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十回目
第25話
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ピンポーン
それから学校の準備をしてリビングに戻ると丁度良く輝の到着を知らせるチャイムが鳴る。
さすが輝、いつも通りの時間に到着だ。
「おはよう輝」
「おはよう悠一。あ、今日はルリちゃんも一緒なんだね?」
輝は僕の後ろで準備しているルリに視線を送ると、ニコリと微笑みを浮かべている。
何このイケメンスマイル⁈
僕が女性だったらときめきを覚えたかもしれないが……僕は男性で良かったと心底思った。
「あ、ひ、輝君。お、おはようございます!!」
ルリは緊張したように、声を上ずらせ、頬にイチゴを載せているみたいだった。
これはこれは……もしかしてルリの奴……輝に好意を持っているのか?
「それがさ、朝のニュースみただろ?それで父さんがみんなで学校行けって。これも安全対策って言えば安全対策だしね。途中で愛理の他にも、ルリの友達とも合流する予定になってる。輝に相談なしで悪いね」
「構わないさ。それに安全に行けるならそれに越したことはないからね」
チリン……
え?なんであの鈴の音が?
僕の心臓が一気に凍り付く思いがした。
慌てて周囲を確認するがそれらしき人物が見当たらない。
フードを目深にかぶった人物がいれば、それこそすぐに見つかるはずなのに。
チリン……
え?どういうことだ。
どこから……
そうして周囲を注意深く探っていると、ルリのカバンについているお守りに目が行った。
そこには交通安全のお守りと共に、同じ色の鈴が取り付けられていた。
「ルリ……そのお守りってどうしたの?」
「え?これの事?」
ルリは鞄を軽く持ち上げると、そのお守りを見せてくれた。
お守り自体は何処にでもありそうな交通安全と書かれたものだった。
「これね、いつも初詣行く神社で、先週から発売した新しいお守りなんだって。それで一昨日友達から貰ったの。可愛いでしょ?」
ルリはそれを自慢するようにニコニコと笑っていた。
確かに水色のお守りと、同じく水色の鈴はルリのイメージにぴったりだった。
ころころと変わる表情と言い、空手の時の凛とした眼差しと言い、水の流れを思わせるから。
ただ、これはこれでおかしい……
前回までのループ世界でルリはお守りを付けていなかったはず……
でもなんで今回に限ってお守りを付けていたんだ?
時間が戻るのなら、朝のスタートはを起点にしているんじゃないのか?
そうじゃないとした、いったい何が原因なんだ……
僕は思考の沼に入りかけてた。
「確かに可愛いね。ルリちゃんにぴったりだ。お友達もセンスがいいね」
「あ、ありがとう……ございます」
ふと、意識を現実世界に戻すと、ルリがぎこちない返事を輝に返していた。
僕は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
我が妹ながら、なかなか難儀だなと。
輝はというと、あまり気にした様子もないみたいだ。
まあ、あれだけモテまくっていれば、女の子の扱いなんて普通の事なんだろうな。
がんばれルリ!!
お兄ちゃんは陰ながら応援しているぞ!!
輝……ルリを泣かせたら、絶対に芝き倒す!!
なんて無駄なことを考えてしまった。
それから僕たちはいつも通りに通学していく。
ルリは時間が経ってもどこか緊張気味で、輝はそれを見て少しだけ苦笑いを浮かべていた。
そりゃ、いくら輝だからと言って、こうも緊張されていたら、やりずらいよな。
「なあリル……アホ毛出てるぞ?さっきちゃんと直さなかったろ。少し止まって」
ふとルリの頭を見ると、どうしても気になってしまう毛が数本あった。
僕はあまりにも気になったために、ルリを一旦静止させた後、手持ちの櫛でルリの髪の毛を梳くと、きれいに結いなおした。
うん、これでもう大丈夫だろう。
「ありがとう、お兄ちゃん」
「どういたしまして。待たせて悪かったな輝」
輝は「気にしてないよ」というと、優し気な笑みを浮かべていた。
朝の澄んだ空気が心地良い。
僕らの歩む通学路には、夏の朝日が差し込み、木々の葉が揺れる音が耳に心地よく響く。
通学路には既に多くの学生たちが集まっており、皆それぞれの友達と楽しそうに話していた。
それから学校の準備をしてリビングに戻ると丁度良く輝の到着を知らせるチャイムが鳴る。
さすが輝、いつも通りの時間に到着だ。
「おはよう輝」
「おはよう悠一。あ、今日はルリちゃんも一緒なんだね?」
輝は僕の後ろで準備しているルリに視線を送ると、ニコリと微笑みを浮かべている。
何このイケメンスマイル⁈
僕が女性だったらときめきを覚えたかもしれないが……僕は男性で良かったと心底思った。
「あ、ひ、輝君。お、おはようございます!!」
ルリは緊張したように、声を上ずらせ、頬にイチゴを載せているみたいだった。
これはこれは……もしかしてルリの奴……輝に好意を持っているのか?
「それがさ、朝のニュースみただろ?それで父さんがみんなで学校行けって。これも安全対策って言えば安全対策だしね。途中で愛理の他にも、ルリの友達とも合流する予定になってる。輝に相談なしで悪いね」
「構わないさ。それに安全に行けるならそれに越したことはないからね」
チリン……
え?なんであの鈴の音が?
僕の心臓が一気に凍り付く思いがした。
慌てて周囲を確認するがそれらしき人物が見当たらない。
フードを目深にかぶった人物がいれば、それこそすぐに見つかるはずなのに。
チリン……
え?どういうことだ。
どこから……
そうして周囲を注意深く探っていると、ルリのカバンについているお守りに目が行った。
そこには交通安全のお守りと共に、同じ色の鈴が取り付けられていた。
「ルリ……そのお守りってどうしたの?」
「え?これの事?」
ルリは鞄を軽く持ち上げると、そのお守りを見せてくれた。
お守り自体は何処にでもありそうな交通安全と書かれたものだった。
「これね、いつも初詣行く神社で、先週から発売した新しいお守りなんだって。それで一昨日友達から貰ったの。可愛いでしょ?」
ルリはそれを自慢するようにニコニコと笑っていた。
確かに水色のお守りと、同じく水色の鈴はルリのイメージにぴったりだった。
ころころと変わる表情と言い、空手の時の凛とした眼差しと言い、水の流れを思わせるから。
ただ、これはこれでおかしい……
前回までのループ世界でルリはお守りを付けていなかったはず……
でもなんで今回に限ってお守りを付けていたんだ?
時間が戻るのなら、朝のスタートはを起点にしているんじゃないのか?
そうじゃないとした、いったい何が原因なんだ……
僕は思考の沼に入りかけてた。
「確かに可愛いね。ルリちゃんにぴったりだ。お友達もセンスがいいね」
「あ、ありがとう……ございます」
ふと、意識を現実世界に戻すと、ルリがぎこちない返事を輝に返していた。
僕は思わず苦笑いを浮かべてしまう。
我が妹ながら、なかなか難儀だなと。
輝はというと、あまり気にした様子もないみたいだ。
まあ、あれだけモテまくっていれば、女の子の扱いなんて普通の事なんだろうな。
がんばれルリ!!
お兄ちゃんは陰ながら応援しているぞ!!
輝……ルリを泣かせたら、絶対に芝き倒す!!
なんて無駄なことを考えてしまった。
それから僕たちはいつも通りに通学していく。
ルリは時間が経ってもどこか緊張気味で、輝はそれを見て少しだけ苦笑いを浮かべていた。
そりゃ、いくら輝だからと言って、こうも緊張されていたら、やりずらいよな。
「なあリル……アホ毛出てるぞ?さっきちゃんと直さなかったろ。少し止まって」
ふとルリの頭を見ると、どうしても気になってしまう毛が数本あった。
僕はあまりにも気になったために、ルリを一旦静止させた後、手持ちの櫛でルリの髪の毛を梳くと、きれいに結いなおした。
うん、これでもう大丈夫だろう。
「ありがとう、お兄ちゃん」
「どういたしまして。待たせて悪かったな輝」
輝は「気にしてないよ」というと、優し気な笑みを浮かべていた。
朝の澄んだ空気が心地良い。
僕らの歩む通学路には、夏の朝日が差し込み、木々の葉が揺れる音が耳に心地よく響く。
通学路には既に多くの学生たちが集まっており、皆それぞれの友達と楽しそうに話していた。
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