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十二回目
第29話
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——————今日は20✕✕年8月5日の朝です!!朝です!!起きるのです!!——————
また……
逃げられなかった……
どうやって犯人は僕の居場所を見つけたんだ……
分からない……
分からない……
分からない……
もう、窓を開けるのも面倒だ。
このままここで待ってたら、犯人がやってくるのかな……
そうしたら、面倒なことを考えなくて済むのか……
「悠一……具合でも悪いの?起きられそう?」
いつまでも起きてこない僕を心配してそうな母さんが、僕の生存確認をしに2階まで来たらしい……
どうせ殺される運命の僕の生存確認なんた必要ないだろうに。
どうせ母さんだってAI搭載型のアンドロイドかなんかなんだろ?
この世界で生きているのは僕だけだろうし……
そもそも僕も生きているのか?
だって、普通の人間が何度も死んで何度も生き返るなんてありえないだろ?
もしかしてここは僕の夢の世界で、ずっと夢を見続けているんじゃ?
もしくは僕自身がAI搭載型アンドロイドとか……
それなら納得がいくな。
アンドロイドならきっと発信機がついてるだろうし、機械だから何度もやり直せる。
きっとこの思考自体AIだから可能なんじゃないのか?
だから僕は開発組織に危険だと判断されて破壊されそうになってるんじゃ……
そう考えると、これまでの事だって理解できる。
きっと僕という存在は、クラウド型AIとして機能していて、僕が【僕が死ぬ=情報がクラウドに記録される】って流れに違いない。
そうかそうか、そうだったのか。
つまり僕は人間じゃなかったのか。
人間だと思ってたけど、僕はロボットだったんだ。
家族だと思っていたのは、家族を模倣した家族のような存在で、親友だと思っていた輝だって、愛理だって同じだ。
皆で僕をだましてたんだ。
皆で僕を嘲笑ってたんだ……
そうだ、なら僕は確かめなきゃ……
僕が本当に人間なのか、ロボットなのか。
僕は重い躯体をゆっくりとベッドから降ろし、机の引き出しに手をかける。
きっとアンドロイドだから力いっぱい引っ張ると壊れてしまうから、僕は壊れやすいものをいたわるように、そっと引き出しを引く。
そこには僕の愛用していた文具たちが整頓されて並んでいる。
どれも愛着のある文具たちで、万年筆など父さんから貰った物も一緒に並んでいる。
その中から、カッターナイフを取り出しす。
カチリカチリとカッターの刃を引き出す。
いつもきれいに使っているとはいえ、大分刃先がこぼれているな。
僕はついでと思い、引き出しから替え刃を取りだし刃を交換する。
きらりと光る新しい刃が、やたらと綺麗だと思えてしまった。
取り替えた刃を見ていると、何かその綺麗さに引き込まれてしまいそうになる。
そして僕は僕の躯体を確かめるように、そっと左腕にカッターを突き立てる。
ザクリと突き刺さったカッターの傷口から、赤い液体があふれ出す。
それが何か僕にはわからない。
痛みもなく、やはり僕はアンドロイドだと思い知らされる。
カッターを引き抜くと、全身に遅れて痛みが駆け巡る。
きっとこれも脳の代わりに入っている高性能コンピューターが、疑似的に僕に感じさせているんだ。
だらだらと垂れる液体が、やけにぬるっとしてた。
「お兄ちゃん?本当に大丈夫?開けるよ……って、お兄ちゃん⁈何やテルのお兄ちゃん!!お母さん!!お父さん!!早く来て!!お兄ちゃんが大変!!」
ルリの騒がしい声に、父さんたちが慌てて二階に駆けあがってきた。
そんな心配する振りなんてしなくていいのに。
どうせ壊れたら直せばいいし、直らなけらば取り換えればいいんだから。
「どうしたルリ……って、悠一!!何やっているんだお前!!」
父さんが慌てて僕からカッターナイフを取り上げる。
そんなに慌てた振りしなくてもいいのに。
ほら、見てよこれ……
僕の躯体の構造がよく見えるでしょ?
「ルリ!!急いでタオルを持ってこい!!母さんに救急車を呼んでもらうんだ!!急げ!!」
「どうしてそんなに慌てるの?壊れたら直せばいいだけでしょ?」
父さんがなぜか驚いた表情を浮かべていた。
ほら、やっぱりそうだ。
ばれたって思ったんでしょ?
だからそんなに慌ててるんだ。
遠くからサイレンの音が聞こえる。
戻ってきたルリからタオルを受け取った父さんは、僕の腕にタオルを巻くと、必死に抑え込んでいた。
どうしようと漏れ出る液体を止める事なんてできないよ。
だって、僕はアンドロイドなんだし、勝手に傷口が塞がる事なんてあるわけがないんだから。
あぁ、なんか音が聞こえずらくなってきたな。
何かくぐもったような音になってきた。
ついに収音機能もエラーを起こしてきたのかもしれない。
おそらく漏れ出た液体は、そう言った部分にエネルギーを運ぶ役割をしていたんだと思う。
本当に僕の躯体は面白いね。
もしかしたらこの世界の最先端技術なんじゃないのかな?
そうか、もしかしたら父さんは職業をサラリーマンなんて言ってたけど、本当は世界最高峰の科学者なのかもしれないね。
そうか、それなら僕という存在に納得ができる。
あぁ、今度は視覚器官にエラーが出始めた……
そうか、僕は壊れてしまったんだ……
修理してくれないかな。
また……
逃げられなかった……
どうやって犯人は僕の居場所を見つけたんだ……
分からない……
分からない……
分からない……
もう、窓を開けるのも面倒だ。
このままここで待ってたら、犯人がやってくるのかな……
そうしたら、面倒なことを考えなくて済むのか……
「悠一……具合でも悪いの?起きられそう?」
いつまでも起きてこない僕を心配してそうな母さんが、僕の生存確認をしに2階まで来たらしい……
どうせ殺される運命の僕の生存確認なんた必要ないだろうに。
どうせ母さんだってAI搭載型のアンドロイドかなんかなんだろ?
この世界で生きているのは僕だけだろうし……
そもそも僕も生きているのか?
だって、普通の人間が何度も死んで何度も生き返るなんてありえないだろ?
もしかしてここは僕の夢の世界で、ずっと夢を見続けているんじゃ?
もしくは僕自身がAI搭載型アンドロイドとか……
それなら納得がいくな。
アンドロイドならきっと発信機がついてるだろうし、機械だから何度もやり直せる。
きっとこの思考自体AIだから可能なんじゃないのか?
だから僕は開発組織に危険だと判断されて破壊されそうになってるんじゃ……
そう考えると、これまでの事だって理解できる。
きっと僕という存在は、クラウド型AIとして機能していて、僕が【僕が死ぬ=情報がクラウドに記録される】って流れに違いない。
そうかそうか、そうだったのか。
つまり僕は人間じゃなかったのか。
人間だと思ってたけど、僕はロボットだったんだ。
家族だと思っていたのは、家族を模倣した家族のような存在で、親友だと思っていた輝だって、愛理だって同じだ。
皆で僕をだましてたんだ。
皆で僕を嘲笑ってたんだ……
そうだ、なら僕は確かめなきゃ……
僕が本当に人間なのか、ロボットなのか。
僕は重い躯体をゆっくりとベッドから降ろし、机の引き出しに手をかける。
きっとアンドロイドだから力いっぱい引っ張ると壊れてしまうから、僕は壊れやすいものをいたわるように、そっと引き出しを引く。
そこには僕の愛用していた文具たちが整頓されて並んでいる。
どれも愛着のある文具たちで、万年筆など父さんから貰った物も一緒に並んでいる。
その中から、カッターナイフを取り出しす。
カチリカチリとカッターの刃を引き出す。
いつもきれいに使っているとはいえ、大分刃先がこぼれているな。
僕はついでと思い、引き出しから替え刃を取りだし刃を交換する。
きらりと光る新しい刃が、やたらと綺麗だと思えてしまった。
取り替えた刃を見ていると、何かその綺麗さに引き込まれてしまいそうになる。
そして僕は僕の躯体を確かめるように、そっと左腕にカッターを突き立てる。
ザクリと突き刺さったカッターの傷口から、赤い液体があふれ出す。
それが何か僕にはわからない。
痛みもなく、やはり僕はアンドロイドだと思い知らされる。
カッターを引き抜くと、全身に遅れて痛みが駆け巡る。
きっとこれも脳の代わりに入っている高性能コンピューターが、疑似的に僕に感じさせているんだ。
だらだらと垂れる液体が、やけにぬるっとしてた。
「お兄ちゃん?本当に大丈夫?開けるよ……って、お兄ちゃん⁈何やテルのお兄ちゃん!!お母さん!!お父さん!!早く来て!!お兄ちゃんが大変!!」
ルリの騒がしい声に、父さんたちが慌てて二階に駆けあがってきた。
そんな心配する振りなんてしなくていいのに。
どうせ壊れたら直せばいいし、直らなけらば取り換えればいいんだから。
「どうしたルリ……って、悠一!!何やっているんだお前!!」
父さんが慌てて僕からカッターナイフを取り上げる。
そんなに慌てた振りしなくてもいいのに。
ほら、見てよこれ……
僕の躯体の構造がよく見えるでしょ?
「ルリ!!急いでタオルを持ってこい!!母さんに救急車を呼んでもらうんだ!!急げ!!」
「どうしてそんなに慌てるの?壊れたら直せばいいだけでしょ?」
父さんがなぜか驚いた表情を浮かべていた。
ほら、やっぱりそうだ。
ばれたって思ったんでしょ?
だからそんなに慌ててるんだ。
遠くからサイレンの音が聞こえる。
戻ってきたルリからタオルを受け取った父さんは、僕の腕にタオルを巻くと、必死に抑え込んでいた。
どうしようと漏れ出る液体を止める事なんてできないよ。
だって、僕はアンドロイドなんだし、勝手に傷口が塞がる事なんてあるわけがないんだから。
あぁ、なんか音が聞こえずらくなってきたな。
何かくぐもったような音になってきた。
ついに収音機能もエラーを起こしてきたのかもしれない。
おそらく漏れ出た液体は、そう言った部分にエネルギーを運ぶ役割をしていたんだと思う。
本当に僕の躯体は面白いね。
もしかしたらこの世界の最先端技術なんじゃないのかな?
そうか、もしかしたら父さんは職業をサラリーマンなんて言ってたけど、本当は世界最高峰の科学者なのかもしれないね。
そうか、それなら僕という存在に納得ができる。
あぁ、今度は視覚器官にエラーが出始めた……
そうか、僕は壊れてしまったんだ……
修理してくれないかな。
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