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3.帝政エリクシア偵察録
10.ハンターギルド
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ケルツェンの町のハンターギルドは、町を入ってすぐの場所にあります。大きな街では違うようですが、中規模以下の町のギルドは街門をはいってすぐの建物の場合が多いようです。これは、納品物となる獣や魔物の死骸を住人にあまり見せない為の配慮といわれていますが、武装した住人以外を町の中に入れないという面が強いようですね。ギルド周辺に鍛冶屋や宿屋などの冒険者専用施設が集中しているのはその所為でしょう。ケルツェンでは、冒険者ギルドの先の通りに中門があり、そこから先は待ちの住人のみ出入りできるようです。
ギルドの中に入ると、昼間のせいか人は少ないですね。左側に地下に下りる階段があり、そちらからは喧騒が聞こえてきますので、定番の酒場になっているのかな。正面にカウンターがありますが、素材買取等の場所は外から出入りできる別な場所にあるようで、依頼の受付と報告のカウンターだけの小さなものです。
僕がカウンターに近づいても、背負った刀で冒険者とわかるのか、特に表情を変える様子も無くにこやかな笑顔を浮かべています。僕は衛士さんに頂いた捕縛照明書を、受付嬢に渡します。一瞬目を見開かれましたが、余計な事は何も言わず書類を手渡してくれます。受領者の記入欄に、『Chloe』と記載すると、捕縛状況に応じたお金が手渡されました。必要な事しか話さないのは、受付嬢としては有能な方なのでしょうね。
その後、依頼ボードを眺めてみますが、貼り出してある依頼は、帝国本国に近いのに辺境と同じような依頼の内容ですね。魔獣・魔物退治に盗賊退治、キルニア周辺での盗賊退治などもありますが、目を引くのが異端狩りですか。内容を確認すると、捕獲依頼とありますね。捕獲した対象の生死・性別・状態(器量の事らしい?!)によって、報酬が変わるようですね。思わず受付嬢さんを見てしまいましたよ。
特に依頼を受ける気はありませんでしたが、帝国領内の治安状況などの情報は、依頼をみればある程度推測できます。街道を行く商人や馬車の護衛依頼も多いようですし、治安は悪いほうと言っていいでしょうね。
そうやって、依頼ボードを見ていた僕の隣に、誰か立ちました。受付に居たもう一人の受付嬢の方ですね。僕にメモを手渡し、受付カウンターに戻ってしまいます。メモの内容は、2階の応接室に来てくれというもの。さてさて、どんな事が待っているのでしょう……
応接室の中には、40代後半と思われる鍛え抜かれた男性がいますね。戦争映画なんかに出てくるような角刈りの鬼軍曹といった面持ちです。その隣にいるのは、怜悧な才女といった面持ちの眼鏡のお姉さんですね。
「まずは、挨拶をさせて頂きます。私はハンターギルド ケルツェン支部の監督官、カーラ・スタインと申します。こちらはサブマスターのアラン・クランシー。貴女はクロエさんでよろしいですね?」
カーラさんの言葉に僕は頷くと、早速質問します。さて、どんな用事なのでしょう。
「僕がクロエです。今日初めてケルツェンを訪れました。僕を呼び出したご用件はなんでしょうか?」
「用件は2つあります。まず1件目ですが、貴女のランクは『E』ランクであって、登録したギルドの、定めある範囲の依頼しか受けることは許されていません。それは承知していますね」
むぅ、正攻法で規則違反ではないかと言う事を指摘してきましたか。ですが、これは僕の予想内の展開ですので、問題はありません。
「その点は承知しております。私の目的は旅行兼修行の様なものですので、ギルドでの依頼を受けるつもりはありませんから」
カーラさんは、右手で眼鏡の位置を直すと更に質問を続けてきます。
「では、2つ目です。こちらはギルドへの報告に対して、虚偽の報告をした疑いが持たれておりますが、釈明はありますか?」
? というか、ギルドの依頼を受けて仕事した記憶が有りませんが……、って、あれですか。オークとゴブリンの討伐について、ワイアットとリアンが主に倒した事にして、穴を塞ぐ事だけを僕がやってことにしたんですよね……。困りましたね、アレを虚偽申告といわれると間違いなく虚偽申告となりますが。
僕が冷や汗を流しつつ黙っていると、カーラさんが『ニヤッ』っという擬音が似合いそうな笑顔を浮かべた後、表情を改めて続けました。
「が、その件に関しては2年前の事ですし、討伐数などを偽っているわけでもなく、特にランクの昇級に関しても影響があった訳ではありませんので、不問とすることになっております」
カーラさんの言葉に一安心しますよ。冤罪であれば抗議をしますが、正当な罪の告発となるとそうはいきませんからね。
「さて、こちらが正確な情報を持っていることをお知り頂いた上で、副マスのアランよりお話があります。」
カーラさんの言葉を受けて、副マスのアランさんが話し始めました。あまり話すことが得意な訳ではないようですね。
「副マスのアランだ。率直にいうが、ここは危険だ。修行や旅行であれば、西国を選ばず東国にいってくれ。」
折角のお言葉ですが、これには従う事は出来ませんね。僕にも僕の都合があります。
「残念ですがそれは出来ません。僕にも都合というものがありますので。」
僕の言葉に、2人は特に驚いた様子もありませんね。予想はしていたのでしょうか? どうやらこの話は、説得という名を借りた周辺地域の状況説明のようですね。どうやらハンターギルドの全てが腐っている訳ではないようです。
「こちらの申し出を受け入れてもらえず残念だ。こちらとしては話は以上となるが、クロエ君の確認しておきたいことはあるかね。答えられる事であれば回答しよう」
貴重な情報を頂いた後、このような言葉で会話をしめられましたが、折角なのでギルド便の安全性が確保されているかを聞いてみます。
「もちろんギルド便自体の安全性は保障されている。しかし、昨今は治安の悪化に伴って一部の荷物は喪失する可能性が高いことは憶えておいてくれ」
……なるほど、荷物は検められて重要な物や金目の物は輸送依頼を受けた冒険者事喪失する場合もあるということですね。これでは使えませんね。
「了解しました。ご希望に添えず申し訳ありません」
僕は御二方に一礼すると、応接室を後にしました。大人の世界では、様式美って大切ですしね。注意を与えるという名目で、情報をくれるあたりはさすがと言えます。1階に下りると、僕は受付さんに一礼して町をでました。
さて、時間はお昼を少し過ぎていますが、食材の調達にしろ、お土産の購入にしろ、ケルツェンはよく言えばありきたり、悪く言えば見る物もないので、早々に移動しましょうか。僕が街門の方へ歩き出すと、ギルドの扉が開き赤ら顔の男達が数名出てきます。さてさて、僕に無関係ならよいのですけど、どうでしょうかね。
門の外にでて、10mほど歩きましたが、後ろを着いてくるのは変わりません。僕は振り向きつつ溜め息を着いてしまいます。
「用事があるなら、この場で話してくれませんか? 後から怪我人をここまで運ぶ気も無いので」
そう言った僕を、着いてきた男たちは囲もうとしますが、ご遠慮しますよ? 男達が動いたので、衛士さんが彼らをとがめようとしますが、 1人の男が騒ぎます。
「これは依頼だ、キルニアの伯爵様のな。貴様らはおとなしく待ちの門を守ってろ。それが仕事だろうが」
男達の言葉に、悔しそうな表情を見せた衛士さん達は、僕の方をみてすまなそうな表情を浮かべます。
「僕にはおじさん方に付き合う趣味も時間もありませんよ。判ったらさっさと戻って、お酒でもあおっていて下さい」
「あぁ、浴びるほど呑むさ。お前を差し出した報酬でな」
そういうと、男の1人が槍を振り回します。男のやりはグレイブというタイプの武器ですね。槍の穂先を剣状にした物です。僕に向って突き出してきますが、遅いしフラフラしています。こんなので怪我するのも、怪我をさせるのも馬鹿らしいですね。
天羽々斬を抜いて、突き出したきたグレイブの柄を二分します。槍の先端がなくなったことに漸く気付いたようですよ。酔っ払いは始末に終えませんね。槍使いはハルバートというタイプで槍の穂先に斧がついている様な武器を持つ男が2人ですね。他は片手剣にバックラーという小盾装備が2人ですか。前衛2中衛3で飛び道具や魔術師は無しではバランスがいいとは言えない編成ですね。
僕は天羽々斬を居合い抜きの状態で構えます。鞘は有りませんが気分ですよ、気分。槍を切られた男が尻餅をついているのを、笑っている4人の後ろに加速で移動します。僕が眼前から消えたのに、驚き騒ぐ男達の後ろで天羽々斬を一閃し、槍師2人の槍の柄を両断しました。
そのまま、切り落とされた槍の柄を地面側に蹴りを連続で入れます。切り落とされた槍の柄は綺麗に半回転して男達の股間を強打しました。倒れて悶絶する2人の男達ですが、まだ2人残っていますからね。再び天羽々斬を一閃し、剣帯を断ち切りました。『ガチャ、ガチャン』と音を立て、地面に落ちる二人の片手剣に初めて後ろを振り返り、僕がいつの間にか後ろに回りこんでいる事を知ると、腰を抜かして座り込みます。
「どうします? 僕が小さいのが絡まれる理由なら、オジサン達も身長低くなって見ますか? 首を落とせばそうそう変わりませんよ?」
彼らの顎先を剣先が掠めますが、その段階で股間の辺りを汚水が濡らしていますね。僕は苦笑して刀を背負い直します。
「お酒は程ほどにしておいた方がいいですよ、おじさん方」
僕は街道を歩き始めますが、まだまだ油断はしていませんよ。なぜならば……
「この餓鬼ぃ、大人を舐めるんじゃねぇ~」
はい、予想通り逆切れして僕に切られたグレイブの先端が着いた側を、投げ槍よろしく僕の背に向って投げてきました。
『キンッ』っと澄んだ音がして、グレイブの先端は再び抜かれた天羽々斬によって、僕の頭上に跳ね上げられます。それを見て腰を抜かしていますが、これで許しはしませんよ?
再び落下してきたグレイブの先端を、天羽々斬の峰側で打って落下方向を修正、速度を加速させます。男のはいたプライズと呼ばれる七分丈の様なズボンの股間を切り裂き、先端が石畳に突き刺さった自身のグレイブをみて、今度こそオジサンは泡を吹いてひっくり返ります。あらら、お気の毒ですね。おじさんがひっくり返ったのは、既に先の4人の汚水で汚れた石畳の上です。
「ご愁傷様。じゃあね~」
僕の言葉に凍りついたかの様だった街門に集まった人々が動き出します。その中に、カーラさんと受付嬢さんの姿が見えましたが、まずい物を見せてしまったかも知れませんね。中世ヨーロッパと同じなら、プライズは下着でもあり中には何も履いていなかったはずですから……
ギルドの中に入ると、昼間のせいか人は少ないですね。左側に地下に下りる階段があり、そちらからは喧騒が聞こえてきますので、定番の酒場になっているのかな。正面にカウンターがありますが、素材買取等の場所は外から出入りできる別な場所にあるようで、依頼の受付と報告のカウンターだけの小さなものです。
僕がカウンターに近づいても、背負った刀で冒険者とわかるのか、特に表情を変える様子も無くにこやかな笑顔を浮かべています。僕は衛士さんに頂いた捕縛照明書を、受付嬢に渡します。一瞬目を見開かれましたが、余計な事は何も言わず書類を手渡してくれます。受領者の記入欄に、『Chloe』と記載すると、捕縛状況に応じたお金が手渡されました。必要な事しか話さないのは、受付嬢としては有能な方なのでしょうね。
その後、依頼ボードを眺めてみますが、貼り出してある依頼は、帝国本国に近いのに辺境と同じような依頼の内容ですね。魔獣・魔物退治に盗賊退治、キルニア周辺での盗賊退治などもありますが、目を引くのが異端狩りですか。内容を確認すると、捕獲依頼とありますね。捕獲した対象の生死・性別・状態(器量の事らしい?!)によって、報酬が変わるようですね。思わず受付嬢さんを見てしまいましたよ。
特に依頼を受ける気はありませんでしたが、帝国領内の治安状況などの情報は、依頼をみればある程度推測できます。街道を行く商人や馬車の護衛依頼も多いようですし、治安は悪いほうと言っていいでしょうね。
そうやって、依頼ボードを見ていた僕の隣に、誰か立ちました。受付に居たもう一人の受付嬢の方ですね。僕にメモを手渡し、受付カウンターに戻ってしまいます。メモの内容は、2階の応接室に来てくれというもの。さてさて、どんな事が待っているのでしょう……
応接室の中には、40代後半と思われる鍛え抜かれた男性がいますね。戦争映画なんかに出てくるような角刈りの鬼軍曹といった面持ちです。その隣にいるのは、怜悧な才女といった面持ちの眼鏡のお姉さんですね。
「まずは、挨拶をさせて頂きます。私はハンターギルド ケルツェン支部の監督官、カーラ・スタインと申します。こちらはサブマスターのアラン・クランシー。貴女はクロエさんでよろしいですね?」
カーラさんの言葉に僕は頷くと、早速質問します。さて、どんな用事なのでしょう。
「僕がクロエです。今日初めてケルツェンを訪れました。僕を呼び出したご用件はなんでしょうか?」
「用件は2つあります。まず1件目ですが、貴女のランクは『E』ランクであって、登録したギルドの、定めある範囲の依頼しか受けることは許されていません。それは承知していますね」
むぅ、正攻法で規則違反ではないかと言う事を指摘してきましたか。ですが、これは僕の予想内の展開ですので、問題はありません。
「その点は承知しております。私の目的は旅行兼修行の様なものですので、ギルドでの依頼を受けるつもりはありませんから」
カーラさんは、右手で眼鏡の位置を直すと更に質問を続けてきます。
「では、2つ目です。こちらはギルドへの報告に対して、虚偽の報告をした疑いが持たれておりますが、釈明はありますか?」
? というか、ギルドの依頼を受けて仕事した記憶が有りませんが……、って、あれですか。オークとゴブリンの討伐について、ワイアットとリアンが主に倒した事にして、穴を塞ぐ事だけを僕がやってことにしたんですよね……。困りましたね、アレを虚偽申告といわれると間違いなく虚偽申告となりますが。
僕が冷や汗を流しつつ黙っていると、カーラさんが『ニヤッ』っという擬音が似合いそうな笑顔を浮かべた後、表情を改めて続けました。
「が、その件に関しては2年前の事ですし、討伐数などを偽っているわけでもなく、特にランクの昇級に関しても影響があった訳ではありませんので、不問とすることになっております」
カーラさんの言葉に一安心しますよ。冤罪であれば抗議をしますが、正当な罪の告発となるとそうはいきませんからね。
「さて、こちらが正確な情報を持っていることをお知り頂いた上で、副マスのアランよりお話があります。」
カーラさんの言葉を受けて、副マスのアランさんが話し始めました。あまり話すことが得意な訳ではないようですね。
「副マスのアランだ。率直にいうが、ここは危険だ。修行や旅行であれば、西国を選ばず東国にいってくれ。」
折角のお言葉ですが、これには従う事は出来ませんね。僕にも僕の都合があります。
「残念ですがそれは出来ません。僕にも都合というものがありますので。」
僕の言葉に、2人は特に驚いた様子もありませんね。予想はしていたのでしょうか? どうやらこの話は、説得という名を借りた周辺地域の状況説明のようですね。どうやらハンターギルドの全てが腐っている訳ではないようです。
「こちらの申し出を受け入れてもらえず残念だ。こちらとしては話は以上となるが、クロエ君の確認しておきたいことはあるかね。答えられる事であれば回答しよう」
貴重な情報を頂いた後、このような言葉で会話をしめられましたが、折角なのでギルド便の安全性が確保されているかを聞いてみます。
「もちろんギルド便自体の安全性は保障されている。しかし、昨今は治安の悪化に伴って一部の荷物は喪失する可能性が高いことは憶えておいてくれ」
……なるほど、荷物は検められて重要な物や金目の物は輸送依頼を受けた冒険者事喪失する場合もあるということですね。これでは使えませんね。
「了解しました。ご希望に添えず申し訳ありません」
僕は御二方に一礼すると、応接室を後にしました。大人の世界では、様式美って大切ですしね。注意を与えるという名目で、情報をくれるあたりはさすがと言えます。1階に下りると、僕は受付さんに一礼して町をでました。
さて、時間はお昼を少し過ぎていますが、食材の調達にしろ、お土産の購入にしろ、ケルツェンはよく言えばありきたり、悪く言えば見る物もないので、早々に移動しましょうか。僕が街門の方へ歩き出すと、ギルドの扉が開き赤ら顔の男達が数名出てきます。さてさて、僕に無関係ならよいのですけど、どうでしょうかね。
門の外にでて、10mほど歩きましたが、後ろを着いてくるのは変わりません。僕は振り向きつつ溜め息を着いてしまいます。
「用事があるなら、この場で話してくれませんか? 後から怪我人をここまで運ぶ気も無いので」
そう言った僕を、着いてきた男たちは囲もうとしますが、ご遠慮しますよ? 男達が動いたので、衛士さんが彼らをとがめようとしますが、 1人の男が騒ぎます。
「これは依頼だ、キルニアの伯爵様のな。貴様らはおとなしく待ちの門を守ってろ。それが仕事だろうが」
男達の言葉に、悔しそうな表情を見せた衛士さん達は、僕の方をみてすまなそうな表情を浮かべます。
「僕にはおじさん方に付き合う趣味も時間もありませんよ。判ったらさっさと戻って、お酒でもあおっていて下さい」
「あぁ、浴びるほど呑むさ。お前を差し出した報酬でな」
そういうと、男の1人が槍を振り回します。男のやりはグレイブというタイプの武器ですね。槍の穂先を剣状にした物です。僕に向って突き出してきますが、遅いしフラフラしています。こんなので怪我するのも、怪我をさせるのも馬鹿らしいですね。
天羽々斬を抜いて、突き出したきたグレイブの柄を二分します。槍の先端がなくなったことに漸く気付いたようですよ。酔っ払いは始末に終えませんね。槍使いはハルバートというタイプで槍の穂先に斧がついている様な武器を持つ男が2人ですね。他は片手剣にバックラーという小盾装備が2人ですか。前衛2中衛3で飛び道具や魔術師は無しではバランスがいいとは言えない編成ですね。
僕は天羽々斬を居合い抜きの状態で構えます。鞘は有りませんが気分ですよ、気分。槍を切られた男が尻餅をついているのを、笑っている4人の後ろに加速で移動します。僕が眼前から消えたのに、驚き騒ぐ男達の後ろで天羽々斬を一閃し、槍師2人の槍の柄を両断しました。
そのまま、切り落とされた槍の柄を地面側に蹴りを連続で入れます。切り落とされた槍の柄は綺麗に半回転して男達の股間を強打しました。倒れて悶絶する2人の男達ですが、まだ2人残っていますからね。再び天羽々斬を一閃し、剣帯を断ち切りました。『ガチャ、ガチャン』と音を立て、地面に落ちる二人の片手剣に初めて後ろを振り返り、僕がいつの間にか後ろに回りこんでいる事を知ると、腰を抜かして座り込みます。
「どうします? 僕が小さいのが絡まれる理由なら、オジサン達も身長低くなって見ますか? 首を落とせばそうそう変わりませんよ?」
彼らの顎先を剣先が掠めますが、その段階で股間の辺りを汚水が濡らしていますね。僕は苦笑して刀を背負い直します。
「お酒は程ほどにしておいた方がいいですよ、おじさん方」
僕は街道を歩き始めますが、まだまだ油断はしていませんよ。なぜならば……
「この餓鬼ぃ、大人を舐めるんじゃねぇ~」
はい、予想通り逆切れして僕に切られたグレイブの先端が着いた側を、投げ槍よろしく僕の背に向って投げてきました。
『キンッ』っと澄んだ音がして、グレイブの先端は再び抜かれた天羽々斬によって、僕の頭上に跳ね上げられます。それを見て腰を抜かしていますが、これで許しはしませんよ?
再び落下してきたグレイブの先端を、天羽々斬の峰側で打って落下方向を修正、速度を加速させます。男のはいたプライズと呼ばれる七分丈の様なズボンの股間を切り裂き、先端が石畳に突き刺さった自身のグレイブをみて、今度こそオジサンは泡を吹いてひっくり返ります。あらら、お気の毒ですね。おじさんがひっくり返ったのは、既に先の4人の汚水で汚れた石畳の上です。
「ご愁傷様。じゃあね~」
僕の言葉に凍りついたかの様だった街門に集まった人々が動き出します。その中に、カーラさんと受付嬢さんの姿が見えましたが、まずい物を見せてしまったかも知れませんね。中世ヨーロッパと同じなら、プライズは下着でもあり中には何も履いていなかったはずですから……
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