大神官様に溺愛されて、幸せいっぱいです!~××がきっかけですが~

如月あこ

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【11】逆ギレ

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 フューリア教本部棟というらしい建物は、埃一つ落ちておらず、無駄な装飾品もなく、高潔な軍神のような印象を受けた。

 廊下ですれ違う者は皆、ステュアートを見ると廊下の端に避ける。
 敬意を込めた瞳を彼に向ける一方、アリアドネの姿を見るなりぎょっとしたような顔をした。

 とても居心地が悪い。
 アリアドネは聖職者ではないし、彼らにとって尊敬対象である大神官の隣にいるのだから、驚かれるのも当然だろう。

 そう思い込むようにしたけれど、案内されたやたら豪華な部屋で待ち構えていた老齢の男から殺意のこもった目を向けられた瞬間、ゾクリと背筋に悪寒が走った。
 老齢の男は、フューリア教神官の服装とよく似た、しかし全体的に装飾や色の陰影の多い服を纏っている。
 頭に髪はなくつるつるで窓から差し込む陽光の加減で光っているのに、眉は太い。

 痩躯の男で、ギラギラとした瞳は深い緑色をしていた。

「遠征より戻りました、教主様」

 ステュアートは老齢の男を見据え、それからアリアドネを振り返る。

「先に手紙でお伝えした、妻になる女性です」
「……普通の女ではないか」
「素晴らしい女性でございます。彼女と共にあることで、私は今よりもずっと、人々のためにあれると確信しております」

 蕩けるような――しかし胡散臭い――笑みをアリアドネへ向けるステュアートに、教主は不機嫌に顔をしかめた。

「――惚れたという話はわかった。報告を聞こう」

 そこで、アリアドネは退室を促された。
 ステュアートを残し、彼の話が終わるまで待合室で待つことになる。

 待合室には、アランと護衛神官というらしき帯剣した男が二人入ってきた。
 ドサッと椅子に座った瞬間、どっと疲れて、握りしめた拳が汗で濡れていることに気付いて、アリアドネは苦笑する。

「いやぁ~、めっちゃ怖かったっすねぇ~」

 最初に口をひらいたのは、護衛神官の一人だ。
 十五、六歳といった年頃の少年で、ニカッと笑ったときの八重歯が愛らしい。

「あ、どうも初めまして! 俺、ステュアート大神官様つきの護衛神官っす。名前は、ブッチっす。よろしくお願いしゃーす!」
「あ……どうも、ブッチさん。アリアドネといいます」

 ぺこりと彼の方に向き直って頭を下げる。
 椅子に座ったままだということを思い出して慌てて立ち上がろうとしたところを、アランが止めた。

「色々鬱陶しいやつですが、一応、腕は立つんで傍においてやってください。大神官様つきなので、アリアドネさんとも今後行動を共にすることが多くなるでしょうから」
「ひどいっすよ、アランさん。鬱陶しくないっすよ、俺。ですよね、先輩!」

 隣に立つもう一人の護衛神官を振り返るブッチ。
 もう一人の護衛神官は無表情を僅かにしかめて、「鬱陶しい」と小さくつぶやいた。
 ガーン、と口で言うブッチを振り返ることなく、先輩と呼ばれた男は、アリアドネに深々と頭をさげた。

「自分は、ディーソルと申します。神殿の敷地内であればどこでもお供致します。敷地外に出る際は、ステュアート大神官様の許可が必要となりますので、許可を得た上でご命じください」

 カチッとした男だな、とアリアドネは思った。

「融通が利かなそうでしょう? そうなんですよ。この二人、足して割れば丁度良いって大神官様もよく仰ってるんですよねぇ」

 アランはそういうと、自らもアリアドネの向かい側にある椅子へ座った。

「さっきの教主様の様子だと、結婚、反対されるんじゃないんですか?」

 ぽつりとこぼしたアリアドネに、アランは軽く目を見張った。
 彼は、うーんと唸ったあと、ポツポツと話し始めた。

「誤解されてる方が多いんですけど、フューリア教はあくまでワリュデリン聖国に本部を置く集団なんです。当然、ワリュデリン聖国という国家を運営している政府は別にあって、そこのトップが教皇なんですよ。ややこしいですけど、結婚に関しての許可は教皇に権限があるので、どれだけ教主様が嫌がっても関係ないんです」

 つまり、国家のトップは『教皇』で、フューリア教のトップが『教主』なのだそうだ。
 当然といえば当然の話なのに、アリアドネはずっと『教皇』も『教主』も同じだと考えていた。

「でも、ステュアート様はフューリア教に所属されているので、フューリア教のトップである教主様の命令を聞かないといけないんじゃないですか?」

 アリアドネはこれまでいくつかやってきたバイトの経験を振り返る。
 国法で守られている、といくら言っても職場が許可しないと申請できない書類が結構あったのだ。

「ほら、そこはステュアート様ですから。ね? 今のフューリア教の顔ですし」

(……それって、教主様を脅かす存在ってことにならないかしら?)

 そう考えて、アリアドネはぐっと唇を噛む。
 もしかして、ステュアートがアリアドネを妻に選んだのは、こういう陰謀じみた事柄を避けるためなのかもしれない。
 遠征先でたまたま出会った女ならば誰の息も掛かっていないだろうから。

「まぁ、その辺はゆっくり覚えていっていただければ大丈夫です。あなたの一番の役割は、大神官様の子を産むことですから」

 ◇

 ステュアートが教主との話を終えて戻ってきたのは、三十分ほどが経った頃だった。
 すでに用意されていた馬車に乗り込み、護衛二人とアランも引き連れて、フューリア教敷地内にあるというステュアート個人の屋敷に向かった。
 五分もかからずに到着したそこは、道すがら馬車から見えた豪邸とは異なり、簡素な平屋建ての屋敷で、王侯貴族のような屋敷を想像していたアリアドネはその素朴さに驚いた。
 素朴で簡素と言っても、アリアドネからすれば十分過ぎるほど贅沢に代わりは無い。

 ステュアートの荷物をブッチとディーソルが運び込むのを横目に、ステュアートはアリアドネを連れて屋敷に入る。
 玄関ホールは、意外なほど狭かった。
 正面と左側にドアがある。

「左のここが、応接室です。来客対応はここで行います」

 そう言ってステュアートが応接室のドアを開く。
 三人掛けのソファが向かい合うように置いてあり、いかにも応接室といった雰囲気の部屋だった。

「ここから先は、私個人の住まいです」

 正面のドアをひらくと、そここそが玄関ホールになっていた。
 なるほど、来客を私用の場に入れないために、応接室をあえて玄関付近において、ドアで区切っているのだろう。

 ステュアートは屋敷を丁寧に案内し、やがて、奧にある少しばかり豪華なドアの前で立ち止まった。

「ここが私の部屋です。アリアドネさんには、隣の部屋を使ってもらおうと思うのですが、いかがでしょうか?」
「はい、わかりました」

 答えると、ステュアートは満足そうに頷きながら笑みを深める。
 隣の、アリアドネが使う予定だというドアを大きく開いて、ステュアートがアリアドネを振り返った。

「こちらです。夫婦の部屋ですので、私の部屋と内ドアで繋がっているのですが……」
「ご心配なさらないでください。勝手にステュアート様のお部屋に入るようなことは致しません」

 キッパリと告げると、ステュアートはなぜか沈黙した。
 笑顔のまま、何かを考えるかのように数秒が経過する。
 ゼンマイの切れた人形のようなステュアートに、アリアドネは少し心配になった。

「あの、どうかしましたか?」
「いえ。でしたら、お互いの部屋を行き来する際は、内ドアは使わないことにしましょう。私の部屋の内ドアの前には、クローゼットが置いてあるのです」
「はい、かしこまりました」

 にっこりと返すと、なぜかまた、ステュアートは笑顔のまま静止する。

(もしかして、私みたいな赤の他人を個人の領域に住ませることが不安なのかも……)

 そんな考えに至ったアリアドネは、慌てて口をひらいた。

「あの! 心配なさらないでください。私、ちゃんとわかっていますから」
「……わかっている? 何をですか?」
「ステュアート様が、私を愛していないということです」

 ぴくりとステュアートが固まって、徐々に目を見張っていく。
 アリアドネは昔から、嘘を見抜くのが結構上手なのだ。
 もっともラティスのように心から信じ切っているような、自分でも悪びれもなく人を裏切るような者は、嘘をついているわけではないので、わからないのだけれど。

 そういった諸々を端的に伝えてから、アリアドネはぐっと拳を握りしめた。

「アランさんは、私の役割はステュアート様の子を産むことだとおっしゃってました。でも、ステュアート様は他に目的があって私を妻になさったのですよね」

 ステュアートは二世神官にはあまり興味がないようだったし、フューリア教本部の立場を考えると、やはりアリアドネを妻に選んだことには相応の理由があるのだ。

「私、頑張ってお役に立ちます。なので、何をすればいいのかいつでもおっしゃってください」

 もしかしたら今は話せないのかもしれない、と思って、いつでもおっしゃって、という言葉を選んだ。

「……私があなたを愛していなくても、平気なのですか?」

 ぽつり、とステュアートが呟く。
 自分の呟きで勢いを得たのか、ステュアートはさらに口調を強めた。

「女性は愛し愛される夫婦になりたいと望むものではないのですか!?」
「それは……はい。私も、愛し愛されての夫婦に憧れます」
「でしたら、私の愛が欲しいと思うものでしょう!?」

 クワッと目を見開いて言われて、アリアドネはたじろいだ。
 思わず視線を逸らしてしまう。

 そもそもアリアドネはステュアートに対して、恋慕の情を抱いていない。
 その時点で相思相愛という考えが破綻しているのに、なんて言えばいいのだろうか。

「わ、私は、ステュアート様が望む妻としての役割を行おうと思ってます」

 あえてステュアートの質問には答えなかった。

「まだよくフューリア教やワリュデリン聖国のことはわかっていないのですが、しっかり勉強しますから。あの、私は今後ステュアート様が娶ることになるだろう、奥様たちのまとめ役になればいいのですか?」
「……。……は、い?」

 かなり長い沈黙のあと、ステュアートが、呟いた。
 予想外のことを言われたといった反応に、アリアドネは自分の想像が外れていたことにすぐに気付いた。
 妻たちの管理ではない、となると――。

(そういえば、ステュアート様は、妻は私だけだとおっしゃっていたわね。それに、二世神官にもいい印象がないとか)

 馬車を降りたとき、集まっていた巫女たちのステュアートを見つめるキラキラとした瞳を思い出して、もしかして、とアリアドネはある考えにたどり着いた。

「私が盾になって、ステュアート様の妻の座を狙う女性たちを追い返せばいい、とか?」

 ステュアートの身体が大きく震えた。
 意外にわかりやすい彼の態度に、アリアドネはホッとする。
 確かにこんなこと、大神官であるステュアートからは言い出せないだろう。
 今日アランから聞いた、ステュアートのフューリア教での立場を考えても、色々と大変そうなのだ。
 多少強引だったが、異国の地で偶然知り合ったアリアドネを必要としても、仕方が無いのかもしれない。

「わかりました。では私が、ステュアート様の防波堤になりま――」
「いいえ! そのようなことは望んでおりません」

 ステュアートはアリアドネを残して馬車に戻ると、彼自身の鞄を抱えて戻ってきた。
 その表情は、出会ってから一度も見たことがないほど真剣で、知らずのうちに息をつめる。

 鞄を床に置き、中に手を突っ込んでごそごそと何かを探している。
 彼の手が何かを引っ張り出した。
 本だ。
 それを床に置いた。

 ――『誰でも成功する、初夜についての技能書』

 アリアドネは目を丸くする。
 続けて。

 ――『童貞でも失敗しない100の方法』
 ――『初夜でしてはいけない、男のマナー』
 ――『女が悦ぶと思い込んではならない、男の偏った知識』

 それほど大きくない鞄に、よくこれだけの本が入っていたと感心する。

 ステュアートはそれらの本をバシバシと手で軽く叩いてみせた。

「ご覧の通り、私があなたに望むのはこういった関係です。確かに、あなたのことは平凡な女だと思っていますし別に好きではありませんが、こういうことは、しっかりとしないといけません。夫婦ですから!」
「……はぁ」
「なんですか、その気の抜けた返事は。いいですか? 私は女性とこういうことをしたことがないのです。あなたは私の初めてに選ばれたのですから、光栄に思うべきです」
「…………どうも」

 ぺこり、と軽く会釈をする。
 夫婦になると決めたときから、そういった関係になることは覚悟していた。
 さすがにステュアートの口から『平凡な女』と言われるとは思っていなかったが、もしかしたら彼は、大神官という肩書きがあるがゆえに、なかなか本音を言うことができないのかもしれない。

 ステュアートが顔を真っ赤にしていた。
 なんだか怒っているようにも見える。
 だが、ふと彼は全身から力を抜いた。

「嫌なんですか?」
「はい?」
「私と、こういう関係になることが、嫌なんですか!?」
「え? ……嫌も何も、夫婦はそういうもので……」
「そうではなくて!」

 このときアリアドネは、ほんの少しだけ思った。
 ちょっと面倒臭い人だ、と。

「とにかく、今夜あなたの部屋に行きますから。それはもう、これでもかというほど愛し抜きますから!」

 ステュアートはそういうと広げた本と鞄を抱えて、自室に入っていった。
 怒りを表したいのか、勢いよくドアが閉まる。

 アリアドネはしばらくその場に立ち尽くしていたが、やがてふらふらと自分の部屋を確認したあと、荷物を運んでいる護衛二人の手伝いに向かった。

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