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第10章
第52話 パトリシア、ヘソを曲げる。
しおりを挟む「あ、あの失礼かと存じますが……殿下はどの属性魔法がお得意ですの?」
「パトリシア様!殿下に失礼だ!」
おっとそう来ましたか……失礼だとは思うけど……風魔法、水魔法と光魔法のどれがが有ればなんとか成るかな?と思って聞いただけなのよね。
「そ、それは失礼いたしました。でしたら殿下に魔法は、お教えすることは御座いませんわ。不敬でしたわね?」
頭を下げて、殿下の執事に謝り。
そして、殿下に向き直り声を掛ける。
「と、言うことですわジーク殿下。私は殿下に魔法はお教え出来かねますわ」
「っ!ロミノお前、出過ぎた真似をするなよ?折角……あぁ!もういいよ。パトリシア嬢すまないね。私の執事が失礼な事を言ったね」
「いえ。特には」
私が冷めた返事をしたので、場の空気が固まって仕舞った。そこへグレンとメイド達が昼食を持って、東屋に戻って来た。そしてグレンが、私に話し掛けてくる。
「お待たせ致しました。昼食にございます……?パトリシアお嬢様……如何致しましたか?」
「い、いえ何でもないですわ。グレンありがとう。さぁ、ジーク殿下どうぞお食べになって下さい。そういえば……お毒味が未だでしたか?どうしましょう!」
「せ、僭越ながら……私が致しますのでお構い無く」
「そうでしたか、それならどうぞ。私達は失礼ですが、勝手に食事を始めますので。それと、席を外させて頂きますわ」
「あ、あぁ。どうぞ先に始めててくれ。(ロミノ……お前後で説教だからな!)」
「…………」
席を立ち東屋から出る。
「パトリシア嬢、何処に?」
「いえ、何処にもいきませんわよ?ルクス達と外居ますわね?」
「え?え?ああぁ、ま、まっ……」
殿下の言葉を振り振り切って外に出て、芝生の上にシートを敷くと、ルト達のご飯が乗る皿をグレンから奪い取る。そして、ルト達に渡す。
「さあ、ルクスにルト皆ご飯よ。おいで」
《《《《わぁ~い♡》》》》
(フフフ。ルト、ルクス皆も美味しい?)
《うん!美味しい。もっと!》
《皆も美味しいってさ!》
(そうなの?ありがとう。あら、ルクスはもう食べ終わったの?おかわりかしら。ならはい、どうぞ。でもこれで終わりよ?)
《ええ、残念だなぁ》
ルクスが返事をしたかと思ったら……、ガツガツと出したご飯を食べて秒で終わる。は、早いわねぇ~。
《ねぇ、主?》
(あら、ルトなに?)
《主は食べないの?彼処にご飯あるよ?》
と、東屋のテーブルに乗るサンドウィッチに顔を向け聞いてくる。
(ん~なんだか、食欲が無くなったわ。面倒に成ってしまって)
《そうなの?でも勿体ないよ?》
(グレンに片付けるように頼むわ)
《そうなの?》
(ええ、私はここで飲み物でも飲んで皆が食べ終わるの待ってるわ)
ルトにニッコリ笑って指でルトの頭を撫でる。
《フフフ。気持ち良い~もっと撫でて~》
フフフあぁ癒しよねぇ。
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