勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓

文字の大きさ
123 / 246
第4章 ここから始まる勇者様?

四十三日目⑦ 彼らの役割

しおりを挟む
 今日はなんだか疲れてしまった。
 もうさ、何が何だかわかんないんだよ。

 もともと住人が2人増えるって予定だったんだ。
 なのにだ……
 追加で8人だぞ?
 さすがに意味が分からないよ。

「なぁ、エルダ。この状況どう思う?」
「そうね……。諦めましょう……」

 すでにエルダは現実逃避を始めてしまったようだ。
 その目には覇気は無く、ハイライトが消えかかっていた。
 ポールとデイジーも言葉をなくしたように、ただ静かにたたずんでいるだけだった。

「そうだ、レティシア。君たちの部屋とかってどうしたら良いんだ?さすがに何も準備していないぞ?」

 小人たち……、じゃないな。
 キキョウたちと楽しそうにおしゃべりをしているレティシアに声をかけると、優雅にこちらを振り返った。
 その姿はまさにお姫様で、衣装のドレスも決まっていた。
 メイド服調の衣装はマーメードラインの細身のドレスに変わり、三つ編みだった髪も降ろされて、淡い金色のロングヘアがふわりと宙を舞った。

「はい、部屋の準備は不要です。私たちは実体ではありませんから。本体に戻れば問題ありません。」

 レティシアはそう言うと、ふわりとその姿を消したのだった。
 それに合わせてキキョウたちもその姿を消して、俺たちの前からいなくなってしまった。

『ご主人様?これでお判りいただけましたでしょうか。私たちは精霊。実体のない生命なのです。』
『そうじゃの。これでも我らは長きにわたり、いろいろな家を渡り歩いて来ておる。そんじょそこらの年寄りと一緒にせんでほしいのぉ。』

 ホント君たちは意味不明な生き物だよ全く。
 とりあえず出てきてもらって今後の話とかもしないといけないよな。

「レティシア。君たちについてはあらかた分かったから、今後について話し合わないか?場合によっては設計の見直しが必要になるかもしれないからな。」

 すると、レティシアたちはまた姿を現した。
 しかしまた驚かされた。
 全員衣装チェンジしてやがった!!
 どれだけ芸が細かいんだよ……

「レティシア。君たちのそれぞれの役割を教えてくれないか?」
「そうですね。私とキキョウは家事全般を行います。ワカタケは執事長と言えばいいんでしょうか。その下にハバナが見習いとして付きます。ヒイロとギンスズは庭師です。あとテツコンは警備担当です。なおヒイロとワカタケは警備も同時にこなします。サクラは統括役です。」

 これまたびっくり。
 大体役割分担は出来ていたんだな。
 だからさっきの衣装だったわけか。
 今はどちらかと言うと部屋着に近いのかな?
 キキョウとサクラは着物だし、ギンスズは甚平かなそれ?
 しかもキキョウに至っては少し着崩してるし。
 なんでそんなに色香を振りまくんだ?
 ふぅ。これもきっと勇者様案件なんだろうな……
 なんでもありだな勇者様。

「わかったよ。エルダ、明日からはキキョウたちと協力してもらっていいかな?デイジーも大丈夫かい?」
「わかったわ。レティシア、よろしくね。」
「よろしく~」

 そう言うと、エルダとデイジーはレティシアとキキョウと共にキッチンへと移動していった。
 明日からの打ち合わせでもするのかな?

「主様!!」
「どうしたのテツコン?」
「はっ!!私とヒイロはこれより警備に映りたいと思います。正面玄関および裏口を警備します!!」
「そっか。ありがとう。でも無理はダメだからな?」
「はっ!!行くぞヒイロ!!」
「ちょ!!待てよ!!じゃあ行ってくるぜ!!」

 ばたばたと準備をしながら駆けていく二人を見てると、なんだか心配になってくる。
 まあ、守護精霊というのだから大丈夫なんだろうけど。

「それではお屋形様。私は会計の確認を行います。資料などはありますでしょうか。」
「それならエルダが管理してると思いうから聞いてみてもらえるかな?」
「わかりました。ではエルダ様より引継ぎを行い作業に移りたいと思います。」

 そう言って優雅に一礼したワカタケは、エルダの元へと向かっていった。
 なんだかさっきまでの振り回され感が見えなくなったな。
 ハバナは一瞬どうするか迷ったようだけど、一礼を見よう見まねで行いワカタケの後に付いて行った。
 頑張れハバナ!!

「さてさて、儂らはどうするかな?」
「そうですねぇ……。それではカイト様。今後についての予定をお聞かせ願えますでしょうか。皆の行動の予定を建てますので。」

 サクラはさすがに統括役だけあるな。
 今後についてもきちんと考えてるんだから。

 俺はサクラに、今後の建築予定などを話して聞かせた。
 それをメモに取るのかと思いきや、一字一句ギンスズが覚えていったのだ。
 さすがにこれにはポールも驚いていた。
 サクラが覚えるもんだと俺も思っていたからな。
 俺たちの様子を見ていたギンスズは、にやりと口元を緩めて笑っていた。
 どうやら俺たちは試されていたようだな。
 きっとこういう爺さんを老獪って言うのかもしれないな。

 あらかた説明し終えるとサクラは思案の海へと飛び込んでいった。
 おそらく当分は帰ってこないだろうな。

「では儂と一手稽古をしてくれんかな?」

 ギンスズはそう言うと、どこからか取り出した刀を腰に下げ、庭へ歩いていった。
 そして俺とポールはしごきというには生易しい鍛錬を受けることとなった。
 この爺さん強すぎなんだけど!!

 なんだかんだとばたばたした1日が終わりを迎えたのだった……
しおりを挟む
感想 77

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

【土壌改良】で死の荒野がSランク農園に!食べただけでレベルアップする野菜で、世界最強ギルド設立

黒崎隼人
ファンタジー
「え? これ、ただのトマトですよ?」 「いいえ、それは食べただけで魔力が全回復する『神の果実』です!」 ブラック企業で働き詰めだった青年は、異世界の名門貴族の三男・ノアとして転生する。 しかし、授かったスキルは【土壌改良】という地味なもの。 「攻撃魔法も使えない役立たず」と罵られ、魔物すら寄り付かない死の荒野へ追放されてしまう。 だが、彼らは知らなかった。 ノアのスキルは、現代の農業知識と合わせることで、荒れ果てた土地を「Sランク食材」が溢れる楽園に変えるチート能力だったことを! 伝説の魔獣(もふもふ)をキュウリ一本で手懐け、行き倒れた天才エルフを極上スープで救い出し、気づけば荒野には巨大な「農業ギルド」が誕生していた。 これは、本人がただ美味しい野菜を作ってのんびり暮らしたいだけなのに、周囲からは「世界を救う大賢者」と崇められてしまう、無自覚・最強の農業ファンタジー!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。