34 / 142
第5章 壁の先にあるもの
第34話 擬態種
しおりを挟む
辛くも回避に成功したリチャードだったが、ダメージが無かったではなかった。
精神的にかなりのダメージを受けており、顔色が優れなかった。
「くそ、擬態型か……。大丈夫かリチャード?」
「あ、あぁ。こうもリアルに擬態されると、さすがにくるものがあるな……」
明らかに精神的ダメージを負っているリチャードに声をかけつつも、茂みを警戒しているアドリアーノ。
リヒテルもまた同じく警戒を怠らないようにしていた。
ぐにゃりと形を変えながら茂みから現れたのは、中心に球体の躯体を持っただけで周囲をドロドロとした粘体で覆われたものだった。
その中心の躯体が機械化されており、それが機械魔であることを容易に想像させる。
「ちっ、魔物がベースか……。こいつや厄介だな。」
舌打ちをしながら観察を続けるアドリアーノ。
そして左の腕輪から何かを取り出す。
取り出されたのはハードカバーの書物であった。
しかし、その書物にはチェーンで封がされており、どうやっても読むことはできそうになかった。
そもそも戦闘中に書物を読むなど自殺行為である。
アドリアーノは気にする素振りもなくその書物に手を当てる。
すると本を中心に眩い光が溢れ出す。
光がさらに強さを増して、とうとう封印のチェーンが全て外れてしまった。
外れたチェーンは意思を持ったかの様に、うねりながらアドリアーノの周囲に浮遊していた。
【封印された鎖の悪魔】
それがアドリアーノが手にしていた魔道具である。
自身の魔素をエネルギーとし、周囲に浮遊するチェーンを自在に操る魔道具。
そのチェーンの長さも魔素次第で、伸縮自在であった。
「こいつは俺が抑える!!リヒテル、一発勝負だ!!外すなよ?」
「はい!!」
リヒテルはいまだグニャグニャと形を変え続ける機械魔を前に、手にしたアサルトライフル型魔砲を構える。
貫通力を上げるためにリヒテルはさらに集中を上げ、左目側に装着した射撃管制補助装置を静かに下す。
「ターゲット補足。」
射撃管制補助装置から見える視界には、いくつもの図形や数字が踊り並ぶ。
ターゲットサークルを擬態種へ合わせると、距離などがそこに映し出されていく。
さらに深く……より深く集中していくリヒテル。
そしてその時が訪れる。
魔砲使いだけが立ち入ることのできる世界。
すべてがスローモーションに見える世界。
リヒテルは準備を進める。
「魔弾装填。」
リヒテルの声に射撃管制補助装置が反応する。
聞こえてくるのは機械音声だ。
———第一層 属性指定……照準追尾を選択……了承しました———
機械音声の音ともともに魔砲に変化が起こる。
光の輪が銃口に形成される。
それと同時に強烈な違和感を起こす音が聞こえてくる。
———第二層 属性指定……穿孔を選択……了承しました———
先ほどの光の輪にさらにもう一つ重なっていく
リヒテルが選んだ【穿孔】は接触したものを貫くのではなく、穴を穿つものだ。
貫通力を犠牲にし、ただ一点に深い穴をあける。
———第三層 属性指定……破砕を選択……了承しました———
そして最後の属性は【破砕】。
すべてを砕く無慈悲なる破壊の暴力。
「魔砲陣展開!!」
キュイーーーーーーーーン!!
先ほどよりもさらな激しく不快な音が響き渡る。
最後の属性を選択し終えると、リヒテルの魔砲がさらなる変化を起こす。
三つの光の輪が銃口から先へ移動していく。
魔砲陣が形成されていく。
魔砲陣によって延長された銃口により、アサルトライフルというよりもスナイパーライフルと言ってもおかしくはないフォルムへと変化した。
徐々に回転を始める魔砲陣。
———魔砲陣展開完了……発射条件クリア……スタンバイ———
「撃てます!!」
リヒテルが叫ぶと、先ほどまでスローモーションだった世界が色を取り戻す。
リヒテルにとっては5分ほどの時間であったが、アドリアーノたちにとっては2分もかからない時間の出来事だった。
その間、アドリアーノたちも準備を進めていた。
アドリアーノが封印された鎖の悪魔を使い機械魔の動きを抑え込む。
グネグネと動きまわる機械魔。
それを追い回すチェーン。
さらに隙あらば機械魔はその粘体を変形させて攻撃を仕掛けてくる。
時には地面をつたい突起物を地面から伸ばしたり、接近をしようとしたリチャードに対して全身を棘だらけにしてみたりと、多種多様な攻撃を仕掛けてくる。
リチャードはリヒテルの声を聴いた瞬間、空気が一瞬で切り替わった。
時間稼ぎではない、本気モードだ。
一足飛びで間合いを詰めるも機械魔は先ほどと同じように体を棘だらけにしてしまった。
普通の人間であれば全身穴だらけになったに違いない。
しかし、対峙した男は違った。
〝不撓不屈〟
リチャードをリチャードたらしめる二つ名。
手にした大楯を前方に構えると技能【加重操作】を発動させる。
加速のための-加重。
一瞬にしてトップスピードに達するリチャード。
接触ぎりぎりのタイミングでまたも技能【加重操作】を発動させた。
今度は+加重。
慣性が極大化したリチャードは動く砲丸だ。
構えた大楯が機械魔に衝突し、激しい音が森にこだまする。
機械魔はその粘体をもって衝撃を吸収しようと試みる。
しかし掛かる衝撃を逃がすことは叶わず、激しい衝突音とともに後方へと吹き飛ばされる。
そこへ待ってましたとばかりにアドリアーノがチェーンで網を構築し、絡めとってしまった。
チェーンの網から逃れようと必死でもがく機械魔。
しかしそれは叶うことはなかった。
戦場をかける一筋の光。
音も無くその光は機械魔に到達した。
そして遅れて聞こえてくる破砕音。
激しい音の後には静寂だけが残されたのだった。
リヒテルはアドリアーノが拘束を完了させると同時に、手にしていた魔砲の引き金を引いた。
激しい不快音とともに激しく回りだす魔砲陣。
引き金が引かれて一拍もおかずに、魔弾が戦場を駆け抜ける。
それは光の帯となり、誰しもの目に留まった。
そして、次の瞬間。
先ほどまでもがいていた機械魔はその活動を終了させたのだった。
「さすがとしか言いようないな。」
「まあ、リヒテルはやれる子だからね。」
リチャードが感心していると、会話に入ってきたのは弓術士のエイミーだった。
リチャードよりも背は大きく、全身が引き締まったような体つきである。
しかしほとんどの人間がそんな特徴など気にはしなかった。
彼女の特徴がそれを上回ってしまっているからだ。
彼女の耳は長くとがっているからだ。
魔石崩壊後に現れた特徴で、一千万人に一人の割合で現れた。
その特徴から彼女たちは〝エルフ種〟と呼ばれるようになった。
ファンタジーの世界から出てきたような姿に、熱烈なファンが付いたほどであった。
そのほかにも身体的特徴の変化が現れた人々がいた。
身長がさほど伸びず、全身が鋼のような筋肉に覆われた〝ドワーフ種〟。
動物的特徴を得た〝獣人種〟。
彼らはまだまだその数は多くはなく、稀に出会う程度であった。
しかしそれも近年その数が増えつつあり、〝人種〟との交配で生まれる子供は〝人種〟以外の特徴を受け継ぐのだった。
そんな彼らには共通点があった。
そろって魔素の濃い地域がその種の発生源だったのだ。
いまだこれは研究段階の仮説にすぎないが、魔素の影響で突然変異を起こしたというのが一般的認識となっていた。
———閑話休題———
リヒテルがどう反応していいか困っていると、エイミーがリヒテルの背をバシバシと叩いてきた。
見た目とは裏腹に豪弓を引くだけあってその力強さは折り紙付きであった。
エイミーとしてはリヒテルが大のお気に入りのようで、何かにつけて気にかけていたようであった。
リヒテル自身悪い気はしておらず、その行動にいろいろな場面で助けられていた。
「また始まったよ。リヒテル気をつけろよ?こいつは手が早いからな?」
「うるさいよ、筋肉だるま!!」
リヒテルでひとしきり遊んでいたエイミーに別な一人の男性が声をかけてきたのだった。
精神的にかなりのダメージを受けており、顔色が優れなかった。
「くそ、擬態型か……。大丈夫かリチャード?」
「あ、あぁ。こうもリアルに擬態されると、さすがにくるものがあるな……」
明らかに精神的ダメージを負っているリチャードに声をかけつつも、茂みを警戒しているアドリアーノ。
リヒテルもまた同じく警戒を怠らないようにしていた。
ぐにゃりと形を変えながら茂みから現れたのは、中心に球体の躯体を持っただけで周囲をドロドロとした粘体で覆われたものだった。
その中心の躯体が機械化されており、それが機械魔であることを容易に想像させる。
「ちっ、魔物がベースか……。こいつや厄介だな。」
舌打ちをしながら観察を続けるアドリアーノ。
そして左の腕輪から何かを取り出す。
取り出されたのはハードカバーの書物であった。
しかし、その書物にはチェーンで封がされており、どうやっても読むことはできそうになかった。
そもそも戦闘中に書物を読むなど自殺行為である。
アドリアーノは気にする素振りもなくその書物に手を当てる。
すると本を中心に眩い光が溢れ出す。
光がさらに強さを増して、とうとう封印のチェーンが全て外れてしまった。
外れたチェーンは意思を持ったかの様に、うねりながらアドリアーノの周囲に浮遊していた。
【封印された鎖の悪魔】
それがアドリアーノが手にしていた魔道具である。
自身の魔素をエネルギーとし、周囲に浮遊するチェーンを自在に操る魔道具。
そのチェーンの長さも魔素次第で、伸縮自在であった。
「こいつは俺が抑える!!リヒテル、一発勝負だ!!外すなよ?」
「はい!!」
リヒテルはいまだグニャグニャと形を変え続ける機械魔を前に、手にしたアサルトライフル型魔砲を構える。
貫通力を上げるためにリヒテルはさらに集中を上げ、左目側に装着した射撃管制補助装置を静かに下す。
「ターゲット補足。」
射撃管制補助装置から見える視界には、いくつもの図形や数字が踊り並ぶ。
ターゲットサークルを擬態種へ合わせると、距離などがそこに映し出されていく。
さらに深く……より深く集中していくリヒテル。
そしてその時が訪れる。
魔砲使いだけが立ち入ることのできる世界。
すべてがスローモーションに見える世界。
リヒテルは準備を進める。
「魔弾装填。」
リヒテルの声に射撃管制補助装置が反応する。
聞こえてくるのは機械音声だ。
———第一層 属性指定……照準追尾を選択……了承しました———
機械音声の音ともともに魔砲に変化が起こる。
光の輪が銃口に形成される。
それと同時に強烈な違和感を起こす音が聞こえてくる。
———第二層 属性指定……穿孔を選択……了承しました———
先ほどの光の輪にさらにもう一つ重なっていく
リヒテルが選んだ【穿孔】は接触したものを貫くのではなく、穴を穿つものだ。
貫通力を犠牲にし、ただ一点に深い穴をあける。
———第三層 属性指定……破砕を選択……了承しました———
そして最後の属性は【破砕】。
すべてを砕く無慈悲なる破壊の暴力。
「魔砲陣展開!!」
キュイーーーーーーーーン!!
先ほどよりもさらな激しく不快な音が響き渡る。
最後の属性を選択し終えると、リヒテルの魔砲がさらなる変化を起こす。
三つの光の輪が銃口から先へ移動していく。
魔砲陣が形成されていく。
魔砲陣によって延長された銃口により、アサルトライフルというよりもスナイパーライフルと言ってもおかしくはないフォルムへと変化した。
徐々に回転を始める魔砲陣。
———魔砲陣展開完了……発射条件クリア……スタンバイ———
「撃てます!!」
リヒテルが叫ぶと、先ほどまでスローモーションだった世界が色を取り戻す。
リヒテルにとっては5分ほどの時間であったが、アドリアーノたちにとっては2分もかからない時間の出来事だった。
その間、アドリアーノたちも準備を進めていた。
アドリアーノが封印された鎖の悪魔を使い機械魔の動きを抑え込む。
グネグネと動きまわる機械魔。
それを追い回すチェーン。
さらに隙あらば機械魔はその粘体を変形させて攻撃を仕掛けてくる。
時には地面をつたい突起物を地面から伸ばしたり、接近をしようとしたリチャードに対して全身を棘だらけにしてみたりと、多種多様な攻撃を仕掛けてくる。
リチャードはリヒテルの声を聴いた瞬間、空気が一瞬で切り替わった。
時間稼ぎではない、本気モードだ。
一足飛びで間合いを詰めるも機械魔は先ほどと同じように体を棘だらけにしてしまった。
普通の人間であれば全身穴だらけになったに違いない。
しかし、対峙した男は違った。
〝不撓不屈〟
リチャードをリチャードたらしめる二つ名。
手にした大楯を前方に構えると技能【加重操作】を発動させる。
加速のための-加重。
一瞬にしてトップスピードに達するリチャード。
接触ぎりぎりのタイミングでまたも技能【加重操作】を発動させた。
今度は+加重。
慣性が極大化したリチャードは動く砲丸だ。
構えた大楯が機械魔に衝突し、激しい音が森にこだまする。
機械魔はその粘体をもって衝撃を吸収しようと試みる。
しかし掛かる衝撃を逃がすことは叶わず、激しい衝突音とともに後方へと吹き飛ばされる。
そこへ待ってましたとばかりにアドリアーノがチェーンで網を構築し、絡めとってしまった。
チェーンの網から逃れようと必死でもがく機械魔。
しかしそれは叶うことはなかった。
戦場をかける一筋の光。
音も無くその光は機械魔に到達した。
そして遅れて聞こえてくる破砕音。
激しい音の後には静寂だけが残されたのだった。
リヒテルはアドリアーノが拘束を完了させると同時に、手にしていた魔砲の引き金を引いた。
激しい不快音とともに激しく回りだす魔砲陣。
引き金が引かれて一拍もおかずに、魔弾が戦場を駆け抜ける。
それは光の帯となり、誰しもの目に留まった。
そして、次の瞬間。
先ほどまでもがいていた機械魔はその活動を終了させたのだった。
「さすがとしか言いようないな。」
「まあ、リヒテルはやれる子だからね。」
リチャードが感心していると、会話に入ってきたのは弓術士のエイミーだった。
リチャードよりも背は大きく、全身が引き締まったような体つきである。
しかしほとんどの人間がそんな特徴など気にはしなかった。
彼女の特徴がそれを上回ってしまっているからだ。
彼女の耳は長くとがっているからだ。
魔石崩壊後に現れた特徴で、一千万人に一人の割合で現れた。
その特徴から彼女たちは〝エルフ種〟と呼ばれるようになった。
ファンタジーの世界から出てきたような姿に、熱烈なファンが付いたほどであった。
そのほかにも身体的特徴の変化が現れた人々がいた。
身長がさほど伸びず、全身が鋼のような筋肉に覆われた〝ドワーフ種〟。
動物的特徴を得た〝獣人種〟。
彼らはまだまだその数は多くはなく、稀に出会う程度であった。
しかしそれも近年その数が増えつつあり、〝人種〟との交配で生まれる子供は〝人種〟以外の特徴を受け継ぐのだった。
そんな彼らには共通点があった。
そろって魔素の濃い地域がその種の発生源だったのだ。
いまだこれは研究段階の仮説にすぎないが、魔素の影響で突然変異を起こしたというのが一般的認識となっていた。
———閑話休題———
リヒテルがどう反応していいか困っていると、エイミーがリヒテルの背をバシバシと叩いてきた。
見た目とは裏腹に豪弓を引くだけあってその力強さは折り紙付きであった。
エイミーとしてはリヒテルが大のお気に入りのようで、何かにつけて気にかけていたようであった。
リヒテル自身悪い気はしておらず、その行動にいろいろな場面で助けられていた。
「また始まったよ。リヒテル気をつけろよ?こいつは手が早いからな?」
「うるさいよ、筋肉だるま!!」
リヒテルでひとしきり遊んでいたエイミーに別な一人の男性が声をかけてきたのだった。
10
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
軽トラの荷台にダンジョンができました★車ごと【非破壊オブジェクト化】して移動要塞になったので快適探索者生活を始めたいと思います
こげ丸
ファンタジー
===運べるプライベートダンジョンで自由気ままな快適最強探索者生活!===
ダンジョンが出来て三〇年。平凡なエンジニアとして過ごしていた主人公だが、ある日突然軽トラの荷台にダンジョンゲートが発生したことをきっかけに、遅咲きながら探索者デビューすることを決意する。
でも別に最強なんて目指さない。
それなりに強くなって、それなりに稼げるようになれれば十分と思っていたのだが……。
フィールドボス化した愛犬(パグ)に非破壊オブジェクト化して移動要塞と化した軽トラ。ユニークスキル「ダンジョンアドミニストレーター」を得てダンジョンの管理者となった主人公が「それなり」ですむわけがなかった。
これは、プライベートダンジョンを利用した快適生活を送りつつ、最強探索者へと駆け上がっていく一人と一匹……とその他大勢の配下たちの物語。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる