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第6章

第65話 領地へ 疑うなら面倒だわ

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 色んな事を考えてると、ルクスが戻って来た。

《主、これで良いの?》

 ルトが前足に薬草を抱えて見せてくる。

《ご主人、僕が探したんだよ!》
(フフフ、ありがとう。ルトに、ルクス。後でお薬が作れるわ)
《主?王子と、何をお話してたの?》
(え?少しね?あ、ご褒美にリンゴあげるわ)


「パトリシア嬢?どうした?」
「いえ、なんでも。ルクスとルトに、ご褒美を上げようと思いまして」
「何を持ってきたのですか?随分と遠くで、何かを探させてたようだが」
「ああ、あの辺りに薬草が有ったので、取りに行って貰ったのですわ」
「……それは凄いですね?まるで話が分かるようだが?」
「話せますわよ?ちゃんとね……ルト、ルクス」
《《ねえ~♡》♡》
「はっ!まさか。テイムで、そこまで魔獣を従えられるのですか?」
「ですから、殿下。ルト達は、魔獣では、なくて神獣ですわ!知能が高い神獣ですわよ?」
「まさか!ご冗談を。パトリシア嬢とはいえ、怒りますよ?」
「ええッと何故、私が怒られないとならないのか、謎ですが………。本当ですわよ?」最初に説明したわよね?
「………そうでしたか?」

 面倒臭いし、会話が平行線に成りそうね?

「それでは、私はこの子達にご褒美を上げるので、馬車に戻りますわ。失礼しますわ?」

 ルトを肩に乗せルクスを抱き上げ、すたすたと歩き。殿下から離れようとしたら、クレマンド殿下が私の肩を掴む。

「お待ちください。何か気分を悪くさせて仕舞ったようだね。私が悪かったよ、だがらもう少し話しませんか。この子達も一緒にね?」

 ニコリと微笑まれて、足止めをしてくるけれど……困りました。チビッ子達に、おやつをあげないと……。

「おい!シア?そこで何をしてる。此方で、野営の準備の手伝いを頼む!」

 そう言ってアレクお兄様が声を掛けて来る。

「あ!お兄様。分かりましたわ今行きます。それでは、クレマンド殿下。彼方で、兄が呼んで居ります。私はここで失礼しますわ」

 と頭を少し下げて兄の元へ走って行った。

(お兄様、タイミングバッチリですわ!)

 パトリシアの後ろ姿を見送りながら思う、クレマンド。(な、なんと言うタイミングの良さなのか?それとも、ずっと此方を伺ってたのか?しかし、こうも邪魔をされ続けていると、流石にイラつくな!)
 仕方ない。ここにいつまでも一人でいても、しょうがないので、側近達の元へ戻るとするか。
 次は、絶対ちゃんと話す!

 なんとなく、自分が避けられてるのを気がつかない、クレマンド殿下……頑張れ!
 遠目で見ていた側近の一人が、クレマンド殿下ガンバれ!と応援をしていた。
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