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新たな町へ
閑話 ニングスside 3
しおりを挟むグレルグリンの国は広い、二ヶ月馬車で走り途中で夜営をしながら走るが、まだグレルグリン王国から抜けられないでいる。
「はぁそれにしても広い国ですねぇ…。それぞれの貴族の領土を抜けるのにも、随分と時間が掛かってしまって…」
と独り言を良いながら馬車を走らせます。
それからまた、ひたすら馬車を走らせること半月が過ぎた。そうして、グレルグリン王国をやっとの事で抜けると、目的地のルーブーブ帝国に入る事が出来た。
「はぁ~。やっと此処まで来れましたか…。さて、私の目的の町は……はぁ~まだまだ掛かりそうですね」
手に持った地図を眺めてぼやくニングスである。
ニングスの目的の町は、ルーブーブ帝国内の海沿いの領地でヤーマン伯爵家が統治する土地になる。向かう場所はその海側の町だ。
町の名は、サントリオと云う町だ。
「さてぼやいても、仕方がありませんね?行きましょう」
自分に言い聞かせて再び馬車を走らせるニングスだった。
それから、一ヶ月何処にも寄り道をせず魔物にも遭うこともなく、山道を避け遠回りをしながらたどり着いたサントリオの町。
「や、やっと着きました。さてこれから…」
あぁ、ギルドに行けば良いのでしたね。
久しぶりに人と話しますが、少し緊張しますねと思うニングスだった。
馬車をギルドに預けて、受付に居る女性に話し掛けます。
「少しいいかな?」
「えっ、あっ…はい。どうされましたか?依頼でしょうか?」
「いや、これをドイア国のエンバルのギルマスから預かって来たのたが、こちらのギルドマスターを呼んで貰いたい」
「えっ、中を確認させて貰いますが、宜しいですか?」
「それは構わないが。しかし、それは…ギルドマスター宛ての手紙だが?」
「えっ、あぁ、そうですね?失礼しました。少し、お待ち下さい」
席から立ち上がると、受付の女性は慌ててカウンターの後ろにある事務所に引っ込んでいく。
「なにをそんなに慌ててるのですかね?」
これは時間が掛かりそうです。
そうしてニングスの思った通り、三十分程待たされてるのに未だ戻って来ない。
為らば…と思い、カウンターから離れてギルドの中を歩き回る。
ほうほう、これが依頼ボードですか…大した依頼は…ありませんね?
旦那様ならどれを選ぶのでしょうか…ククッと小さく含み笑うニングス…。
端から見れば何とも不気味なおっさんである。
「あっ、あそこに居ましたよ。ギルマス、あの方です」
「お、おい!おっさん。こっちに来てくれて」
おっさん…と呼んだ男を見れば、お前もおっさんでは?と思うニングスだが大人しくカウンターに依頼ボードの前から離れてカウンターに戻った。
「あの、お待たせしてすみませんでした」
と受付の女性は謝ってきた。
「まあ、少し。それで、こちらがギルドマスター殿ですか?」
「…そうだ。んで、これを読ませて貰った。あんたの知り合いの家は、ここから少し奥に行ったところに有るが…。あんた行くのか?」
「そうしたいが、いきなり行くのは気が引けるのだが」
「だろうなぁ…向さんも、再婚してるしな。どうだ?こっちで時間を掛けて会うっうのは?」
訳知り顔で、話をしてくる初対面の男…いえ、ギルマス。
此方としては、話しが早くて助かりますが何もかも筒抜けと言うのもなんだが妙な気分です。
まあ、探して貰ったので何にも言えませんが。
「では、そうしょう」
「そうか、なら、向さんにはこっちから連絡を入れておくが、それで良いだろうか?」
「……そう……ならばお願いしたい。それとこれを渡してもらえないか?」
ギルマスに頼んで少しの金を渡す。
手渡したのは、元妻宛の手紙だ。
これを渡してもらえば、無難に話しは進むだろうし行きなり私が訪ねても驚く事は無いだろう。 もう元妻は連れ合いも出来てるのだから、出来れば迷惑は掛けたくはない。
「分かった、なら持って行かせるように手配はしておく」
「頼む。それで、宿屋を…出来れば馬車を預かる宿屋を、紹介して貰えないだろうか?それと安全な宿だと有難いが」
「安全か……それなら…ここだな」
ギルマスから宿が印してある地図を手渡された。
「すまんな。それとは別に、ここからエンバルのギルドを通して、手紙を出したいのだが。それは、可能だろうか」
「ああ、良いぜ。銀貨三枚貰うがな?」
「では、これで。それと手紙は此方を。宛名が書いてあるので、その方に渡して貰いたいと伝えて貰いたい」
「わかった、そう伝える。それと、あんたの方の、その…相手の家には連絡どうする?」
「そうだな…」
まずは、手紙を渡してもらって、向こうがどう返事をしてくるかに寄るんだが…。
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