74 / 76
終章
1、
しおりを挟む
その日、私は中学部校舎の屋上にいた。
沙賀城美咲が隠れていたプレハブ倉庫の前、僅かな屋根の下に二人掛けのベンチを置いたのは、ついさっき。
ちなみに、学校側には内緒で、勝手に私が持ち込んだものだ。
耐久性が微妙に弱い、ホームセンターで安売りしていた折り畳み式のものだけれど、ちょっとしたときに使えるなぁと思い、かなり前に購入したまま家で肥やしになっていたものを、持ってきた。
使い終わったら、プレハブ小屋に片せばバレないだろうと踏んで、私は今日、このベンチでお昼のお弁当を食べる予定だ。
ゴールデンウィーク空けの、初日。
学校は、通常運行だ。
休みの間に、白骨遺体が大量発見されたニュースは、思わぬ方向へ流れた。というのも、白骨遺体が発見された沈め池は、昔、埋葬地であったという嘘で世間が納得したからだ。子どもが多いのは、昔でいうところの間引きというやつで、口減らしで沈められたという説が濃くなっている。
非道だと、哀れだという、世間は言う。
だが、それが昔の日本であったことも事実で、メディアを通して日本中の人々は複雑な心境になった――ところに。
まるで、今回の事件を打ち消すかのように、官僚のスキャンダルが持ち上がった。汚職事件に不倫騒動などだ。
現金な世間は、今はそちらへ注目している。
というのが、この数日間。
ゴールデンウィークに起きたことだった。
「せんせー! お待たせしました。こっちから誘ったのに、ごめんなさい」
儚い雰囲気を醸す美少女が、うふふ、と微笑みながら屋上へやってきた。相変わらず過疎っている屋上には、私と、今やってきた真理亜ちゃん、その後ろから顔を見せた空閑くんの三人だ。
「今日は、高等部の屋上ではないのでござるな」
「姫島屋先生が、お忙しいみたいだからね」
「なるほど」
「それで、話ってなに? あ、こっちへどうぞ。お弁当食べながら話そう」
私は、張り切って作ってきたお弁当を広げる。真理亜ちゃんは私の隣に座り、空閑くんは自前のシートを地面に敷いて、私の反対隣に座った。
今日のお弁当は、彩りにもこだわった。なんと、ミニトマトが入っているのだ。
「あ、先生のお弁当可愛いですね。ミニトマトが入ってる!」
「ありがとう」
「前は、シイタケの炒め物とピーマンともやしの塩炒め、薄い牛肉を軽く焼いたものと卵焼きでしたよね。その前は、冷凍食品のもちもちあげに、ベーコンと卵を炒めたやつ、それからお漬物と、三分の二が白米で、ふりかけがかかってました。赤色は、私が知る限りはじめてです!」
「そ、そうだっけ」
真理亜ちゃん、よく見てるなぁ。そして、よく覚えてるな。
私なんて、昨夜のご飯も思い出せないとき、結構あるのに。
それぞれお弁当を食べ始めたとき、空閑くんが本題に入った。
「ひと段落したでござるなぁ、いろいろと。拙者、あれから柳瀬中惠の母親を探してみたでござるよ」
「それって、警察がしてるんじゃないの? 娘の遺体が見つかったんなら」
「それが行方がつかめず、難航しているようで。僭越ながら、拙者が調べて、警察のほうに連絡しておいたでござる!」
いやもう、ほんと、空閑くんは何者なのか。
結局わからないままここまできたけれど、おそらく……おそらく、ただのめっちゃ頭のいい子、なんだろう。彼の興味関心が、限られているだけで。
「そっか。中惠さんのお母さん、どうだった?」
いわれのない悪口で、村八分にされて追い出された母親だ。愛する娘の汚名を返上できたのでは、ないだろうか。
現在、メディアが騒ぐほどではないが、沙賀城家が行ってきた過去から現在の悪事が、明るみに出つつある。何より大きいのは、現当主の娘である美咲が殺人を犯したこと。そして、その美咲が四年前に異母姉が殺害される現場を目撃したと証言していることだ。
美咲の証言によると、四年前、柳瀬中惠の母親と沙賀城家当主の仲が再び深まってきたという。それに危機感を抱いた美咲の母親が、柳瀬中惠を殺害し、沈め池へ屠ったというのだ。
そしてそのことを、沙賀城家当主の知るところになり、夫婦で殺人を隠蔽したという。
沙賀城家当主からすると、妻が殺人犯など、とんでもない醜聞となるからだ。
愛していた沙賀城家当主に裏切られ、愛娘を失った柳瀬中惠の母親の、当時の心境を思うと、胸が痛む。
妻のある相手を好きになることは、確かにどうかと思わなくはない。けれど、ひとの感情というものは、自分自身でも自由に出来ない、厄介なものだ。
空閑くんは、綺麗に整っている色とりどりのお弁当箱から、牛肉ともやしの炒め物を食べながら、口をひらいた。
「同胞の調べによると、旦那と仲睦まじく過ごしていたそうでござる。今年三歳になる息子もいるとか」
ほっと、安堵の息をつく。
どうやら柳瀬中惠の母親は、今は幸せな家庭を築いているらしい。
「まぁ、よくあるカネ目当ての策略でござる」
「……え?」
「柳瀬梓……中惠の母親は、もともと今の旦那といい関係でござったと。そんな彼女が沙賀城家当主に近づいて、子を孕んだと言ったそうでござる。当主は信じて、柳瀬梓をこの村へ招き、毎月多額のカネを渡していたそうでござる……が。そのカネのほとんどは、今の旦那へ渡っていたようでござるな。旦那は知人に、俺の子が偉大になるかもしれない、とこぼしていたとか。あわよくば、沙賀城家の世継ぎの座を狙うつもりだったのかもしれぬなぁ」
つらつらと述べた空閑くんの言葉に、私はただ、ぽかんとするしかなかった。
「ああ、そうだ。ちょうど四年前に、沙賀城家当主がDNA鑑定について準備をしていたみたい。これ、確かな情報ですよ」
真理亜ちゃんが、卵焼きを頬張りながら言った。
私は、軽く首をふる。
それは、つまり。考えたくはないけれど。
「……柳瀬中惠は沙賀城家当主の子どもじゃなかった。それが四年前にバレそうになった」
「その点は、確実でござろうな。ここからは拙者の予想に過ぎないでござるが、慌てた柳瀬梓は、正確な鑑定をされる前に娘を隠そうとした。そして考えついたのが、プライドの高い沙賀城家当主の妻を、煽ることだった……のではないかと」
「まぁ、所詮お兄ちゃんの推測でしょ。本当のところなんて、わからないもの」
娘を殺させるために、愛人の妻を煽った――そんなことが、あるのか。
真理亜ちゃんの言うように、本当のところはわからない。わからないからこそ、そうではないとも言い切れない。
すべてが片付いたと思っていたのに、なんだか、後味の悪さが残ってしまった。
そもそも、人が大勢死んだのだ。後味が悪くて、当たり前だろう。
けれど。
「私も混ざって構わないか」
第三者の聞き覚えのある声に、私は顔をあげる。浮かない顔をしていたのだろう私を見て、姫島屋先生が苦笑した。
沙賀城美咲が隠れていたプレハブ倉庫の前、僅かな屋根の下に二人掛けのベンチを置いたのは、ついさっき。
ちなみに、学校側には内緒で、勝手に私が持ち込んだものだ。
耐久性が微妙に弱い、ホームセンターで安売りしていた折り畳み式のものだけれど、ちょっとしたときに使えるなぁと思い、かなり前に購入したまま家で肥やしになっていたものを、持ってきた。
使い終わったら、プレハブ小屋に片せばバレないだろうと踏んで、私は今日、このベンチでお昼のお弁当を食べる予定だ。
ゴールデンウィーク空けの、初日。
学校は、通常運行だ。
休みの間に、白骨遺体が大量発見されたニュースは、思わぬ方向へ流れた。というのも、白骨遺体が発見された沈め池は、昔、埋葬地であったという嘘で世間が納得したからだ。子どもが多いのは、昔でいうところの間引きというやつで、口減らしで沈められたという説が濃くなっている。
非道だと、哀れだという、世間は言う。
だが、それが昔の日本であったことも事実で、メディアを通して日本中の人々は複雑な心境になった――ところに。
まるで、今回の事件を打ち消すかのように、官僚のスキャンダルが持ち上がった。汚職事件に不倫騒動などだ。
現金な世間は、今はそちらへ注目している。
というのが、この数日間。
ゴールデンウィークに起きたことだった。
「せんせー! お待たせしました。こっちから誘ったのに、ごめんなさい」
儚い雰囲気を醸す美少女が、うふふ、と微笑みながら屋上へやってきた。相変わらず過疎っている屋上には、私と、今やってきた真理亜ちゃん、その後ろから顔を見せた空閑くんの三人だ。
「今日は、高等部の屋上ではないのでござるな」
「姫島屋先生が、お忙しいみたいだからね」
「なるほど」
「それで、話ってなに? あ、こっちへどうぞ。お弁当食べながら話そう」
私は、張り切って作ってきたお弁当を広げる。真理亜ちゃんは私の隣に座り、空閑くんは自前のシートを地面に敷いて、私の反対隣に座った。
今日のお弁当は、彩りにもこだわった。なんと、ミニトマトが入っているのだ。
「あ、先生のお弁当可愛いですね。ミニトマトが入ってる!」
「ありがとう」
「前は、シイタケの炒め物とピーマンともやしの塩炒め、薄い牛肉を軽く焼いたものと卵焼きでしたよね。その前は、冷凍食品のもちもちあげに、ベーコンと卵を炒めたやつ、それからお漬物と、三分の二が白米で、ふりかけがかかってました。赤色は、私が知る限りはじめてです!」
「そ、そうだっけ」
真理亜ちゃん、よく見てるなぁ。そして、よく覚えてるな。
私なんて、昨夜のご飯も思い出せないとき、結構あるのに。
それぞれお弁当を食べ始めたとき、空閑くんが本題に入った。
「ひと段落したでござるなぁ、いろいろと。拙者、あれから柳瀬中惠の母親を探してみたでござるよ」
「それって、警察がしてるんじゃないの? 娘の遺体が見つかったんなら」
「それが行方がつかめず、難航しているようで。僭越ながら、拙者が調べて、警察のほうに連絡しておいたでござる!」
いやもう、ほんと、空閑くんは何者なのか。
結局わからないままここまできたけれど、おそらく……おそらく、ただのめっちゃ頭のいい子、なんだろう。彼の興味関心が、限られているだけで。
「そっか。中惠さんのお母さん、どうだった?」
いわれのない悪口で、村八分にされて追い出された母親だ。愛する娘の汚名を返上できたのでは、ないだろうか。
現在、メディアが騒ぐほどではないが、沙賀城家が行ってきた過去から現在の悪事が、明るみに出つつある。何より大きいのは、現当主の娘である美咲が殺人を犯したこと。そして、その美咲が四年前に異母姉が殺害される現場を目撃したと証言していることだ。
美咲の証言によると、四年前、柳瀬中惠の母親と沙賀城家当主の仲が再び深まってきたという。それに危機感を抱いた美咲の母親が、柳瀬中惠を殺害し、沈め池へ屠ったというのだ。
そしてそのことを、沙賀城家当主の知るところになり、夫婦で殺人を隠蔽したという。
沙賀城家当主からすると、妻が殺人犯など、とんでもない醜聞となるからだ。
愛していた沙賀城家当主に裏切られ、愛娘を失った柳瀬中惠の母親の、当時の心境を思うと、胸が痛む。
妻のある相手を好きになることは、確かにどうかと思わなくはない。けれど、ひとの感情というものは、自分自身でも自由に出来ない、厄介なものだ。
空閑くんは、綺麗に整っている色とりどりのお弁当箱から、牛肉ともやしの炒め物を食べながら、口をひらいた。
「同胞の調べによると、旦那と仲睦まじく過ごしていたそうでござる。今年三歳になる息子もいるとか」
ほっと、安堵の息をつく。
どうやら柳瀬中惠の母親は、今は幸せな家庭を築いているらしい。
「まぁ、よくあるカネ目当ての策略でござる」
「……え?」
「柳瀬梓……中惠の母親は、もともと今の旦那といい関係でござったと。そんな彼女が沙賀城家当主に近づいて、子を孕んだと言ったそうでござる。当主は信じて、柳瀬梓をこの村へ招き、毎月多額のカネを渡していたそうでござる……が。そのカネのほとんどは、今の旦那へ渡っていたようでござるな。旦那は知人に、俺の子が偉大になるかもしれない、とこぼしていたとか。あわよくば、沙賀城家の世継ぎの座を狙うつもりだったのかもしれぬなぁ」
つらつらと述べた空閑くんの言葉に、私はただ、ぽかんとするしかなかった。
「ああ、そうだ。ちょうど四年前に、沙賀城家当主がDNA鑑定について準備をしていたみたい。これ、確かな情報ですよ」
真理亜ちゃんが、卵焼きを頬張りながら言った。
私は、軽く首をふる。
それは、つまり。考えたくはないけれど。
「……柳瀬中惠は沙賀城家当主の子どもじゃなかった。それが四年前にバレそうになった」
「その点は、確実でござろうな。ここからは拙者の予想に過ぎないでござるが、慌てた柳瀬梓は、正確な鑑定をされる前に娘を隠そうとした。そして考えついたのが、プライドの高い沙賀城家当主の妻を、煽ることだった……のではないかと」
「まぁ、所詮お兄ちゃんの推測でしょ。本当のところなんて、わからないもの」
娘を殺させるために、愛人の妻を煽った――そんなことが、あるのか。
真理亜ちゃんの言うように、本当のところはわからない。わからないからこそ、そうではないとも言い切れない。
すべてが片付いたと思っていたのに、なんだか、後味の悪さが残ってしまった。
そもそも、人が大勢死んだのだ。後味が悪くて、当たり前だろう。
けれど。
「私も混ざって構わないか」
第三者の聞き覚えのある声に、私は顔をあげる。浮かない顔をしていたのだろう私を見て、姫島屋先生が苦笑した。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
翡翠の歌姫-皇帝が封じた声-サスペンス×中華×切ない恋
雪城 冴 (ゆきしろ さえ)
キャラ文芸
宮廷歌姫の“声”は、かつて皇帝が封じた禁断の力? 翠蓮は孤児と蔑まれるが、才能で皇子や皇后の目を引き、後宮の争いや命の危機に引きずり込まれていく。
『強情な歌姫』翠蓮(スイレン)は、その出自ゆえか素直に甘えられず、守られるとついつい罪悪感を抱いてしまう。
そんな彼女は、田舎から歌姫を目指して宮廷の門を叩く。しかし、さっそく罠にかかり、いわれのない濡れ衣を着せられる。
翠蓮に近づくのは、真逆のタイプの二人の皇子。
優しく寄り添う“学”の皇子・蒼瑛(ソウエイ)と、危険な香りをまとう“武”の皇子・炎辰(エンシン)。
嘘をついているのは誰なのか――
声に導かれ、三人は王家が隠し続けてきた運命へと引き寄せられていく。
【中華サスペンス×切ない恋】
ミステリー要素あり/ドロドロな重い話あり/身分違いの恋あり
行き遅れた私は、今日も幼なじみの皇帝を足蹴にする
九條葉月
キャラ文芸
「皇帝になったら、迎えに来る」幼なじみとのそんな約束を律儀に守っているうちに結婚適齢期を逃してしまった私。彼は無事皇帝になったみたいだけど、五年経っても迎えに来てくれる様子はない。今度会ったらぶん殴ろうと思う。皇帝陛下に会う機会なんてそうないだろうけど。嘆いていてもしょうがないので結婚はすっぱり諦めて、“神仙術士”として生きていくことに決めました。……だというのに。皇帝陛下。今さら私の前に現れて、一体何のご用ですか?
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
後宮の偽花妃 国を追われた巫女見習いは宦官になる
gari@七柚カリン
キャラ文芸
旧題:国を追われた巫女見習いは、隣国の後宮で二重に花開く
☆4月上旬に書籍発売です。たくさんの応援をありがとうございました!☆ 植物を慈しむ巫女見習いの凛月には、二つの秘密がある。それは、『植物の心がわかること』『見目が変化すること』。
そんな凛月は、次期巫女を侮辱した罪を着せられ国外追放されてしまう。
心機一転、紹介状を手に向かったのは隣国の都。そこで偶然知り合ったのは、高官の峰風だった。
峰風の取次ぎで紹介先の人物との対面を果たすが、提案されたのは後宮内での二つの仕事。ある時は引きこもり後宮妃(欣怡)として巫女の務めを果たし、またある時は、少年宦官(子墨)として庭園管理の仕事をする、忙しくも楽しい二重生活が始まった。
仕事中に秘密の能力を活かし活躍したことで、子墨は女嫌いの峰風の助手に抜擢される。女であること・巫女であることを隠しつつ助手の仕事に邁進するが、これがきっかけとなり、宮廷内の様々な騒動に巻き込まれていく。
エリート警察官の溺愛は甘く切ない
日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。
両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる