足を踏み入れた。
「いらっ、あ!」
ゆるい三つ編みをした可愛らしい店員が振り向く。
アイリスを持った みうと目が合うと、瞳をキラキラさせて小走りで近寄ってきた。
「あ…。えっと、〝 お任せで 〟」
店員の勢いに少し驚きながらもアイリスを右手で揺らして見せる。
恥ずかしさで頬がピンク色に染まった。
うんうん。と頷きながら店員は奥に案内してくれる。
奥に個室があり部屋の中には、すでに色んな洋服がハンガーに掛かっていた。
三つ編みの店員さんの他に2人ほどお手伝いが加わり みうは着せ替え人形さながら色んな洋服を片っ端から試していく。
それはもう…目が回る勢いだった。
30分後、決まった洋服の山と着ていた元の洋服を家に送るため宅急便の宛名を書いていた。
何を選んだのか早すぎて全く記憶に無い…。
荷物が届いてからのお楽しみ…かな。
いまは水色の光沢のあるワンピースを着ている。
袖が少し変わった形なのが特徴で、長袖の肩から肘までがふんわりとしたチュールの素材、その先がスカートと同じ生地になっている。
全体の水色の生地にランダムに入っている小花の刺繍が可愛いくて、カットした髪型に一番似合っていたでこのワンピースに決めた。
上着は薄めの生地で空色のボレロ。
靴はローヒールで白のプレーン。甲のところに止め具があり、細い銀のチェーンが交差するようにデザインされていた。
濃い水色のバックはハートの形をしていて中央に白い縫い目が交差して入っている。
手で持つのも肩にかけることも出来る使いやすいものだった。
全てが終わって鏡の前に立つ。
まるで みうのためにデザインされたかのように、ぴったりとハマる。
今までこんなにお洒落したことはない…。
「ありがとうございました…。
それで…今日のこれって誰が支払ってくれているのか教えてもらえませんか?」
鏡の後ろに立つ三つ編みの店員さんに聞く。
「え。えっと、終わったら、これを渡すようにって。
それだけで分かるって聞いていたのだけど。」
そう言いながら彼女は封筒と小さいプレゼントを渡してきた。
封筒は今まで受け取ってきたのを同じ色と材質だ。
プレゼントは細長い箱に包装紙とリボンが掛けてある。
「…これ、ここで開けても?」
「もちろんです!
あ、そうだ。ちょっと待っていて下さい。
近くのお店のサンドイッチなんですけど…すっごく美味しいんですよ。」
そう言うと彼女はバタバタと裏手の方に走っていく。
しばらくして消えた裏手からトレーにサンドイッチとコーヒーを乗せて持ってきてくれた。
部屋中にコーヒーの香ばしい匂いとパンの甘い香りが漂う。
「ありがとう。ちょうどお腹が空いてて。」
壁時計は13時を少し過ぎたあたりだった。
「ふふ。どうぞ、ゆっくりしていってくださいね。」
店員さん達は気を利かせてくれたのか個室から出て行く。
独りになって置かれたトレーの側にあるソファーに腰掛けた。
淹れてくれたコーヒーをひとくち味わってからサンドイッチを頬張った。
野菜とツナのサンドイッチは、野菜はシャッキシャキでツナが濃厚で本当に美味しい。
すぐに完食し残ったコーヒーを味わいながら封筒を開く。
中からは映画のチケットが2枚…指定席(ペアシート)になっている。
映画は最近話題のファンタジーものだった。
そして同封されていた手紙には…
〝 姫、最後は魔法を見せてあげよう。プレゼントを必ず身に着けておいで。 〟
とあった。
プレゼントの言葉で箱に手を掛ける。
リボンと包装を外すと深い赤のベルベット地の入れ物が姿を現す。
高そうな箱をゆっくりとスライドさせて開くと中からアンティークな手鏡をモチーフにしたペンダントが出てきた。
そっと首にかける。
着ているワンピースにぴったりで可愛い。
「すごく綺麗。…。」
ペンダントを見ながら、今日の奇妙なお店巡りも次が最後なのだろうか…と考える。
次の映画館でKAIに逢えるのかな…。
ほんの少し不安になりながらも最後のコーヒーを一気に飲み終える。
空になったカップとお皿をトレーに乗せ裏手まで運び、店員さん達にお礼を伝え店を後にした。
そして次の目的地、映画館へと移動する。
駅に行き電車に乗った。
映画館はS駅より2つ先の隣駅に隣接して建っている総合施設の中に入っている。
ショッピングはもちろん、映画館の建物の方にはボーリング場やジム、屋上にスパ(リラクゼーション施設)もあり多種多様だ。
広い店内を移動し、映画館のエリアに入ると別空間が広がっていた。
黒を基調とした光沢のある天井。
照明は薄暗く床にはフカフカの絨毯が敷き詰められて歩くと足元がふわふわする。
壁には上映中の色んな映画のポスターが埋め尽くすように飾られ見ているだけで心が躍った。
中はそれほど混んでいない。
平日デートを楽しむカップルや友達同士で来ている大学生ぐらいのグループなどが目立つ。
チケットに記された上映時間まで余裕がある。
空間に漂う甘い匂いに誘われ売店へ行くことに。
そこでポップコーンとアイスティーを購入し指定の上映ルームへ向かった。
入口の案内係にチケットを見せると、パンフレットの入った小さな袋を手渡され席まで案内してくれた。
ペアシートは全部で10席ほどで全てが独立している。
丸みを帯びた2人掛けのソファーは黒で、席の背中側から蛇腹状の囲いが手動で掛けられるようだ。
先に埋まっていた何席かは囲いを降ろしている。
その席の外観は卵を横に寝かしたような形状に近かった。
蛇腹部分の囲いは広げきるとキレイな丸みを帯び、色はくすんだ黒で中は全く見えない。
完璧な2人だけの世界になれる仕組みだ。
こんなにしっかりと囲われていて映画が見えるんだろうか…音すらも遮断されてしまいそう。
不思議に思いつつも案内されたペアシートに座る。
座面はほどよい硬さで腰や肩に当たる所に凹凸があり、それが丁度良くホールドしてくれる。
スクリーンを長時間見ていても疲れない工夫がされていた。
じっくりと座り疲れも取れて落ち着いてくると…周囲がよく見えてくる。
他のペアシートに何となく視線がいった。
…当然なのだが、どの席も2人で仲良く座っていたり、囲いを降ろしている。
永遠に待っても埋まることの無い隣の席に、寂しさと同時に1人でいることの恥ずかしさが重なった。
目立たないよう、ゆっくりと背中側にある囲いを引っ張って周りを遮断する。
カチッという音で降ろした蛇腹が完全に広がるとソファーのサイド部分から小さな音で音楽が鳴り始めた。
目の前のドーム上に囲われた黒い屋根が徐々に薄く透明になってスクリーンが透けて見える。
外からは中が見えないが、内側からは不自由なく外の様子が分かるようになっているらしい。
ポップコーンを摘みつつペアシートの快適さに感動してた。
小さな部屋にいるような感覚に完璧にくつろぐ。
そんな感じでしばらくは、ご機嫌だったのだが…。
やっぱり1人というのは寂しすぎる。
上映時間まであと20分ほどだが…暇を持て余し始めた。
話すことも出来ないし…
あ、パンフレット! あれを見よう。
入口で手渡された小さな袋を開く。
片手で袋の片側を持ちながら細長く丸めてあったパンフレットを引き抜いた。
すると空になったはずの袋の底が不自然な重力を受けて斜めに引っ張られて傾く。
他に何か入っていたらしい。
四角く硬い感触。不思議に思い袋を広げて中を覗く。
「あっ」
今日一番の驚きが袋の奥に詰まっていた。
そっと手を入れて引き出す。
薄暗い空間の中で、シックな赤がキラリと光った。
見た目よりもうんと軽いソレに触れる感覚は〝 久しぶり 〟の一言しかない。
トキメキにも似た心臓の高鳴りをしっかりと感じながら優しく開いた。
2画面のスマホ。
右側に見慣れたアプリの並び。
そして左側に黒髪の愛しい姿…、KAI。
まだ眠っているらしく身体を折り曲げ腕を枕にし瞳を閉じている。
静かな呼吸が胸や肩を揺らす。
黒髪は片側にまとめて留めてあるが、頬や首筋に残った後れ毛が身じろぐ度にサラリと動く。
やがて…肩が上下するほどの深いため息を吐くと、ゆっくりと青い瞳が開かれる。
顔がアップになり、こちらに視線を送ってきた。
1つ瞬き
《みう。逢いたかった。》
そう言葉が流れ優しく微笑む。
「…うん、うん。わ、私も…。
でも、今日メガネもイヤホンも持ってない。」
嬉しさで半泣きしながら後悔する。
《袋の奥に有線のイヤホンがある。メガネは今日はいらない。
イヤホンの準備が出来たら教えろ。》
唇が美しい弧を描き優しく微笑んだ。
袋に手を入れると言われたとおりにイヤホンが出てきた。
スマホに挿して自分の耳に装着し、もう一度KAIを見る。
『ん。スマホをL字に開いてネックレスの手鏡を窪みに…
次はスマホを ドリンクホルダーに鏡が見える状態に立てる。
あ、みうの隣の座席が映るようにな。…できるか?』
久しぶりに聞くKAIの甘くて優しい声…。
これだけなのに…ドキドキする。
こくんと頷いてKAIの指示通りにしてゆく。
映画はもうすぐ本編が始まるようで次に上映する予定のCMや上映の注意などが流れ始めていた。
「できたよ。KAI。次は、どうすれば良い…」
言われたとおりにスマホと鏡をセットし、イヤホンの線を抜かないように画面を覗き込みながら話しかけていた、その時だった。
無人だった隣の席に白い影が現れる。
それを確認した瞬間にその白いものは人の形になり、すぐに良く知る姿形に変化した。
少し見上げる隣にKAIが座っている…。
「っ、か、KAIっ。」
その姿は屋上で見たのよりも、ずっと現実(リアル)…。
白のシャツに黒の細身のパンツを着ている。
まるでスマホの中から抜け出したみたいだ…。
その容姿は、どうしようもなく心を掻き乱すほどの存在感と美しさを放っていた。
『さ。準備完了だ。一緒に映画を観よう。』
KAIがスクリーンを向くようにと視線で促す。
みうは隣の彼にドキドキしながらもその言葉に従った。
映画はもう始まっていて最初のシーンが流れている。
主人公の小学生ぐらいの男の子が森で道に迷っていると開けてはいけない扉を見つけてしまう。
好奇心からそれを動かしてしまい異次元に吸い込まれる。
〝 2 years later (2年後)〟と字幕が出た時だった。
『…。髪型も洋服も みうらしくって可愛いな。
触れられないのが残念だ。』
急にKAIが話しかけてきた。
映画に集中し始めていたので突然のことにビクッとしながら隣を見上げる。
黒髪が揺れて光りKAIが、こちらに首を傾けた。
長いまつげときれいな肌、薄い桜色の唇が優しく弧を描き顔を寄せてくる。
碧い瞳の奥に揺れる光が みうを愛しいと語っている。
息がかかりそうなぐらい近い距離で見つめてくるその瞳から目が離せない…。
ドキドキと鼓動する音が耳の奥に響く。
少し落ち着きたくて視線を映画に戻した…。
KAIに夢中になっている間に物語は進み、男の子は中学生ぐらいになっていた。
少し大人になった彼はまぁまぁのイケメンで…(KAIには適わないけど)少し性格の悪い子になっていた。
異世界の村の学校に通っていたが、告白してくる女の子を片っ端から振る。
自分にふさわしいとは思えない、というのが理由とか何とか。(つまりブスは…ということらしい)
「…これってファンタジーなのかなぁ。」
みうが思わず声を漏らすと、
『くっ(笑)みうの今の顔…。おでこにシワ寄り過ぎ。』
少し身体を曲げて楽しそうに大笑いしているKAI。
「! もー。KAI笑いすぎだよ。
だってこの子、酷すぎない?」
ぶーっと頬をふくらませて彼を上目使いで見る。
『顔じゃない…とも言い切れないかな。
俺は みうの顔が好きだし、可愛いっていつも思ってる』
頬に落ちた髪をかき上げながらウインクしてきた。
その言葉と仕草に みうは一気に真っ赤になる…。
これ以上KAIを見ていられなくて、また映画を観ることで逃げた。
映画のシーンはまた進んでいた。
男の子は同級生に誘われ入ってはいけないと注意されていた森に入る。
けれどそれは罠で、同級生の裏切られ置いてけぼりになり1人彷徨う。
どんなに歩いても出口を見つけられず、いつしか男の子は木に寄りかかって寝てしまった。
陽は落ち森に闇が訪れると…妖精たちが森のあちこちから姿を現す。
妖精たちは人間の男の子が珍しいのか、すぐに囲み悪戯をしようとした。
そのときに声を上げて制止させたのが森のニンフと呼ばれるアルセイド。
その後、アルセイドに恋をする…というロマンチックな流れになった。
「わぁ…綺麗なシーン。」
感動しながらKAIを見上げると、彼も同時に視線を みうに落としてきて目が合い微笑む。
そしてお互い再び映画へと視線を移した。
月明かりの下、森の中でダンスをしたり、仲良くパンを焼いて食べたり、2人で他の妖精の歌を聞いたりと素敵なシーンが続いていた…のだが話が進んでゆき、恋の描写に生々しいシーンが繰り広げられていった。
人間離れした美しさの虜になった男の子。
彼女の全てを欲し、木にもたれて立つ彼女の唇を奪う。
そして肩にかかる緑色の髪を少し乱暴に払い首筋に顔を埋めて唇を這わせていく…。
シーンは2人の足元を映した。
アルセイドの切なそうな声が森に響き…
しばらくすると草木で編んだような彼女の柔らかい衣服が足元に落ちた。
みうは見ていられなくなり耳まで真っ赤になってスクリーンから目を背ける。
「っ。」
その様子を感じたKAIが囁くように
『そういえば、さ。
みうの好みのお店が分からなくて俺の趣味で選んだんだけど。
…気に入った洋服、何点か買えた?』
と話しかけてきた。
「あ、うん。あのお店のみんな可愛かった…。
KAIありがとう。
ねぇ、今日のその…私が見てる姿って…」
『ああ、これはね。』
彼は映画を見ながら〝 プロジェクターのような原理で手鏡の裏にある小さな穴から反射させて立体に見えるんだ 〟と彼女に今の状況を簡単に説明する。
あと、伊上さんが改良したので電池の減りも少ないと付け足した。
『前と違ってすぐ消えたりしないから。
映画…一緒に見よう。』
そう言うと みうが手を置いていたシートの上に手を重ねるように乗せてきた。
もちろん実体は無いのでうっすらと重なって見えるだけだ。
彼はここにはいない。理解っている。
それでも…彼女は幸せな気持ちで微笑む。
ずっと、ぼぅっとしたままKAIを見つめていた…
サラサラの黒髪、整った横顔、自分の手の上に置かれた彼の大きな手。
自然な仕草で瞬く瞳。息づかいで揺れる肩。
正直、映画どころじゃない。
KAIがゆっくりと視線を送ってきたので、慌ててスクリーンに目を移す。
が、黒い画面に文字が流れ、切ない音楽が室内を満たしていた。
すでに映画は終了していて…。
帰り支度をし立ち上がる人も見える。
女性の大半はハンカチを出していた…。
ってことは泣いた?
あれ、この話って感動ものだったの?
上映時間の約2時間はあっという間だった。
正直、映画の後半の内容はほとんど頭に入ってこなかったけど。
気付けば隣を向いてKAIを見上げては頬を赤くするばかり…。
『ポップコーン残ってる(笑)。
みう、ずっと俺の顔ばかり見てただろ。』
しょうがないヤツだなという顔で頭をポンポンと優しく撫でる仕草をする。
もちろん触られる感覚はないが…。
それでも心臓は高鳴って仕方ない。
頬と耳は、もう真っ赤なまま戻らなかった。
「っ。だって…。」
『みう…。22歳の誕生日おめでとう。』
KAIの顔が近付き…頬にキスをくれた。
「! 今日は6月25日…誕生日忘れてた!
そっか! だから美容院と洋服と…」
目の前に迫るKAIの笑顔と見つめ合う。
『ははは。忘れてるなんて…らしくって可愛いな。
本当に みうらしいよ。』
微笑みながらKAIの身体は遠のき、頭を片手で軽く支えながら視線を送ってきた。
ゆったりとした仕草で遠のいた身体が再び近付いて…。
キスしそうな位置まで顔を寄せると大きな手が頬を撫でた。
碧く綺麗な瞳が視界いっぱいに広がる…。
不意打ちの色気のある仕草は破壊力抜群だ。
みうは照れすぎてKAIが見られなくなり顔をそむけた。
心臓がバクバクと音を立てている。
「わ、笑いすぎ…。あ、ね、ここ出なくて平気なの?」
『んー。ダメだな(笑)。』
その言葉と共に隣にあったKAIの姿が消えた。
賑やかだった空間にぽっかり穴が開いてしまったような喪失感。
手鏡を外してスマホを覗くとKAIが〝 楽しかったな 〟と言っていた。
泣きそうな顔のまま頷いてぎこちなく微笑む。
スマホをバックに大切にしまって囲いを上げると室内には みうと清掃スタッフだけになっていた。
慌ててチケット売り場まで戻った。
映画館を離れ帰ろうとしたとき…
『…あのさ、もう少しだけ付き合ってくれるか?』
外さずにいたイヤホン越しに響いたKAIの真剣な声色。
伊上さんが言っていた〝 真実 〟を話してくれるのかも。
私が…KAIのチカラになれるなら、聞かないという選択肢はない。
「KAI。もちろん行くよ。何処へでも連れて行って。」
深く頷いて両手をギュッと握り、彼からの指示を待った…。
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