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第3章 ここから始まる転換点?
三十三日目⑥ 情けは人の為ならず?
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「ただいま~。」
俺が疲れ切ってヘロヘロになって自宅へ帰ると、エルダ達はリビングでくつろいでいた。
「おかえりカイト~。王城はどうだったぁ~?」
ソファーに腰を下ろしたデイジーが、クッキーをかじりながら、のんびりとしていた。
両足ともソファーの上にあり、膝の上にはお気に入りのクッションを抱えていた。
うん、可愛いんだけど……
こっちは狸で腹いっぱいになったっていうのに……理不尽だ!!
「どうもこうもないよ。前に約束したことの再確認ってところだ。」
「そう?話てもらってもいい?」
エルダが念のための確認で、一度話してほしいってことだった。
ポールも聞きたいということなので、城であったことの顛末を説明した。
①勇者の探索依頼
②収納箱(簡易)の200箱の納品※1箱金貨10枚
③正式に国王が後見人になった
④王女殿下との再会の約束をしてしまった……タヌキは嫌い……
説明を聞いたエルダの目が金貨になったのは言うまでもない。
本当になぜこんなに残念女子なのか……
デイジーとポールは説明を聞いて、驚きを隠せずにいた。
俺が召喚者であることは伝えていたが、同時に勇者も召喚されていたとは思っていなかったようだ。
さらに収納箱(簡易)の買い取り額に驚き、最後の国王が後見人になったことで思考停止を起こしたらしい。
「二人とも大丈夫か?」
「カイト……あなたは非常識が服を着て歩いてる自覚を持った方がいいわよ?」
「それは俺も思う。カイト、お前は非常識だ。」
2人からの非常識認定に泣きそうになった。
するとエルダが俺のフォローにまわって……
「二人とも、それは今更よ。」
くれはしなかった。
そして金貨の目は、今だ健在だった。
そろそろもとに戻ろうか?
「しかし、その収納箱(簡易)で得た収益はカイトの物だ。自分で使い道をきちんと決めないとな。」
「たしかにね~。金額で驚いたけど、もらうのはカイトだし。私たちは関係ないからね~。」
ポールとデイジーの言葉に、エルダが正気に戻ったらしい。
「ん、ンん!!カイト、それでこれからどうするの?」
咳ばらいをして通常モードに戻ったエルダがこの後の予定を聞いてきた。
この後についてはほぼ決まっていた。
「午後にはギルド経由で依頼が入るから、それの確認に冒険者ギルドへ行く感じだね?」
「ねぇ~ねぇ~、じゃあさぁ~。私行きたいお店があるんだけど、お昼はそこにしない?」
冒険者ギルドに行くまでにまだ時間があることを確認したデイジーが、外食をしたいと提案をしてきた。
特に何も決まっていなかったので、全員一致で昼食は外でとることにした。
ところでなんで誰も王女殿下とのやり取りについて何も言ってくれないんだ……
正直、登城した内容の中で一番俺が疲れた話だったのに……
家を出た俺たちは、デイジーの案内で商業区の屋台村へとやってきた。
「ここ最近でね、ものすごく人気が出たお店があるの。あ、ほらあそこ、かなりの行列でしょ?」
俺とエルダはその店に見覚えがあった。
つい数日前に寄った店だったのだ。
「なぁ、エルダ。これってまさか……」
「そうね、そうかもね……」
「どうしたの二人とも?」
俺たちの態度がおかしかったのか、デイジーが心配して声をかけてきた。
俺たちは慌てながら何でもないと言い返して、店の行列へと並ぶのだった。
「へいいらっしゃい!!どのミートサンドにしますかって、この前の旦那じゃないですか?!やっと会えた!!おい、誰か店番を変わってくれ、少し外す。」
そう言うと男性は、後ろで支度をしていた店の人と交代で出て来た。
「旦那。旦那のおかげでこれだけ人が来てくれるようになりました。本当にありがとう!!旦那がレシピを教えてくれたおかげだ!!」
その男性は俺の手を取るなり、涙を流していた。
その男性曰く、あの時俺からレシピを教えてもらっていなかったら数日後には閉店している予定だったらしい。
家族を養っていた為、どうしたらいいか困り果てていたようだった。
そこに俺がレシピを伝えて、それを商品化したところ大ヒット。
今じゃ従業員3名と男性でやっと回せている状態らしい。
この後にきちんとした店も出す予定だそうだ。
うん、あのなんちゃってサブ〇ェイがこんなことになるとは思わなかったな。
「それで旦那。これを受け取ってほしい。」
男性から渡されたのは契約書だった。
内容は売り上げの5%を毎月収めるというものだ。
これはうれしい誤算だ……
しかしこれは受け取るべきじゃない。
「これは受け取れないよ。これを受け取るためにレシピを教えたんじゃないんだから。」
「いやしかし、それじゃあ俺の気がおさまらねぇ!!」
「わかった、わかったからね?じゃあ、これでどう?俺の代金無料。」
「だめだ、安すぎる……。よし、じゃあ旦那のパーティーメンバー全員で手を打ってくれ。頼む!!」
ここまでいわれたら断れないな……
というわけで、俺たちはおいしくミートサンドをいただきました。
マジでうまかった。
この前食べた味より数段上だったことに、俺とエルダは驚きを隠せなかった。
これぞまさしく情けは人の為ならずってことなんだろうな。
俺が疲れ切ってヘロヘロになって自宅へ帰ると、エルダ達はリビングでくつろいでいた。
「おかえりカイト~。王城はどうだったぁ~?」
ソファーに腰を下ろしたデイジーが、クッキーをかじりながら、のんびりとしていた。
両足ともソファーの上にあり、膝の上にはお気に入りのクッションを抱えていた。
うん、可愛いんだけど……
こっちは狸で腹いっぱいになったっていうのに……理不尽だ!!
「どうもこうもないよ。前に約束したことの再確認ってところだ。」
「そう?話てもらってもいい?」
エルダが念のための確認で、一度話してほしいってことだった。
ポールも聞きたいということなので、城であったことの顛末を説明した。
①勇者の探索依頼
②収納箱(簡易)の200箱の納品※1箱金貨10枚
③正式に国王が後見人になった
④王女殿下との再会の約束をしてしまった……タヌキは嫌い……
説明を聞いたエルダの目が金貨になったのは言うまでもない。
本当になぜこんなに残念女子なのか……
デイジーとポールは説明を聞いて、驚きを隠せずにいた。
俺が召喚者であることは伝えていたが、同時に勇者も召喚されていたとは思っていなかったようだ。
さらに収納箱(簡易)の買い取り額に驚き、最後の国王が後見人になったことで思考停止を起こしたらしい。
「二人とも大丈夫か?」
「カイト……あなたは非常識が服を着て歩いてる自覚を持った方がいいわよ?」
「それは俺も思う。カイト、お前は非常識だ。」
2人からの非常識認定に泣きそうになった。
するとエルダが俺のフォローにまわって……
「二人とも、それは今更よ。」
くれはしなかった。
そして金貨の目は、今だ健在だった。
そろそろもとに戻ろうか?
「しかし、その収納箱(簡易)で得た収益はカイトの物だ。自分で使い道をきちんと決めないとな。」
「たしかにね~。金額で驚いたけど、もらうのはカイトだし。私たちは関係ないからね~。」
ポールとデイジーの言葉に、エルダが正気に戻ったらしい。
「ん、ンん!!カイト、それでこれからどうするの?」
咳ばらいをして通常モードに戻ったエルダがこの後の予定を聞いてきた。
この後についてはほぼ決まっていた。
「午後にはギルド経由で依頼が入るから、それの確認に冒険者ギルドへ行く感じだね?」
「ねぇ~ねぇ~、じゃあさぁ~。私行きたいお店があるんだけど、お昼はそこにしない?」
冒険者ギルドに行くまでにまだ時間があることを確認したデイジーが、外食をしたいと提案をしてきた。
特に何も決まっていなかったので、全員一致で昼食は外でとることにした。
ところでなんで誰も王女殿下とのやり取りについて何も言ってくれないんだ……
正直、登城した内容の中で一番俺が疲れた話だったのに……
家を出た俺たちは、デイジーの案内で商業区の屋台村へとやってきた。
「ここ最近でね、ものすごく人気が出たお店があるの。あ、ほらあそこ、かなりの行列でしょ?」
俺とエルダはその店に見覚えがあった。
つい数日前に寄った店だったのだ。
「なぁ、エルダ。これってまさか……」
「そうね、そうかもね……」
「どうしたの二人とも?」
俺たちの態度がおかしかったのか、デイジーが心配して声をかけてきた。
俺たちは慌てながら何でもないと言い返して、店の行列へと並ぶのだった。
「へいいらっしゃい!!どのミートサンドにしますかって、この前の旦那じゃないですか?!やっと会えた!!おい、誰か店番を変わってくれ、少し外す。」
そう言うと男性は、後ろで支度をしていた店の人と交代で出て来た。
「旦那。旦那のおかげでこれだけ人が来てくれるようになりました。本当にありがとう!!旦那がレシピを教えてくれたおかげだ!!」
その男性は俺の手を取るなり、涙を流していた。
その男性曰く、あの時俺からレシピを教えてもらっていなかったら数日後には閉店している予定だったらしい。
家族を養っていた為、どうしたらいいか困り果てていたようだった。
そこに俺がレシピを伝えて、それを商品化したところ大ヒット。
今じゃ従業員3名と男性でやっと回せている状態らしい。
この後にきちんとした店も出す予定だそうだ。
うん、あのなんちゃってサブ〇ェイがこんなことになるとは思わなかったな。
「それで旦那。これを受け取ってほしい。」
男性から渡されたのは契約書だった。
内容は売り上げの5%を毎月収めるというものだ。
これはうれしい誤算だ……
しかしこれは受け取るべきじゃない。
「これは受け取れないよ。これを受け取るためにレシピを教えたんじゃないんだから。」
「いやしかし、それじゃあ俺の気がおさまらねぇ!!」
「わかった、わかったからね?じゃあ、これでどう?俺の代金無料。」
「だめだ、安すぎる……。よし、じゃあ旦那のパーティーメンバー全員で手を打ってくれ。頼む!!」
ここまでいわれたら断れないな……
というわけで、俺たちはおいしくミートサンドをいただきました。
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この前食べた味より数段上だったことに、俺とエルダは驚きを隠せなかった。
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