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十四回目
第36話
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ピンポーン
規定通りの時間に、輝の到着を知らせるチャイムが鳴る。
僕は学校の準備を終えると、すぐに一階に向かう。
「おはよう輝」
「おはよう悠一。今日はなんだかご機嫌みたいだね?」
あれ?分かったった?
犯人とやり取りし合うって考えると、わくわくしてしまった。
前回父さんたちを処分したときの胸の高鳴りが、いまだに忘れられないんだ。
それを思い出しただけで、アドレナリンが大量に出て、うれしさが止まらないんだ。
「いってきまぁ~す」
「ちょっと待ってよお兄ちゃん!!行ってきます!!」
ルリも事件の事を考えると、一緒に登校した方がいいだろうってなった。
急いで準備したせいか、ルリの髪型が少し跳ねているけど、本人があまり気にしていないみたいだし、学校で直してあげれば問題ないな。
「いってきま、って、うわぁ~ああぁあぁあ!!」
そんなことを考えていると、ルリは慌て過ぎたのか、玄関の段差で見事につまずいてしまった。
倒れないように何とか堪えていると、そこをすかさず助ける輝。
今回の輝もイケメン王子様前回らしいね。
どこかでちょっとダメダメな残念王子様の輝が出てきてもいい気がするんだけど。
どこまで行ってもキャラクターガチャでいい引きをするみたいだね。
「どうしたの悠一?」
「なんでもないよ。ただ輝はイケメン男子だなと再認識しただけさ」
僕は肩をすくめながら、先に家の門を出る。
それを慌てたように二人は追いかけてきて、いつもの通学風景に変わる。
今回もやっぱり何も変わってない。
ハナは居なくなっていて、おじさんが探し回る。
とは言え、ハナというオブジェクトがなくなったくらいで、そこまで慌てなくてもいいのにな?
まあ、見つけたら持って帰ってやればいいかな?
「心配だね悠一……」
「ほんと、輝って良い奴だよな……」
オブジェクト一個無くなったくらいで、それほどおじさんをきにかけるとか、どれだけいい奴なんだよ……
これじゃあ僕がろくでなしみたいじゃないか。
まあいいんだけどね。
周囲に気を配ると、顔を真っ黒に塗りつぶされたみたいな学生たちが、心臓破りの急こう配に向かって歩いている。
誰も彼も表情はなく、ただ決まったプログラムに沿って動いているようにしか見えなかった。
そう言えばおじさんは……ってやっぱり。
同じ行動をずっと繰り返してる。
あっち行ったり、こっち行ったり。
ずっと「ハナ~、ハナ~」って、プログラムのリピート機能みたいだ。
なんだか世界がつまらなくなってきた……
昨日みたいな刺激的な事が一つでもあれば、僕の世界が色付くんだけど……
さすがにあれを超えることはないよね。
それから心臓破りの急こう配のふもとで、妹の同級生と合流する。
やっぱり同級生らも真っ黒く塗りつぶされていて、感情が全く感じられなかった。
「やっぱり変だぞ?」
「いや、なんでもないって。ただ、つまらないなって思っただけだから」
輝が心配したのか、僕の顔を覗き込んできた。
周囲ではキャーキャー聞こえてきたけど、僕はBLの趣味はない。
ただ、輝がイケメンだから絵になるだけで、そうでもない僕なんてただのMOBでしかないんだから。
それはそうと、愛理は?
まだ来てないみたいだけど……
「ごめん!!遅くなっちゃった!!」
いつもの合流場所に遅れてやってきた愛理。
息を切らせつつ、なんとか呼吸を整えようと深呼吸を繰り返す。
漏れると息が、なぜか生々しく感じてしまう。
夏の暑さのせいか、軽く汗ばんだ肌が、魅力的に感じてしまった。
「どうしたの悠一君?」
「なんでもないよ。それよりもどうしたのさ。珍しく走ってきて。いつもなら僕たちを待ってる感じなのに」
愛理に僕の感情がばれないか心配になったけど、うまく話をそらせたはず。
と言っても、愛理がこれだけ走ってくるなんて珍しいを通り越して、奇妙過ぎた。
これには輝も同感らしい。
愛理を気遣いつつ、汗をぬぐうためにハンカチを差し出していた。
ここでもイケメン王子様が爆発してやがる!!
僕には無理な対応だけに、悔しい気持ちは……なくはないかな?
とりあえず、輝は何処まで行っても王子様で安心したよ。
「ん?どうしたの輝?」
「あ、いや……悠一に渡そうとしたものを忘れてきたみたいでさ。時間的には……うん、戻っても問題なさそうだ。」
腕時計……それもしかして推し活の?を確認した輝は、慌てて今来た道を戻っていった。
輝は大丈夫って言ってたけど、結構ギリギリな気もするけどね。
まあ、輝が良いっていうんだから問題ないね。
「いこっか」
「そうだね」
僕と愛理は互いに見合い、そしてこの急こう配を登り始めた。
そう言えば最初の時もこんな感じの時に殺されたっけ……
規定通りの時間に、輝の到着を知らせるチャイムが鳴る。
僕は学校の準備を終えると、すぐに一階に向かう。
「おはよう輝」
「おはよう悠一。今日はなんだかご機嫌みたいだね?」
あれ?分かったった?
犯人とやり取りし合うって考えると、わくわくしてしまった。
前回父さんたちを処分したときの胸の高鳴りが、いまだに忘れられないんだ。
それを思い出しただけで、アドレナリンが大量に出て、うれしさが止まらないんだ。
「いってきまぁ~す」
「ちょっと待ってよお兄ちゃん!!行ってきます!!」
ルリも事件の事を考えると、一緒に登校した方がいいだろうってなった。
急いで準備したせいか、ルリの髪型が少し跳ねているけど、本人があまり気にしていないみたいだし、学校で直してあげれば問題ないな。
「いってきま、って、うわぁ~ああぁあぁあ!!」
そんなことを考えていると、ルリは慌て過ぎたのか、玄関の段差で見事につまずいてしまった。
倒れないように何とか堪えていると、そこをすかさず助ける輝。
今回の輝もイケメン王子様前回らしいね。
どこかでちょっとダメダメな残念王子様の輝が出てきてもいい気がするんだけど。
どこまで行ってもキャラクターガチャでいい引きをするみたいだね。
「どうしたの悠一?」
「なんでもないよ。ただ輝はイケメン男子だなと再認識しただけさ」
僕は肩をすくめながら、先に家の門を出る。
それを慌てたように二人は追いかけてきて、いつもの通学風景に変わる。
今回もやっぱり何も変わってない。
ハナは居なくなっていて、おじさんが探し回る。
とは言え、ハナというオブジェクトがなくなったくらいで、そこまで慌てなくてもいいのにな?
まあ、見つけたら持って帰ってやればいいかな?
「心配だね悠一……」
「ほんと、輝って良い奴だよな……」
オブジェクト一個無くなったくらいで、それほどおじさんをきにかけるとか、どれだけいい奴なんだよ……
これじゃあ僕がろくでなしみたいじゃないか。
まあいいんだけどね。
周囲に気を配ると、顔を真っ黒に塗りつぶされたみたいな学生たちが、心臓破りの急こう配に向かって歩いている。
誰も彼も表情はなく、ただ決まったプログラムに沿って動いているようにしか見えなかった。
そう言えばおじさんは……ってやっぱり。
同じ行動をずっと繰り返してる。
あっち行ったり、こっち行ったり。
ずっと「ハナ~、ハナ~」って、プログラムのリピート機能みたいだ。
なんだか世界がつまらなくなってきた……
昨日みたいな刺激的な事が一つでもあれば、僕の世界が色付くんだけど……
さすがにあれを超えることはないよね。
それから心臓破りの急こう配のふもとで、妹の同級生と合流する。
やっぱり同級生らも真っ黒く塗りつぶされていて、感情が全く感じられなかった。
「やっぱり変だぞ?」
「いや、なんでもないって。ただ、つまらないなって思っただけだから」
輝が心配したのか、僕の顔を覗き込んできた。
周囲ではキャーキャー聞こえてきたけど、僕はBLの趣味はない。
ただ、輝がイケメンだから絵になるだけで、そうでもない僕なんてただのMOBでしかないんだから。
それはそうと、愛理は?
まだ来てないみたいだけど……
「ごめん!!遅くなっちゃった!!」
いつもの合流場所に遅れてやってきた愛理。
息を切らせつつ、なんとか呼吸を整えようと深呼吸を繰り返す。
漏れると息が、なぜか生々しく感じてしまう。
夏の暑さのせいか、軽く汗ばんだ肌が、魅力的に感じてしまった。
「どうしたの悠一君?」
「なんでもないよ。それよりもどうしたのさ。珍しく走ってきて。いつもなら僕たちを待ってる感じなのに」
愛理に僕の感情がばれないか心配になったけど、うまく話をそらせたはず。
と言っても、愛理がこれだけ走ってくるなんて珍しいを通り越して、奇妙過ぎた。
これには輝も同感らしい。
愛理を気遣いつつ、汗をぬぐうためにハンカチを差し出していた。
ここでもイケメン王子様が爆発してやがる!!
僕には無理な対応だけに、悔しい気持ちは……なくはないかな?
とりあえず、輝は何処まで行っても王子様で安心したよ。
「ん?どうしたの輝?」
「あ、いや……悠一に渡そうとしたものを忘れてきたみたいでさ。時間的には……うん、戻っても問題なさそうだ。」
腕時計……それもしかして推し活の?を確認した輝は、慌てて今来た道を戻っていった。
輝は大丈夫って言ってたけど、結構ギリギリな気もするけどね。
まあ、輝が良いっていうんだから問題ないね。
「いこっか」
「そうだね」
僕と愛理は互いに見合い、そしてこの急こう配を登り始めた。
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