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最悪な再会
一話 下
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一話 下
二十一のとき、芸能界から去ってすぐに引っ越した。それから一年はどこにも出かけずにニート生活をしていた。幸いお金には困っていなかった。ほとぼりが冷めるまではと引きこもりを続けていた。だいたい一年経つと人は忘れる生き物だ。
一年半経った頃、俺は家の近くにあったこのバーでよく飲むようになった。ゲイバーだということは知っていた。そういう目的で行っていたわけではないが、雰囲気が特に好きだった。強制もなく、自由に自分を出し、笑い合う。語り合って、涙を流して肩を組合ながら酒を飲む。あぁ、なんかいいのが書けそうだとその光景を見て、また俺は歌詞と作曲作りに没頭した。
「もう歌わないの?」
メモを書くようになってからイクミに声をかけられたのが全てのきっかけだった。
ここのオーナーがRENの熱烈ファンで、また歌うことを伝えるとすっ飛んで来てくれた。あの小さなライブハウスを紹介してくれたのもオーナーだ。「もっと大きな会場なら良かったんだけど」と話してくれたが、俺にとっては「安心できる狭さだ」とお礼をいうと泣かれてしまった。突然のことに驚くが、「あなたの歌で救われて今がある」と手を握られた。そして「また歌ってくれて本当に嬉しい」と笑顔を向けられ思わず俺も泣いてしまった。
隣で聞いていたイクミも俺のファンで、初めて来店してくれた時から気づいていたらしい。誰だって雰囲気でわかるわよと言われ、ちらりと周りを見れば皆が俺を見てはきゃっきゃっと騒いでいた。時々感じる目線はこれだったかと安堵した。
俺のファンばかりでここはそういう溜まり場だという。なるほど、だから外見等に惹かれてここに入ったのは俺の好みを揃えていたからか。俺はまんまと導かれたというわけだ。
けれど独りが基本好きな俺に皆はあまり構わないように見守っていてくれていた。
半年間の準備を得て、再びステージに戻ってきた蓮。書き留めていたものを紡いで、曲に息を吹き込むだけだ。
オープニングとしてピアノと遊ぶかのように蓮は無邪気に弾いていく。一曲目の前奏を流してから目を閉じ、深呼吸をする。そして、マイクに向かって俺を刻み込ませた。
もう過去のものは歌わない。今のままの自分を、魂を、再現する。
咆哮のような風が吹き荒れる中で、繊細な花が強く生きてる。その在り方を人は美しいと謳う。そんな風になりたいと蓮は自分を強く奮い立たせる。
誰のためでもない。自分が生きるために、俺は歌っているんだ。
そして今日もまた、週末だけに海の底から地上に湧き上がる泡沫の恋を叫んでいる。
新しい居場所にも慣れ、早くも三年が経った。二十六になった俺は、すっかりここの常連だ。マスターのイクミとも仲良くなり、恋愛相談も兼ねて愚痴を言い合ったりしている。
「つか、なんなんだよ、そもそも普通って。好きになる事がそんなおかしいかよ。ただ相手が同性なだけだろ」
「捉え方なんでしょうね。それを異常とみなすか否か」
「例えばさ、痴漢やストーカーは犯罪だろ? プレイはともかく」
「やっだ~急に何。え、そういうプレイすきなの?」
「…わかんね。相手によるが…悪くねぇかも」
蓮は深く考えず、飲みながら答える。
「ちょっとだいぶ酔ってない? 普段より素直すぎじゃない…かわいい」
「かわいいっていうな。話が脱線したじゃねぇか。だからさ、小学生が好きで未成年に手を出すロリコンでもねぇし、俺らは犯罪を犯してるわけじゃないじゃん。けどさ、どっちが悪なんだと思う?」
「そりゃ犯罪者でしょ」
イクミは考えるまでも無く即答した。
「それが普通だよな。それで? 俺らをまるでその犯罪者と同じ扱いってどうなんだよ。俺は、もう慣れちまったけどさ、それで誰かが傷つくのは、なんか…ちげぇだろ」
蓮はどこか寂しい声で不貞腐る。
「蓮ちゃん…。ていうか今日よく喋るなと思ったら何杯飲んでんのよ! ちょっと飲み過ぎよ! ほら、水飲んで!」
「ん…さんきゅ……」
イクミがギリギリまで水を入れたグラスを渡してくれた。少しこぼれた水が頭にかかるのを気持ちよさそうに蓮は顔を上げて、その水を飲むと再びテーブルに伏せた。
「慣れてしまうのもどうかと思うけどね、私は」
「俺はさ、どっちかって…、いうと…さ…」
「ちょっと寝ないでよね!」
イクミは少し怒った口調で、途切れ途切れに話す蓮の頭にデコピンを食らわせた。
「いてっ……。やっぱ犯罪寄りなんだよな、俺の場合」
ボソッと消える声で蓮は瞳を閉じていく。当てられた場所をさすりながらもそのくらいの痛みでは眠気に勝てなかったようでゆらゆらと揺れる蓮。
「ちょっと! だから寝んなっての。何、なんか言った? はぁ…水、まだ置いておくから。シャキッと目が開けられるようになったら帰んなよ」
「寝込みに…、襲うなよ…」
「襲うわけないでしょ‼︎ つか、まじで寝んな! それに、あんたタイプじゃないって最初に言ったっしょ」
「…歌声だけかよ、ひでぇやつ……」
酒が回っているせいか心にもないことに悪態を吐く。
「そうね、酷いわほんと。みんなあなたの歌に心奪われて、離れられなくなっちゃった。…蓮ちゃんはさ、私たちの光みたいなところあるから」
イクミがまるで母親のような眼差しを向けられているのを感じた。
「何…光…? 俺が? ただ歌って…鬱憤晴らしてるだけの…しょうもない男だぞ」
「でも、それで救われている人がたくさん居るわよ。私やここの人たちは」
そうやって胸を張って言ったイクミの声は嬉しそうだった。
イクミは初めてできた同性の彼氏に舞い上がっていたのか、彼の落とし穴にまんまと落ちたのだ。簡単に言うとそういうゲイのフリをして近づいて、いい金づるとして付き合っていらしい。イクミは嬉しさの方が強かった反動で殴って別れたらしいが、辛い経験をしたあとだった。蓮の歌を聞いて励まされたという。別れた時は泣かなかったイクミが初めてのライブで聞いた後、大泣きしたらしい。「私だけじゃないんだって、勇気を貰ったわ」とイクミに会った時に言われた言葉だ。それは今も蓮の胸にも深く刻み込まれている。
「う、ん。ありがと…この水飲んだら帰るよ」
そういって一気に水を飲み干した。まだフラフラと身体が揺れている蓮が立ち上がる。
「えっ、ちょっと一人で大丈夫? タクシー呼んであげようか」
「大丈夫だって…すぐそこだし」
蓮が家のある方向へと指を指す。イクミは家の場所を知っているため大きなため息をついた。
「いや、指の方向違ってんじゃん。待ってて、携帯取りに行ってくるから」
「ん、またな」
「絶対帰る気でしょ、駄目だからね! 大人しく待ってなさい」
蓮にもう一度デコピンを食らわせると、イクミは休憩室に置いてある自分の携帯を持ちに走っていった。
蓮はそれを見届けてから、ふらりふらりとしながらもフードを被って出口に向かっていった。
イクミが数分も立たず戻ってきた頃には蓮の姿はなかった。
「あの、馬鹿。大人しくタクシーで帰りなさいって言ったのに!」
携帯急いで持ちに行った意味がないじゃないのよと声を荒げる。猿のようにキーキー言うものだから他のバーテンダーがイクミに声を掛ける。
「大丈夫じゃないですか? 平気そうに歩いてましたし」
「違う、そっちの心配じゃなくてね。変なファンもいないわけではないから…ほら、襲われるかもしれないっていうそっちのね」
ここはゲイバーなのだ。基本的にコミュニケーションをしたりする場なのだが、相手を探している人もいる。そういった目的だけに来店する客がいないわけではない。
「あっ…、迂闊でした。普段はあまり酔わない人ですからいつもの様に見送ってしまいました…。すいません、引き止めるべきでした」
「いいの、いいの。私が目を離したのが悪かったから。はぁ…無事だといいけど」
蓮は酔ってはいるが、足元はしっかりしていた。ふらふら身体は揺れているが。
そこまで遠くはない家へと順調に帰っていた。ただ眠たいせいなのか視界がぼやけており、歩くスピードも遅い。深夜だからといって人がいないわけでもなく、むしろ夜は賑わっている。大学生のサークルの飲み会やクラブや、夜のデート。夜だからこそ煌びやかに輝いている東京の新宿。蓮は眩しいぐらいの街並み風景に余計と眩暈が増す。少し寝てもいいだろうかと電柱にもたれ掛かり倒れ込む。大人しくタクシーで帰れば良かったとイクミの忠告にいまさら後悔する蓮。
こんな所で寝たら財布やスマホも盗られてしまう。身の危険が無いとは限らないが、どうしようもない眠気に勝てない。蓮はスマホを取り出しイクミに電話をしようとした時だった。
「兄さん…?」
二十一のとき、芸能界から去ってすぐに引っ越した。それから一年はどこにも出かけずにニート生活をしていた。幸いお金には困っていなかった。ほとぼりが冷めるまではと引きこもりを続けていた。だいたい一年経つと人は忘れる生き物だ。
一年半経った頃、俺は家の近くにあったこのバーでよく飲むようになった。ゲイバーだということは知っていた。そういう目的で行っていたわけではないが、雰囲気が特に好きだった。強制もなく、自由に自分を出し、笑い合う。語り合って、涙を流して肩を組合ながら酒を飲む。あぁ、なんかいいのが書けそうだとその光景を見て、また俺は歌詞と作曲作りに没頭した。
「もう歌わないの?」
メモを書くようになってからイクミに声をかけられたのが全てのきっかけだった。
ここのオーナーがRENの熱烈ファンで、また歌うことを伝えるとすっ飛んで来てくれた。あの小さなライブハウスを紹介してくれたのもオーナーだ。「もっと大きな会場なら良かったんだけど」と話してくれたが、俺にとっては「安心できる狭さだ」とお礼をいうと泣かれてしまった。突然のことに驚くが、「あなたの歌で救われて今がある」と手を握られた。そして「また歌ってくれて本当に嬉しい」と笑顔を向けられ思わず俺も泣いてしまった。
隣で聞いていたイクミも俺のファンで、初めて来店してくれた時から気づいていたらしい。誰だって雰囲気でわかるわよと言われ、ちらりと周りを見れば皆が俺を見てはきゃっきゃっと騒いでいた。時々感じる目線はこれだったかと安堵した。
俺のファンばかりでここはそういう溜まり場だという。なるほど、だから外見等に惹かれてここに入ったのは俺の好みを揃えていたからか。俺はまんまと導かれたというわけだ。
けれど独りが基本好きな俺に皆はあまり構わないように見守っていてくれていた。
半年間の準備を得て、再びステージに戻ってきた蓮。書き留めていたものを紡いで、曲に息を吹き込むだけだ。
オープニングとしてピアノと遊ぶかのように蓮は無邪気に弾いていく。一曲目の前奏を流してから目を閉じ、深呼吸をする。そして、マイクに向かって俺を刻み込ませた。
もう過去のものは歌わない。今のままの自分を、魂を、再現する。
咆哮のような風が吹き荒れる中で、繊細な花が強く生きてる。その在り方を人は美しいと謳う。そんな風になりたいと蓮は自分を強く奮い立たせる。
誰のためでもない。自分が生きるために、俺は歌っているんだ。
そして今日もまた、週末だけに海の底から地上に湧き上がる泡沫の恋を叫んでいる。
新しい居場所にも慣れ、早くも三年が経った。二十六になった俺は、すっかりここの常連だ。マスターのイクミとも仲良くなり、恋愛相談も兼ねて愚痴を言い合ったりしている。
「つか、なんなんだよ、そもそも普通って。好きになる事がそんなおかしいかよ。ただ相手が同性なだけだろ」
「捉え方なんでしょうね。それを異常とみなすか否か」
「例えばさ、痴漢やストーカーは犯罪だろ? プレイはともかく」
「やっだ~急に何。え、そういうプレイすきなの?」
「…わかんね。相手によるが…悪くねぇかも」
蓮は深く考えず、飲みながら答える。
「ちょっとだいぶ酔ってない? 普段より素直すぎじゃない…かわいい」
「かわいいっていうな。話が脱線したじゃねぇか。だからさ、小学生が好きで未成年に手を出すロリコンでもねぇし、俺らは犯罪を犯してるわけじゃないじゃん。けどさ、どっちが悪なんだと思う?」
「そりゃ犯罪者でしょ」
イクミは考えるまでも無く即答した。
「それが普通だよな。それで? 俺らをまるでその犯罪者と同じ扱いってどうなんだよ。俺は、もう慣れちまったけどさ、それで誰かが傷つくのは、なんか…ちげぇだろ」
蓮はどこか寂しい声で不貞腐る。
「蓮ちゃん…。ていうか今日よく喋るなと思ったら何杯飲んでんのよ! ちょっと飲み過ぎよ! ほら、水飲んで!」
「ん…さんきゅ……」
イクミがギリギリまで水を入れたグラスを渡してくれた。少しこぼれた水が頭にかかるのを気持ちよさそうに蓮は顔を上げて、その水を飲むと再びテーブルに伏せた。
「慣れてしまうのもどうかと思うけどね、私は」
「俺はさ、どっちかって…、いうと…さ…」
「ちょっと寝ないでよね!」
イクミは少し怒った口調で、途切れ途切れに話す蓮の頭にデコピンを食らわせた。
「いてっ……。やっぱ犯罪寄りなんだよな、俺の場合」
ボソッと消える声で蓮は瞳を閉じていく。当てられた場所をさすりながらもそのくらいの痛みでは眠気に勝てなかったようでゆらゆらと揺れる蓮。
「ちょっと! だから寝んなっての。何、なんか言った? はぁ…水、まだ置いておくから。シャキッと目が開けられるようになったら帰んなよ」
「寝込みに…、襲うなよ…」
「襲うわけないでしょ‼︎ つか、まじで寝んな! それに、あんたタイプじゃないって最初に言ったっしょ」
「…歌声だけかよ、ひでぇやつ……」
酒が回っているせいか心にもないことに悪態を吐く。
「そうね、酷いわほんと。みんなあなたの歌に心奪われて、離れられなくなっちゃった。…蓮ちゃんはさ、私たちの光みたいなところあるから」
イクミがまるで母親のような眼差しを向けられているのを感じた。
「何…光…? 俺が? ただ歌って…鬱憤晴らしてるだけの…しょうもない男だぞ」
「でも、それで救われている人がたくさん居るわよ。私やここの人たちは」
そうやって胸を張って言ったイクミの声は嬉しそうだった。
イクミは初めてできた同性の彼氏に舞い上がっていたのか、彼の落とし穴にまんまと落ちたのだ。簡単に言うとそういうゲイのフリをして近づいて、いい金づるとして付き合っていらしい。イクミは嬉しさの方が強かった反動で殴って別れたらしいが、辛い経験をしたあとだった。蓮の歌を聞いて励まされたという。別れた時は泣かなかったイクミが初めてのライブで聞いた後、大泣きしたらしい。「私だけじゃないんだって、勇気を貰ったわ」とイクミに会った時に言われた言葉だ。それは今も蓮の胸にも深く刻み込まれている。
「う、ん。ありがと…この水飲んだら帰るよ」
そういって一気に水を飲み干した。まだフラフラと身体が揺れている蓮が立ち上がる。
「えっ、ちょっと一人で大丈夫? タクシー呼んであげようか」
「大丈夫だって…すぐそこだし」
蓮が家のある方向へと指を指す。イクミは家の場所を知っているため大きなため息をついた。
「いや、指の方向違ってんじゃん。待ってて、携帯取りに行ってくるから」
「ん、またな」
「絶対帰る気でしょ、駄目だからね! 大人しく待ってなさい」
蓮にもう一度デコピンを食らわせると、イクミは休憩室に置いてある自分の携帯を持ちに走っていった。
蓮はそれを見届けてから、ふらりふらりとしながらもフードを被って出口に向かっていった。
イクミが数分も立たず戻ってきた頃には蓮の姿はなかった。
「あの、馬鹿。大人しくタクシーで帰りなさいって言ったのに!」
携帯急いで持ちに行った意味がないじゃないのよと声を荒げる。猿のようにキーキー言うものだから他のバーテンダーがイクミに声を掛ける。
「大丈夫じゃないですか? 平気そうに歩いてましたし」
「違う、そっちの心配じゃなくてね。変なファンもいないわけではないから…ほら、襲われるかもしれないっていうそっちのね」
ここはゲイバーなのだ。基本的にコミュニケーションをしたりする場なのだが、相手を探している人もいる。そういった目的だけに来店する客がいないわけではない。
「あっ…、迂闊でした。普段はあまり酔わない人ですからいつもの様に見送ってしまいました…。すいません、引き止めるべきでした」
「いいの、いいの。私が目を離したのが悪かったから。はぁ…無事だといいけど」
蓮は酔ってはいるが、足元はしっかりしていた。ふらふら身体は揺れているが。
そこまで遠くはない家へと順調に帰っていた。ただ眠たいせいなのか視界がぼやけており、歩くスピードも遅い。深夜だからといって人がいないわけでもなく、むしろ夜は賑わっている。大学生のサークルの飲み会やクラブや、夜のデート。夜だからこそ煌びやかに輝いている東京の新宿。蓮は眩しいぐらいの街並み風景に余計と眩暈が増す。少し寝てもいいだろうかと電柱にもたれ掛かり倒れ込む。大人しくタクシーで帰れば良かったとイクミの忠告にいまさら後悔する蓮。
こんな所で寝たら財布やスマホも盗られてしまう。身の危険が無いとは限らないが、どうしようもない眠気に勝てない。蓮はスマホを取り出しイクミに電話をしようとした時だった。
「兄さん…?」
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