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4.アレキサンドライトの輝き
10.後始末 5日目 密談
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「……こちらの事情はある程度貴女方も知ってらっしゃるようですね」
ヘルガさんが、話しながらやれやれと首を振ります。その後ろ頭で、ポニテに結わえられた栗色の髪が軽やかに踊っています。
「ほんと、普通のお嬢様なら喜ぶ事はあっても、がっかりする事は無い事ですのに……」
やはり、溜め息をつくフローラ嬢。いかにもがっかりといった表情ですね。確か彼女は子爵家の次女といっていましたから、彼女自身もより高位貴族と接触できる王宮での生活に憧れてはいたのでしょうね。
「実際、王妃なんてめんどくさいだけだしね。王の相手して、早く世継ぎを産めとか、産まれた子が娘であれば文句を言われ、世継ぎを作るという大義名分の元、公然と王は浮気するわ、浮気相手を側室として輿入れさせるわだし。あげく浮気相手とも表面上は仲良くしなければならないとか、面倒すぎるでしょ」
ちょっと、レーナさん赤裸々過ぎますよ。ユイなんて赤面しつつ長い髪を指先でくるくるしちゃってますよ。ユーリアちゃんは、ほぇ~という表情を浮かべてエリーゼさんを見つめています。イリスさん? もちろん彼女は平常運転です。
「……と言う訳で、私達はどうしたら婚約を解消できるかを考える必要性が出て着てしまいましたの」
エリーゼさんも赤面しつつ、縦ロールの髪をもてあそんでいますね。高位貴族の女性は、特に貞淑であることを求められますからね。純粋培養されますからね。
「正式にオリバー殿下(?!)とは、ご婚約済みなんですよね。それを解消するのは、なかなか難題なのでは?」
確か宗教によっては、正式な手順を踏んだ婚約は、破棄する事は殆ど不可能であったはずです。たしか近親婚だとか、どちらかがまだ婚約中であったなどの万人が納得する理由でなけらばいけないはず。貴族同士の結婚は、本人よりも家の為というのが主ですからね。幸い、クラウディウス公爵は家より娘というくらいエリーゼさんを溺愛していますし、エリーゼさんも強度のファザコンではありますが、流石にあまり恥となることは出来ませんよね。
「そこが問題なんですの。いっそ病弱故に国母となることは無理としようかと思いましたが、そうなると王家の治療師などが大挙して押し寄せてきそうでして……
今でも他の公爵・侯爵家からも探りが入っている状態で、『黒死病』の蔓延による貴族の移動も自粛されておりますのに、舞踏会やパーティーのお誘いまで届く始末ですの」
エリーゼさんは心底困っているようですね。なあ、僕にはこのへんの心情はいまいち理解できませんが。
でも、あのオリバーが帝政エリクシアの次期国王ですか。僕には想像できませんね~。オリバーがアレキサンドリアに手出しするなら、次回は完膚なきまでに叩き潰しますが。おっと、いまはエリーゼさんの相談? でしたね。
そういえば、お二人の宗教はどうなのでしょう? 僕はエリーゼさんに質問します。
「失礼ですが、ルキウス教が国教に制定されるようでしたので、オリバー殿下とエリーゼさんはどちらもルキウス教徒だったのでしょうか? ルキウス教は、異端や他宗教をゆるさない宗旨だったと思いますが」
「さぁ、どうでしたでしょう。確かオリバー殿下は、直前でルキウス教の洗礼を受けておいででしたわ。私は、北都の者として極当たり前に大神を信仰しております。他の宗教に対しては詳しくないのですが、ルキウス教とはその点も問題とするんですのね」
エリーゼさんが小首を傾げて言うと、僕より年上なのに少女の様な表情をみせますね、この人は。ヘルガさんもほほえましい物を見るように肯いていますよ。
「国教と定まる前に、貴族家と揉める事を避けたのでしょうが、この点をつけば上手く婚約は無効と出来るかもしれませんね。
此度の討伐失敗と、教皇の死去や教会の権威の失墜もあります。そこにルキウス教徒以外の婚約である点を逆手にとって、婚約を無効とした、後に改めて貴族内から婚約者を定めるとすれば、クラウディウス侯の派閥に属する貴族以外は賛成されるでしょう。なにせ、自身の派閥に有利になる話しですしね」
ヘルガさんの言葉にみんなで頷きます。侯爵家の対面を崩さず、他の貴族達にも歓迎され、反対する教会の勢力は今は皆無。というか、うまくいけば婚約しれたことすらうやむやにしたい勢力も多いはずですね。
アレキサンドリア共和国としても、脳筋オリバーにこの策士のお嬢様が付く事は歓迎しがたいですからね。このお嬢様は武力で征服しないでしょうが、こちらを取り込もうとする動きを察知させないでしょう。事前に脅威の芽を潰すことになります。
「みなさんのお陰で、無事婚約は無効と出来そうですわ。ヘルガさん、オリバー殿下が帰国なさる前に、他の貴族と上手く連絡をとって、裏から手を回して合意を形成できるかしら? 『黒死病』で移動制限があり、難しいでしょうけど」
エリーゼさん、事が決まると早いですね。やはり油断の出来ないお嬢様です。
「エリーゼ様、最後に確認いたしますが、本当に良いのですね? 事が動き出せば、殿下の婚約者に戻りたいといっても、もう戻れなくなりますよ?」
ヘルガさんの問いに、エリーゼさんはくるくると髪を弄っていた手を下ろし頷きます。
「勿論ですわ。よく知りもしない殿方よりも、北部や北部属領のほうがよほど大事です。王太子妃の座など、座りたいものに任せておけばよいのです」
肯いたヘルガsんは、壁際に控えていたメイドさんに声をかけます。
「アリエス、ターニャ、エレクトラ。そう言う訳ですので、他の3侯爵に根回しして婚約解消の土壌を作ってくれませんか?」
「はぁ、やっぱり知られていたんですね」
アリエスと呼ばれたメイドさんが、がっくりと肩を落とします。ターニャさんとエレクトラさんは二人とも肩を竦めています。ということは、3人が他の侯爵家からのスパイだと知っていて、いままでずっと放置していたということですか?!
僕が驚きの表情をしているのをみて、イリスさんが微笑みます。
「おそらく、それだけじゃないですわ。キチンと渡すべき情報と秘密にする情報を分けて伝える事が出来る最高級の間諜なのでしょうね。事実や真実を全て知らせる様な間抜けじゃないようですわ」
はぁ、アイオライトの女性って皆能力高い人ばかりの気がしますね。男子も頑張ってもらわないと、頼れる女の子達に裏で操られるだけの存在になっちゃいますよ?
*****
その夜は、結局エリーゼさんの私邸に、お泊りする事になりました。お話が終った時点で夕方となっており、移動して宿を確保するには厳しい事と、『トラキヤ』の街に宿泊した場合、他貴族が部屋に訪ねて来るなどが避けられないだろうといわれた為です。
夕食後は得にする事がないのは変わらず、あいも変わらず僕達は『人○ゲーム』をやっています。今日は冒険者版で、ギルドで依頼を受けたり、装備を整えたりと進めますが、探索や討伐に出るときは、その時点で各所にあるギルドにいるメンバーでしかパーティーが組めません。待つことも出来ますが、達成期限もありますので、イリスさんとユイの魔法使いPTLV1で洞窟探検にいって、早々に魔物に襲われ壊滅したりとなかなか難しいんですよ。
結局ドラゴン退治の最終クエストでは、ユーリアちゃんが弓でドラゴンの右目を射抜いて、侵攻が3年伸びただけで全滅となりました。
「うぅ、少人数ではやはり厳しいです~」
ユーリアちゃんが涙目で言いますが、僕自身も少ない手持ち魔法と機動力の無さで、最初のドラゴンブレスを避けきれず、退場となっていますからね。
「実際にドラゴンと戦ったら、こんなもんでは無いだろうけどね。でも、結構楽しめたかな」
僕はホッと胸をなでおろしますが、早々に退場となったイリスさんが憎まれ口を叩きます。
「私の障壁が、貴女の胸ほど薄くなかったらやられなかったはずよ。補正しなさい!」
ちょっ、今の言葉は刺さりますよ。
「符術がないのも何とかして欲しいです。クロエさん、ここは改善を要求しますよ」
うぅ、ユイさんまでそう言いますか。多分出来ないことはないでしょうけど、消耗魔力を考えると既にゲームの域を超えちゃいますよ。魔法学院でなら、大規模シミュレーションとかで出来るかもしれませんけど。個人の能力を全て盛り込むとか、多分魔道具なしでも厳しいでしょうね。
「仕方ないですわね。これでも夜遊びには十分楽しめるのですから。負けるとかなり腹立たしいけど」
イリスさん自分でドラゴン討伐を最終目的にしたからですよ。普通に、オークとかオーガとかにしておけばいいのに……
その後、メイドさんからの連絡を受け、僕達がプレイしていたゲームに多大なる興味を示したエリーゼさんと、ヘルガさんの二人が乱入し、一度だけですよと最も優しい通常版のゲームをプレイします。
ゲーム内では結婚したからといって、ホームを移す事も有りませんから、比較的和やかにプレイできましたよ。強いて言えば、終了後にこれの類似品の販売許可をくれとか、利益はコストを除いて折半とか、僕が口出しをすることなく、イリスさんとエリーゼさんの間で取り交わされていましたが、気にしない事にしましょう。
翌日は朝食後、街門まで送っていただいて、アレキサンドリアへの帰還の旅です。途中でキルニア城砦跡地の湖や、ゾムニのリカさんから荷物を受け取り、真っ直ぐ帰りました。
*****
「一体何を頼んだんです?」
アレクシアさんは胸元まで垂らした、嫌いなダークブロンドの三つ編みを揺らして答えます。
「クロエちゃんの勝負下着みて、ちょっと触発されちゃったから、リネン素材のワンピースとか頼んだだけよ?」
……勝負下着なぞ持ってませんよ僕は? リカさん達から無理やり作られた、ショーツの事ですね。
「大丈夫よ? ちゃんとクロエちゃんの分も頼んでおいたから」
そうして僕に手渡したのは、す・く・み・ず・?! 何故に?!
「クロエちゃんが帰ってきてから、またご飯が美味しくて、すこし太っちゃったみたいなのよね~。しっかり付き合ってもらうわよ?」
そういい、アレクシアさんが取り出したのは、ビキニタイプのリネンの水着に、パレオなどのオプション多数。なかには、そのまま外を歩けるんじゃないかというくらいのワンピースまであります。
「……もしかして、戦時報奨金全てこれに投入しましたね~」
僕が唖然としていると、両肩をガシッとつかまれます。エマ&ジェシー?
「さぁ、早速ダイエットに行くわよ~!」
「わぁぁ、何で僕まで~……」
僕の悲痛な叫びは無視され、帰ってきた早々にアレクシアさんのダイエットにつき合わされましたとさ。そして、僕の身体データは、リカさんに握られた事を後ほど痛切に実感させられました。
「なぜにピッタリなんだ~」
ヘルガさんが、話しながらやれやれと首を振ります。その後ろ頭で、ポニテに結わえられた栗色の髪が軽やかに踊っています。
「ほんと、普通のお嬢様なら喜ぶ事はあっても、がっかりする事は無い事ですのに……」
やはり、溜め息をつくフローラ嬢。いかにもがっかりといった表情ですね。確か彼女は子爵家の次女といっていましたから、彼女自身もより高位貴族と接触できる王宮での生活に憧れてはいたのでしょうね。
「実際、王妃なんてめんどくさいだけだしね。王の相手して、早く世継ぎを産めとか、産まれた子が娘であれば文句を言われ、世継ぎを作るという大義名分の元、公然と王は浮気するわ、浮気相手を側室として輿入れさせるわだし。あげく浮気相手とも表面上は仲良くしなければならないとか、面倒すぎるでしょ」
ちょっと、レーナさん赤裸々過ぎますよ。ユイなんて赤面しつつ長い髪を指先でくるくるしちゃってますよ。ユーリアちゃんは、ほぇ~という表情を浮かべてエリーゼさんを見つめています。イリスさん? もちろん彼女は平常運転です。
「……と言う訳で、私達はどうしたら婚約を解消できるかを考える必要性が出て着てしまいましたの」
エリーゼさんも赤面しつつ、縦ロールの髪をもてあそんでいますね。高位貴族の女性は、特に貞淑であることを求められますからね。純粋培養されますからね。
「正式にオリバー殿下(?!)とは、ご婚約済みなんですよね。それを解消するのは、なかなか難題なのでは?」
確か宗教によっては、正式な手順を踏んだ婚約は、破棄する事は殆ど不可能であったはずです。たしか近親婚だとか、どちらかがまだ婚約中であったなどの万人が納得する理由でなけらばいけないはず。貴族同士の結婚は、本人よりも家の為というのが主ですからね。幸い、クラウディウス公爵は家より娘というくらいエリーゼさんを溺愛していますし、エリーゼさんも強度のファザコンではありますが、流石にあまり恥となることは出来ませんよね。
「そこが問題なんですの。いっそ病弱故に国母となることは無理としようかと思いましたが、そうなると王家の治療師などが大挙して押し寄せてきそうでして……
今でも他の公爵・侯爵家からも探りが入っている状態で、『黒死病』の蔓延による貴族の移動も自粛されておりますのに、舞踏会やパーティーのお誘いまで届く始末ですの」
エリーゼさんは心底困っているようですね。なあ、僕にはこのへんの心情はいまいち理解できませんが。
でも、あのオリバーが帝政エリクシアの次期国王ですか。僕には想像できませんね~。オリバーがアレキサンドリアに手出しするなら、次回は完膚なきまでに叩き潰しますが。おっと、いまはエリーゼさんの相談? でしたね。
そういえば、お二人の宗教はどうなのでしょう? 僕はエリーゼさんに質問します。
「失礼ですが、ルキウス教が国教に制定されるようでしたので、オリバー殿下とエリーゼさんはどちらもルキウス教徒だったのでしょうか? ルキウス教は、異端や他宗教をゆるさない宗旨だったと思いますが」
「さぁ、どうでしたでしょう。確かオリバー殿下は、直前でルキウス教の洗礼を受けておいででしたわ。私は、北都の者として極当たり前に大神を信仰しております。他の宗教に対しては詳しくないのですが、ルキウス教とはその点も問題とするんですのね」
エリーゼさんが小首を傾げて言うと、僕より年上なのに少女の様な表情をみせますね、この人は。ヘルガさんもほほえましい物を見るように肯いていますよ。
「国教と定まる前に、貴族家と揉める事を避けたのでしょうが、この点をつけば上手く婚約は無効と出来るかもしれませんね。
此度の討伐失敗と、教皇の死去や教会の権威の失墜もあります。そこにルキウス教徒以外の婚約である点を逆手にとって、婚約を無効とした、後に改めて貴族内から婚約者を定めるとすれば、クラウディウス侯の派閥に属する貴族以外は賛成されるでしょう。なにせ、自身の派閥に有利になる話しですしね」
ヘルガさんの言葉にみんなで頷きます。侯爵家の対面を崩さず、他の貴族達にも歓迎され、反対する教会の勢力は今は皆無。というか、うまくいけば婚約しれたことすらうやむやにしたい勢力も多いはずですね。
アレキサンドリア共和国としても、脳筋オリバーにこの策士のお嬢様が付く事は歓迎しがたいですからね。このお嬢様は武力で征服しないでしょうが、こちらを取り込もうとする動きを察知させないでしょう。事前に脅威の芽を潰すことになります。
「みなさんのお陰で、無事婚約は無効と出来そうですわ。ヘルガさん、オリバー殿下が帰国なさる前に、他の貴族と上手く連絡をとって、裏から手を回して合意を形成できるかしら? 『黒死病』で移動制限があり、難しいでしょうけど」
エリーゼさん、事が決まると早いですね。やはり油断の出来ないお嬢様です。
「エリーゼ様、最後に確認いたしますが、本当に良いのですね? 事が動き出せば、殿下の婚約者に戻りたいといっても、もう戻れなくなりますよ?」
ヘルガさんの問いに、エリーゼさんはくるくると髪を弄っていた手を下ろし頷きます。
「勿論ですわ。よく知りもしない殿方よりも、北部や北部属領のほうがよほど大事です。王太子妃の座など、座りたいものに任せておけばよいのです」
肯いたヘルガsんは、壁際に控えていたメイドさんに声をかけます。
「アリエス、ターニャ、エレクトラ。そう言う訳ですので、他の3侯爵に根回しして婚約解消の土壌を作ってくれませんか?」
「はぁ、やっぱり知られていたんですね」
アリエスと呼ばれたメイドさんが、がっくりと肩を落とします。ターニャさんとエレクトラさんは二人とも肩を竦めています。ということは、3人が他の侯爵家からのスパイだと知っていて、いままでずっと放置していたということですか?!
僕が驚きの表情をしているのをみて、イリスさんが微笑みます。
「おそらく、それだけじゃないですわ。キチンと渡すべき情報と秘密にする情報を分けて伝える事が出来る最高級の間諜なのでしょうね。事実や真実を全て知らせる様な間抜けじゃないようですわ」
はぁ、アイオライトの女性って皆能力高い人ばかりの気がしますね。男子も頑張ってもらわないと、頼れる女の子達に裏で操られるだけの存在になっちゃいますよ?
*****
その夜は、結局エリーゼさんの私邸に、お泊りする事になりました。お話が終った時点で夕方となっており、移動して宿を確保するには厳しい事と、『トラキヤ』の街に宿泊した場合、他貴族が部屋に訪ねて来るなどが避けられないだろうといわれた為です。
夕食後は得にする事がないのは変わらず、あいも変わらず僕達は『人○ゲーム』をやっています。今日は冒険者版で、ギルドで依頼を受けたり、装備を整えたりと進めますが、探索や討伐に出るときは、その時点で各所にあるギルドにいるメンバーでしかパーティーが組めません。待つことも出来ますが、達成期限もありますので、イリスさんとユイの魔法使いPTLV1で洞窟探検にいって、早々に魔物に襲われ壊滅したりとなかなか難しいんですよ。
結局ドラゴン退治の最終クエストでは、ユーリアちゃんが弓でドラゴンの右目を射抜いて、侵攻が3年伸びただけで全滅となりました。
「うぅ、少人数ではやはり厳しいです~」
ユーリアちゃんが涙目で言いますが、僕自身も少ない手持ち魔法と機動力の無さで、最初のドラゴンブレスを避けきれず、退場となっていますからね。
「実際にドラゴンと戦ったら、こんなもんでは無いだろうけどね。でも、結構楽しめたかな」
僕はホッと胸をなでおろしますが、早々に退場となったイリスさんが憎まれ口を叩きます。
「私の障壁が、貴女の胸ほど薄くなかったらやられなかったはずよ。補正しなさい!」
ちょっ、今の言葉は刺さりますよ。
「符術がないのも何とかして欲しいです。クロエさん、ここは改善を要求しますよ」
うぅ、ユイさんまでそう言いますか。多分出来ないことはないでしょうけど、消耗魔力を考えると既にゲームの域を超えちゃいますよ。魔法学院でなら、大規模シミュレーションとかで出来るかもしれませんけど。個人の能力を全て盛り込むとか、多分魔道具なしでも厳しいでしょうね。
「仕方ないですわね。これでも夜遊びには十分楽しめるのですから。負けるとかなり腹立たしいけど」
イリスさん自分でドラゴン討伐を最終目的にしたからですよ。普通に、オークとかオーガとかにしておけばいいのに……
その後、メイドさんからの連絡を受け、僕達がプレイしていたゲームに多大なる興味を示したエリーゼさんと、ヘルガさんの二人が乱入し、一度だけですよと最も優しい通常版のゲームをプレイします。
ゲーム内では結婚したからといって、ホームを移す事も有りませんから、比較的和やかにプレイできましたよ。強いて言えば、終了後にこれの類似品の販売許可をくれとか、利益はコストを除いて折半とか、僕が口出しをすることなく、イリスさんとエリーゼさんの間で取り交わされていましたが、気にしない事にしましょう。
翌日は朝食後、街門まで送っていただいて、アレキサンドリアへの帰還の旅です。途中でキルニア城砦跡地の湖や、ゾムニのリカさんから荷物を受け取り、真っ直ぐ帰りました。
*****
「一体何を頼んだんです?」
アレクシアさんは胸元まで垂らした、嫌いなダークブロンドの三つ編みを揺らして答えます。
「クロエちゃんの勝負下着みて、ちょっと触発されちゃったから、リネン素材のワンピースとか頼んだだけよ?」
……勝負下着なぞ持ってませんよ僕は? リカさん達から無理やり作られた、ショーツの事ですね。
「大丈夫よ? ちゃんとクロエちゃんの分も頼んでおいたから」
そうして僕に手渡したのは、す・く・み・ず・?! 何故に?!
「クロエちゃんが帰ってきてから、またご飯が美味しくて、すこし太っちゃったみたいなのよね~。しっかり付き合ってもらうわよ?」
そういい、アレクシアさんが取り出したのは、ビキニタイプのリネンの水着に、パレオなどのオプション多数。なかには、そのまま外を歩けるんじゃないかというくらいのワンピースまであります。
「……もしかして、戦時報奨金全てこれに投入しましたね~」
僕が唖然としていると、両肩をガシッとつかまれます。エマ&ジェシー?
「さぁ、早速ダイエットに行くわよ~!」
「わぁぁ、何で僕まで~……」
僕の悲痛な叫びは無視され、帰ってきた早々にアレクシアさんのダイエットにつき合わされましたとさ。そして、僕の身体データは、リカさんに握られた事を後ほど痛切に実感させられました。
「なぜにピッタリなんだ~」
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