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第6章

第31話 招かれた者達

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 一方、テントに案内をされたクレマンド達はテントの中の広さに驚く。
ベットが人数分と、その中央には軽食がとれるテーブルにソファーがあった。

「こ、これはまた」

 中に入って直ぐに驚きの声を出した側近達。
 すると、家宰のクレオがテントの中の説明を一通りして説明を終わらせた。

「それでは、ヴァルカンド殿下御一行様。今晩は、こちらでお寛ぎ下さいませ。何か御座いましたら私共使用人に、お声をお掛け下さいませ。もう暫くしますと、御夕食のお時間になりますが。どう致しますか?こちらでお召し上がりになりますか?それであれば、御用意いたしますが?」

「殿下、こちらでお食事してください」
「何故?ケレス……。ここで食事をしたら私はお前に殺されそうだな?そして、私が死んだらこちらの、ベルガモット家に罪を被せる。そんな考なのだろ?だったら私はあのベルガモット家の方達と食事をするよ」

 私は魔だ死にたくは無いからね?

「殿下そんな!私は貴方の側近です。殿下の命を守るのが仕事ですよ、そんな私が何故殿下の命を狙うのか?」

 意味が分からないと言うケレス。

「ああ、クレオ殿。お見苦しい所を見せてしまい申し訳ない。すまないが食事はベルガモット家の方々と、御一緒しても良いだろうか?」

 見苦しいところを見せたと詫びて、クレオに頼む。

「畏まりました。それでは主人に伝えて参りましょう。お食事の支度が出来次第メイドに、お声を掛けさせます。それまで暫しお寛ぎ下さいませ。私はこれで失礼させて頂ます」 

 言い礼をして、クレオがテントを出て行った。
 クレオがテントを出ていくのを見送ると、クレマンドがトリマンに話し掛ける。

「さてと、トリマン」
「何でしょう殿下?あ、お茶いれましょうか?」
「お願いするよ、疲れたよ。私は………」

 そう言うとクレマンドは、ギロリとケレスを睨む。
 睨まれた本人は、全く気づかない。
 どれだけ鈍感なのだろうかと、呆れるクレマンド達である。

「取り敢えず殿下。この先はどう致しましょうか?」

 トリマンが入れたお茶を、クレマンドの目の前に出し。今後の話をするつもりだったが、クレマンドが話を反らした。

「そうだな?先ずは腹が減った……よ!」
「プッ!アハハ!殿下。先の話をしませんと!ハハハ」
「何か?切実だぞ。なぁベンド、バルカン」

 ケレスを全く無視をして、たわいもなく関係の無い話を進めていく。

「「は?」」
「ほら、殿下のご冗談だ!」
「あ、そ、そうでしたか?しかしこの中は。素晴らしいですね?ちゃんと、一人一人が休める様に、仕切りがしてありますよ?」
「ああ、全くどんな贅沢な貴族なのか?殿下はご存じで?」
「すまん。詳しくは知らんよ?」
「そうですか?」
「ああ」

 約一人が居るために、知っているが知らない振りをするクレマンドだ。
 それに、気づいた側近3名はそれ以上の情報を漏らすことはしなかった。

 暫く下らない話をしていると、メイドから食事の支度が出来たと声が掛かった。

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