勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

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第3章 ここから始まる転換点?

三十三日目⑦ 新人のテンプレ?

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 なんちゃってサブ〇ェイで昼食をとって満足した俺たちは、改めて冒険者ギルドに向かった。

「ところでカイト。なんでさっき売り上げの5%を受け取らなかったの?楽して稼げるんだからもらっても損はないじゃない?」
「確かにね。得はするだろうけど、俺はその為にあのレシピを教えたわけじゃないしね。むしろ俺が食べたいときに食べられるようにって思っただけだし。それでお金貰ったらなんかおかしなことにならない?」
  
 エルダは俺の答えに納得はいかなかったみたいだ。
 こればかりは考え方の違いだから仕方がないのかもしれないな。
 俺としてはたまたまヒットしただけだと思ってるし。
 むしろただで食べれられるって考えたらやっぱりもらい過ぎなんじゃないかなってさえ思えてくるのが不思議だった。
 また今度食べに行こうかな?

 

 大通りを歩いてしばらくすると、冒険者ギルドの看板が目に入ってきた。
 そう言えばこっちに来てから最初に入った施設って冒険者ギルドだったな。
 そして冒険者登録して、見事にテンプレに遭遇したっと。
 懐かしいね。

 俺たちが冒険者ギルドに入ると、酒場の方が騒がしかった。
 どうやら新人が入ってきたようで、テンプレ展開が発生したらしい。
 こいつら暇なの?って思ったのは内緒だ。

 荒くれた先輩冒険者が新人冒険者に手を上げようとした瞬間、酒場に殺気が一気に駆け巡った。
 後ろを振り返るとギルド会館入り口には彼女が立っていた。
 そう、キャサリンさんだ。

「あなた達……、ここでの揉め事はご法度だってわかっているのよね?」

 たった一言そう言うだけで、その場がキャサリンさんに制圧されてしまった。
 先輩冒険者も酔いが一瞬にして醒めたようで、ガクブルと震えているのが良く分かる。
 本当にキャサリンさんって何者なんだろうか……

「次に見かけたらただじゃ置かないからそのつもりでいるように。良いわね?」
「「「はい!!」」」

 一気に姿勢を正した先輩冒険者達は、ダッシュで酒場を後にしたのだった。
 うん、これは新人のテンプレなんだろうか。

「君、ケガはない?」
「はい、ありがとうございます。」

 そこに居たのは、いかにも新人だって感じの少年だった。
 皮装備で固めた姿は当初の俺よりはましなのかもしれないな。
 ただ、その脇に携えている剣に目が行ってしまった。
 新人にしては似つかわしくない剣だからだ。

「だからその剣はやめなさいと言ったでしょ?最初は低品質でも一般の剣を使うべきなのよ。これでわかったでしょ?」
「はい、ですがお金が……。父の形見の剣を手放すわけにもいかないので……」

 その話を聞いていたエルダが、俺の服のすそを引っ張って耳打ちをしてきた。

「ねぇ、カイト。前に使っていた剣ってまだ持ってるわよね?」
「あぁ。アイテムボックスの収納箱の中に入ってるけど……。わかったよ。」

 俺はエルダの言いたいことが分かった。
 俺が前に使っていたショートソードを譲れということなんだろうな。
 俺はみんなから離れて、ギルドの裏手に移動した。
 アイテムボックスから収納箱を取り出して、その中のショートソードを別な袋に入れなおした。
 何食わぬ顔でみんなの元に戻ると、俺はその剣を少年へと差し出した。

「これ、俺が使ってたものだけど、良かったら使ってやってくれないか。ただ眠らせるのはかわいそうだからさ。メンテナンスには『ガンテツ武具店』に行けばやってもらえるはずだ。どうかな?」
「そんな!!もらえませんよ!!」
「いいから。差し出した以上引っ込められないでしょう?」

 それでも渋る少年にどうしたものかと思案していると、エルダが助け舟を出した。

「じゃあ、こういうのはどうかしら。あなたがDランクになる頃にはお金に余裕が出来るはずよ。その時の出世払いってことで。カイトもいいわよね?」
「あぁ、俺はただでもいいんだけどね。でも君の気が済まないというのなら、そうしてもらおうかな。」

 さすがにここまでいわれると少年も断りづらかったんだろう、諦めて受け取ってくれた。
 うん、なんか良い事した感が有るね。

「ありがとうございます。大事に使います。必ずDランクになってお支払いします!!」
「お、少年はやる気が出たみたいだね~。」
「デイジー、からかうもんじゃない。」

 少年は元気いっぱいにDランクになることを宣言した。
 デイジーの言葉にポールが釘をさすと、どっと笑いがこみあげてきた。

「カイト君ありがとうね。君もこれから頑張るのよ?」
「はい!!皆さんありがとうございます!!そうだ、忘れてました。わた、俺はアレクサンダー・リヒトホーフェンって言います。皆にはアレクと呼ばれています。」

 少年は自分から名のってないことに気が付いたようで、慌てて自己紹介を始めた。

「俺はカイト。カイト・イシダテだ。よろしくなアレク。」
「私はエルダよ。」
「デイジーです!!」
「ポールだ。よろしく頼む。」

 順にアレクと握手をすると、アレクはその手をじっと見つめていた。
 そして俺の顔をじっと見つめると、意を決したようにもう一度宣言をした。

「わ、俺。必ずDランク……いや、Sランクになります!!」
「お、いうね。じゃあ、どっちが先にSランクになるか勝負だな?」
「はい!!」

 こうして俺たちは、アレクとの邂逅を果たしたのだった。
 この時の俺はまだ知らなかった。
 この出会いがのちにとんでもない事件へと発展する事を……
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